JP2558808B2 - 放電ランプ点灯装置 - Google Patents

放電ランプ点灯装置

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JP2558808B2
JP2558808B2 JP11445688A JP11445688A JP2558808B2 JP 2558808 B2 JP2558808 B2 JP 2558808B2 JP 11445688 A JP11445688 A JP 11445688A JP 11445688 A JP11445688 A JP 11445688A JP 2558808 B2 JP2558808 B2 JP 2558808B2
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和彦 伊藤
正勝 吉林
堀井  滋
正孝 小沢
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、放電ランプを高周波にて始動・点灯する放
電ランプ点灯装置に関する。
従来の技術 従来の放電ランプ点灯装置は、例えば第2図のような
回路になっていた。
すなわち、第2図において、4は商用電源1と整流ブ
リッジ2と平滑用コンデンサ3とからなる出力電圧の極
性が一定である電源回路、5はその出力に直列に接続さ
れたコンデンサ、6はコンデンサ5と電源回路4との間
に接続されたトランジスタであり、コンデンサ5に並列
に蛍光ランプ7とインダクタンス8との直列回路が接続
され、蛍光ランプ7の反電源側端に並列に始動回路であ
るコンデンサ9が接続される。10はインダクタンス8に
直列に接続したカレントトランス、11はコンデンサ5に
並列に接続したインダクタンス、12はトランジスタ6の
ベースと電源回路4の間に接続された抵抗である。トラ
ンジスタ6のベース・エミッタ間にはカレントトランス
10の2次巻線とコンデンサ13の直列回路とダイオード14
と抵抗15の直列回路が接続され、コンデンサ13に並列に
コンデンサ16とトランジスタ17が接続され、トランジス
タ17のベースに制御回路18が接続され、トランジスタ17
に逆並列にダイオード19が接続される。
以上のように構成された従来の回路の動作を説明す
る。電源を投入すると、電源回路4に電圧が発生し抵抗
12を介して起動電流が流れてトランジスタ6が導通す
る。蛍光ランプ7の点灯中電流は電源回路4からインダ
クタンス8と蛍光ランプ7のフィラメント電極とコンデ
ンサ9とカレントトランス10を介して、トランジスタ6
を通って流れる。このとき、蛍光ランプ7のインピーダ
ンスはコンデンサ9に並列に接続されるため、コンデン
サ9の電流は少なく蛍光ランプ7を電流が流れる。その
ため、インダクタンス8とコンデンサ9の共振はほとん
どなく、2次巻線にはランプ電流に比例した電流が生じ
て、コンデンサ13を介してトランジスタ6のベース電流
が供給されて、トランジスタ6のオンを維持する。この
とき、トランジスタ17はオンである。そのため、コンデ
ンサ16は、コンデンサ13に並列に挿入された状態になっ
ており、発振周期はコンデンサ13と16の充放電時間に近
くなって長くなっている。そのため、コンデンサ13と16
が2次巻線に発生する電圧付近まで充電されてトランジ
スタ6のベース電流が流れなくなると、トランジスタ6
はターンオフしかかり、カレントトランス10に流れる電
流が減少しはじめ、2次巻線に発生する電圧が逆転しベ
ース電流が逆方向に引かれると、コンデンサ13に蓄積さ
れた電荷がトランジスタ6のベース・エミッタ間に逆方
向に印加される帰還がかかり、トランジスタ6は急速に
ターンオフする。トランジスタ6がオフすると蛍光ラン
プ7とインダクタンス8の直列回路とインダクタンス11
に蓄られたエネルギーがコンデンサ5と蛍光ランプ7と
インダクタンス8とインダクタンス11に放出されて振動
