JP2558913Y2 - 洋風ユニットバスルーム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、浴槽，便器，洗面器を
設備として有する洋風ユニットバスルームに関するもの
である。

【０００２】

【技術背景】洋風ユニットバスルームとして浴槽、便
器、洗面器付きカウンターを平面視で川の字状に並設し
たタイプのものが知られている。 このタイプの洋風ユニ
ットバスルームは中央に配置される便器の後部に便器洗
浄用ロータンクを備え、物載せスペースがカウンター以
外に無いことから壁パネルに収納棚を埋設している。 し
かし、現実問題として便器洗浄用タンクの露呈は内装性
を害してしまう。更に、収納棚の埋設は壁パネルの組立
作業と別工程で行われるため、ユニットバスルームの構
築が複雑化してしまう。 また、床面に座って洗髪，洗体
を行なう和風ユニットバスルームと比べて床面を直接的
に使用しないことから、照明装置の照度が小さく、床面
が暗くなりがちである。

【０００３】これは便器，洗面器付カウンター等の設備
が、影を作ることで更に助長される。

【０００４】その為、床面の隅々まで目が行き届きにく
く、満足な清掃作業が行なえない。また、洋風ユニット
バスルームは和風ユニットバスルームと異なり、床面が
水に濡れないことから装飾性に秀でたカーペット，絨毯
等を敷設することが多々あるが、暗くなりがちであるこ
とから、その装飾的美観を惹き出せない。

【０００５】本考案は上記従来事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とする処は、便器洗浄用ロータンクの露
呈及び床面の暗さ故に生じる内装性や装飾的美観の悪さ
を解消し、併せて簡単に物載せ面を付設する洋風ユニッ
トバスルームを提供することにある。

【０００６】上記目的を達成するために講じた技術的手
段は、浴槽、便器、洗面化粧台を平面視で川の字状に並
設した洋風ユニットバスルームであって、浴槽に相対す
る床パンにおける他側縁部と浴槽の一短辺部に隣設する
床パンにおける中央側縁部とに連続して平面視Ｌ型の段
部を一体成形し、該他側部の段部を便器洗浄用ロータン
クを収容した洗面化粧台の据付部、中央側縁部の段部を
物載せ部、その前面を便器後側の取合部とし、且つ洗面
化粧台のエプロンに便器を設置した床面及び物載せ部兼
用の照明手段を設けていることを要旨とする。

【０００７】

【作 用】上記技術的手段は下記の作用を奏する。本洋
風ユニットバスルームは浴槽に相対する床パンにおける
他側縁部に設けた段部に便器洗浄用ロータンクを収容し
た洗面化粧台を据付、床パンにおいてその段部に連設し
て形成した便器背後の段部を物載せ部としている。 その
ため、便器洗浄用ロータンクを視認不能に収容して内装
性の向上を図った上に便器洗浄用ロータンクの占有スペ
ースを有効利用して物載せ部を形成できる。 また、照明
手段で便器を囲繞する床面や物載せ部上に載置したイン
テリアや浴槽用備品等を照射する。

【０００８】

【考案の効果】本考案は以上のように便器洗浄用ロータ
ンクの存在を便器背後から見えないように隠し、尚且つ
その便器洗浄用ロータンクの本来の取付スペースに物載
せ部を一体成形で床パンに形成している。 依って、便器
洗浄用ロータンク露呈による内装性の悪さを解決した上
で簡単に物載せ部を確保できる。 しかも、床面及びその
床面に敷設するカーペット、絨毯等の敷物ばかりでな
く、物載せ部に載置したインテリアをも明るくするの
で、床面の清掃を隅々まで満足して行えるばかりでな
く、敷物、インテリアの装飾的効果を有効に惹き出し豪
華な洋風ユニットバスルームを提供することができる。
また、平面視Ｌ型の段部を床パンに一体成形したことに
よって洋風ユニットバスルーム自体の剛性も高まり、堅
牢な洋風ユニットバスルームの提供を可能にすることが
できる。

【０００９】

【実施例】次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１乃至図４は本考案洋風ユニットバスルームの
実施例を示している。

【００１０】図１乃至図４において、Ａはユニットバス
ルーム本体であり、浴槽１を一体成形したＦＲＰ等の合
成樹脂製床基体ａ１周縁の壁載せ面ａ１’に壁パネル
２’からなる側壁２を立設すると共に、上部開口を閉口
している。斯るユニットバスルーム本体Ａには、浴槽１
と対向する他側縁部全長及び浴槽１の一短辺部に連続す
る床パンａ１部分に、上面を水平面３’とする段部３を
室内側へ膨出形成してなり、浴槽１と対向する他側縁部
に膨出形成されたその第１段部3a上の側壁２から突設す
る洗面器付カウンター４と、その第１段部3aとの間を着
脱可能なエプロン５で被蓋し、浴槽１の一短辺部に連続
するその第２段部3bに後面を添接して、便器６を据付け
ている。前記洗面器付きカウンター４と前記エプロン５
とで洗面化粧台400 を構成している。

【００１１】洗面器付カウンター４は、上記第１段部3a
と同一長さに形成し且つ所望手段で側壁２に固定すると
共に、洗面器4aを、前記第２段部3bに離間するドア100
側の一半部に吊下金具（図示せず）で吊持してなり、他
半部のカウンター部４’下の水平面３’上に便器洗浄用
ロータンク７が設置してある。

