JP2558591B2 - シリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の製造方法及び装置 - Google Patents

シリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の製造方法及び装置

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JP2558591B2
JP2558591B2 JP5045885A JP4588593A JP2558591B2 JP 2558591 B2 JP2558591 B2 JP 2558591B2 JP 5045885 A JP5045885 A JP 5045885A JP 4588593 A JP4588593 A JP 4588593A JP 2558591 B2 JP2558591 B2 JP 2558591B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水中に含有される溶解物
質、エマルジョン物質、拡散剤、油分、浮遊物質等の吸
着、凝集、排除に用いるシリカ系凝集液を製造するため
の原料となるシリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系
凝集液の製造方法及び装置に関し、詳しくはモノマーシ
リカの含有割合の高いシリカ系凝集液を得るためのシリ
カ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の製造方法
並びにコンパクトな設計が可能なシリカ系凝集液の製造
装置に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、汚水や各種廃水中の溶解物質(イ
オン類)や有機、無機の微粒子、浮遊物質等の抽出や凝
集、除去には主としてAl系凝集液、Fe系凝集液、高
分子系凝集液が用いられている。
【0003】かかる従来のAl系、Fe系凝集液は、有
機化学物質や油分、油エマルジョン、界面活性剤等を吸
着したり、凝集する機能は極めて弱いため、実際に使用
するに際しては、大量のAl系、Fe系凝集液を用い、
大量の水酸化アルミニウムや水酸化鉄の沈澱を生成させ
て(更にアルカリも添加し)、それらの沈澱物に物理的
に油分等を引っかけ、更に高分子凝集剤を投与してフロ
ック形状を大きくし、加圧浮上、又は沈降によりフロッ
クを水と分離する方法が採られている。
【0004】かかる複雑な処理を行っても満足な結果を
得ることは難しく、更に投与した凝集剤に起因する大量
のスラッジが発生し、その処理コストも併せて負担せね
ばならない問題がある。
【0005】かかる問題を解決するため、特願平1−2
96371号明細書において、シリカ系凝集液が提案さ
れている。かかるシリカ系凝集液はそれらの有機化学物
質、油分、油エマルジョン、界面活性剤等を効果的に吸
着、凝集し、発生するスラッジも極度に少なくなるとい
う利益が得られる。
【0006】従来のシリカ系凝集液はシリカ系凝集液原
料を中性酸又は還元酸、具体的には希硫酸に溶解して得
られるが、シリカ系凝集液原料を溶解する際に、水にシ
リカ系凝集液原料を溶解した後、希硫酸を添加する方法
ではシリカ系凝集液原料がゾル・ゲル状となってしま
い、モノマーシリカの割合が少なく安定性に欠ける欠点
があることがわかった。従来技術では希硫酸にシリカ系
凝集液原料を添加する旨の記載は認められるが、添加順
序がモノマーシリカの割合に大きく影響する旨の認識は
全く存在しない。
【0007】また輸送の効率性等から2倍量の原料を溶
解したシリカ系凝集液が求められているが、製造法によ
っては、必要とされるモノマーシリカが少なくなってし
まうことがわかった。即ち、1Nの希硫酸1リットルに
シリカ系凝集液原料を溶解当量分溶解すると、1Nのシ
リカ系凝集液が得られるが、これと同じ様にして2Nの
シリカ系凝集液を得ようとして、2Nの希硫酸1リット
ルにシリカ系凝集液原料を溶解当量分(1Nの時の倍の
量)溶解すると、シリカ系凝集液原料の添加によって部
分的にpHの上昇するところではシリカの重合化が起こ
り、またpHの低いところでは無水シリカが生成された
りして、必要とされるモノマーシリカが少なくなってし
まうことがわかった。
【0008】更に、従来のAl系凝集液、Fe系凝集