し、蛍光ランプ7のランプ電流となる。トランジスタ6
のオフ時にカレントトランス10を流れる振動電流は、2
次巻線に負の電圧を発生させる。このとき、トランジス
タ17は順方向に導通ており、ダイオード14と抵抗15を介
してトランジスタ6のベース・エミッタ間に逆電圧を印
加しトランジスタ6のオフを維持する。振動電流が負の
ピークを過ぎると次第に2次巻線に正の電圧が発生し、
トランジスタ6のオフ期間中にコンデンサ13と16に逆方
向に充電された電圧がトランジスタ6のベースへ順方向
に印加されてトランジスタ6がターンオンする。このと
き、ターンオン直後はインダクタンス8の電流がまだ逆
方向に流れているため、タイオード14と抵抗15を介して
ベースからコレクタへ電流が流れる。インダクタンス8
の逆方向電流は次第に減少してトランジスタ6に順方向
電流が流れるようになり、以後上記動作を繰返し、トラ
ンジスタ6をオン・オフ制御し蛍光ランプ7を点灯維持
する。
調光時は、制御回路によりトランジスタ17がオフ状態
にありコンデンサ16は一方向に充電されたままでコンデ
ンサとして動作しない。そのため、トランジスタ6のオ
ン期間はコンデンサ13だけの充電期間となり短かくな
る。そのため、発振周波数も高くなり、インダクタンス
8のインピーダンスも高くなり、ランプ電流が減少し調
光される。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成では、コンデンサ13
と16の静電容量の差により調光レベルがきまり、コンデ
ンサ13をあまり小さくするとトランジスタ6のオフが不
完全となり発振動作が不安定になる場合があるため、調
光レベルを安定に低くするのが難しいという問題点があ
った。
課題を解決するための手段 本発明は前記問題点を解決するため、出力電圧の極性
が一定である電源と、前記電源の出力端に接続され少な
くとも1つ以上のトランジスタとインダクタンスとコン
デンサとを備え前記電源と順方向の電流を前記トランジ
スタによりオン・オフして出力端に接続された放電ラン
プを始動・点灯させる自励式のスイッチング回路と、少
なくとも1つ以上のインダクタンスとコンデンサとを備
え前記トランジスタに接続された駆動回路と、前記放電
ランプの始動回路と、前記駆動回路の1つ以上のインダ
クタンスの両端に接続した第1の制御素子と、前記駆動
回路の1つ以上のコンデンサの両端に接続した第2の制
御素子とを備えたものである。
作用 本発明は前記した構成により、駆動回路の発振を安定
にするとともに、駆動回路のインダクタンスとコンデン
サにそれぞれ並列に制御素子を設けてそれぞれの寄与す
る割合を実効的に減少させて発振周波数を高めてランプ
電流を減少し調光する。
実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。第1図は本発明の放電ランプ点灯装置の実施例を示
す回路図である。第1図において4は商用電源1と整流
ブリッジ2と平滑用コンデンサ3とからなる出力電圧の
極性が一定である電源、5はその出力に直列に接続され
たコンデンサ、6はコンデンサ5と電源回路4との間に
接続されたトランジスタであり、コンデンサ5に並列に
蛍光ランプ7とインダクタンス8との直列回路が接続さ
れ、蛍光ランプ7の反電源側端に並列に始動回路である
コンデンサ9とインダクタンス20が接続される。21はコ
ンデンサ5とトランジスタ6とインダクタンス8とから
なる自励式のスイッチング回路である。45はスイッチン
グ回路21の駆動回路であり、トランジスタ6のベースに
一端を接続したインダクタンス22と、インダクタンス22
の他端とトランジスタ6のエミッタとの間に接続された
インダクタンス8の2次巻線8bとコンデンサ23の直列回
路とカソードをトランジスタ6のベースに接続し他端を
抵抗25を介してトランジスタ6のエミッタに接続したダ
