JPH07126007A - シリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の製造方法及び装置 - Google Patents

シリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の製造方法及び装置

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JPH07126007A
JPH07126007A JP29121593A JP29121593A JPH07126007A JP H07126007 A JPH07126007 A JP H07126007A JP 29121593 A JP29121593 A JP 29121593A JP 29121593 A JP29121593 A JP 29121593A JP H07126007 A JPH07126007 A JP H07126007A
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JP
Japan
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silica
sulfuric acid
tank
slurry
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JP29121593A
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English (en)
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Tsutomu Nishimura
勤 西村
Hitoshi Yano
仁 矢野
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】第1にシリカ系凝集液原料の溶解の際に、不溶
解残渣が析出せず溶解当量分の凝集液が得られ、液相系
に悪影響を与えることがないシリカ系凝集液原料の溶解
方法、シリカ系凝集液の製造方法及び装置を提供するこ
と。第2にコンパクトな装置でかつ粉塵の流出の問題も
なく効果的にシリカ系凝集液原料中の極微小な鉄あるい
は鉄酸化物を除去できるシリカ系凝集液の製造装置を提
供すること。 【構成】本発明の溶解方法は第1に、希硫酸の希釈水溶
液を作成した後、シリカ系凝集液原料スラリーを投入す
る点、第2に、高濃度のシリカ系凝集液を得る点を特徴
とする。本発明の製造方法はこの溶解方法を用いてシリ
カ溶液を製造する方法である。本発明の製造装置は、ス
ラリー作製槽に磁石を用いる点に特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水中に含有される溶解物
質、エマルジョン物質、拡散剤、油分、浮遊物質等の吸
着、凝集、排除に用いるシリカ系凝集液を製造するため
の原料となるシリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系
凝集液の製造方法及び装置に関し、詳しくはシリカ系凝
集液原料の溶解の際に、不溶解残渣が析出せず、溶解当
量分の凝集液が得られ、液相系に悪影響を与えることが
ないシリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の
製造方法並びに装置に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、汚水や各種廃水中の溶解物質(イ
オン類)や有機、無機の微粒子、浮遊物質等の抽出や凝
集、除去には主としてAl系凝集液、Fe系凝集液、高
分子系凝集液が用いられている。
【0003】かかる従来のAl系、Fe系凝集液は、有
機化学物質や油分、油エマルジョン、界面活性剤等を吸
着したり、凝集する機能は極めて弱いため、実際に使用
するに際しては、大量のAl系、Fe系凝集液を用い、
大量の水酸化アルミニウムや水酸化鉄の沈澱を生成させ
て(更にアルカリも添加し)、それらの沈澱物に物理的
に油分等を引っかけ、更に高分子凝集剤を投与してフロ
ック形状を大きくし、加圧浮上、又は沈降によりフロッ
クを水と分離する方法が採られている。
【0004】かかる複雑な処理を行っても満足な結果を
得ることは難しく、更に投与した凝集剤に起因する大量
