JP2556285B2 - 塩素化ポリエチレン系架橋組成物の製法 - Google Patents

塩素化ポリエチレン系架橋組成物の製法

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JP2556285B2 JP1816494A JP1816494A JP2556285B2 JP 2556285 B2 JP2556285 B2 JP 2556285B2 JP 1816494 A JP1816494 A JP 1816494A JP 1816494 A JP1816494 A JP 1816494A JP 2556285 B2 JP2556285 B2 JP 2556285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、他のゴムに対する接着
性に優れた塩素化ポリエチレンと塩素化エチレン−アク
リル酸アルキルエステル共重合体とを主体とする架橋組
成物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化ポリエチレンは十分に架橋される
ことにより、各種高分子材料の中でも特に優れた機械的
特性,耐熱性,耐油性,耐薬品性,耐候性を有するポリ
マーとして知られ、中でもポリエチレンの融点付近の温
度での塩素化工程を含む方法で製造された塩素化ポリエ
チレンは、エラストマー材料として注目されつつある材
料である。近年、ゴム業界では、マイクロ波架橋(以下
UHF架橋という)による連続架橋法が盛んに行われて
いる。UHF架橋については例えば「架橋設備ハンドブ
ック」(大成社(株)発行,昭和58年3月15日初
版)第122〜第134頁に記載がある。この架橋法
は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR),エチレン−
プロピレンゴム(EPDM)等についてはゴム業界では
広く行われているが、塩素化ポリエチレンゴムについて
は未だ行われていない。さらに、近年ゴム業界において
は、異なる特徴を有する2種のポリマーを架橋接着し、
それぞれの特性を生かした積層体を製造する方法が盛ん
に行われてきている。我々は、上記の接着性を改善する
ため、塩素化ポリエチレンと塩素化エチレン−アクリル
酸アルキルエステル共重合体との混合物を主体とする組
成物について提案した(特願昭61−19037号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の塩
素化ポリエチレンと塩素化エチレン−アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体との混合物を主体とする組成物につ
いて、UHF架橋を実際に行ったところ、架橋後のゴム
が発泡する現象、すなわち大小の気泡がゴム中に無数に
生ずる現象があり、実用上使用し得ないことが判明し
た。したがって本発明の目的は他の物性の低下をもたら
すことなく、上記の発泡現象を抑制し優れたUHF架橋
性を有する塩素化ポリエチレンと塩素化エチレン−アク
リル酸アルキルエステル共重合体との混合物を主体とす
る架橋用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために鋭意検討を進めた結果、上記架橋用組
成物に生石灰、又は生石灰と有機錫化合物とを配合する
ことにより、UHF架橋時の発泡の問題を解決するとと
もに、優れた架橋物性を与えることを見出し、本発明を
完成した。
【0005】すなわち本発明は、(a)塩素化ポリエチ
レン5〜95重量%とアクリル酸アルキルエステルの含
量が1〜20重量%であるエチレン−アルキルエステル
共重合体を塩素化して得られる塩素含量2〜45重量%
の塩素化共重合体95〜5重量%とよりなる混合物10
0重量部,(b)メルカプトトリアジン類0.1〜5重
量部,(c)110℃以上の沸点を有するアミン,該ア
ミンの有機酸塩、もしくはその付加物,ジアリ−ルグア
ニジン,アニリンとアルデヒドとの縮合生成物及び1級
もしくは2級アミンの2−ベンゾチアジルスルフェンア
ミドから選ばれる1種又は2種以上の化合物を(b)成
分1モルに対し0.5〜3モル,(d)生石灰1〜30
重量部,(e)後述する有機錫化合物0.1〜2重量部
を含む組成物をマイクロ波により架橋することを特徴と
する塩素化ポリエチレン系架橋組成物の製法である。
【0006】本発明に用いられる(a)成分の塩素化ポ
リエチレンとしては任意の塩素含量,結晶度,分子量分
布を有する塩素化ポリエチレンが対象となるが、特にメ
ルトインデックス0.01〜100のポリエチレンを用
いて塩素化した塩素含量20〜50重量%の非晶質もし
くは実質的に非晶質のものが本発明の効果を顕著に発揮
できるので好ましい。
【0007】本発明において塩素化ポリエチレンとブレ