液、高分子系凝集液を使用する際には、少なくとも2液
を必要とし、それだけでも装置の数が多くなり、装置の
コンパクト化を困難にしていた。また特願平1−296
371号の技術では、シリカ系凝集液の具体的な製造方
法及び装置は明らかでなく、実際の装置に適用できる製
造方法及び装置の開発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、第1にモノマーシリカの含有割合が多く安定性が高
いシリカ系凝集液が得られるシリカ系凝集液原料の溶解
方法を提供することにある。
【0010】第2の課題は、輸送コストが低くて経済効
率が高くかつ原料を数倍量溶解できるシリカ系凝集液原
料の溶解方法を提供することにある。
【0011】第3の課題は、実際の装置に適用できるシ
リカ系凝集液の製造方法を提供することにある。
【0012】第4の課題は、コンパクトなシリカ系凝集
液の製造装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったもので
ある。
【0014】即ち、本発明に係るシリカ系凝集液原料の
溶解方法の第1は、シリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物
の未酸化硫黄成分が除去されたシリカ系凝集液原料を希
硫酸で溶解してシリカ系凝集液を製造する際に、溶解槽
に一定量の水を供給し、該溶解槽内の水を撹拌しなが
ら、硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した後、該
溶解槽内にシリカ系凝集液原料を前記希硫酸で溶解でき
る溶解平衡量を投入することを特徴とする。
【0015】また本発明に係るシリカ系凝集液原料の溶
解方法の第2は、モノマーシリカの含有割合が高く、か
つ高濃度シリカ系凝集液が得られるシリカ系凝集液原料
の溶解方法において、上記第1の方法によってシリカ系
凝集液を得、次いで硫酸を前記希硫酸と同じ当量分だけ
添加し、再度前記シリカ系凝集液原料を該希硫酸で溶解
できる溶解平衡量を投入し、必要によりこの操作を繰り
返すことを特徴とする。
【0016】更に、本発明に係るシリカ系凝集液の製造
方法は、シリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物の未酸化硫
黄成分が除去されたシリカ系凝集液原料を希硫酸で溶解
してシリカ系凝集液を製造するシリカ系凝集液の製造方
であって、溶解槽に一定量の水を供給し、該溶解槽内
の水を撹拌しながら、硫酸を注入して所定濃度の希硫酸
を作成した後、該溶解槽内にシリカ系凝集液原料を投入
し、次いで溶解平衡に達するまで保持した後、次に該
解槽内のpHが2.5を越えているかいないかを判断
し、該pHが2.5未満である場合にはpHが2.5を
越えるまで数分間保持し、一方pHが2.5以上である
場合には次に濾過するか否かを判断し、濾過しない場合
にはそのままシリカ系凝集液とし、また濾過する場合に
は濾液をシリカ系凝集液とすることを特徴とする。更に
又、本発明に係るシリカ系凝集液の製造方法は、シリカ
の複合結晶鉱物・非結晶鉱物の未酸化硫黄成分が除去さ
れたシリカ系凝集液原料を希硫酸で溶解してシリカ系凝
集液を製造するシリカ系凝集液の製造方法であって、
解槽に一定量の水を供給し、該溶解槽内の水を撹拌しな
がら、硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した後、
該溶解槽内にシリカ系凝集液原料を投入し、次いで溶解
平衡に達するまで保持した後、 次に反応が進行し溶解平
衡に達する時間を予めタイマー設定し、そのタイマーに
よる時間経過後に濾過するか否かを判断し、 濾過しない
場合にはそのままシリカ系凝集液とし、また濾過する場
合には濾液をシリカ系凝集液とすることを特徴とする。
【0017】更に、本発明に係るシリカ系凝集液の製造
装置は、溶解槽と、該溶解槽に一定量の水を供給する水
供給手段と、該溶解槽内の液を撹拌する撹拌手段と、前
記水供給手段から水が供給された溶解槽に硫酸を注入す
るための硫酸注入手段と、該溶解槽にシリカ系凝集液原
料を供給する手段と、シリカ系凝集液を受け入れるため
の凝集液タンクとを有することを特徴とする。
【0018】
【0019】以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】シリカ系凝集液原料の溶解方法の第1の特
