JP2555847C - - Google Patents

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JP2555847C
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crystal
cdznte
cdte
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、半導体レーザー用の基板材料として用いられる低抵抗半導体結晶基
板及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 一般に、3元化合物半導体の1つであるHgCdTe結晶は、赤外半導体レー
ザー材料として注目を集めている材料である。そのHgCdTe結晶には、物理
的に均一な特性と良質な結晶性を有することが要求される。そのため、結晶成長
にはエピタキシャル成長法が採用され、そのエピタキシャル成長用基板には、格
子定数のマッチングの良いCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶が用いられて
いる。 【0003】 基板となるCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶は、ブリッジマン法あるい
はグラディエント・フリーズ法により作製することが広く知られている。ブリッ
ジマン法は、CdとTe原料あるいはCdとZnとTe原料を容器の中に真空封
入し、その容器を電気炉内に設置した後、電気炉を加熱し原料を溶融させ、原料
を充分に溶融させた後、その容器を、適当な温度勾配を有するその電気炉内の高
温部から低温部へゆっくり移動させ、その結果、容器内の溶液の温度が徐々に下
がり、CdTe結晶あるいはCdZnTe結晶を固化させる方法である。また、
グラディエント・フリーズ法は、原料を充分溶融させた後、電気炉内に設定した
温度勾配を変えることなく、ゆっくりと温度を下げ、その結果、容器内の溶液の
温度が徐々に下がり、CdTe結晶あるいはCdZnTe結晶を固化させる方法
である。その結晶成長過程で、結晶の伝導型の制御または結晶中の析出物の大き
さ・密度の制御を行うため、Cd蒸気圧を印加することも通常行われている。 【0004】 その結果得られたCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶は、適当な大きさに
切断し、エピタキシャル成長用基板として使用されている。この方法で得られる
CdTe結晶及びCdZnTe結晶の比抵抗値は、10〜200Ω・cmが一般
的である。また、Inを添加したCdTe結晶及びCdZnTe結晶は、107
〜109Ω・cm程度の高い比抵抗値が得られることが一般的に知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 半導体レーザーとして使用する際、基板からエピタキシャル結晶へ電流を流す ことが必要である。そのため、基板とエピタキシャル結晶の比抵抗値に極めて大
きな差がないことが要求される。しかしながら、実際にエピタキシャル成長され
るHgCdTe結晶の比抵抗値は、約0.005Ω・cmであり、上述した従来
の方法で得られる基板は低い比抵抗値のものでも10Ω・cm程度である。これ
らの間には比抵抗値に極めて大きな差が存在している。そのため、基板はエピタ
キシャル結晶に対して半導体性の挙動を示し、レーザー発振が起こらなくなると
いう問題点があった。 【0006】 本発朋は、半導体レーザー材料のエピタキシャル成長用基板材料に用いられる
低抵抗のCdZnTe結晶及びその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。また、CdTe結晶あるいはCdZnTe結晶を熱処理する方法を提供す
ることを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、種々の検討を重ねた結果、所望の値のInを添加
し、Cd蒸気圧を印加しながら結晶成長することにより得られるCdZnTe結
及びその製造方法、または、所望のInを添加した結晶を、Cd雰囲気下で熱
処理することにより得られるCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶及びその製
造方法、によって課題が解決されることを見出したものである。 【0008】 すなわち、本発明は、比抵抗値が0.033〜0.068Ω・cmであるCd
ZnTe結晶からなる低抵抗半導体結晶基板である。 【0009】 また、本発明は、CdとZnとTeからなる原料の入った石英容器に、Inを
添加し、石英容器を真空にした後、Cd蒸気圧を印加しながら結晶育成すること
によって得られるCdZnTe結晶からなる低抵抗半導体結晶基板の製造方法で
あり、また結晶の育成方法がブリッジマン法あるいはグラディエント・フリーズ
法による製造方法であり、また原料に対し、Inを1×1017〜2×1018at
oms/cm3の濃度となるように添加する製造方法である。 【0010】 また、本発明は、Inを含むCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶を、Cd
雰囲気下で550〜650℃の温度で熱処理することによって得られるCdTe
結晶あるいはCdZnTe結晶からなる低抵抗半導体結晶基板の製造方法であり
またCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶がInを1×1017〜2×1018
toms/cm3含む製造方法であり、また熱処理が20時間以上とする製造方
法である。 【0011】 【作用】 本発明にあっては、CdとZnとTeからなる原料の入った石英容器に、In
を添加し、石英容器を真空にした後、Cd蒸気圧を印加しながら結晶育成するこ
とによって、低抵抗のCdZnTe結晶を製造することを可能としたものである
0.033〜0.068Ω・cmの比抵抗値を得るためには、Inの濃度を1×
1017〜2×1018atoms/cm3とすることが好ましい。また、結晶の育
成方法としては、ブリッジマン法あるいはグラディエント・フリーズ法を用いる
ことが好ましい。 【0012】 また、Inを含むCdTe結晶またはCdZnTe結晶を、Cd雰囲気下で
50〜650℃の温度で熱処理することによって、低抵抗のCdTe結晶あるい
はCdZnTe結晶を製造することを可能としたものである。0.033〜0.
068Ω・cmの比抵抗値を得るためには、Inの濃度が1×1017〜2×10
18atoms/cm3である結晶を用いることが好ましい。熱処理温度に関して
は、温度が高すぎると結晶性の破損が生じ、また低すぎると比抵抗を低抵抗に制
御するに必要なCd蒸気圧を得ることが困難である。結晶性を破壊せず、所望の
伝導性を得るための熱処理温度は、550〜650℃が最適である。また、熱処
理の時間は結晶サイズにも依存されるが、伝導性を均一に制御するためには20
時間以上が好ましい。 【0013】 また、本発明の実施に当たっては、低抵抗の結晶を得るため、(Cd+Zn) とTeのモル比として、(Cd+Zn)/Teを 0.9〜0.99999とする
ことが好ましい。使用する原料の純度は、他の不純物の挙動を避けるため、99
.9999%以上であることが望ましい。 【0014】 【実施例】 (実施例1) いずれも純度99.9999%の、Cdを1365.18gと、Znを25.
