JP2559243Y2

JP2559243Y2 - 編機用ゴム糸給糸装置

Info

Publication number: JP2559243Y2
Application number: JP1989146976U
Authority: JP
Inventors: 千晴渡辺; 定雄斎藤
Original assignee: WAC Data Service Co Ltd
Current assignee: WAC Data Service Co Ltd
Priority date: 1989-12-22
Filing date: 1989-12-22
Publication date: 1998-01-14
Anticipated expiration: 2004-12-22
Also published as: JPH0385492U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、編機、特に靴下編機においてゴム糸を供給
するための給糸装置に関するものである。

［従来の技術］および［その解決課題］靴下にあっては、所定位置範囲にゴム糸を編込むこと
が行われている。例えば、靴下の口部に編込まれたゴム
糸は、靴下のずり下がりを防止する。

靴下を編機において編む時には、一般の編糸（非弾性
糸）に加えて、ゴム糸（弾性糸）を別に編機に送り込み
する必要がある。

当該ゴム糸の給糸装置として、回転盤（円盤）の定位
置にローラを接触させ、回転盤の回転に伴ない当該定位
置のローラを回転させ、これら回転盤とローラ間に通し
たゴム糸を送り出しするようにした装置がある。

一方、給糸ロールに圧力ロールを接触させて、当該給
糸ロールの回転に伴ない当該圧力ロールを回転させて、
同様にしてゴム糸を送り出しするようにした装置もあ
る。

しかし、前者の装置では、上記ローラが回転盤の定位
置にあるために、ゴム糸の送り出しは常に一定量とな
り、その為に、例えば、靴下の足筒部において、細い部
分を基準にすると、太い部分がきつくなったり、一方、
太い部分を基準にすると、細い部分が足を締付けない等
の欠点があり、実公昭59-2051号公報では、上記ローラ
の円盤上の位置をモータを用いて変化させ、当該円盤の
周縁方向ではゴム糸の送りを早くし、その中心方向では
その送りを遅くするようにした送り装置が提案されてい
る。

また、後者の装置でも、ゴム糸の供給量を可変（調
節）させるために、特開平1-118650号公報では、作動デ
ィスク上に駆動ホイールを接触させ、当該駆動ホイール
の当該ディスク上の位置をステップモータの制御により
調節するようにしたゴム糸の供給量調節機構を備えた給
糸装置が提案されており、当該装置に組込まれた調節機
構自体の原理は上記実公昭59-2051号公報のものと同様
である。

しかし、これら公報で提案されたゴム糸の送り量調節
機構を備えた給糸装置では、それら円盤や作動ディスク
は、編機の編成シリンダーと連動させたもので、当該シ
リンダーの回転に左右されること、ローラの円盤や作動
ディスク上の位置変化によりゴム糸の送り量を調節する
際に誤差を生じ易く、ゴム糸の送りスピードにむらを生
じ、製品品質に影響を与え、また、ゴム糸の太さ、材質
などの変化に充分対応し難い。

そこで、本考案はかかる従来技術の有する欠点を解消
したゴム糸の給糸装置を提供することを目的としたもの
である。

本考案の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴
は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになる
であろう。

［課題を解決するための手段］本考案は、靴下編機などの編機において、ゴム糸を供
給するための給糸装置であって、当該ゴム糸の送り込み
用ロータに、該ゴム糸の送り込み用ロータの回転に伴な
い回転するようにガイドロールを圧接して、当該ゴム糸
をこれらゴム糸の送り込み用ロータとガイドロール間を
通して供給するようにした給糸装置において、当該装置
は、編機における編成シリンダーの回転に連動させずに
独自に前記ゴム糸の送り込み用ロータを回転させるモー
タを設置してなり、かつ、該モータの回転軸に磁気セン
サ機構を付設し、当該磁気センサと当該モータとをそれ
ぞれゴム糸送り込み用制御装置に電気的に接続して、当
該磁気センサの検出情報を当該ゴム糸送り込み用制御装
置に送信するとともに、該ゴム糸送り込み用制御装置か
らの出力信号を当該モータに送信して、当該モータによ
る前記ゴム糸の送り込み用ロータの回転を制御するよう
にしたことを特徴とする編機のゴム糸給糸装置に存す
る。