のスラッジが発生し、その処理コストも併せて負担せね
ばならない問題がある。
【0005】かかる問題を解決するため、特願平1−2
96371号明細書において、シリカ系凝集液が提案さ
れている。かかるシリカ系凝集液はそれらの有機化学物
質、油分、油エマルジョン、界面活性剤等を効果的に吸
着、凝集し、発生するスラッジも極度に少なくなるとい
う利益が得られる。
【0006】しかし、特願平1−296371号の技術
では、シリカ系凝集液原料の具体的溶解方法、シリカ系
凝集液の具体的な製造方法及び装置は明らかでない。
【0007】そこで、本発明者は先に、モノマーシリカ
の含有割合が多く安定性が高いシリカ系凝集液が得られ
るシリカ系凝集液原料の溶解方法、輸送コストが低くて
経済効率が高くかつ原料を数倍量溶解できるシリカ系凝
集液原料の溶解方法、実際の装置に適用できるシリカ系
凝集液の製造方法、コンパクトなシリカ系凝集液の製造
装置を特願平5−45885号明細書(以下、先提案技
術という)において提案した。
【0008】本発明者は更に研究を継続したところ、先
提案技術においても未だ解決すべき課題が残されている
ことがわかった。
【0009】即ち、先提案の技術ではシリカ系凝集液原
料を硫酸に溶解する際に溶解当量分を溶解して所定濃度
のシリカ系凝集液を製造しようとしている。シリカ系凝
集液原料にはCa成分が含まれているため、硫酸に原料
を直接溶解すると硫酸カルシウムの塊(ママコ)、即ち
不溶解残渣が析出し、溶解不十分となって溶解当量分の
凝集液が得られないという問題があった。またこの不溶
解残渣がポンプ詰りを引き起こしたり、溶解槽や貯槽に
堆積してレベルセンサーの誤動作を招きシリカ系凝集液
の溶解量が変動する等液相系に悪影響を与えるという問
題があった。
【0010】更にシリカ系凝集液原料中には極微小な鉄
あるいは鉄酸化物粒子が含まれている。かかる鉄あるい
は鉄酸化物粒子は硫酸カルシウムのママコの核となって
硫酸カルシウムの結晶を晶析する問題がある。またかか
る鉄あるいは鉄酸化物粒子はシリカ系凝集液の安定性を
阻害する要因となる。即ち、硫酸液中では鉄はイオン化
してモノマーシリカとインターアクションを起こし、そ
してインターアクションによって水素イオンが発生する
ためpHが低下する。pH3.0〜3.2の範囲でモノ
マーシリカは安定しているが水素イオンの発生でこの範
囲を越えるために不安定となり重合ゲル化が起こるので
ある。
【0011】そこで、シリカ系凝集液原料の鉄あるいは
鉄酸化物の除去が望まれるが、シリカ系凝集液原料は2
00メッシュを中心とする微小粉体であり、ドライ状態
で磁選処理しようとすると装置が大がかりとなったり、
粉塵流出等の問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、先提案技術の目的を達成するのみならず、シリカ系
凝集液原料の溶解の際に、不溶解残渣が析出せず溶解当
量分の凝集液が得られ、液相系に悪影響を与えることが
ないシリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の
製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】更に本発明の第2の目的は、コンパクトな
装置でかつ粉塵の流出の問題もなく効果的にシリカ系凝
集液原料中の極微小な鉄あるいは鉄酸化物を除去できる
シリカ系凝集液の製造装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったもので
ある。
【0015】即ち、本発明に係るシリカ系凝集液原料の
溶解方法は、水を張ったスラリー作製槽に特定のCa塩
基度を有するシリカ系凝集液原料を所定量投入後攪拌分
散させて原料スラリーを作成し、かつ一定量の水を張っ
た溶解槽に硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した
後、該溶解槽内に前記原料スラリーを前記希硫酸で溶解
できる溶解平衡量を投入することを特徴とする。
【0016】又本発明に係るシリカ系凝集液原料の溶解
方法は、モノマーシリカの含有割合が高く、かつ高濃度
シリカ系凝集液が得られるシリカ系凝集液原料の溶解方
法において、請求項1記載の方法によってシリカ系凝集
液を得、次いで硫酸を前記希硫酸と同じ当量分だけ添加
し、再度前記原料スラリーを該希硫酸で溶解できる溶解
