JP2558786Y2 - 筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、塩ビ又はPP等の押し出し成形軸にインクを
搭載した水性BP又はサインペン等の筆記具の改良に関す
る。

（従来の技術） 従来のこの種の筆記具は、塩ビで押し出し成形された
軸筒の一端に筆記部を固着した先軸が嵌着されており、
軸筒に嵌着される先軸の嵌合部位には軸筒の内周面と密
嵌する円周状の突部が形成されている。然しながら、従
来のものは温度変化を伴う経時で相互間の嵌着状態が緩
くなり抜けてしまう問題が存在する。又、塩ビ軸を使用
したシャープペンシルでは筆記先端部を有した先軸を軸
頭にネジ接合しているので、相互の固着は確実である
が、周知の如く相互間を密嵌状態にする必要はない。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案の目的は上記従来例に存在する温度変化に伴う
経時で相互間の嵌着状態が緩くなり先軸が抜ける問題を
解決せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出された本考案の筆記具
は、押し出し成形された軸筒の一端に嵌着される先軸の
嵌合部位で、ネジ接合又は嵌合部位に複数箇所でエッジ
状の突起を設けて相互を確実に固着する共に、固着部よ
り後方で先軸の嵌合部位に軸筒の内周面と密接する円周
状の突部を形成したことである。

（実施例） 先ず、第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を示
しており、塩ビ又はPP等の樹脂で押し出し成形された軸
筒（１）の先端に水性BP等の筆記部（２）を固着した口
プラ（３）を更に固着した先軸（５）が嵌着されてい
る。又、軸筒（１）内にはインクを充填したインク吸蔵
体（７）が設けられ、インク吸蔵体（７）の先端には筆
記部（２）と連接したインク誘導芯（４）の後端が没入
して、更に先軸（５）の嵌合部位（６）の前方周面には
インク軸筒内径部と連通する空気孔（10）が穿設されて
おりインクは筆記に伴い適宜誘導されるように構成され
ている。又、上記軸筒（１）の先端に嵌着される先軸
（５）の嵌合部位（６）には適宜箇所でエッジ状の突起
（11）（12）が設けられており、軸筒（１）の内径部に
食い込み固着される。又、突起（12）の適宜後方（突起
の食いつきで嵌合部位が変形を受けない位置）で嵌合部
位（６）には軸筒（１）の内周面と密接する円周状の突
部（13）が一箇所以上で設けられている。又、先軸
（５）は軸筒（１）より硬い樹脂成形品で設けられるの
が望ましい。又、第３図は本考案の第２の実施例を示し
ており、この場合には先軸（21）の嵌合部位（22）にネ
ジ部（23）が形成され、同位置に設けられた軸筒内径の
ネジ部とネジ接合し、ネジ部（23）後方の嵌合部位（2
2）には軸筒内周面と密接する円周状の突部（24）がや
はり一箇所以上で設けられている。又、筆記具の先方に
は筆記部（２）と空気孔（10）を密閉状に被覆してキャ
ップ（９）が取付けられ、軸筒（１）の後端にはインク
吸蔵体（７）の後端に略当接状態で尾栓（８）が軸筒内
を密嵌状にして嵌着されている。

（作用効果） 本考案の構成は以上の通りであり、温度変化に伴う経
時で軸筒より先軸が抜ける問題が無く、軸筒内の密嵌状
態は保証できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例である筆記具の半断面
図、第２図はその要部を拡大した断面図、第３図は本考
案の第２の実施例である筆記具の要部を拡大した断面図
である。 （１）……軸筒、（２）……筆記部、（３）……口プ
ラ、（４）……インク誘導芯、（５）……先軸、（６）
……嵌合部位、（７）……インク吸蔵体、（８）……尾
栓、（９）……キャップ、（10）……空気孔、（11）…
…突起部、（12）……突起、（13）……突部、（20）…
…軸筒、（21）……先軸、（22）……嵌合部位、（23）
……ネジ部、（24）……突部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】塩ビ又はPP等の樹脂で押し出し成形された
   軸筒の一端に筆記部を固着した先軸を嵌着し、軸筒内部
   にインクを充填したインク吸蔵体を備え、軸筒の他端に
   尾栓を嵌着した水性BP又はサインペン等の筆記具に於い
   て、上記軸筒に嵌着される先軸の嵌合部位で、ネジ接合
   又は先軸の嵌合部位に複数箇所でエッジ状の突起を設け
   て相互を固着すると共に、固着によって変形を受けない
   後方位置で先軸の嵌合部位に軸筒内周面と密接する円周
   状の突部を形成したことを特徴とする筆記具。