イオード24とから構成されている。29は電源回路4の出
力端に接続された分圧抵抗26,27とその中点に一端を接
続したコンデンサ28とからなるタイマ回路、30はコンデ
ンサ28の他端をベースに接続しコレクタをインダクタン
ス22に並列に接続した第1の制御素子であるトランジス
タである。44は電源回路4の出力端に接続された抵抗A
である抵抗33とコンデンサ34との積分回路と、コンデン
サ34に並列に接続した定電圧素子Bであるツェナーダイ
オード36と可変抵抗37とコンデンサ41との直列回路と、
コンデンサ41と可変抵抗37の中点に一端を接続した出力
抵抗40とアノードを接続したダイオード38とダイオード
38のカソードに接続し他端をトランジスタ30のベースに
接続した2つめの出力抵抗39と、コンデンサ34に並列に
接続した定電圧素子Aであるツェナーダイオード35と、
コンデンサ34に並列に接続した定電圧素子Cであるツェ
ナーダイオード42とスイッチ43との直列回路とで構成さ
れた信号回路である。32は抵抗40の他端をベースに接続
しコレクタをトランジスタ30のエミッタに接続しコンデ
ンサ23に並列に接続した第2の制御素子であるトランジ
スタである。
以上のように構成された実施例の回路動作を説明す
る。電源を投入すると、電源回路4に電圧が発生しタイ
マ回路29の抵抗26とコンデンサ28とトランジスタ30のベ
ースを介して起動電流が流れてトランジスタ30が導通
し、同時にそのベース電流によってトランジスタ6が導
通する。
当初蛍光ランプ7は点灯しておらず電流は電源回路4
からインダクタンス8と蛍光ランプ7のフィラメント電
極とコンデンサ9とインダクタンス20を介して、トラン
ジスタ6を通って流れる。このとき、インダクタンス8
の2次巻線8bに正の電圧が発生しコンデンサ23とインダ
クタンス22を介してトランジスタ6のベース電流が供給
されて、トランジスタ6のオンを維持する。このとき、
インダクタンス8の1次巻線8aに流れる電流はコンデン
サ9とインダクタンス8の共振電流である。ここで、イ
ンダクタンス8の2次巻線8bに発生した正の電圧によっ
て流れる電流はインダクタンス22とコンデンサ23の固有
振動周波数での直列共振電流であるが、実際はトランジ
スタ30が導通しているのでトランジスタ30のエミッタか
らコレクタへ逆方向にもある程度流れるため、共振状態
は弱くインダクタンス22はほとんど機能しないため、そ
の振動周期はコンデンサ23の充放電時間に近くなって短
かくなる。そのため、コンデンサ23が2次巻線8bに発生
する電圧付近まで充電されてトランジスタ6のベース電
流が流れなくなりインダクタンス22の影響で少しトラン
ジスタ6のベース電流が逆方向に引かれるとトランジス
タ6はターンオフしかかり、そのため、インダクタンス
8bに発生する電圧が小さくなるとコンデンサ23に蓄積さ
れた電荷がトランジスタ6のベース・エミッタ間に逆方
向に印加される帰還がかかり、トランジスタ6は急速に
ターンオフする。トランジスタ6がオフするとコンデン
サ9とインダクタンス8の直列共振回路とインダクタン
ス200に蓄られたエネルギーがコンデンサ5と蛍光ラン
プ7とコンデンサ9とインダクタンス8とインダクタン
ス20に放出されて振動し、蛍光ランプ7の予熱電流とな
る。なお、このとき、蛍光ランプ7がコンデンサ9に発
生する電圧で始動しないように設定しておく。トランジ
スタ6のオフ時にインダクタンス8の1次巻線8aを流れ
る振動電流は、インダクタンス8の2次巻線8bに負の電
圧を発生させる。このとき、トランジスタ30は順方向に
導通し、インダクタンス22はまったく機能しないため、
この電圧により、ダイオード24と抵抗25を介してトラン
ジスタ6のベース・エミッタ間に逆電圧を印加しトラン
ジスタ6のオフを維持する。振動電流が負のピークを過
ぎると次第にインダクタンス8の2次巻線8bに正の電圧