平衡量を投入し、必要によりこの操作を繰り返すことを
特徴とする。
【0017】更に本発明に係るシリカ系凝集液の製造方
法は、水を張ったスラリー作製槽に特定のCa塩基度を
有するシリカ系凝集液原料を所定量投入後攪拌分散させ
て原料スラリーを作成し、かつ一定量の水を張った溶解
槽に硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した後、該
溶解槽内に前記原料スラリーを前記希硫酸で溶解できる
溶解平衡量を投入し、次いで溶解平衡に達するまで保持
した後、次に必要により該溶解槽内のpHが2.5を越
えているかいないかを判断し、該pHが2.5未満であ
る場合にはpHが2.5を越えるまで数分間保持し、一
方pHが2.5以上である場合には次に濾過するか否か
を判断し、濾過しない場合にはそのままシリカ系凝集液
とし、また濾過する場合には濾液をシリカ系凝集液とす
ることを特徴とする。
【0018】更に又本発明に係るシリカ系凝集液の製造
装置は、原料スラリー作製槽と該スラリー作製槽に一定
量の水を供給する水供給手段と該スラリー作製槽に特定
のCa塩基度を有するシリカ系凝集液原料を供給する原
料供給手段とスラリー作製槽内の液を撹拌する撹拌機と
によってを少なくとも構成される原料スラリー作製部
と、溶解槽と該溶解槽に一定量の水を供給する水供給手
段と該溶解槽内の液を撹拌する撹拌機と水が張られた溶
解槽に硫酸を注入するための硫酸注入手段と該溶解槽に
前記原料スラリーを供給する手段とによって少なくとも
構成される原料スラリー溶解部とを有することを特徴と
する。
【0019】本発明の好ましい態様としては、原料スラ
リー作製槽内の液中にシリカ系凝集液原料中に含まれる
鉄成分を磁選するための磁石を配してなることである。
【0020】以下、本発明について詳細に説明する。
【0021】(シリカ系凝集液原料の溶解方法)シリカ
系凝集液原料の溶解方法の第1は、希硫酸の希釈水溶液
を作成した後、シリカ系凝集液原料スラリーを投入する
点に特徴があり、この逆にシリカ系凝集液原料スラリー
に硫酸を添加した場合には、シリカ系凝集液原料がゾル
・ゲル状となってしまい、モノマーシリカの割合が少な
くなってしまう。
【0022】またシリカ系凝集液原料の溶解方法の第2
は、高濃度のシリカ系凝集液を得る方法であり、この高
濃度のシリカ系凝集液を得る方法を具体的に説明する
と、例えば、溶解槽に水を供給し、該溶解槽内の液を撹
拌しながら、conc硫酸を注入して1N濃度の希硫酸
1リットルを作成した後、該溶解槽内にCa塩基度1.
15を有するシリカ系凝集液原料スラリーを前記1N濃
度の希硫酸で溶解できる溶解平衡量42.5gを投入し
てシリカ系凝集液を得、次いで硫酸を前記希硫酸と同じ
当量分(H2 SO4 =49g)だけ添加し、更に前記シ
リカ系凝集液原料スラリーを該希硫酸で溶解できる溶解
平衡量42.5gを投入して、いわゆる2Nの高濃度シ
リカ系凝集液を得ることができる。尚、3N、4N、5
Nについても同様にこの操作を繰り返すことにより得ら
れる。
【0023】これに対し、溶解槽に水を供給し、該溶解
槽内の液を撹拌しながら、conc硫酸を注入して2N
濃度の希硫酸1リットルを作成した後、該溶解槽内にC
a塩基度1.15を有するシリカ系凝集液原料スラリー
を前記2N濃度の希硫酸で溶解できる溶解平衡量85g
を投入してシリカ系凝集液を得ると、やはり見掛け上は
いわゆる2Nの高濃度シリカ系凝集液を得ることができ
るように考えられるが、このようにして得られたシリカ
系凝集液は、シリカ系凝集液原料スラリーの添加によっ
て部分的にpHの上昇するところではシリカの重合化が
起こり、またpHの低いところでは無水シリカが生成さ
れたりして、必要とされるモノマーシリカが少なくなっ
てしまうという問題があり、凝集液効能やモノマーシリ
カの安定性に欠ける面がある。
【0024】(シリカ系凝集液の製造方法)次に、本発
明に係るシリカ系凝集液の製造方法の一例を図面に基い
て説明する。
【0025】図1は原料スラリーを作製するためのシス
テムフロー図である。図2はシリカ系凝集液の製造シス
テムフロー図である。
【0026】始めに図1に示すシステムフロー図に従っ
て原料スラリーを作製する。スイッチを入れてシステム
をスタートさせる。スラリー作製槽に水を張る。次いで
攪拌機を運転し、シリカ系凝集液原料フィーダーの運転
を開始する。原料を所定量投入後フィーダーを停止し、