16gと、Teを1598.91gと、Inを98.22mgと、蒸気圧印加用
のCdを1.00gとを、直径100mmの石英容器に挿入し、1.0×10-6
Torr以下の真空度にて封入した。次に、その石英容器を電気炉内に設置し、
1100℃の温度で10時間原料を溶融した。その後、0.3℃/時間の割合で
1050℃まで冷却し結晶化させた後、60℃/時間の割合で室温まで冷却し結
晶を取り出した。結晶育成中印加するCdの蒸気圧は、1〜2気圧とした。取り
出した結晶から5×5×1.0mmの測定用サンプルを切り出し、0.5%Br
−メタノールで鏡面エッチングを行った。その後、測定用サンプルにIn電極を
付け、パウ法により比抵抗値を測定した。その結果、CdZnTe結晶の比抵抗
値が、0.033〜0.068Ω・cmであった。 【0015】(比較例1) いずれも純度99.9999%の、Cdを1334.72gと、Teを151
6.73gと、Inを25.36mgと、蒸気圧印加用のCdを1.50gとを
、直径100mmの石英容器に挿入し、1.0×10-6Torr以下の真空度に
て封入した。次に、その石英容器を電気炉内に設置し、1100℃の温度で10
時間原料を溶融した。その後、0.3℃/時間の割合で1050℃まで冷却し結
晶化させた後、60℃/時間の割合で室温まで冷却し結晶を取り出した。結晶育
成中印加するCdの蒸気圧は、1〜2気圧とした。取り出した結晶から5×5×
1.0mmの測定用サンプルを切り出し、0.5%Br−メタノールで鏡面エッ
チングを行った。その後、測定用サンプルにIn電極を付け、パウ法により比抵
抗値を測定した。その結果、CdTe結晶の比抵抗値が、0.042〜0.08
1Ω ・cmであった。 【0016】(実施例2) 純度99.9999%の原料を用いて作製した、Inを1.20×1018at
oms/cm3の濃度含むCdZnTe結晶20.50gと純度99.9999
%のCdを0.62gを直径30mmの石英容器に挿入し、1.0×10-6To
rr以下の真空度にて封入した。その後、その容器を電気炉に設置し、550℃
の温度で20時間の熱処理を実施した。その後、60℃/時間の割合で室温まで
冷却し結晶を取り出した。取り出した結晶から5×5×1.0mmの測定用サン
プルを切り出し、0.5%Br−メタノールで鏡面エッチングを行った。その後
、測定用サンプルにIn電極を付け、パウ法により比抵抗値を測定した。その結
果、CdZnTe結晶の比抵抗値が、0.036〜0.043Ω・cmであった
。 【0017】(実施例3) 純度99.9999%の原料を用いて作製した、Inを1.20×1018at
oms/cm3の濃度含むCdZnTe結晶18.76gと純度99.9999
%のCdを0.65gを直径30mmの石英容器に挿入し、1.0×10-6To
rr以下の真空度にて封入した。その後、その容器を電気炉に設置し、550℃
の温度で40時間の熱処理を実施した。その後、60℃/時間の割合で室温まで
冷却し結晶を取り出した。取り出した結晶から5×5×1.0mmの測定用サン
プルを切り出し、0.5%Br−メタノールで鏡面エッチングを行った。その後
、測定用サンプルにIn電極を付け、パウ法により比抵抗値を測定した。その結
果、CdZnTe結晶の比抵抗値が、0.046〜0.049Ω・cmであった
。 【0018】 【発明の効果】 本発明によれば、半導体レーザー材料用のエピタキシャル成長用基板として需
要のある低抵抗のCdZnTe結晶を提供でき、また、安定して容易に製造し得
ることが可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 比抵抗値が0.033〜0.068Ω・cmであることを特徴
    とするCdZnTe結晶からなる低抵抗半導体結晶基板。 【請求項2】 CdとTeとZnからなる原料の入った石英容器に、Inを添
    加し、石英容器を真空にした後、Cd蒸気圧を印加しながら結晶育成することを
    特徴とする請求項1記載の低抵抗半導体結晶基板の製造方法。 【請求項3】 結晶の育成方法がブリッジマン法あるいはグラジェント・フリ
    ーズ法であることを特徴とする請求項2記載の低抵抗半導体結晶基板の製造方法
    。 【請求項4】 CdZnTe結晶に対し、Inが1×1017〜2×1018at
    oms/cm3の濃度となるようにInを添加することを特徴とする請求項2ま
    たは請求項3記載の低抵抗半導体結晶基板の製造方法。 【請求項5】 Inを含むCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶を、Cd雰
    囲気下で、550〜650℃の温度で熱処理することを特徴とするCdTe結晶
    あるいはCdZnTe結晶からなる低抵抗半導体結晶基板の製造方法。 【請求項6】 InがCdTe結晶あるいはCdZnTe結晶に対し、1×1
    17〜2×1018atoms/cm3含まれるCdTe結晶あるいはCdZnT
    e結晶を用いることを特徴とする請求項5記載の低抵抗半導体結晶基板の製造方
    法。 【請求項7】 熱処理が、20時間以上であることを特徴とする請求項5また
    は請求項6記載の低抵抗半導体結晶基板の製造方法。

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