［作用］本考案では、当該ゴム糸給糸装置において、ゴム糸の
送り込み用ロータを独自に回転させるモータ（以下、駆
動用モータという）を設ける。

即ち、従来では、前記の如く円盤や作動ディスクは、
編機の編成シリンダーと連動させているが、本考案では
ゴム糸の送り込み用ロータを編成シリンダーと連動させ
ずに、当該ロータを独自に回転駆動させることのできる
駆動用モータを別に設け、当該モータにより回転させ
る。

そして、当該モータの回転軸に、磁気センサ機構を付
設する。当該磁気センサ機構の例は、複数の永久磁石を
等間隔で埋設した回転体と、磁気センサ（回転センサ）
を搭載した回路基板とを備えてなり、前者の永久磁石を
有する回転体を、駆動用モータの回転軸に装着し、当該
回転軸の回転とともに回転させ、一方、前記磁気センサ
（例えばホール素子よりなる）搭載回路基板を、当該モ
ータの回転とは連動させずに、これら永久磁石と磁気セ
ンサとが対向するように、前記回転体と対峙させる。

駆動用モータが駆動すると、磁気センサは、モータの
回転に関する情報を検出する。

本考案では、当該モータ及び磁気センサの各々をゴム
糸送り込み用制御装置と電気的に接続し、上記磁気セン
サの検出情報が当該制御装置に送信（フィードバック）
されるようにし、当該制御装置から当該モータに、この
磁気センサからの検出情報に応じた出力信号が出力され
るようになっている。

即ち、本考案では、このようにして、磁気センサ機構
で検出した情報を、ゴム糸送り込み用制御装置（以下、
単に制御装置という）にフィードバックしつつ、それに
応じて、制御装置からモータにゴム糸の送り込みを適正
化させる信号を出力し、モータの回転をコントロールし
つつ、ゴム糸の送り込みを実施する。

このようにして、本考案では、ゴム糸の送り込み用ロ
ータにガイドロールを圧接して、ゴム糸の送り込みをす
るに、ゴム糸の送り量の調節が可能で、従来例の如く編
機の編成シリンダーの回転に連動させてゴム糸の送り込
み用ローターを作動させるのではないので、当該シリン
ダーの回転に左右されずにゴム糸の送り込みが行なえ、
また、磁気センサ機構が、モータとゴム糸の送り込みロ
ーター間に介装され、ゴム糸の送り込みの適正化が図れ
るので、従来に比して、ゴム糸の送り込みの微妙なコン
トロールが可能となり、ゴム糸の送りスピードにむらを
生じ製品品質に影響を与えたりすることが防止され、ま
た、ゴム糸の太さ、材質などの変化に充分対応し得る。

［実施例］次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第６図は、靴下の丸編機の概略斜視図を示す。第６図
にて、１は当該丸編機の選針装置、２は編成シリンダ
ー、３は編針、４は靴下柄編編成のための制御装置（以
下、パターニング装置という）、５はデコーダ、６は編
成シリンダー駆動用モータ、７は給糸装置、８は編糸
で、当該丸編機の給糸装置７から編糸（非弾性糸）８を
編針３に供給し、当該シリンダー２を回転させ、パター
ニング装置４から送出される柄編（パターン）編成手順
に従い、選針装置１は編針３の上下動などをさせ編目の
編成あるいは未編成などの選針を行なって、柄編靴下が
編成される。

ゴム糸（弾性糸）の給糸においては、適宜位置に以下
に述べるようなゴム糸の給糸装置を組込めばよく、例え
ば、一般の編糸８を供給する給糸装置７に並設すること
ができる。

第１図は本考案によるゴム糸の給糸装置の要部斜視図
を示す。

立設された支持板９の図示表面側下部には、ロータ取
着部10を介して、ゴム糸の送り込み用ロータ11が取付け
られ、当該ロータ11の上部には、ガイドロール12が取付
けられている。ガイドロール12の図示手前側ゴム糸糸道
取着体13の両側からはバー14が突設され、当該バー14の
両端には糸道支持体15が当該バー14に対し斜め下方向に
取着けられ、当該支持体15の下端孔部には糸道16が嵌合
されている。