が発生し、トランジスタ6のオフ期間中にコンデンサ23
に逆方向に充電された電圧がトランジスタ6のベースへ
順方向に印加されてトランジスタ6がターンオンする。
このとき、ターンオン直後はインダクタンス8の電流が
まだ逆方向に流れているため、タイオード24と抵抗25を
介してベースからコレクタへ電流が流れる。インダクタ
ンス8の逆方向電流は次第に減少してトランジスタ6に
順方向電流が流れるようになり、以後上記動作を繰返
す。以上の発振動作によって時間の経過とともに蛍光ラ
ンプ7の予熱電極の温度が上昇する。
なお、タイマ回路29は電源投入後から抵抗26を介して
コンデンサ28に電荷を蓄積しつつトランジスタ30のベー
ス電流を供給し、所定時間後に抵抗26,27による電圧に
まで充電されるとそれ以上充電されないのでこのとき以
降、電源が遮断されて抵抗26,27を介してコンデンサ28
の電荷が放出されるまでトランジスタ30のベースに電流
が流れなくなる。そのため、所定時間後にトランジスタ
30がオフすると、トランジスタ6のオン時にはインダク
タンス8の2次巻線8bに正の電圧が発生しコンデンサ23
とインダクタンス22を介してトランジスタ6にベース電
流が供給される。このベース電流はコンデンサ23とイン
ダクタンス22の共振電流であり、その半周期付近でトラ
ンジスタ6のベース電流が正から負になり、トランジス
タ6の蓄積電荷が放出されるとトランジスタ6がターン
オフする。蛍光ランプ7の始動前ではインダクタンス8
とコンデンサ9とが直列共振状態にあり、コンデンサ9
には点灯時よりも非常に大きくかつタイマ回路動作前の
予熱時よりも大きく、蛍光ランプ7を始動するのに十分
な電圧を発生するように各インダクタンスとコンデンサ
が設定される。そのため、蛍光ランプ7は始動する。始
動後、回路の動作はタイマ回路29の動作後とほぼ同様で
あるが蛍光ランプ7のインピーダンスがコンデンサ9と
インダクタンス20のインピーダンスに並列に接続される
ため、コンデンサ9の電流は減り蛍光ランプ7を電流が
流れる。そのため、インダクタンス8とコンデンサ9の
共振がほとんどなくなり、インダクタンス8の2次巻線
8bには電源回路4の出力電圧とランプ電圧の差に応じた
正負の電圧が生じて、インダクタンス8とコンデンサ5
と蛍光ランプ7とインダクタンス22とコンデンサ23によ
る固有振動周波数に応じてトランジスタ6をオン・オフ
制御し蛍光ランプ7を点灯維持する。なお、インダクタ
ンス20は蛍光ランプ7の電流の直流成分除去用である。
また、信号回路44において、ツェナーダイオード35の
ツェナー電圧>ツェナーダイオード36のツェナー電圧>
ツェナーダイオード42のツェナー電圧、とを設定する。
信号回路44は電源投入後、スイッチ43のオンのとき抵
抗33を介してコンデンサ34が充電されてもコンデンサ34
の電圧はツェナーダイオード42のツェナー電圧がツェナ
ーダイオード36のツェナー電圧よりも小さいためにツェ
ナーダイオード36のツェナー電圧まで上昇せずコンデン
サ41が充電されず出力抵抗39,40を介して出力信号は出
されない。そのため、蛍光ランプ7は常に全出力状態で
点灯する。
また、スイッチ43のオフのときは、抵抗33を介してコ
ンデンサ34が充電され、コンデンサ34の電圧がツェナー
ダイオード36のツェナー電圧にまで上昇するまでコンデ
ンサ41が充電されず出力抵抗39,40を介して出力信号は
出されない。出力信号の出される所定時間は蛍光ランプ
7が始動・点灯して後少し経過する時間に設定する。そ
のため、電源投入後、所定の時間の経過するまで、トラ
ンジスタ30,32への信号回路から信号は入力されず、ト
ランジスタ30はタイマ回路29の信号に制御され、トラン
ジスタ32はオフのままであり、駆動回路45は前記の予
熱,始動電圧印加,点灯の動作を行なう。コンデンサ34
が充電され、所定の時間の経過後、コンデンサ34の電圧
