JP2556111Y2 - 衛生洗浄器用ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は例えば用便後の局部洗浄
に供する衛生洗浄器用ノズルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の衛生洗浄器用ノズルは、
例えば実開昭６１−９３５７１号公報、実開平１−１６
４３７０号公報等に示されているが、図４に示す如く、
先端に挿通案内開口8bを有するシリンダヘッド8aを取付
けた洗浄シリンダ８内にピストン7bを有する洗浄ノズル
本体７を前後移動自在に嵌挿支持し、該ノズル本体７に
巻装したばね９（コイルスプリング）によってピストン
7bを前記の開口8bから突出した時に元の位置にもどす如
く付勢支持するとともに、ノズル本体７の先端部に噴出
口7aを設け、シリンダ８の前後適所に主送水口8cと副送
水口8dを設け、その内、シリンダ８とノズル本体７との
間に形成されるコイルスプリング収納室兼ノズル外周面
の洗浄水室又はピストン7bの入水口7cと主送水口8cとが
連通自在となし、ピストン7b後面の水圧室と副送水口8d
とが連通自在となし、当該主送水口8cと副送水口8dとが
連通自在となし、当該主送水口8cと副送水口8dに温水タ
ンクとの給水ホースを分岐して接続したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】かかる構成に於いて
は、洗浄用温水を作る温水タンクから洗浄水噴射までの
水路、すなわち温水タンクから送水部材、送水部材から
洗浄ノズル及び洗浄ノズル内には常時洗浄水が滞留して
おり、冬季においては使用後、時間経過とともに滞留水
の水温が低下し、次に使用する場合、使用初期において
はこの冷水が押し出され噴射するため非常に不快感をう
ける問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は上記の課題を解
決するためになされたものであり、前部に洗浄水噴射
部、後部にピストンを備え、洗浄時に本体の内部に突出
するノズル本体と、このノズル本体が嵌挿されるシリン
ダを有し、このシリンダの側面に該シリンダ内に通じる
送水口を設け、内部にノズル本体を後退させる方向に付
勢するばねを設け、さらにこのノズル本体の先端に噴出
口を有し洗浄水噴射部となるノズルヘッドを設け、内部
にこのノズルヘッドを後退させる方向に付勢するばねを
設けたものとした。

【０００５】

【作用】上記の構成によって、洗浄開始時はノズル本体
内には冷たい滞留水があり、送水口からノズル本体に低
圧の冷水が入って来るが、まだノズル本体は本体の内部
に突出にしていず、ノズルヘッドも後退しているので、
ノズル本体とノズルヘッドの嵌合部の隙間や噴出口から
冷水が排水され、温水タンクからの温水が到達し水圧が
上がるにつれ、ノズルヘッドはばねに抗して前進し、洗
浄水噴射部より暖かい洗浄水を局部に噴出する作用をす
る。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に従って説明
する。

【０００７】構成を示す図１〜図３において、１は洋式
便器の本体で、その背部に給水タンク２と温水タンク３
とを付設し、これら両タンク２、３間に夫々の両タンク
２、３を連通する給水ホース４を設けている。８はシリ
ンダで、内部に後記するノズル本体７を嵌挿するととも
に、先端にほぼ小判形状の開口8bを有するシリンダヘッ
ド8aを備えており、本体１内の後部上方に該先端の近傍
を固定してある。

【０００８】７は例えば金属パイプなどよりなる中空の
密封されたノズル本体である。このノズル本体７は前端
部に噴出口7aを有するノズルヘッド11を設けてあり、後
部にピストン7bを備えており、しかも該ピストン7bとシ
リンダ８内部の先端との間に該ノズル本体７を後退させ
る方向に付勢するばね９を介装してあり、該ばね９を介
してノズル本体７はシリンダ８内に進退自在に保持され
ている。7cは入水口で、ピストン7bを貫通してノズル本
体７の中空部に連通しており、この入水口7cは洗浄時に
温水タンク３からの温水を前記中空部に送りこむ部位で
ある。６は分岐パイプで送水部材（例えば電磁ポンプ）
５などを介して温水タンク３とシリンダ８間に設けてあ
り、分岐送水口6a及び分岐送水口6bを送水口8d及び送水
口8cに接続している。10は蓋で、シリンダ８の後端部を
密閉する如くに取付けたものである。

