JP2556859Y2 - オーバドアの落下防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、シャッタカーテンを天
井に沿って格納するオーバドア、特に幅広間口の出入口
に設けられるオーバドアに於けるオーバドアの落下防止
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】建物用シャッタカーテンの１つに、所要
数のパネルを屈撓自在に連結してシャッタカーテンを構
成し、該シャッタカーテンを天井に沿って格納するオー
バドアが在る。このオーバドアを幅広間口の出入口に設
ける場合、複数のシャッタカーテンを幅方向に連結し、
出入口には中柱を移動可能に設け、出入口を閉じる場合
は中柱を立設し、前記複数のシャッタカーテンのガイド
をすると共に、隣接するシャッタカーテンを連結してい
る。

【０００３】従来の幅広間口の出入口に設けられるオー
バドアについて、図５に於いて説明する。尚、図５中、
説明を簡単にする為、シャッタカーテンは省略してい
る。

【０００４】天井１に沿って水平レール２が設けられ、
出入口側柱には固定垂直レール３が設けられ、中柱４，
５には可動垂直レール６が設けられている。該中柱４，
５は出入口鴨居に沿って設けられたガイドレール（図示
せず）に懸架され、移動可能となっている。図５中、中
柱４は取付け状態、中柱５は移動状態を示している。

【０００５】出入口上方には、バランススプリング７に
よって巻取り方向に付勢されたワイヤドラム８が設けら
れている。該ワイヤドラム８より繰出されたワイヤは前
記図示しないシャッタカーテンに係着され、該シャッタ
カーテン自重と前記バランススプリング７との巻上げ力
とがバランスする様になっている。

【０００６】前記シャッタカーテンのパネル屈曲部には
ガイドローラが設けられ、該ガイドローラが前記水平レ
ール２、固定垂直レール３、可動垂直レール６に係合
し、これらレールに沿って昇降する様になっている。

【０００７】斯かるオーバドアで、シャッタカーテンを
前記水平レール２に収納させ、且前記中柱を移動させた
状態で、誤って、或は何等かの原因でシャッタカーテン
が下降すると、前記可動垂直レール６にガイドされない
状態で該シャッタカーテンが降下することになって不具
合であると共に、次にシャッタカーテンを上昇させる場
合は全てのガイドローラを手作業で前記水平レール２に
係合しなければならないという面倒さがある。そこで、
従来の幅広間口の出入口用のオーバドアの中には、中柱
を移動させた場合に前記シャッタカーテンが下降しない
様に前記水平レールの先端に落下防止装置を設けている
ものがある。

【０００８】図６、図７に於いて従来の落下防止装置を
説明する。

【０００９】９は前記中柱が接続される上端受部であ
り、該上端受部９の両側には前記水平レール２の先端が
固定されている。該上端受部９の中央には上下方向に摺
動自在なスライドリンク１０が設けられており、該スラ
イドリンク１０の下端は自由状態で前記上端受部９より
下方に突出している。該スライドリンク１０には対称的
に配置された一対のＬ字状のレバーリンク１１の一端が
係合され、該レバーリンク１１他端は水平方向に摺動自
在に設けられたストッパピン１２とそれぞれ係合してい
る。

【００１０】該ストッパピン１２，１２との間には両ス
トッパピン１２を離反方向に付勢するスプリング１３が
挾設され、又前記スライドリンク１０には該スライドリ
ンク１０下方に付勢するスプリング１４が設けられてい
る。

【００１１】中柱を移動させた状態では、ストッパピン
１２が水平レール２側に突出した状態となっており、該
ストッパピン１２によってシャッタカーテンの下降が阻
止される。

【００１２】前記中柱を前記上端受部９に連結する場合
は、該中柱を上端受部９下方まで移動させ、次に中柱を
持上げて設置する。中柱を持上げることで該中柱で前記
スライドリンク１０を上昇させ、該スライドリンク１０
と連動して、前記ストッパピン１２が前記水平レール２
より上端受部９内部に引込まれ、シャッタカーテンは自
在に昇降可能となる。

【００１３】

【考案が解決しようとする課題】上記した従来の落下防
止装置では、部品点数が多く、構造が複雑で、コスト高
となっていると共に組立て作業性も悪い。又、中柱を持
上げて設置するので、正確に設置されているかどうかを
確認しずらいうえ、更に中柱は重量があって持上げ作業
は力の要る面倒な作業となっていた。

【００１４】本考案は斯かる実情に鑑み、構造が簡単で
而も中柱を設置する場合に設置作業の容易なシャッタカ
ーテンの落下防止装置を提供しようとするものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本考案は、天井に沿って
設けられた水平レールと、移動可能な中柱に設けられ、
前記水平レールと連続可能な垂直レールとを有し、シャ
ッタカーテンを該水平レールと垂直レールに沿って開閉
可能としたオーバドアに於いて、前記水平レールの先端
に設けた上端受部の下端に該水平レールに対して直角方
向に摺動自在にスライドプレートを設け、該スライドプ
レートを上端受部に対して突出方向に付勢し、該スライ
ドプレートに前記水平レールの通路を遮断する係止部を
設けると共に前記スライドプレートの突出部は両角部を
切除した台形状とし、前記中柱に前記スライドプレート
の突出部に係合する解除ピンを設け、該解除ピンが前記
突出部に水平方向より係合することにより前記スライド
プレートが押込まれ、前記係止部が前記水平レールの通
路を開放する様構成したことを特徴とするものである。

