JP2558639Y2 - 切断用ブレード - Google Patents

切断用ブレード

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JP2558639Y2
JP2558639Y2 JP1991072340U JP7234091U JP2558639Y2 JP 2558639 Y2 JP2558639 Y2 JP 2558639Y2 JP 1991072340 U JP1991072340 U JP 1991072340U JP 7234091 U JP7234091 U JP 7234091U JP 2558639 Y2 JP2558639 Y2 JP 2558639Y2
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JP
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cutting blade
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cutting
noise
blade
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謙司 早坂
誠也 緒方
洋二 新澤
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ノリタケダイヤ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、石材、コンクリート、
耐火物等を切断するブレード、より詳しくは、基板を積
層構造とし切断時の騒音を低減した切断用ブレードに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より切断用ブレードとして、円盤状
基板の外周にチップと称するダイモンド等の砥石片を設
けたものが使用されている。
【0003】この切断用ブレードは、ブレードをエンジ
ンカッタに取付けて回転させ、その回転力で石材、コン
クリート等を切断するもので、短時間で切断が可能な反
面、切断時の騒音が大きいという欠点がある。
【0004】騒音の発生源としては、機械の駆動系、ブ
レードと被削材との接触点からの振動等が考えられる
が、ブレードの振動からくる騒音がその大半を占めてい
る。
【0005】この様な観点から、回転時のブレードの振
動を抑え、騒音を低減した種々の構造のものが提案され
ている。例えば、実開昭58−70869号公報には、
複数の鋼板を重ね接着剤で貼り合わせ、切断時の振動を
減衰させて騒音を防止したものが、また、実開昭59−
128358号公報には、外側板と材質の異なる中間板
を用い、これらを点溶接して消音構造としたものが提案
されている。更に、特開昭59−107860号公報に
は、低ヤング率の中間層(金属または合金)を介して、
複数の鋼板を冶金的に結合し、低騒音としたダイヤモン
ドカッター用ディスクが提案されている。
【0006】これらの切断用ブレードでは、両側の鋼板
の間に固有振動数の異なる中間層をサンドイッチ状に配
置することにより、全体の振動を抑え切断時の騒音を低
減することに成功している。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところが、これらの切
断ブレードで消音効果を上げるためには、中間板と両外
側板の3枚以上の基板を積層する必要があり、このため
製造コストが高くなるという問題がある。また、3枚以
上の基板を積層しなければならないため、接合部が多く
なり、使用時の衝撃等によって接合部が剥離しやすいと
いう問題もある。更に、中間板に減衰性の高い低ヤング
率の材料を用いたものでは、積層基板全体の強度が低下
するという問題もある。
【0008】そこで、本考案が解決すべき課題は、基板
強度を確保しながら消音効果にすぐれ、しかも製造コス
トの削減が可能な切断用ブレードを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案の切断用ブレード
は、2枚の外面が平らな円板状鋼板を貼り合わせて円板
状の基板を形成し、この基板の貼り合わせ面に基板と同
心円状の複数の切断音を減衰抑制する環状溝を設けた
とによって上記課題を解決した。
【0010】
【作用】本考案の切断ブレードは、基板の貼り合わせ面
に環状溝の空間を設けており、この空間の介在により空
間の空気層が振動伝播の粘性抵抗となり、切断時に発生
する振動が減衰され、騒音が低減される。
【0011】
【実施例】図1は実施例の切断ブレードの半分を一部切
欠して示す正面図、図2は同断面図である。
【0012】図中1は2枚の鋼板1a,1bからなる円
盤状の基板で、その外周にスリット2を設け、点溶接5
により接合している。この基板1は、外径が305mm