がツェナーダイオード36のツェナー電圧にまで上昇する
とツェナーダイオード36と可変抵抗37を介してコンデン
サ41が徐々に充電される。そのため、ダイオード38と抵
抗39を介してトランジスタ30にベース電流が徐々に供給
されるとともに、抵抗40を介してトランジスタ32にベー
ス電流が徐々に供給される。そのため、トランジスタ3
0,32が徐々に導通し、それに応じてインダクタンス22と
コンデンサ23に並列に等価的に抵抗が挿入されたのと同
じ状態になり、その抵抗分が徐々に小さくなる。そのた
め、駆動回路45の発振状態は徐々にちいさくなり、トラ
ンジスタ6のベース電流の直流成分に重畳されるインダ
クタンス22とコンデンサ23の共振成分が小さくなるた
め、ベース電流ピーク値が小さくなると同時にトランジ
スタ6がオン状態を維持するのに必要なベース電流の正
方向電流の流れる期間も短かくなり、その結果トランジ
スタ6がオン期間も短かくなる。
そのため、発振周波数が高くなることと相俟って、蛍
光ランプ7のランプ電流が徐々に減少し、蛍光ランプ7
は徐々に調光レベルを深くしてゆく。コンデンサ34の電
圧は時間の経過とともになおも上昇しツェナーダイオー
ド35のツェナー電圧にまで上昇するかまたは抵抗33,37,
39,40によって分圧された電圧値まで上昇するとツェナ
ーダイオード36と可変抵抗37を介して流れる電流は一定
になり、トランジスタ30,32のオン状態は不飽和領域ま
たは飽和領域の所定の動作点に落ち着く。以後蛍光ラン
プ7は一定の調光レベルで点灯を維持する。このとき、
可変抵抗37により、トランジスタ30,32のベース電流を
調節して蛍光ランプ7の調光レベルを調節できる。
また、蛍光ランプ7が点灯した後、スイッチ43をオン
からオフにすると、ツェナーダイオード42のツェナー電
圧であったコンデンサ34は抵抗33を介して更に充電され
ツェナーダイオード35のツェナー電圧かまたは抵抗33,3
7,39,40によって分圧された電圧値まで上昇するとにま
で上昇し、当初からスイッチ43がオフであった場合と同
様に徐々に蛍光ランプ7を調光レベルにできる。
また、蛍光ランプ7を調光点灯した後、スイッチ43を
オフからオンにすると、ツェナーダイオード35のツェナ
ー電圧または抵抗33,37,39,40によって分圧された電圧
値であったコンデンサ34はツェナーダイオード42を介し
て瞬時に放電され、ツェナーダイオード42のツェナー電
圧にまで降下する。そのため、コンデンサ41の電荷も抵
抗37とツェナーダイオード36を介して放電されるととも
にトランジスタ30,32に放電されるため、コンデンサ41
の電圧もほぼ瞬時に低下してトランジスタ30,32をオフ
する。そのため、蛍光ランプ7は調光状態から即座に全
出力状態へ移行する。
一般に放電ランプはランプ電流を増加する場合は電極
の陰極スポットの温度が増加するため、放電が安定にな
り、ランプ電流が減少する場合は電極の陰極スポットの
温度が低下するため、放電が不安定になりやすく、さら
に変化が急なときにはランプ電圧もその動特性から上昇
する。そのため、放電を維持しにくく立消を起こしやす
い。
本実施例では、調光に移るときには徐々に移行し、全
出力状態へ移るときには瞬時に移行するため、放電が安
定であり、蛍光ランプ7は立消を起こしにくくできてい
る。また、一般に人間の視覚は明かるい状態から暗い状
態に順応するのに時間がかかり、反対の場合は時間がか
からない。そのため、照明が暗くなる場合には時間をか
けたほうが快適になり、明かるくする場合には人間の待
つことに対する忍耐時間は0.3秒程と短かく、急にした
ほうが快適になる。そのため、本実施例では、人間にと
ってより快適にできる。また、この切換をツェナーダイ
オード42の投入によって行なうため、構成が簡単にでき
るとともに、微小電力で切換ができるため、タッチスイ