5分間保持する。次いでスラリーポンプを運転し、原料
スラリーを希硫酸溶解槽に添加する。この過程でスラリ
ー作製槽の壁面に付着した原料を洗い出すためフラッシ
ングを所定時間行う。スラリーを所定量供給したらスラ
リーポンプを停止する。次いで攪拌機を停止する。
【0027】次に図2に示すシリカ系凝集液の製造シス
テムフロー図に従ってシリカ系凝集液を製造する。スイ
ッチを入れてシステムをスタートさせ、始めに溶解槽に
一定量の水を供給する。この水は通常水道水が用いられ
るが、格別限定されない。但し、鉄イオン、アルミニウ
ムイオン等の金属イオンを数ppm以上を含む水はモノ
マーシリカとインターアクションを起こし好ましくな
い。次に、水の量が一定になったら、溶解槽内の水を撹
拌する。次に硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成す
る。希硫酸濃度はモノマーシリカのゲル化を防止する意
味で2N以下が好ましく、より好ましくは1N以下であ
る。本例では1N希硫酸とする。
【0028】注入する硫酸は濃硫酸が用いられ、受け入
れ設備等を考慮すると、64%濃度で受け入れることが
好ましい。なお既設に98%濃硫酸設備(消防法完備)
がある場合にはそれを利用することもできる。
【0029】次に、数分間保持(撹拌下で放置)する。
均一な1N希硫酸を得るためである。保持時間は3分程
度あればよい。
【0030】次に、溶解槽内に前述のシリカ系凝集液原
料スラリーを投入する。本発明において、シリカ系凝集
液原料の「溶解平衡量」というのは、与えた硫酸量で溶
解できるシリカ系凝集液原料の量を意味する。本例では
1N希硫酸1リットルで溶解できるCa塩基度1.15
のシリカ系凝集液原料の量は42.5gである。
【0031】次に、溶解平衡に達するまで保持する。保
持時間は5分程度でよいが、より確実に溶解平衡に達す
るまでには15分間が好ましい。
【0032】次に、必要により溶解槽内のpHが2.5
を越えているかいないか、好ましくはpHが3.0〜
3.2の範囲にあるか否かを判断する。希硫酸と原料の
反応が進行すれば溶解槽内のpHが上昇してくる。そし
てpHが2.5未満である場合にはいまだ反応が溶解平
衡まで進行していないのでpHが2.5を越えるまで数
分間保持する。この保持によって反応が進行し、pHが
上昇する。反応を継続させればpHが3.0〜3.2に
収れんするため、その反応時間とpHの収れん関係をつ
かめばあえてかかるpH判断は必要ない。設備面で低コ
スト化を図る上ではかかるpH判断をしない方法をとる
ことが好ましい。
【0033】一方、pHが2.5以上である場合好まし
くはpHが3.0〜3.2の範囲にはいった場合には反
応が進行し溶解平衡に達したと判断できるので、次に濾
過するか否かを判断する。
【0034】そして、濾過しない場合にはスラッジを含
めたまま凝集液タンクに受け入れる。これによって本発
明のシリカ系凝集液を得ることができる。
【0035】また濾過する場合には濾過機で濾液とスラ
ッジに分離し、濾液を凝集液タンクに受け入れる。これ
によって本発明のシリカ系凝集液を得ることができる。
【0036】尚、濾過する場合の溶解槽内での最終pH
はpH≒3.0となるようシリカ系凝集液原料の量を増
して調節することも好ましい。
【0037】更にスラッジはCaSO4 ・2H2 O(石
膏)であり、これを例えばスラッジピットに受け入れ
る。
【0038】凝集液タンク内の本発明のシリカ系凝集液
が使用されて減少し、レベルセンサーで検出されたとき
には、スタートに戻って再度上記の方法を繰り返す。
【0039】上記図1、図2に示すシステムは自動化さ
れていることが好ましく、具体的連動関係は以下の装置
例で明らかにする。
【0040】本発明のシリカ系凝集液の製造方法に用い
られるシリカ系凝集液原料は、シリカの複合結晶鉱物・
非結晶鉱物であり、例えば天然クリストバル石、高炉ス
ラグ等が用いられる。具体的には、酸化処理等の改質処
理されたシリカ系凝集液原料、即ちシリカの複合結晶鉱
物・非結晶鉱物の未酸化硫黄成分が除去されたシリカ系
凝集液原料が好ましいが、特願平1−296371号に
記載されたシリカ系凝集液原料を用いることもできる。
【0041】(シリカ系凝集液の製造装置)次に、本発
明に係るシリカ系凝集液の製造装置の一例を図3に基い
て説明する。
【0042】図3において、1は硫酸注入手段であり、
例えば64%硫酸として受け入れる硫酸タンク101