徴は、溶解槽に一定量の水を供給し、該溶解槽内の液を
撹拌しながら、硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成
した後、該溶解槽内にCa塩基度が特定され、シリカの
複合結晶鉱物・非結晶鉱物の未酸化硫黄成分が除去され
シリカ系凝集液原料を前記希硫酸で溶解できる溶解平
衡量を投入することである。即ち、希硫酸の希釈水溶液
を作成した後、シリカ系凝集液原料を投入するのが本質
であり、この逆にシリカ系凝集液原料の水溶液を作成し
た後、硫酸を添加した場合には、シリカ系凝集液原料が
ゾル・ゲル状となってしまい、モノマーシリカの割合が
少なくなってしまい、本発明の目的を達成できない。
【0021】またシリカ系凝集液原料の溶解方法の第2
の特徴は、溶解槽に一定量の水を供給し、該溶解槽内の
液を撹拌しながら、硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を
作成した後、該溶解槽内にCa塩基度が特定されたシリ
カ系凝集液原料を前記希硫酸で溶解できる溶解平衡量を
投入してシリカ系凝集液を得、次いで硫酸を前記希硫酸
と同じ当量分だけ添加し、更に前記シリカ系凝集液原料
を該希硫酸で溶解できる溶解平衡量を投入して高濃度の
シリカ系凝集液を得る方法である。
【0022】この高濃度のシリカ系凝集液を得る方法を
具体的に説明すると、例えば、溶解槽に水を供給し、該
溶解槽内の液を撹拌しながら、conc硫酸を注入して
1N濃度の希硫酸1リットルを作成した後、該溶解槽内
にCa塩基度1.15を有するシリカ系凝集液原料を前
記1N濃度の希硫酸で溶解できる溶解平衡量42.5g
を投入してシリカ系凝集液を得、次いで硫酸を前記希硫
酸と同じ当量分(H2SO4 =49g)だけ添加し、更
に前記シリカ系凝集液原料を該希硫酸で溶解できる溶解
平衡量42.5gを投入して、いわゆる2Nの高濃度シ
リカ系凝集液を得ることができる。尚、3N、4N、5
Nについても同様にこの操作を繰り返すことにより得ら
れる。
【0023】これに対し、溶解槽に水を供給し、該溶解
槽内の液を撹拌しながら、conc硫酸を注入して2N
濃度の希硫酸1リットルを作成した後、該溶解槽内にC
a塩基度1.15を有するシリカ系凝集液原料を前記2
N濃度の希硫酸で溶解できる溶解平衡量85gを投入し
てシリカ系凝集液を得ると、やはり見掛け上はいわゆる
2Nの高濃度シリカ系凝集液を得ることができるように
考えられるが、このようにして得られたシリカ系凝集液
は、シリカ系凝集液原料の添加によって部分的にpHの
上昇するところではシリカの重合化が起こり、またpH
の低いところでは無水シリカが生成されたりして、必要
とされるモノマーシリカが少なくなってしまうという問
題があり、本発明の目的を達成できない。
【0024】
【実施例】次に、本発明に係るシリカ系凝集液の製造方
法の実施例を図面に基いて説明する。
【0025】図1は、シリカ系凝集液の製造システムフ
ロー図である。
【0026】スイッチを入れてシステムをスタートさ
せ、始めに溶解槽に一定量の水を供給する。この水は通
常水道水が用いられるが、格別限定されない。但し、F
eイオン、Alイオン等金属イオンを数PPM以上を含
む水はシリカとインターアクションを起こし好ましくな
い。
【0027】次に、水の量が一定になったら、溶解槽内
の水を撹拌する。
【0028】次に硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作
成する。希硫酸濃度はモノマーシリカのゲル化を防止す
る意味で2N以下が好ましく、より好ましくは1N以下
である。本例では1N希硫酸とする。
【0029】注入する硫酸は濃硫酸が用いられ、受け入
れ設備等を考慮すると、64%濃度で受け入れることが
好ましい。なお既設に98%濃硫酸設備(消防法完備)
がある場合にはそれを利用することもできる。
【0030】次に、数分間保持(撹拌下で放置)する。
均一な1N希硫酸を得るためである。保持時間は3分程
度あれば良い。
【0031】次に、溶解槽内にシリカ系凝集液原料を投
入する。本発明において、シリカ系凝集液原料の「溶解
平衡量」というのは、与えた硫酸量で溶解できるシリカ
系凝集液原料の量を意味する。本例では1N希硫酸1リ
ットルで溶解できるCa塩基度1.15のシリカ系凝集
液原料の量は42.5gである。