ッチなどの高機能スイッチが使用できる。
また、本実施例ではトランジスタ30,32をインダクタ
ンス22とコンデンサ23に並列に設けることにより、調光
時でも共振を用いて発振を確実に行なうことができ、回
路を安定にでき、調光レベルを深くできる。また、トラ
ンジスタ30,32を不飽和領域を通って徐々に変化させる
ため、インダクタンス22とコンデンサ23に蓄積されたエ
ネルギーを徐々に変化させられ、駆動回路を常に安定に
できる。
また、タイマ回路29を調光用のトランジスタ30のベー
スへ接続し、スイッチング回路21を予熱動作させている
ため、予熱用の回路を別に設ける必要がなく構成が簡単
にできる。
また、出力抵抗39,40とコンデンサ41を設けることに
より、トランジスタ30,32の入力信号に時定数を持たせ
ることができ、電源4の電圧リプルによるトランジスタ
30,32への電流のリプルを除去して信号を安定化すると
ともに、トランジスタ30,32が急激に変化することによ
るインダクタンス22とコンデンサ23の共振状態の過渡現
象を小さくして駆動回路をつねに安定化して、回路破壊
を防止でき、また蛍光ランプ7の状態変化時の出力光の
ちらつきを防げるとともに、調光レベルをより深くでき
る。
また、駆動回路の電流供給源をインダクタンス8の2
時巻線8bとするとともに、トランジスタ30,32の制御電
流を電源4の出力端に並列に設けた信号回路44から供給
することにより、商用電源1の電源電圧変動に対して蛍
光ランプ7の出力の変動を小さくできる。すなわち、電
源4の出力電圧に変動+ΔVinがあった場合、インダク
タンス8の2次巻線電圧V2は V2=(Vin−Vla)/n (Vla:ランプ電圧,n:巻数比) であり、その変動は ΔV2=(+ΔVin−Vla)/n であり、トランジスタ6のベース電流Ibの変動は、Ibが
V2に比例するため、プラス方向の変動となる。一方、ト
ランジスタ30,32のベース電流Iconは Icon=(Vin−Vza)/Ra−Iz =(Vza−Vzb)/Rc (Vza:ツェナーダイオード36のカソード電圧,R:抵抗33,
Iza:ツェナーダイオード35のツェナー電流,Vzb:ツェナ
ーダイオード36のツェナー電圧,Rc:抵抗37と39と40の合
成抵抗)であり、Vzaは抵抗33,37,39,40の分圧電圧であ
るため、Vinに比例的に変動し、そのため、IconもΔVin
と同様に変動し、トランジスタ30,32のオン状態も同様
に変わるため、駆動回路の発振状態を減少させるため、
トランジスタ6のベース電流Ibの変動は、マイナス方向
の変動となる。そのため、両者打ち消しあい、変動を押
えることができる。また、蛍光ランプ7の全出力点灯時
もトランジスタ30,32をわずかでも動作させて使用する
ように設定すれば、調光時だけでなく全出力点灯時も電
源電圧変動を小さくできる。
以上のような構成により、本発明の実施例では、簡単
な構成で駆動回路の発振を安定化するとともに電源電圧
変動を小さくでき、また、調光レベルを深くでき安定に
調光でき、簡単に調光と全出力との切換をできるととも
に快適な印象を使用者に与えることができる。
なお、本実施例においては、スイッチング回路を一石
インバータとしたが、他の構成のものでも同様であり、
トランジスタ6,30,32はFETなど他のスイッチング素子で
も同様である。また、駆動回路の電流供給源をインダク
タンス8にしたが電源電圧変動を無視すれば他から供給
しても他の効果は同様である。また、放電ランプを蛍光
ランプとしたが他の高圧放電ランプなどでも同様であ
る。また、トランジスタ30,32は信号回路44から調光時
には常時電流を供給し不飽和領域も使用するようにした
が、トランジスタ6の発振の1サイクル内で所定の時間
だけ飽和領域でオンさせるようにしても、同様に調光制
御できる。この場合、インダクタンス22とコンデンサ23