【００１６】

【作用】中柱移動状態では、スライドプレートが突出
し、該スライドプレートの係止部が水平レールの通路を
遮断し、中柱設置状態では解除ピンがスライドプレート
の突出部に係合して、該スライドプレートを押込み、前
記係止部は水平レールの通路を開放している。

【００１７】

【実施例】以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明
する。

【００１８】尚、図１〜図４中、図６、図７中で示した
ものと同一機能を有するものには同符号を付し、その説
明を省略する。

【００１９】ボックス状に形成された上端受部９の下端
面にスライドプレート１６を摺動自在に設ける。該スラ
イドプレート１６の上面にはガイドローラ１７を枢着
し、該ガイドローラ１７は前記上端受部９の内側面に転
接させる。

【００２０】前記スライドプレート１６の両側辺には、
前記上端受部９の下端欠切部１８より係止部１９を延出
させており、該係止部１９が前記スライドプレート１６
の摺動によって前記水平レール２の通路に出入りする様
になっている。該スライドプレート１６の先端部は両角
部を切除して台形状としており、該先端部にスプリング
受２０を固着している。又、該スライドプレート１６の
後端部には切込み２１が形成されており、該切込み２１
には前記上端受部９の下端面に固着したスプリング受２
２が摺動自在に嵌合している。

【００２１】該両スプリング受２０，２２の間に圧縮ス
プリング２３を挾設し、前記スライドプレート１６を突
出方向に付勢する。而して、該スライドプレート１６が
突出した状態が中柱４，５の移動した状態であり、該状
態で、前記係止部１９は前記水平レール２の通路を遮断
した状態となっている。

【００２２】次に、前記中柱４，５の屋内側には解除ピ
ン２４が設けられ、該解除ピン２４は前記スライドプレ
ート１６の突出部に当接する様になっている。

【００２３】以下、作動を説明する。

【００２４】図２は、中柱４，５が移動した状態であ
り、中柱４，５を前記上端受部９に連結する場合は、中
柱４，５を図中左方へ移動する。

【００２５】該中柱４，５が移動すると、解除ピン２４
が前記スライドプレート１６に当接し、該解除ピン２４
の移動と共に前記スライドプレート１６を押込む。図４
は中柱４，５が設置された状態であり、この状態では前
記スライドプレート１６は完全に押込まれ、前記係止部
１９は水平レール２の通路より完全に脱している。而し
て、シャッタカーテン２５に設けられたガイドローラ２
６は、前記水平レールから垂直レールに自在に乗移るこ
とができる。

【００２６】上記説明の如く、本実施例では唯１つのス
ライドプレートの摺動のみで、シャッタカーテンの落下
防止、解除が可能となる。

【００２７】尚、スライドプレートの形状、スライドプ
レートを付勢するスプリングの取付け方等は、上記実施
例に限定されることなく種々変更が可能であることは言
う迄もない。

【００２８】

【考案の効果】以上述べた如く本考案によれば、部品点
数が少なく、唯１つのスライドプレートの摺動のみで、
シャッタカーテンの落下防止、解除が可能となる等、構
造が簡単であると共に中柱の設置は水平方向に移動させ
るだけで持上げ動作を必要とせず、又、スライドプレー
トの先端を台形状としてあるので中柱は左右いずれの方
向からも設置でき、設置作業の容易化、確実化を図るこ
とができる等、の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ矢視図である。

【図３】図１のＢ矢視図である。

【図４】図１のＡ矢視図である。

【図５】オーバドアの説明図である。

【図６】従来例の平面図である。

【図７】従来例の側面図である。

【符号の説明】

２ 水平レール ４ 中柱 ５ 中柱 ６ 可動垂直レール ９ 上端受部 １６ スライドプレート １９ 係止部 ２３ 圧縮スプリング ２５ シャッタカーテン

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井に沿って設けられた水平レールと、
   移動可能な中柱に設けられ、前記水平レールと連続可能
   な垂直レールとを有し、シャッタカーテンを該水平レー
   ルと垂直レールに沿って開閉可能としたオーバドアに於
   いて、前記水平レールの先端に設けた上端受部の下端に
   該水平レールに対して直角方向に摺動自在にスライドプ
   レートを設け、該スライドプレートを上端受部に対して
   突出方向に付勢し、該スライドプレートに前記水平レー
   ルの通路を遮断する係止部を設けると共に前記スライド
   プレートの突出部は両角部を切除した台形状とし、前記
   中柱に前記スライドプレートの突出部に係合する解除ピ
   ンを設け、該解除ピンが前記突出部に水平方向より係合
   することにより前記スライドプレートが押込まれ、前記
   係止部が前記水平レールの通路を開放する様構成したこ
   とを特徴とするオーバドアの落下防止装置。