【0032】次に、溶解平衡に達するまで保持する。保
持時間は5分程度でよいが、より確実に溶解平衡に達す
るまでには15分間が好ましい。
【0033】次に、必要により溶解槽内のpHが2.5
を越えているかいないかを判断する。希硫酸と原料の反
応が進行すれば溶解槽内のpHが上昇してくる。そして
pHが2.5未満である場合にはいまだ反応が溶解平衡
まで進行していないのでpHが2.5を越えるまで数分
間保持する。この保持によって反応が進行し、pHが上
昇する。反応を継続させればpHが収れんするため、そ
の反応時間とpHの収れん関係をつかめばあえてかかる
pH判断は必要ない。設備面で低コスト化を図る上では
かかるpH判断をしない方法をとることが好ましい。
【0034】一方、pHが2.5以上である場合には反
応が進行し溶解平衡に達したと判断できるので、次に濾
過するか否かを判断する。
【0035】そして、濾過しない場合にはスラッジを含
めたまま凝集液タンクに受け入れる。これによって本発
明のシリカ系凝集液を得ることができる。
【0036】また濾過する場合には濾過機で濾液とスラ
ッジに分離し、濾液を凝集液タンクに受け入れる。これ
によって本発明のシリカ系凝集液を得ることができる。
【0037】尚、濾過する場合の溶解槽内での最終pH
はpH≒3.0となるようシリカ系凝集液原料の量を増
して調節することも好ましい。
【0038】更にスラッジはCaSO4 ・2H2 O(石
膏)であり、これを例えばスラッジピットに受け入れ
る。
【0039】凝集液タンク内の本発明のシリカ系凝集液
が使用されて減少し、レベルセンサーで検出されたとき
には、スタートに戻って再度上記の方法を繰り返す。
【0040】上記のシステムは自動化されていることが
好ましく、具体的連動関係は以下の装置例で明らかにす
る。
【0041】本発明のシリカ系凝集液の製造方法に用い
られるシリカ系凝集液原料は、シリカの複合結晶鉱物・
非結晶鉱物の未酸化硫黄成分が除去されたシリカ系凝集
液原料であり、シリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物とし
ては、例えば天然クリストバル石、高炉スラグ等が用い
られる。未酸化硫黄成分を除去するには具体的には、酸
化処理等の改質処理法が挙げられる。
【0042】次に、本発明に係るシリカ系凝集液の製造
装置の実施例を図2に基いて説明する。
【0043】図2において、1は硫酸注入手段であり、
例えば64%硫酸として受け入れる硫酸タンク101
と、硫酸ポンプ102と、ピペット状の硫酸定量容器1
03と、硫酸注入バルブ104とで構成されている。硫
酸ポンプ102には耐食性のポンプが用いられる。ピペ
ット状の硫酸定量容器103は、硫酸ポンプ102から
送られた硫酸を硫酸定量容器103の細管部に設けられ
たオーバーフロー管105からオーバーフローさせて定
量可能に構成されている。
【0044】2は溶解槽であり、樹脂製又は耐食性金属
で形成される。201は溶解槽2内の液を撹拌するため
の撹拌機であり、3は水道水注入手段を構成する水道水
注入バルブである。
【0045】溶解槽2内には、ハイレベルセンサー20
2とローレベルセンサー203が設けられている。ハイ
レベルセンサー202は硫酸ポンプ102、硫酸注入バ
ルブ104、撹拌機201と各々連動しており、ローレ
ベルセンサー203は硫酸注入バルブ104、撹拌機2
01、水道水注入バルブ3と各々連動している。
【0046】204は溶解槽2内に必要により設けられ
るpHメーターであり、pHが2.5を越えているかい
ないかを判断する指標とする。ただし前述のように硫酸
と原料の反応時間によってpH値は収れんするので、タ
イマーによってシーケンスを組むこともできる。
【0047】4は溶解槽2にシリカ系凝集液原料401
を供給する手段であり、ホッパー402と自動供給する
場合に設けられる原料供給フィーダー403とによって
構成される。なお自動供給しない場合には原料供給フィ
ーダー403は必要ない。ホッパー402内にはシリカ
系凝集液原料401をホッパー内で酸化するためのエア
ー供給手段を有していてもよい。
【0048】5はシリカ系凝集液を受け入れるための凝
集液タンクである。
【0049】溶解槽2内で得られた溶液はpHが2.5
以上であり、濾過しない場合には、送液ポンプ501に
よって直接凝集液タンク5に送られる。502は撹拌
機、503はバルブである。