は実質的にそのインダクタンス値と静電容量を低下させ
ることになり、共振周波数自体を高くして調光時でも確
実に発振動作を行なえるとともにトランジスタ30,32を
飽和領域で使用するため損失を減少でき使用温度も低下
し信頼性を向上できる。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば簡単な構成で安
定に発振を維持して深い調光のできる放電ランプ点灯装
置を実現できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の実施例における放電ランプ点灯装置
の回路図、第2図は従来の放電ランプ点灯装置の回路図
である。 4……電源、6……トランジスタ、7……蛍光ランプ、
21……スイッチング回路、29……タイマ回路、44……信
号回路、45……駆動回路。
フロントページの続き (72)発明者 堀井 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小沢 正孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力電圧の極性が一定である電源と、前記
    電源の出力端に接続され少なくとも1つ以上のトランジ
    スタとインダクタンスとコンデンサとを備え前記電源と
    順方向の電流を前記トランジスタによりオン・オフして
    出力端に接続された放電ランプを始動・点灯させる自励
    式のスイッチング回路と、少なくとも1つ以上のインダ
    クタンスとコンデンサとを備え前記トランジスタに接続
    された駆動回路と、前記放電ランプの始動回路と、前記
    駆動回路の1つ以上のインダクタンスの両端に接続した
    第1の制御素子と、前記駆動回路の1つ以上のコンデン
    サの両端に接続した第2の制御素子とを備えた放電ラン
    プ点灯装置。
  2. 【請求項2】放電ランプが蛍光ランプであり、第1の制
    御素子の制御端子にタイマ回路を接続した特許請求の範
    囲第1項記載の放電ランプ点灯装置。
  3. 【請求項3】第1の制御素子と第2の制御素子を飽和領
    域でトランジスタの発振の1サイクル内でオン・オフ制
    御する特許請求の範囲第1項記載の放電ランプ点灯装
    置。
  4. 【請求項4】第1の制御素子と第2の制御素子の各制御
    端子に直列に抵抗を接続するとともに各抵抗の他端と制
    御信号回路のグランド電位部との間にコンデンサを設け
    た特許請求の範囲第1項または第2項記載の放電ランプ
    点灯装置。
  5. 【請求項5】自励式のスイッチング回路が放電ランプに
    直列のインダクタンスを有するとともに、前記インダク
    タンスの2次巻線に駆動回路を接続するとともに、電源
    の出力端に並列に抵抗とコンデンサの直列回路を接続
    し、前記直列回路の中点から前記定電圧素子よりも電圧
    の低い他の定電圧素子を介して第1の制御素子と第2の
    制御素子の制御電流を供給する特許請求の範囲第1項、
    第2項または第4項記載の放電ランプ点灯装置。
  6. 【請求項6】電源の出力端に並列に抵抗Aとコンデンサ
    の直列回路を接続し前記コンデンサに並列に定電圧素子
    Aまたは抵抗Bを接続し、前記直列回路の中点から定電
    圧素子Bを介して第1の制御素子と第2の制御素子の制
    御電流を供給するとともに、前記定電圧素子Aまたは抵
    抗Bに並列に定電圧素子Cとスイッチとの直列回路を接
    続し、前記コンデンサの電圧>定電圧素子Bの電圧>定
    電圧素子Cの電圧とした特許請求の範囲第1項、第2
    項、第4項または第5項記載の放電ランプ点灯装置。
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