と、硫酸ポンプ102と、ピペット状の硫酸定量容器1
03と、硫酸注入バルブ104とで構成されている。硫
酸ポンプ102には耐食性のポンプが用いられる。ピペ
ット状の硫酸定量容器103は、硫酸ポンプ102から
送られた硫酸を硫酸定量容器103の細管部に設けられ
たオーバーフロー管105からオーバーフローさせて定
量可能に構成されている。
【0043】2は溶解槽であり、樹脂製又は耐食性金属
で形成される。201は溶解槽2内の液を撹拌するため
の撹拌機であり、3は水道水注入手段を構成する水道水
注入バルブである。
【0044】溶解槽2内には、ハイレベルセンサー20
2とローレベルセンサー203が設けられている。ハイ
レベルセンサー202は硫酸ポンプ102、硫酸注入バ
ルブ104、撹拌機201と各々連動しており、ローレ
ベルセンサー203は硫酸注入バルブ104、撹拌機2
01、水道水注入バルブ3と各々連動している。
【0045】204は溶解槽2内に必要により設けられ
るpHメーターであり、pHが2.5を越えているかい
ないかを判断する指標とする。ただし前述のように硫酸
と原料の反応時間によってpH値は収れんするので、タ
イマーによってシーケンスを組むこともできる。
【0046】4は原料スラリー作製部であり、原料スラ
リー作製槽401と該スラリー作製槽401に一定量の
水を供給する水供給手段402と該スラリー作製槽40
1に特定のCa塩基度を有するシリカ系凝集液原料を供
給する原料供給手段403とスラリー作製槽内の液を撹
拌する撹拌機404とによってを少なくとも構成され
る。原料スラリー作製槽401には液面近傍に半径方向
に向かってバッフルプレート405が1又は2以上設け
られ、該バッフルプレート405には600〜1000
ガウス程度の磁石406が設けられている。磁石の固定
手段はビス止めあるいは接着等のいずれでもよい。磁石
を固定する際に磁着した鉄成分を除去しやすくするため
にビニル袋入りマグネットを使用することも好ましい。
【0047】スラリー作製槽401に一定量の水を供給
する水供給手段402としてはレベルセンサーLS1、
2と連動して開閉するコントロールバルブが用いられ
る。
【0048】スラリー作製槽401に特定のCa塩基度
を有するシリカ系凝集液原料を供給する原料供給手段4
03としてはホッパー403Aと自動供給する場合に設
けられる原料供給フィーダー403Bとによって構成さ
れる。ホッパー403A内にはシリカ系凝集液原料をホ
ッパー内で酸化するためのエアー供給手段を有していて
もよい。
【0049】原料をスラリー作製槽401に落とす位置
はバッフルプレート405の前後が好ましい。液の巻き
込みが強いため原料をすぐに液中に巻き込むために原料
のママコが生成しないためである。又原料を落とす(フ
ィーダーで切り出す)際には、全量を一度に切り出すよ
りも少しずつ切り出した方が塊(ママコ)の生成が少な
くなり、溶解当量分の凝集液を作製することがより確実
となるので好ましい。
【0050】スラリー作製槽401の形状は液流の減速
域を作らないように考慮すべきであり、断面円形が好ま
しい。
【0051】407は原料スラリーを溶解槽2に供給す
るためのスラリーポンプである。408はスラリーポン
プ407を運転し、原料スラリーを希硫酸溶解槽に添加
する過程でスラリー作製槽401の壁面に付着した原料
を洗い出すためのフラッシングノズルである。
【0052】5はシリカ系凝集液を受け入れるための凝
集液タンクである。溶解槽2内で得られた溶液はpHが
2.5以上、好ましくは2.5<pH<3.2であり、
濾過しない場合には、送液ポンプ501によって直接凝
集液タンク5に送られる。502は撹拌機、503はバ
ルブである。一方、溶解槽2内で得られた溶液は、pH
が2.5以上、好ましくは2.5<pH<3.2であり
かつ溶液を濾過する場合には、送液ポンプ501によっ
て濾過機6に送られる。濾過機6では濾液とスラッジに
分離され、濾液は凝集液タンク5に送られる。またスラ
ッジはスラッジピット601に貯留される。
【0053】凝集液タンク5内のシリカ系凝集液は処理
水ポンプ7によって各種排水処理に供される。処理水ポ
ンプ7はローレベルセンサー(LS3)504の検知で
停止する。
【0054】なお前述の溶解槽2内で得られた溶液がp
Hが2.5以上、好ましくは2.5<pH<3.2であ
り、濾過しない場合には、送液ポンプ501によってラ