【0050】一方、溶解槽2内で得られた溶液は、pH
が2.5以上でありかつ溶液を濾過する場合には、送液
ポンプ501によって濾過機6に送られる。濾過機6で
は濾液とスラッジに分離され、濾液は凝集液タンク5に
送られる。またスラッジはスラッジピット601に貯留
される。
【0051】凝集液タンク5内のシリカ系凝集液は処理
水ポンプ7によって各種排水処理に供される。処理水ポ
ンプ7はローレベルセンサー504の検知で停止する。
【0052】なお前述の溶解槽2内で得られた溶液がp
Hが2.5以上であり、濾過しない場合には、送液ポン
プ501によってライン505を介して直接各種排水処
理に供することもできる。
【0053】次に、本発明の溶解方法並びにシリカ系凝
集液の製造方法、装置に好ましく採用される主なシーケ
ンスを説明するが、必ずしも限定されない。
【0054】硫酸注入手段1に64%硫酸が受け入れら
れ、硫酸定量容器103に所定量計量しておく。また水
道水注入バルブ3を開いて溶解槽2内に水を所定量満た
しておく。
【0055】この状態で撹拌機210を起動する。次い
で硫酸注入バルブ104を開いて所定量を注入する。
【0056】時間差5分間を設けて、原料供給フィーダ
ー403を起動し、所定量供給したら停止する。
【0057】時間差15分間を設けて、バルブ503を
開いて、送液ポンプ501を起動する。この送液ポンプ
501の運転は濾過機6と連動させる(但し、濾過を必
要とする場合)。従って、送液ポンプ501の起動と同
時に濾過機6も起動する。
【0058】ローレベルセンサー203の検知によって
送液ポンプ501を停止し、バルブ503を閉じ、濾過
機6の運転を停止する。
【0059】濾液は凝集液タンク5に受け入れられ、こ
の時撹拌機502は連続運転している。
【0060】処理水ポンプ7が作動し、凝集液タンク5
内の液面が低下し、ローレベルセンサー504が検知し
たら、処理水ポンプ7が停止すると共に水道水注入バル
ブ3が開いて、水道水を溶解槽2に供給する。水道水注
入バルブ3はハイレベルセンサー202の検知によって
閉じる。
【0061】またローレベルセンサー203の検知によ
って水道水注入バルブ3を開いて、水道水を溶解槽2に
供給するようにすることもできる。
【0062】
【実験例】
実験例1 図2に示す装置を用いて実験を行なった。はじめに15
0リットルの溶解槽2に水道水注入バルブ3を開いて水
道水を100リットル供給した。
【0063】該溶解槽2内の液を撹拌機201で撹拌し
ながら、硫酸注入バルブ104を開いて64%硫酸4.
34リットルを注入して1N濃度の希硫酸となるように
した。
【0064】次いで、該溶解槽2内にCa塩基度1.1
5を有するシリカ系凝集液原料を4.25kgを投入し
た。
【0065】15分間撹拌を続け保持して、シリカ系凝
集液を得た。
【0066】このシリカ系凝集液の粘度を指標として測
定して、重合ゲル化状態を調べた。又静置してゾルゲル
化進行状態を調べた。
【0067】粘度の測定は粘度計により行った。
【0068】測定結果を表1に示す。
【0069】比較実験例1 実験例1と同様に図2に示す装置を用いて実験を行なっ
た。はじめに150リットルの溶解槽2に水道水注入バ
ルブ3を開いて水道水を100リットル供給した。
【0070】次いで、溶解槽2内の液を撹拌機201で
撹拌しながら、溶解槽2内にCa塩基度1.15を有す
るシリカ系凝集液原料を4.25kgを投入した。
【0071】次いで、硫酸注入バルブ104を開いて6
4%硫酸4.34リットルを注入して1N濃度の希硫酸
となるようにした。
【0072】15分間撹拌を続け保持して、シリカ系凝
集液を得た。
【0073】このシリカ系凝集液の粘度を指標として測
定して、重合、ゲル化状態を調べた。
【0074】粘度の測定は実験例1と同様にした。
【0075】測定結果を表1に示す。
【0076】
【表1】 表1から明らかなように、本発明のシリカ系凝集液はシ
リカの重合、ゲル化が進んでいないことがわかる。又、
比較実験例1では24時間後にゾルゲル化が認められ、
48時間後にはゲル化したが、実験例1は安定してい
た。
【0077】実験例2 図2に示す装置を用いて実験を行なった。はじめに15
0リットルの溶解槽2に水道水注入バルブ3を開いて水
道水を100リットル供給した。
【0078】該溶解槽2内の水を撹拌機201で撹拌し
ながら、硫酸注入バルブ104を開いて64%硫酸4.