ンドされる塩素化エチレン−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体(以下塩素化エチレン系共重合体と略称する
ことがある)は、エチレンとアクリル酸アルキルエステ
ルもしくはメタクリル酸アルキルエステル(以下両者を
(メタ)アクリル酸アルキルエステルという)を公知の
方法によって重合させた共重合体を後塩素化したものを
いう。共重合体中の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルの含有量は、通常共重合体中1重量%以上、好ましく
は2〜20重量%含むものが適当である。1重量%未満
では、組成物として本発明の目的とする良好な接着性が
得られ難い。共重合体の分子量は特に限定されないが、
塩素化反応の容易性及び架橋物特性、特にエラストマー
材料としての使用等を考慮するとメルトインデックスが
0.1〜100の範囲のものが適当である。塩素化エチ
レン系共重合体の塩素含量は、共重合体の種類,分子
量,組成等によって異なるが、通常2〜45重量%、好
ましくは10〜40重量%の範囲にあるものが適当であ
る。塩素含量が45重量%をこえるものは、最早ゴム弾
性が消失し固くなって加工性も損なわれるし、塩素化に
長時間を要するなど好ましくない。また塩素含量が2重
量%未満のものは、架橋の際の架橋点となる塩素原子が
共重合体の分子鎖中に少なくて架橋が有効に起こらない
ため好ましくない。
【0008】本発明の塩素化エチレン系共重合体の原料
の一つである(メタ)アクリル酸アルキルエステルは下
記一般式(I)で表わされる。
【0009】
【化1】 上記一般式(I)において、R1 は炭素数1〜5のアル
キル基であり、R2 は水素又はメチル基である。
【0010】一般式(I)で表わされる化合物の具体例
としては、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アク
リル酸n−ブチル,アクリル酸t−ブチル,メタクリル
酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−ブチ
ル,メタクリル酸t−ブチル等が挙げられる。
【0011】エチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルとの共重合体を塩素化する方法としては、塩素化
ポリエチレンの製造法に準じた方法が採用できる。即
ち、従来から行われている溶液法,水性懸濁法のいずれ
も採用できる。しかし、溶液法は溶媒の回収に多大の経
費が必要であるし、塩素化反応工程における反応液の粘
性の問題もあって一般には水性懸濁法が好ましい。共重
合体は通常粒状もしくはペレット状で入手されるが、こ
れを常法により粉砕して粉末状にして用いる。
【0012】本発明における塩素化ポリエチレンと塩素
化エチレン系共重合体とのブレンド比率は、通常重量比
で95〜5:5〜95%の範囲がよい。塩素化ポリエチ
レンの量が5重量%未満では、これ自体が保有する優れ
た性能を生かすことができず、また塩素化エチレン系共
重合体の量が5重量%未満であると接着性に十分な結果
が得られない。本発明に使用される(b)成分のメルカ
プトトリアジン類は下記の一般式(II)で表わされる。
【0013】
【化2】 (但しR3 は、メルカプト基,アルコキシ基,アルキル
アミノ基,ジアルキルアミノ基,シクロアルキルアミノ
基,ジシクロアルキルアミノ基,アリールアミノ基から
なる群より選ばれる。)
【0014】上記一般式(II)の具体例としては、1,
3,5−トリチオシアヌル酸,1−メトシキ−3,5−
ジメルカプトトリアジン,1−ヘキシルアミノ−3,5
−ジメルカプトトリアジン,1−ジエチルアミノ−3,
5−ジメルカプトトリアジン,1−ジブチルアミノ−
3,5−ジメルカプトトリアジン,1−シクロヘキシル
アミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン,1−フェニ
ルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン等をあげる
ことができる。
【0015】本発明に使用される(c)成分の塩基性ア
ミン化合物すなわち110℃以上の沸点を有するアミン
としては特に炭素数5〜20の脂肪族または環式脂肪族
第1、第2もしくは第3アミンであってpk値約4.5
以下のものがよい。このようなアミンの代表例として
は、n−ヘキシルアミン,オクチルアミン,ジブチルア
ミン,トリブチルアミン,トリオクチルアミン,ジ(2
−エチルヘキシル)アミン.ジシクロヘキシルアミン,
ヘキサメチレンジアミンなどがある。
【0016】また、アミンの有機酸塩もしくは付加物と
してはpk値が約4.5以下のアミンとpk値が約2.