であり、鋼板1a,1bの厚みはそれぞれ同じ1.2m
mとした。
【0013】基板1の周縁には、ダイヤモンド砥粒を含
む、長さ47mm、厚み3.2mm高さ9.0mmのチ
ップ3を固着している。なお、この砥粒としては、ダイ
ヤモンド砥粒に限定されるものではなく、cBN(立方
晶窒化ほう素)等の超砥粒を用いることも無論可能であ
る。
【0014】4は基板1の接合面に、円盤状基板1と同
心円状に設けた環状溝であり、図2に示すように、溝数
を効率良く増すために、鋼板1aと1bにそれぞれ交互
に設けている。この環状溝は、20mm間隔で合計6本
設けており、溝の幅は5mm、深さは0.1mmとし
た。振動減衰効果の点からは、環状溝は、交互でなくと
も片面のみに設けても良い。
【0015】効果を確認するために、上記実施例品と比
較例品とで、切断実験による切断音の測定及びブレード
の曲げ試験を行った。
【0016】比較例1として、実施例品と同一条件で、
中間層に銅板を用いた三層構造の消音ブレードを、ま
た、比較例2として、同じく単板の切断ブレードを用い
た。
【0017】まず、切断ブレードを台車式エンジンカッ
タ(19馬力)に取付け、切込み50mm、切断速度
1.0mm/分でコンクリートを湿式にて切断し、普通
騒音計(JEIC Type1015)を用いて音源か
ら1m離れた地点での騒音レベルを測定した。
【0018】結果は、本実施例品と比較例2が104デ
シベル、単板の比較例2が112デシベルであった。
【0019】また、切断ブレードを切断機械に取り付
け、外周より25mmの位置に7kgの荷重を加え、そ
の位置のブレードの変位量をダイヤルゲージで測定し
た。
【0020】変位量の平均値は、実施例1の場合は0.
34m、比較例1の場合は0.45mm、比較例2の場
合は0.34mmであり、本実施例品と比較例2を10
0%とした場合、比較例1は75%の曲げ強度であっ
た。
【0021】このように、本考案の切断ブレードは、従
来の三層構造のものと比較しても充分な消音効果を発揮
することができ、しかも、単板の基板構造と同等の基板
強度を確保することができた。
【0022】
【考案の効果】本考案は次の効果を奏することができ
る。
【0023】 切断音を減衰抑制する環状溝は、旋削
や研削で容易に加工でき、2枚の鋼板を点溶接で貼り合
わせるだけで簡単に微小空間が得られ、高い消音効果が
得られる。
【0024】 従来のように中間板として低強度の材
料を使用する必要がなく、鋼板のみの二重構造となるた
め、高い基板強度が得られる。
【0025】 単純な構造であるため、従来の多層の
積層板に比べ、製作コストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の切断ブレードの半分を一部切欠して示
す平面図である。
【図2】図1に示す切断ブレードの断面図である。
【符号の説明】
1 基板 1a,1b 鋼板 2 スリット 3 チップ 4 環状溝 5 点溶接
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−115874(JP,A) 特開 昭59−107860(JP,A) 実開 昭61−54463(JP,U)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の外面が平らな円板状鋼板を貼り合
    わせて円板状の基板を形成し、この基板の貼り合わせ面
    に基板と同心円状の複数の環状溝を設けたことを特徴と
    する切断用ブレード。
  2. 【請求項2】 2枚の鋼板の貼り合わせ面に設けた同心
    円状の複数の環状溝を、それぞれの鋼板の貼り合わせ面
    に設けた複数の環状溝によって形成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の切断用ブレード。
  3. 【請求項3】 鋼板の貼り合わせ面に設けた複数の環状
    溝を交互に相対するように配置したことを特徴とする請
    求項2に記載の切断用ブレード。
JP1991072340U 1991-09-09 1991-09-09 切断用ブレード Expired - Fee Related JP2558639Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59107860A (ja) * 1982-12-09 1984-06-22 Toho Seimitsu Kk ダイヤモンドカツタ−用デイスク及びその製造方法
JPS6154463U (ja) * 1984-09-14 1986-04-12
JPH04115874A (ja) * 1990-09-07 1992-04-16 Omi Kogyo Co Ltd 切断ブレードの基板及びその製造方法

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