イン505を介して直接各種排水処理に供することもで
きる。
【0055】次に、本発明の溶解方法並びにシリカ系凝
集液の製造方法、装置に好ましく採用される主なシーケ
ンスを説明するが、必ずしも限定されない。
【0056】硫酸注入手段1に64%硫酸が受け入れら
れ、硫酸定量容器103に所定量計量しておく。また水
道水注入バルブ3を開いて溶解槽2内に水を所定量満た
しておく。この状態で撹拌機210を起動する。次いで
硫酸注入バルブ104を開いて所定量を注入する。時間
差5分間を設けて、原料スラリー作製シーケンスを作動
させ、スラリーポンプ407を作動させ、所定量のスラ
リーを供給したら停止する。
【0057】時間差15分間を設けて、バルブ503を
開いて、送液ポンプ501を起動する。この送液ポンプ
501の運転は濾過機6と連動させる(但し、濾過を必
要とする場合)。従って、送液ポンプ501の起動と同
時に濾過機6も起動する。
【0058】ローレベルセンサー(LS2)203の検
知によって送液ポンプ501を停止し、バルブ503を
閉じ、濾過機6の運転を停止する。
【0059】濾液は凝集液タンク5に受け入れられ、こ
の時撹拌機502は連続運転している。
【0060】処理水ポンプ7が作動し、凝集液タンク5
内の液面が低下し、ローレベルセンサー504が検知し
たら、処理水ポンプ7が停止すると共に水道水注入バル
ブ3が開いて、水道水を溶解槽2に供給する。水道水注
入バルブ3はハイレベルセンサー(LS1)202の検
知によって閉じる。
【0061】またローレベルセンサー203の検知によ
って水道水注入バルブ3を開いて、水道水を溶解槽2に
供給するようにすることもできる。
【0062】
【実施例】
実施例1 始めにシリカ系凝集液原料を200mlの水に添加・攪
拌して原料スラリーを得た。
【0063】次いで1リットルビーカーに1.25N硫
酸800mlを入れ、マグネットスターラーで攪拌しな
がら、先に作った原料スラリーを全量注入して溶解して
シリカ系凝集液を作製した。
【0064】スラリーの溶解は1〜2分間で完了する
が、更に5分間攪拌を続けた後、シリカ系凝集液のpH
を測定した。
【0065】またシリカ系凝集液中の不溶解残渣の有無
を目視によって観察した。
【0066】更にこのシリカ系凝集液の粘度を指標とし
て測定して、重合ゲル化状態を調べた。又静置してゾル
ゲル化進行状態を調べた。粘度の測定は濾過液について
粘度計により行った。
【0067】測定結果を表1に示す。
【0068】また比較として原料を予めスラリー化せず
に粉末のまま直接希硫酸に溶解してシリカ系凝集液を
得、同様に測定した。
【0069】なおNo.7は希硫酸に原料全量を一度に
添加した場合、No.8は希硫酸に原料全量を10gづ
つに分けて添加した場合、No.9は希硫酸に原料全量
を5gづつに分けて添加した場合を示している。
【0070】
【表1】 表1から明らかなように、本発明では不溶解残渣がない
のに対し、比較の場合は不溶解残渣が認められた。
【0071】また本発明ではシリカ系凝集液原料の量と
pHの間に顕著な相関が認められ、安定した溶解が行わ
れたことがわかる。
【0072】更にシリカの重合、ゲル化については本発
明と比較において差異は認められなかった。
【0073】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、先提案技術と同様の効果を発揮できるのみな
らず、以下の特有の効果を発揮する。
【0074】請求項1〜4に記載の発明によれば、シリ
カ系凝集液原料の溶解の際に、硫酸カルシウムのママコ
のような不溶解残渣が析出せず、溶解当量分の凝集液が
得られ、液相系に悪影響を与えることがないシリカ系凝
集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の製造方法及び装
置を提供することができる。
【0075】請求項5記載の発明によれば、コンパクト
な装置でかつ粉塵の流出の問題もなく効果的にシリカ系
凝集液原料中の極微小な鉄あるいは鉄酸化物を除去でき
るシリカ系凝集液の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料スラリーを作製するためのシステムフロー
【図2】シリカ系凝集液の製造システムフロー図
【図3】シリカ系凝集液の製造装置の一例を示す説明図
【符号の説明】
