JP2558866B2 - 同時給排式ダクト用換気扇 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、浴室の天井に取り付けられ、ダクトに接続
して換気を行う、同時給排式ダクト用換気扇に関するも
のである。

従来の技術 従来より、入浴により結露した浴室内の天井や壁面を
乾燥させるために、換気扇を設置して運転していたが、
近年の浴室は、とくにマンション等の集合住宅におい
て、住居全体の気密性が高くなり、十分な給気量が得ら
れず、したがって換気による乾燥の効果も十分上がらな
い状態となってきている。

そこで、浴室内の天井に設置したダクト用換気扇とは
別に、給気用の給気ボックスを浴室内の天井に追加して
設置し、外気と給気ボックスとをダクトにより接続する
ことにより同時給排式とし、給気量を確保していた。

ところが、この構成では、あまり広くない浴室の天井
に、ダクト用換気扇と給気ボックスとが、それぞれ別個
に設置され、デザイン上見苦しく、また、施工時も離れ
た２カ所においてそれぞれ工事する必要があり、非常に
手間がかかっていた。

このようなことから、第３図に示すような同時給排式
ダクト用換気扇が提案されている。

すなわち、送風機21を内蔵し、下面吸込口22を有する
箱状の排気用枠体23Aは、その側面に形成された側面吐
出口24部に、逆風防止用シャッタ25を内蔵し室外と連通
するダクト（図示せず）を接続するアダプタ26aが設け
られている。また下面吐出口31を有する箱状の給気用枠
体23Bは、その側面に形成された給気口27部に、蒸気も
れ防止用シャッタ28を内蔵しダクト（図示せず）を接続
するアダプタ26Bが設けられている。そして、排気用枠
体23Aと給気用枠体23Bは、浴室の天井29に並設された２
個の開口内にそれぞれ並べて挿入設置され、その下面吸
込口22および下面吐出口31のそれぞれにルーバ30,30が
取付けられていた。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、排気用枠体23Aと給気用
枠体23Bを並設するために、天井29に設ける取付用の開
口も互いにごく近くに位置し、天井29の強度が低下し
て、天井29が変形したり、送風機21運転時に大きな振動
・騒音の発生することがあった。また、強度を上げるた
めには、補強材を追加施工する必要があり、手間とコス
トの増大を招くこととなる。さらに、排気用枠体23Aと
給気用枠体23Bを挿入する開口が、決められた位置より
少しでもずれると、ルーバ30,30がずれてしまい、大変
見苦しくなる場合があった。

本発明はこのような課題を解決するもので、浴室の天
井に美観的にこのましい状態で設置し、しかも天井の変
形や異常な振動・騒音を招くことのない同時給排式ダク
ト用換気扇を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は、浴室の天井に設
けた矩形状の凹部に形成した開口から天井内に埋込み設
置され、下面吸込口および側面吐出口を有し、送風機を
内蔵した箱状の排気用枠体と、この排気用枠体と立設さ
れ、下面吐出口および側面吸込口を有する箱状の給気用
枠体と、前記排気用および給気用枠体の下面吸込口およ
び下面吐出口をそれぞれ室内側から覆って並設され、高
さおよび並設した外形寸法が前記凹部と略同寸法である
２個のルーバとからなる同時給排式ダクト用換気扇を構
成したものである。

作用 この構成により、排気用および給気用枠体が並設され
る天井には凹部が設けられているので、強度が上がり、
また凹部の形状はルーバを２個並設した形状とほぼ同じ
であり、かつ凹部の深さとルーバの高さはほぼ同じであ
るので、２個のルーバは天井面と同一面に、しかもずれ
ることなく並設されこととなる。

実 施 例 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図にもと
づき説明する。

送風機１を内蔵し、下面吸込口２と側面吐出口４を有
する箱状の排気用枠体3Aは、その側面吐出口４部に、逆
風防止用シャッタ５を内蔵し室外と連通するダケト（図
示せず）を接続するアダプタ6Aが設けられている。一
方、下面吐出口12と側面吸込口７を有する箱状の給気用
枠体3Bは、その側面吸込口７部に、蒸気もれ防止用シャ
ッタ８を内蔵しダクト（図示せず）を接続するアダプタ
6Bが設けられている。そして排気用枠体3Aと給気用枠体
3Bは、天井10に設けられた矩形状の凹部11に形成された
２個の開口から天井内に並んで埋込み設置される。また
排気用および給気用枠体3A,3Bの下面吸込口２と下面吐
出口12には、ルーバ9,9が凹部11内に並んで装着されて
いる。なお凹部11は、高さがルーバ９の高さとほぼ同じ
で、外形寸法がルーバ9,9並設時の外形寸法とほぼ同じ
に形成されている。

上記構成において、送風機１を運転すると、浴室内空
気は排気用枠体3Aの逆風防止用シャッタ５を押し開いて
室外へ排出されるが、浴室は気密性が高いので室外と圧
力差の大きな負圧となり、室外の新鮮な空気が給気用枠
体3Bの蒸気もれ防止用シャッタ８を開いて浴室内に給気
され、効率の高い同時給排式の換気が行なわれる。そし
て、天井10の排気用枠体3Aと給気用枠体3Bが設置されて
いる箇所には凹部11が設けられているので、排気用およ
び給気用枠体3A,3Bを支持するための十分な強度を得る
ことができる。したがって、天井10が変形することがな
く、また送風機１運転時に異常な振動や騒音が発生する
こともなくなる。さらに、ルーバ9,9は凹部11内にすっ
きりと納まるので、装着時、互いにずれたり、また浴室
内に突出して圧迫感を入室者に与えたりすることがなく
なって、浴室内の美観上このましいものとなる。

発明の効果 以上の実施例の説明から明らかなように本発明によれ
ば、浴室の天井に排気用枠体と給気用枠体に装着する２
個のルーバが並んですっきりと納まる凹部を設けること
によって、天井の強度が上がり、天井の変形や送風機運
転時の異常な振動・騒音を防止することができるととも
に、ルーバの天井面からの突出がなくなって天井との一
体感が増し、浴室内の美観を大幅に向上させながら、換
気効率のすぐれた同時給排式の換気が可能になるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の同時給排式ダクト用換気扇
を示す断面図、第２図は同同時給排式ダクト用換気扇の
ルーバ部の分解斜視図、第３図は従来の同時給排式ダク
ト用換気扇の断面図である。 １……送風機、２……下面吸込口、3A……排気用枠体、
3B……給気用枠体、４……側面吐出口、７……側面吸込
口、９……ルーバ、11……凹部、12……下面吐出口。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴室の天井に設けた矩形状の凹部に形成し
   た開口から天井内に埋込み設置され、下面吸込口および
   側面吐出口を有し、送風機を内蔵した箱状の排気用枠体
   と、この排気用枠体と並設され、下面吐出口および側面
   吸込口を有する箱状の給気用枠体と、前記排気用および
   給気用枠体の下面吸込口および下面吐出口をそれぞれ室
   内側から覆って並設され、高さおよび並設した外形寸法
   が前記凹部と略同寸法である２個のルーバとからなる同
   時給排式ダクト用換気扇。