【００１２】エプロン５は前記洗面器付カウンター４と
同一長さをもって上半部の湾曲面5aと下半部の立面5bと
を有するようにＦＲＰ等の合成樹脂材で一体形成してな
り、洗面器4a下に対応する立面5b部分に開口8aを開設
し、その開口8a裏側口縁にロールペーパー200 の収容ケ
ース８を取着している。

【００１３】前記エプロン５には便器６回りの床面
ａ₁ ”及び第２段部3bを照射する照明手段10を埋込状に
装設している。

【００１４】実施例においてはエプロン５の湾曲面5a部
分に埋込状に装設してある。また、エプロン５は、立面
5b下端に第１段部3aの水平面３’に沿って外側方向の折
曲した差込片5cを有し、該差込片5cを、水平面３’に固
定した山形状バネ材11とその水平面３’との間に山形状
バネ材11の弾性挾持力を利用して差込み且つ、湾曲面5a
上端に室内側へ折曲し且つ適宜間隔をおいてビス挿通孔
12を有する取付片5dを、そのビス挿通孔12を挿通するビ
ス13で洗面器付カウンター４前端に取付けた適宜巾の前
垂れ用化粧縁14に、螺着してなり、ビス13の化粧縁14と
の螺着を解除し、山形状バネ材11の挾着力に抗して引き
抜けば、洗面器付カウンター４と、水平面３’との間の
空間300 が見通せるようになる。

【００１５】化粧縁14は図４に示すように、洗面器付カ
ウンター４の前端面に沿う前面部14a と、その前面部14
a 中途部から洗面器付カウンター４裏面に沿って延設し
た止着面部14b と、その止着面部14b と前面部14a とで
中空部14c を形成するように連続させた連結面部14d と
を合成樹脂材やアルミ等の金属材を用いて一体成形して
なり、前面部14a 巾が異なる数種類を予め用意してお
き、選定したものを洗面器付カウンター４の長さに切截
し、同カウンター４内に埋設したインサートナット4bに
螺着してなり、連結面部14d に、前記エプロン５のビス
挿通孔12に対応して螺子孔15を開設し、この螺子孔15
に、ビス挿通孔12を挿通するビス13が螺着するようにな
っている。

【００１６】この化粧縁14はその前面部14a に内装性を
考慮して色彩、模様を施すこと任意である。

【００１７】前記空間300 には洗面器4a用の湯水混合栓
16に接続する給水管16a 、給湯管16b 、第１段部3aの水
平面３’を貫通して排水トラップ17に連絡する排水管17
a 及び給水管16a から分岐し、便器洗浄用ロータンクへ
至る給水管7b等が配管され、エプロン５の取外しでそれ
等管類の接続部が点検できるようになる。

【００１８】便器洗浄管23は第１段部3aの水平面３’を
貫通して第２段部3b内を通り、その第２段部3bの前面を
貫通して便器６に接続してある。

【００１９】浴槽１の湯水混合栓18に連絡する給水管18
a 、給湯管18b は前記給水管16a 、給湯管16b から分岐
し、第１段部3a内を通ってその湯水混合栓18に接続して
ある。

【００２０】エプロン５の湾曲面5a前方で操作する便器
洗浄用ロータンク７の操作レバー7aはエプロン５を取外
せるようにした結果、カウンター点検口よりフラッパー
弁との接続を外せば脱着できる。

【００２１】而して、本実施例では洗面器付カウンター
４を前垂れのある逆Ｌ形状に成形する必要なく、製造コ
ストの低廉化に寄与でき、しかもエプロン５に設けた照
明手 段10で床面ａ１”や第２段部3bの上面である水平面
３’を照射するから、床面ａ１”の清掃が隅々まで行な
えるばかりでなく、第２段部3bを物載せ部として載置す
る例えばインテリア及び床面ａ ₁ ”に敷設する絨毯の装
飾的効果を有効に引き出すことができる。更には洗面器
付カウンター４下のエプロン５が第１段部3aの高さ分短
寸なもので済み、エプロン５の脱着作業が頗る簡単にな
る等の諸利点がある。

【００２２】尚、19は床パンａ１の壁載せ面ａ１’レベ
ルと合致するエプロン５部分に横設した凹条部であり、
その凹条部19よりも下位のエプロン５部分に、床パンａ
１と同一色、同一模様が施してある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１実施例の横断平面図。

【図２】 （２）−（２）線断面図。

【図３】 （３）−（３）線断面図。

【図４】 エプロンの取付状態を示す縦断面図で拡大し
て示す。

【符号の説明】

４：洗面器付カウンター 14：化粧縁 Ａ：ユニットバスルーム本体 ａ１”：床面 10：照明手段 １：浴槽 ６：便器 ３：段部 3a：第１段部 3b：第２段部（物載せ部）400 ：洗面化粧台 ５ ：エプロン ａ１：床パン ７ ：便器洗浄用ロータンク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 郷 芳和 神奈川県茅ケ崎市本村２丁目８番１号 東陶機器株式会社 茅ケ崎工場内 (56)参考文献 実開 平２−2090（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽、便器、洗面化粧台を平面視で川の
   字状に並設した洋風ユニットバスルームであって、浴槽
   に相対する床パンにおける他側縁部と浴槽の一短辺部に
   隣設する床パンにおける中央側縁部とに連続して平面視
   Ｌ型の段部を一体成形し、該他側部の段部を便器洗浄用
   ロータンクを収容した洗面化粧台の据付部、中央側縁部
   の段部を物載せ部、その前面を便器後側の取合部とし、
   且つ洗面化粧台のエプロンに便器を設置した床面及び物
   載せ部兼用の照明手段を設けていることを特徴とする洋
   風ユニットバスルーム。