0以上の有機酸との塩もしくは付加物がよい。このよう
なアミンの有機酸塩の代表的な例としては、n−ブチル
アミン酢酸塩,ジブチルアミンオレイン酸塩,ヘキサメ
チレンジアミンカルバミン酸塩,2−メルカプトベンゾ
チアゾールのジシクロヘキシルアミン塩などがある。ま
た塩基性アミン化合物におけるジアリールグアニジンの
例としては、ジフェニルグアニジン,ジトリルグアニジ
ンなどがある。また、アニリンとアルデヒドの縮合生成
物としては、アニリンと少なくとも1種の炭素数1〜7
のアルデヒドとの縮合生成物が好ましい。具体例として
は、アニリンとブチルアルデヒドの縮合物,アニリンと
ヘプタアルデヒドの縮合物,アニリンとアセトアルデヒ
ドおよびブチルアルデヒドの縮合物などがある。また1
級もしくは2級アミンの2−ベンゾチアジルスルフェン
アミドは次の一般式(III) で示されるものである。
【0017】
【化3】 (但しR4 ,R5 は同一でも異なっていてもよく、水
素,アルキル基,シクロアルキル基,アラルキル基より
選ばれる炭素数1〜12であり、かつヘテロ原子を含む
置換基を有しない基であり、またR4 ,R5 が共に水素
であることはない)
【0018】上記スルフェンアミドを形成する1級また
は2級アミンとしては約4.5以下のpk値を有するも
のがよく、具体例としてはシクロヘキシルアミン,ブチ
ルアミン類,ジエチルアミン類,ジプロピルアミン類,
ジブチルアミン類,ジヘキシルアミン類,ジオクチルア
ミン類,ジラウリルアミン類,ジシクロヘキシルアミ
ン,ピペリジン,ピペリコン,モルホリン,ピペラジン
などがある。
【0019】本発明に使用される(d)成分の生石灰は
化学式CaOで示され、ゴム中における生石灰の分散
上、また架橋物性上微細に粉砕したものが好ましい。さ
らに分散性を改善するためにゴム可塑剤を予め混合した
ものも用いうる。この様な目的で使用される生石灰とし
ては近江化学(株)社の商品名「CML#21」等が市
販されている。生石灰はUHF架橋時の発泡を防止する
ほか、架橋の際の受酸剤としての作用をも有するが、通
常他の受酸剤となる金属化合物を併用するのが有利であ
る。
【0020】この様な受酸剤は架橋物の安定性及び適切
な架橋速度を与えるものであり、具体的には周期律表第
II族金属の酸化物(CaOを除く),水酸化物,カルボ
ン酸塩,ケイ酸塩,炭酸塩,亜燐酸塩,ホウ酸塩,周期
律表第IVA族金属の酸化物,塩基性亜燐酸塩,塩基性炭
酸塩,塩基性カルボン酸塩,塩基性亜硫酸塩,三塩基性
硫酸塩などが挙げられる。具体例としては、マグネシ
ア,水酸化マグネシウム,水酸化バリウム,炭酸マグネ
シウム,炭酸バリウム,消石灰,炭酸カルシウム,ケイ
酸カルシウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸
亜鉛,フタル酸カルシウム,亜燐酸マグネシウム,亜燐
酸カルシウム,亜鉛華,酸化錫,リサージ,鉛丹,鉛
白,二塩基性フタル酸鉛,二塩基性炭酸鉛,ステアリン
酸錫,塩基性亜燐酸鉛,塩基性亜燐酸錫,塩基性亜硫酸
鉛,三塩基性硫酸鉛などを挙げることができる。
【0021】上記各成分の配合量は(a)塩素化ポリエ
チレンと塩素化エチレン系共重合体との合計100重量
部に対し、(b)成分は0.1〜5重量部、好ましくは
0.5〜3重量部,(c)成分は(b)成分1モルに対
し0.5〜3モル,(d)成分は1〜30重量部であ
る。(d)成分が1重量部未満であると発泡を抑制する
ことができず、30重量部より多ければ架橋後の物性の
低下をもたらす。(d)成分と併用される受酸剤となる
金属化合物は0.5〜20重量部の範囲が適当である。
【0022】本発明に使用される有機錫化合物(e)と