図示していないがゴム糸は、一方の糸道16を通って、
ゴム糸の送り込み用ロータ11とガイドロール12間を通
り、さらに、他方の糸道16を通される。当該ロータ11に
ガイドロール12を圧接し、当該ロータ11を回転させる
と、当該ガイドロール12も回転して、ゴム糸を丸編機の
編成シリンダ２に給糸する。

支持体９の図示左上端部穴から突出した突出バー17の
端部には下方向にスプリング18を介して、昇降杆取着部
19が懸架され、当該昇降杆取着部19には、昇降杆20の一
端部が取付けられている。該昇降杆20の他端部を上方向
に持上げすると、ガイドロール12がゴム糸の送り込み用
ロータ11に圧接される。ゴム糸の送り込みをしないとき
などは、当該昇降杆20を操作して、これら当該ガイドロ
ール12を当該ロータ11から離しておけばよい。

支持体９の図示裏面側のボックス21の下端部には、上
記ゴム糸の送り込み用ロータ11を回転させる駆動用モー
タ22が取付けられている。

本考案では、当該駆動用モータ22として、ブラシレス
の直流モータであって、後述するゴム糸送り用制御装置
28からパルス波形出力を送出することにより、その回転
速度の調整などをすることができる直流モータを使用す
ることが好ましい。

第２図は当該ゴム糸の給糸装置の一部断面側面図を、
また、第３図に第２図左側から見た当該装置側面図を、
さらに、第４図に第２図Ａ−Ａ′線に沿う断面図を示
す。

図示のように、ゴム糸の送り込み用ロータ11の図示右
端部は、ロータ取着部10の中央を通る回転軸23に固着
し、当該回転軸23の他端部は、駆動用モータ22の回転軸
25と、接手24を介して連結している。

ゴム糸の送り込み用ロータ11を回転駆動させる駆動用
モータ22の回転軸25には、永久磁石を有する回転体26が
固着されている。当該回転体26と隔離して、磁気センサ
を有する回路基板27が支持体９に取付けられている。

第１図および第５図に示すように、駆動用モータ22と
制御装置28とは電気的に接続し、当該制御装置28から当
該モータ22に信号29が送出される。

駆動用モータ22の回転軸25に付設した磁気センサ機構
30は、当該制御装置28に電気的に接続している。

当該磁気センサ機構30では、回転体26に取付けられた
永久磁石260と、回路基板27に搭載された磁気センサ270
とが、離隔対向して配設されている。当該回転体26は、
駆動用モータ22の回転軸25に固着して、当該回転軸25の
回転に伴ない回転するようにする。一方の回路基板27
は、当該ゴム糸給装置のフレーム（図示せず）に固定す
る。当該磁気センサ270は例えばホール素子により構成
され、回転センサとして機能する。その機能の一つは、
駆動用モータ22が駆動し、上記回転体26が回転し、当該
モータ22と連結したゴム糸の送り込み用ロータ11が回転
走行する際に、当該磁気センサ270が、当該回転体26の
回転速度や回転量をセンサし、制御装置28にその検出情
報31を送出（フィードバック）する。

第5A図では回転体26に二個の永久磁石260を埋設した
例を示したが、当該永久磁石260を、例えば第5B図に示
すように、さらに、その数を増加させることにより、極
め細かな回転検出情報を得ることができる。

次に、第5C図および第5E図に示すブロック図により本
考案を更に説明する。

第5C図は、第5D図に示すような上下に一定のゴム幅を
もつゴム糸編成部分Ｙを靴下に編むような場合に適用さ
れる。

制御装置28からパルス29が送出されると、駆動用モー
タ22は高速駆動する。当該モータ22と電気的に接続し、
かつ、当該制御装置28とも電気的に接続した磁気センサ
機構30では、当該モータ22による回転速度や回転量を検
出し、当該制御装置28にその情報をパルス波形によりフ
ィードバックする。当該制御装置28からは、そのフィー
ドバックされた情報に応じて、当該モータ22にゴム糸の
送り込みを適正させる信号（パルス）29を送出し、当該
モータ22の回転を制御する。

編機における編成シリンダー２に付設されたデコーダ
５からは、当該編成シリンダー２の回転速度、回転量な
どの情報が検出され、その検出情報32が、制御装置28に
送出される。