1:硫酸注入手段 101:硫酸タンク 102:硫酸ポンプ 103:硫酸定量容器 104:硫酸注入バルブ 105:オーバーフロー管 2:溶解槽 201:撹拌機 202:ハイレベルセンサー 203:ローレベルセンサー 204:pHメーター 3:水道水注入バルブ 4:原料スラリー作製部 401:原料スラリー作製槽 402:水供給手段 403:原料供給手段 403A:ホッパー 403B:原料供給フィーダー 404:撹拌機 405:バッフルプレート 406:磁石 407:スラリーポンプ 408:フラッシングノズル 5:凝集液タンク 501:送液ポンプ 502:撹拌機 503:バルブ 504:ローレベルセンサー 505:ライン 6:濾過機 601:スラッジピット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水を張ったスラリー作製槽に特定のCa塩
    基度を有するシリカ系凝集液原料を所定量投入後攪拌分
    散させて原料スラリーを作成し、かつ一定量の水を張っ
    た溶解槽に硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した
    後、該溶解槽内に前記原料スラリーを前記希硫酸で溶解
    できる溶解平衡量を投入することを特徴とするシリカ系
    凝集液原料の溶解方法。
  2. 【請求項2】モノマーシリカの含有割合が高く、かつ高
    濃度シリカ系凝集液が得られるシリカ系凝集液原料の溶
    解方法において、請求項1記載の方法によってシリカ系
    凝集液を得、次いで硫酸を前記希硫酸と同じ当量分だけ
    添加し、再度前記原料スラリーを該希硫酸で溶解できる
    溶解平衡量を投入し、必要によりこの操作を繰り返すこ
    とを特徴とするシリカ系凝集液原料の溶解方法。
  3. 【請求項3】水を張ったスラリー作製槽に特定のCa塩
    基度を有するシリカ系凝集液原料を所定量投入後攪拌分
    散させて原料スラリーを作成し、かつ一定量の水を張っ
    た溶解槽に硫酸を注入して所定濃度の希硫酸を作成した
    後、該溶解槽内に前記原料スラリーを前記希硫酸で溶解
    できる溶解平衡量を投入し、次いで溶解平衡に達するま
    で保持した後、次に必要により該溶解槽内のpHが2.
    5を越えているかいないかを判断し、該pHが2.5未
    満である場合にはpHが2.5を越えるまで数分間保持
    し、一方pHが2.5以上である場合には次に濾過する
    か否かを判断し、濾過しない場合にはそのままシリカ系
    凝集液とし、また濾過する場合には濾液をシリカ系凝集
    液とすることを特徴とするシリカ系凝集液の製造方法。
  4. 【請求項4】原料スラリー作製槽と該スラリー作製槽に
    一定量の水を供給する水供給手段と該スラリー作製槽に
    特定のCa塩基度を有するシリカ系凝集液原料を供給す
    る原料供給手段とスラリー作製槽内の液を撹拌する撹拌
    機とによってを少なくとも構成される原料スラリー作製
    部と、溶解槽と該溶解槽に一定量の水を供給する水供給
    手段と該溶解槽内の液を撹拌する撹拌機と水が張られた
    溶解槽に硫酸を注入するための硫酸注入手段と該溶解槽
    に前記原料スラリーを供給する手段とによって少なくと
    も構成される原料スラリー溶解部とを有することを特徴
    とするシリカ系凝集液の製造装置。
  5. 【請求項5】原料スラリー作製槽内の液中にシリカ系凝
    集液原料中に含まれる鉄成分を磁選するための磁石を配
    してなることを特徴とする請求項5記載のシリカ系凝集
    液の製造装置。
JP29121593A 1993-10-26 1993-10-26 シリカ系凝集液原料の溶解方法、シリカ系凝集液の製造方法及び装置 Pending JPH07126007A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273927A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Sanyu Rec Co Ltd 無機充填材の絶縁性改善方法
CN102502661A (zh) * 2011-10-25 2012-06-20 黑龙江大学 一种以碱式活化污泥炭为原料制备纳米二氧化硅的方法

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