は次の一般式(IV)で示されるものである。 RSnY又はRSnZ (IV) (但しRはC〜C20のアルキル基,Yは酸素又はC
〜C20の脂肪族ジカルボン酸残基,ZはC〜C
20の脂肪族カルボン酸残基であり、該ジカルボン酸残
基もしくは該カルボン酸残基はこれらの残基の酸素原子
とSn原子とが単結合で結合している。)具体的にはマ
レイン酸ジ−n−ブチル錫,マレイン酸ジ−n−オクチ
ル錫,コハク酸ジ−n−ブチル錫,酸化ジ−n−ブチル
錫等が挙げられる。このような有機錫化合物はポリ塩化
ビニール等の安定剤として知られているが、架橋組成物
に対しては未だ検討されたことはない。すなはち架橋組
成物には、早期架橋を防止するためのスコーチ防止剤の
添加が極めて有用であるが、本発明のようなUHF架橋
を行う場合は、通常の架橋の際には考えられなかったよ
うな高温度にさらされるので公知のスコーチ防止剤、例
えば無水フタル酸等の有機酸,N−(シクロヘキシルチ
オ)−フタルイミド等は熱安定性に乏しく、スコーチ防
止剤としての効果がない。本発明者らは種々のポリ塩化
ビニール安定剤が熱安定性の点で良好であるので種々検
討を重ねた結果、上記有機錫化合物のみがスコーチ防止
効果を有し、組成物の加工安定性が増すとともに、UH
F架橋時の発泡をも抑制する作用のあることを見出した
ものである。
【0023】本発明における有機錫化合物(e)の配合
量は塩素化ポリエチレン100重量部に対し0.1〜2
重量部であり、0.1重量部未満ではスコーチ防止効
果,熱安定性の向上及び発泡防止の効果はなく、2重量
部をこえると架橋速度が大幅に遅くなるので好ましくな
い。
【0024】本発明に使用される組成物には、当該技術
分野において通常行われているような各種の配合剤、例
えば充填剤,補強剤,可塑剤,安定剤,老化防止剤,滑
剤,粘性賦与剤,顔料,難燃剤などを添加することは自
由である。
【0025】本発明に使用される組成物の混合方法とし
ては、予めポリマー成分を混合しておき、これに架橋系
成分を混入すればよい。混合機としてはヘンシエルミキ
サー,オープンロール,ニーダー,バンバリミキサー等
の通常のものが使用できる。このような混合を行うに際
し塩素化ポリエチレンと塩素化エチレン系共重合体との
混合物にメルカプトトリアジン類及び生石灰以外の各成
分を150〜220℃で混合し、その後メルカプトトリ
アジン類及び生石灰を150℃以下、好ましくは120
〜50℃で混合するのが好ましい。上記第1段目の混合
を150℃より低い温度で行うと、発泡が大きくなり易
くその原因は明らかではないが組成物中の水分が揮散す
るためと思われる。また220℃より高い混合温度で
は、ポリマー成分の熱分解を起すおそれがある。
【0026】本発明に使用される組成物は特に他種ゴ
ム、例えばアクリルニトリルブタジエンゴムやエピクロ
ルヒドリンゴムの如き他の優れた特性を持つポリマーを
UHF架橋接着して両面の特性がそれぞれ異なる積層体
を製造するのに非常に適しており、積層体の界面は非常
に強固に接着される。この様な積層体を製造するための
アクリルニトリルブタジエンゴムの組成物としては「合
成ゴム加工技術全書ニトリルゴム」(大成社(株)昭
和51年10月30日初版)第117〜120頁に記載
がある。UHF架橋積層体の製法は前記「架橋設備ハン
ドブック」第122〜第134頁に記載されている架橋
法を用いることができる。
【0027】
【実施例】以下実施例,参考例,比較例を示すが例中組
成の部,%は何れも重量基準である。 実施例,参考例,比較例 (塩素化エチレン系共重合体の製造) 塩素化エチレン系共重合体A メルトインデックス6.5、アクリル酸エチル含有量1