【０００９】一方、送水口8dから圧力水によってピスト
ン7bを押しばね９を圧縮するとともに、ノズル本体７を
開口8bから前方に突出する。しかも、ノズル本体７が完
全に突出し終った時点でピストン7bを貫通してノズル本
体７の中空部に連通している入水口7cは送水口8cと一致
する。ノズル本体７の先端には噴出口7aを有し洗浄水噴
射部となるノズルヘッド11を設け、内部にこのノズルヘ
ッド11を後退させる方向に付勢するばね12を設けてあ
り、温水タンク３からの温水をノズル本体７の中空部に
送り込んで噴出口7aから局部に向けて温水を噴出する。

【００１０】次に、上記の構成における作用を説明す
る。

【００１１】用便後に任意の局部を洗浄するため操作部
（図示省略）を操作すると、冬季等では洗浄開始時は温
水タンク３から送水部材５を経てノズル本体７に至る水
路及びノズル本体７内には冷たい滞留水があり、送水口
8cからノズル本体７に低圧の冷水が入って来るが、まだ
ノズル本体７は本体１の内部に突出しておらず、ノズル
ヘッド11も後退しているので、ノズル本体７とノズルヘ
ッド11の嵌合部の隙間や開口8bの隙間から冷水が排水さ
れ、温水タンク３からの温水が到達し水圧が上がるにつ
れ、送水部材５によって分岐パイプ６を介した温水が夫
々分岐送水口6a及び分岐送水口6bに接続された送水口8
d、8cからシリンダ８の中空部に送水される。この時送
水口8dからの温水は圧力水となってピストン7bと蓋１０
との間のシリンダ８の内部に送水される。又送水口8dか
らの圧力水によってピストン7bを押しばね９を圧縮し、
ノズル本体７を開口8bから前方へ突出させる。

【００１２】しかも、ノズル本体７が完全に突出し終っ
た時点で、ピストン7bを貫通してノズル本体７の中空部
に連通している入水口7cは送水口8cと一致し、温水タン
ク３からの温水をノズル本体７の中空部に送りこみ、そ
の瞬間ノズル本体７内の冷水は噴出口7aから押し出さ
れ、その後ノズルヘッド11が押し出され、ばね12が圧縮
され、温水タンク３からの温水はノズル本体７の中空部
を通り噴出口7aから任意の局部に向けて温水を噴出す
る。

【００１３】

【考案の効果】以上の如く本考案によれば、ノズル本体
の先端に噴出口を有し洗浄水噴射部となるノズルヘッド
を設け、内部にこのノズルヘッドを後退させる方向に付
勢するばねを設けたから、洗浄開始時はノズル本体内に
は冷たい滞留水があり、送水口からノズル本体に低圧の
冷水が入って来るが、まだノズル本体は本体の内部に突
出していず、ノズルヘッドも後退しているので、冷水が
局部に噴出することなくノズル本体とノズルヘッドの嵌
合部の隙間や開口から排水され、温水タンクからの温水
が到達し水圧が上がるにつれノズル本体が突出し、ノズ
ル本体内の冷水が排出された後ノズルヘッドはばねに抗
して前進し、洗浄水噴射部より暖かい洗浄水を局部に噴
出するものであり、使用者が不快感をうけることのない
衛生洗浄器用ノズルが供給できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による衛生洗浄器用ノズルに
係わる便器全体の概略の側面断面図。

【図２】同衛生洗浄器用ノズルの要部断面図。

【図３】同衛生洗浄器用ノズルの非洗浄時の断面図。

【図４】従来の衛生洗浄器用ノズルの非洗浄時の断面
図。

【符号の説明】

１ 本体 ３ 温水タンク ７ ノズル本体 7a 噴出口 7b ピストン ８ シリンダ 8c 送水口 ９ ばね 11 ノズルヘッド 12 ばね

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 温水タンクを便器の本体に付設し、局部
   の洗浄時、該温水タンクからの洗浄水を該局部に噴射す
   る如く前端部に洗浄水噴射部と後部にピストンとを備え
   る衛生洗浄器用ノズルにおいて、前記本体(１)の内部に
   突出するノズル本体(７)と、このノズル本体(７)が嵌挿
   されるシリンダ(８)を有し、このシリンダ(８)の側面に
   シリンダ(８)内に通じる送水口(8c)、(8d)を設け、シリ
   ンダ(８)の内部にノズル本体(７)を後退させる方向に付
   勢するばね(９)を設け、さらにこのノズル本体(７)の先
   端に噴出口(7a)を有し洗浄水噴射部となるノズルヘッド
   (11)を設け、前記ノズルヘッド(11)の内部にこのノズル
   ヘッド(11)を後退させる方向に付勢するばね(12)を設け
   た事を特徴とする衛生洗浄器用ノズル。