編成シリンダー２とゴム糸送り込み用制御装置28との
間には、スイッチング機構33が介装され、当該スイッチ
ング機構33により、ゴム糸送りのON,Offスイッチ切換が
なされる。

上記制御装置28には、図示のように、例えば、ゴム糸
送り調整装置34を取付けしてもよい。

当該装置34における目盛340に指針341を合わせ、ゴム
幅を設定したり、あるいは、速度調整をしたりすること
ができるようにすると良い。

一方、第5E図に示すブロック図は、第5F図に示すよう
な、ゴム幅の広い部分、ゴム幅の狭い部分をもつゴム糸
編成部分Ｙ′を形成したい場合に適用される。また、当
該ブロック図は、コンピュータを用いたゴム糸の給糸を
行なっている。

前記第5C図に示す実施例では、デコータ５で検出され
た情報（32）をゴム糸送り制御装置28に送出していた
が、この第5E図に示す実施例では、その情報32を、図示
のように、コンピュータの中央演算処理装置（CPU）35
に送出する。

当該CPU35には、周辺装置として、記憶装置36などを
備えている。

前記実施例では、ゴム糸送り調整装置34をゴム糸送り
制御装置28に取付けたが、この実施例では、CPU35に接
続する。当該調整装置34の機能の一例は、第5F図に示す
ような“ひょうたん形”であっても、ゴム糸の番手や色
ちがいなどにより、大き目のひょうたん形になったり、
小さ目のひょうたん形になったりするので、それを調整
する。

［考案の効果］以上本考案によれば、編機シリンダーと連動させず
に、ゴム糸の送り込みが可能で、ゴム糸の送り量の調節
・コントロールが極めて細かく行なうことができ、ゴム
糸の番手などが変化しても、ゴム糸を適切に送ることが
でき、靴下の品質も良好なものを得ることができ、ゴム
糸の給糸として信頼性の高いゴム糸給糸装置を得ること
ができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図は本考案
の実施例を示す一部断面側面図、第３図は本考案の実施
例を示す側面図、第４図は第２図Ａ−Ａ線断面図、第5A
図は本考案の実施例を示す一部断面ブロック図、第5B図
は本考案に使用される永久磁石を有する回転体の平面
図、第5C図は本考案の実施例を示すブロック図、第5D図
は第5C図ブロック図に従うゴム糸編成部分の説明図、第
5E図は本考案の他の実施例を示すブロック図、第5F図は
第5E図ブロック図に従うゴム糸編成部分の説明図、第６
図は、編機の説明図である。１……編機２……編成シリンダー 11……ロータ 12……ガイドロール 22……駆動用モータ 25……回転軸 26……回転体 260……永久磁石 27……回路基板 270……磁気センサ 29……信号 30……磁気センサ機構 31……検出情報

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】靴下編機などの編機において、ゴム糸など
の弾性特性を有する糸（以下ゴム糸という）を供給する
ための給糸装置であって、当該ゴム糸の送り込み用ロー
タに、該ゴム糸の送り込み用ロータの回転に伴ない回転
するようにガイドロールを圧接して、当該ゴム糸をこれ
らゴム糸の送り込み用ロータとガイドロール間を通して
供給するようにした給糸装置において、当該装置は、編
機における編成シリンダーの回転に連動させずに独自に
前記ゴム糸の送り込み用ロータを回転させるモータを設
置してなり、かつ、該モータの回転軸に磁気センサ機構
を付設し、当該磁気センサと当該モータとをそれぞれゴ
ム糸送り込み用制御装置に電気的に接続して、当該磁気
センサの検出情報を当該ゴム糸送り込み用制御装置に送
信するとともに、該ゴム糸送り込み用制御装置からの出
力信号を当該モータに送信して、当該モータによる前記
ゴム糸の送り込み用ロータの回転を制御するようにした
ことを特徴とする編機用ゴム糸給糸装置。
【請求項２】磁気センサ機構が、複数の永久磁気を有す
る回転体と、該回転体と対向させて配置した磁気センサ
とを具備して成り、当該回転体を、ゴム糸の送り込み用
ロータを回転させるモータの回転軸に固設し、当該モー
タの回転軸と連動させるようにした請求項１に記載の編
機用ゴム糸給糸装置。