8重量%のエチレン−アクリル酸エチル共重合体粉末5
kgを容積100lのグラスライニング加圧型反応器に
水70l,湿潤剤,分散剤と共に入れ、攪拌しながら8
0℃に昇温させた後、塩素ガスを導入しゲージ圧3kg
/cm2 ,80℃で5時間塩素化反応を行った。反応
後、塩素化物を水洗及び乾燥し塩素含量30%の塩素化
エチレン−アクリル酸エチル共重合体6.9kgを得
た。 塩素化エチレン系共重合体B 塩素化反応条件のうち反応時間を2.5時間とした以外
は塩素化エチレン系共重合体Aの製法と同様にして塩素
含量13%の塩素化エチレン−アクリル酸エチル共重合
体5.5kgを得た。 塩素化エチレン系共重合体C メルトインデックス0.7、アクリル酸エチル含有量
3.5重量%のエチレン−アクリル酸エチル共重合体粉
末を用い、塩素化反応条件のうち反応時間を8時間とし
た以外は塩素化エチレン系共重合体Aの製法と同様にし
て塩素含量42%の塩素化エチレン−アクリル酸エチル
共重合体7.8kgを得た。
【0028】(架橋組成物の製造)第1表に示す各組成
物のうち、ポリマー成分をニーダーで予め混合した後、
他の成分を添加混合し、混合終了時に組成物が190℃
になる様にニーダーのジャケット温度を調整し、次いで
70℃のロールでメルカプトトリアジン(OF−10
0)及び生石灰(CML#21)を10分間混練して厚
さ2mmのシート状とした。
【0029】なお組成物中の塩素化ポリエチレンはメル
トインデックス0.8の高密度ポリエチレンを水性懸濁
下に高温塩素化して製造された塩素含有量40%のゴム
状ポリマーである。上記のシートを径4.5mmベント
式押出機で内径8mm,外径14mmのチューブに毎分
3mの速度で押し出し、直ちにベント式押出機に接続さ
れている、周波数2450MHZを有し加熱部長さが1
mであるUHF加熱実験装置でUHF出力50kwで加
熱し、チューブ温度を190℃に上昇後、直ちに220
℃のギヤオーブンに5分間入れて架橋加熱を行った。
【0030】発泡倍率は次のように測定した。すなわち
上記シート及びUHF架橋後のチューブを約2cm×2
cm角に切って、比重を測定し、下記の式により発泡倍
率を計算した。 発泡倍率(%)=(1−UHF架橋後チューブ比重/シ
ート比重)×100
【0031】また発泡倍率5%以下の架橋物についてJ
ISK−6301に従って引張試験及び硬度測定を行っ
た。別に下記配合のエピクロルヒドリンゴム及びアクリ
ルニトリルブタジエンゴムを上記同様にそれぞれ混練し
て厚さ2mmのゴムシートを得た。 エピクロルヒドリンゴムシート 部 エピクロルヒドリンゴム *1 100 HAFカーボン 40 酸化マグネシウム 5 トリチオシアヌル酸 0.8 ジフェニルグアニジン 0.6 生石灰 3 アクリルニトリルブタジエンゴムシート 部 アクリルニトリルブタジエンゴム *2 100 HAFカーボン 40 亜鉛華 5 N−シクロヘキシル−2ベンゾチアジルスルフェンアミド 2 テトラメチルチウラムジスルフイド 1.5 硫黄 0.5 生石灰 *3 10 *1:「エピクロマーC」(ダイソー社製商品名) *2:「N230S」(日本合成ゴム社製) *3: CML#21(近江化学社製)
【0032】前記ベント式押出機を2台をクロルベッド
ダイで連結し、本組成物よりなるゴムシートを外層とし
て、上記エピクロルヒドリンゴムシート又はアクリルニ
トリルブタジエンゴムシートを内層として二層押出しを
行い、内径8mm,外径18mm(内層ゴム材の厚み3
mm,外層ゴム材の厚み2mm)の2層のゴムチューブ
としたほかは前記と同じくUHF架橋を行った。得られ
た積層体の層間接着性をJISK−6301の剥離試験