34リットルを注入して1N濃度の希硫酸となるように
した。
【0079】次いで、該溶解槽2内にCa塩基度1.1
5を有するシリカ系凝集液原料を4.25kgを投入し
た。攪拌を15分間継続して1N希硫酸溶解のシリカ系
凝集液を得た。
【0080】更に、64%硫酸を4.34リットルを加
え、これにCa塩基度1.15を有するシリカ系凝集液
原料を4.25kgを投入した。
【0081】15分間撹拌を続け保持して、高濃度のシ
リカ系凝集液を得た。
【0082】このシリカ系凝集液の粘度を指標として測
定して、重合、ゲル化状態を調べ、静置してゾルゲル化
の進行状態を調べた。
【0083】粘度の測定は実験例1と同様にした。
【0084】測定結果を表2に示す。
【0085】比較実験例2 実験例2と同様に図2に示す装置を用いて実験を行なっ
た。はじめに150リットルの溶解槽2に水道水注入バ
ルブ3を開いて水道水を100リットル供給した。
【0086】該溶解槽2内の液を撹拌機201で撹拌し
ながら、硫酸注入バルブ104を開いて64%硫酸8.
68リットルを注入して2N濃度の希硫酸となるように
した。
【0087】次いで、該溶解槽2内にCa塩基度1.1
5を有するシリカ系凝集液原料を8.5kgを投入し
た。
【0088】15分間撹拌を続け保持して、高濃度のシ
リカ系凝集液を得た。
【0089】このシリカ系凝集液の粘度を指標として測
定して、重合、ゲル化状態を調べ、静置してゾルゲル化
の進行状態を調べた。
【0090】粘度の測定は実験例1と同様にした。
【0091】測定結果を表2に示す。
【0092】
【表2】 表2から明らかなように、本発明のシリカ系凝集液は高
濃度であるにもかかわらず明らかにモノマーシリカの含
量が高く、モノマーシリカの安定性も高いことがわか
る。
【0093】比較のシリカ系凝集液のモノマーシリカ含
量が少なく、モノマーシリカの安定性に欠けるのは、シ
リカ系凝集液原料の添加によって部分的にpHの上昇す
るところではシリカの重合化が起こり、またpHの低い
ところでは無水シリカが生成されたりしていることに起
因しているものと考えられる。尚、シリカの重合、ゾル
ゲル化が認められると急速にゲル化が進行してゼリー状
固形物となる。
【0094】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、第1にモノマーシリカの含有割合が高くか
つ、安定性の高いシリカ系凝集液が得られるシリカ系凝
集液原料の溶解方法を提供することができ、第2に、輸
送コストが低くて経済効率が高くかつ原料を数倍量溶解
できるシリカ系凝集液原料の溶解方法を提供することが
できる。
【0095】第3に実際の装置に適用できるシリカ系凝
集液の製造方法を提供でき、第4にコンパクトなシリカ
系凝集液の製造装置を提供することができる。
【0096】なお本発明によって得られたシリカ系凝集
液は、水中に含有される溶解物質やエマルジョン物質、
拡散剤、油分、浮遊物質等の吸着、凝集、排除に用いら
れ、現在、特に困難とされる油(動物油、植物油、鉱物
油)含有排水の油水分離に極めて有効である。このよう
な作用はモノマー・シリカの影響によるものと考えられ
る。即ちモノマー・シリカは有機物質、界面活性剤やそ
の他の有機物、無機イオン、プランクトンやバクテリ
ア、浮遊物質を吸着したり、凝集する機能を持ってい
る。この機能はAl系、Fe系、高分子系凝集剤には見
られないものである。これらはモノマー・シリカのもつ
特性であり、即ちモノマー・シリカが重合し、ゲル化す
る過程で水中の有機物等との間にミセルを速やかに形成
し、無機イオンとの間にインター・アクションを起こし
て結合し、シリカのゲル化反応を急速に促進することに
よる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリカ系凝集液の製造システムフロー図
【図2】本発明に係るシリカ系凝集液の製造装置の一実
施例を示す説明図
【符号の説明】