に準じて測定し、その結果を第1表に併記した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】第1表によれば、塩素化ポリエチレンと塩
素化エチレン共重合体ブレンドポリマーにおいて、生石
灰の添加が物性,他のゴムとの接着強度を低下させるこ
となく、発泡倍率を下げていることが判る。
【0038】次に有機錫化合物を配合してUHF架橋を
行った実施例を第2表に示し、これを配合しない例を参
考例として対比した。
【0039】
【表5】
【0040】第2表により有機錫化合物の添加がスコー
チ防止及び発泡性の低下に有効なことが判る。
【0041】
【発明の効果】本発明の架橋用組成物は、塩素化ポリエ
チレンと塩素化エチレン−アクリル酸アルキルエステル
共重合体との混合物を主体とする架橋用成分に適量の生
石灰を配合することにより、UHF架橋時における発泡
現象を大幅に抑制することが可能となり、さらに有機錫
化合物を配合することによりスコーチを防止し得る。す
なわちUHF架橋を行うことにより優れた架橋物性と高
度な連続生産性を得ることができ、特に他種ゴムと積層
させる場合に大幅に改善された架橋接着性が得られる。
従って両面ポリマーの特性を生かし得る積層体として利
用価値が大きく、特にエピクロルヒドリンゴムやアクリ
ルニトリルゴム等に対しては著しく接着性に優れるので
耐油性,耐オゾン性,耐熱性等の要求される分野、例え
ばエンジン部分の燃料ホース等の用途に有効に利用する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 13/02 KEZ C08K 13/02 KEZ KFE KFE KFJ KFJ //(C08K 13/02 3:22 5:37 5:17 5:31 5:47) (C08L 23/28 61:22)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)塩素化ポリエチレン5〜95重量%
    とアクリル酸アルキルエステルの含量が1〜20重量%
    であるエチレン−アルキルエステル共重合体を塩素化し
    て得られる塩素含量2〜45重量%の塩素化共重合体9
    5〜5重量%とよりなる混合物
    100重量部 (b)メルカプトトリアジン類 0.1〜5重量部 (c)110℃以上の沸点を有するアミン,該アミンの
    有機酸塩、もしくはその付加物,ジアリ−ルグアニジ
    ン,アニリンとアルデヒドとの縮合生成物及び1級もし
    くは2級アミンの2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
    から選ばれる1種又は2種以上の化合物を(b)成分1
    モルに対し0.5〜3モル量部 (d)生石灰 1〜30重量部 (e)下記一般式で表される有機錫化合物 0.1〜2重量部 RSnY又はRSnZ (但しRはC〜C20のアルキル基、Yは酸素又はC
    〜C20の脂肪族ジカルボン酸残基、ZはC〜C
    20の脂肪族カルボン酸残基であり、該ジカルボン酸残
    基もしくは該カルボン酸残基はこれらの残基の酸素原子
    とSn原子とが単結合で結合している。)を含む組成物
    をマイクロ波により架橋することを特徴とする塩素化ポ
    リエチレン系架橋組成物の製法。
JP1816494A 1994-02-15 1994-02-15 塩素化ポリエチレン系架橋組成物の製法 Expired - Lifetime JP2556285B2 (ja)

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