1:硫酸注入手段 101:硫酸タンク 102:硫酸ポンプ 103:硫酸定量容器 104:硫酸注入バルブ 105:オーバーフロー管 2:溶解槽 201:撹拌機 202:ハイレベルセンサー 203:ローレベルセンサー 204:pHメーター 3:水道水注入バルブ 4:シリカ系凝集液原料供給手段 401:シリカ系凝集液原料 402:ホッパー 403:原料供給フィーダー 5:凝集液タンク 501:送液ポンプ 502:撹拌機 503:バルブ 504:ローレベルセンサー 505:ライン 6:濾過機 601:スラッジピット

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物の未酸
    化硫黄成分が除去されたシリカ系凝集液原料を希硫酸で
    溶解してシリカ系凝集液を製造する際に、溶解槽に一定
    量の水を供給し、該溶解槽内の水を撹拌しながら、硫酸
    を注入して所定濃度の希硫酸を作成した後、該溶解槽内
    にシリカ系凝集液原料を前記希硫酸で溶解できる溶解平
    衡量を投入することを特徴とするシリカ系凝集液原料の
    溶解方法。
  2. 【請求項2】モノマーシリカの含有割合が高く、かつ高
    濃度シリカ系凝集液が得られるシリカ系凝集液原料の溶
    解方法において、請求項1記載の方法によってシリカ系
    凝集液を得、次いで硫酸を前記希硫酸と同じ当量分だけ
    添加し、再度前記シリカ系凝集液原料を該希硫酸で溶解
    できる溶解平衡量を投入することを特徴とするシリカ系
    凝集液原料の溶解方法。
  3. 【請求項3】シリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物の未酸
    化硫黄成分が除去されたシリカ系凝集液原料を希硫酸で
    溶解してシリカ系凝集液を製造するシリカ系凝集液の製
    造方法であって、 溶解槽に一定量の水を供給し、該溶解槽内の水を撹拌し
    ながら、硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した
    後、該溶解槽内にシリカ系凝集液原料を投入し、次いで
    溶解平衡に達するまで保持した後、 次に該溶解槽内のpHが2.5を越えているかいないか
    を判断し、該pHが2.5未満である場合にはpHが
    2.5を越えるまで数分間保持し、 一方pHが2.5以上である場合には次に濾過するか否
    かを判断し、 濾過しない場合にはそのままシリカ系凝集液とし、また
    濾過する場合には濾液をシリカ系凝集液とすることを特
    徴とするシリカ系凝集液の製造方法。
  4. 【請求項4】シリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物の未酸
    化硫黄成分が除去されたシリカ系凝集液原料を希硫酸で
    溶解してシリカ系凝集液を製造するシリカ系凝集液の製
    造方法であって、 溶解槽に一定量の水を供給し、該溶解槽内の水を撹拌し
    ながら、硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した
    後、該溶解槽内にシリカ系凝集液原料を投入し、次いで
    溶解平衡に達するまで保持した後、 次に反応が進行し溶解平衡に達する時間を予めタイマー
    設定し、そのタイマーによる時間経過後に濾過するか否
    かを判断し、 濾過しない場合にはそのままシリカ系凝集液とし、また
    濾過する場合には濾液をシリカ系凝集液とすることを特
    徴とするシリカ系凝集液の製造方法。
  5. 【請求項5】溶解槽と、該溶解槽に一定量の水を供給す
    る水供給手段と、該溶解槽内の液を撹拌する撹拌手段
    と、前記水供給手段から水が供給された溶解槽に硫酸を
    注入するための硫酸注入手段と、シリカ系凝集液を受け
    入れるための凝集液タンクとを有することを特徴とする
    シリカ系凝集液の製造装置。
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