JP2555323B2 - 小型電気機器 - Google Patents

小型電気機器

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JP2555323B2
JP2555323B2 JP61176262A JP17626286A JP2555323B2 JP 2555323 B2 JP2555323 B2 JP 2555323B2 JP 61176262 A JP61176262 A JP 61176262A JP 17626286 A JP17626286 A JP 17626286A JP 2555323 B2 JP2555323 B2 JP 2555323B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は小型電気機器、特に電源部に商用電源を利
用して充電される二次電池を備え、充電と負荷駆動を同
時に行うものに関する。
[従来の技術] 従来この種の小型電気機器に於いて充電を単独で行う
場合、機器を長時間放置することが多く、過充電等の異
常が発生したときに安全上問題があることに鑑み、過熱
対策としてヒューズを設けるなどの保護が図られ、更に
過充電を防止する手段それ自体を設けることもある。
しかし負荷駆動時にあっては、操作者がそばについて
いることが多く、更に過充電も起こらないと考えられて
いたので、何ら有効な保護安全策は採られていなかっ
た。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら上記小型電気機器は一般に、子供や老人
が使用することが多く、たとえ自分で直接機器を使用し
ていても機器の異常に気付くことが遅れ、ともすると異
常それ自体をも認識することなく放置する結果、通常の
場合より危険が増すことが多い。
本発明は上記問題に鑑みて成されたものであって、機
器の負荷状態を常時検出することにより、安全性の向上
を図ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は第1図にその概略を示す如く、電力供給手段
と、該電力供給手段に接続されて駆動電力が供給される
負荷部と、該負荷部の負荷量を検出する手段と、その検
出手段で検出された負荷量の大小に対応させて、負荷部
の駆動状態を予め設定された状態に維持可能とする制御
手段と、前記検出手段における負荷量検出動作と連繋し
て前記電力供給手段から出力される電流量を制限する手
段とから構成される。
電力供給手段はインバータ回路を含み、該インバータ
回路に於いて商用電源の周波数と電圧値の変換を行って
いる。
負荷部は二次電池とその他の負荷とから構成され、二
次電池を電力供給手段に常時接続することにより、負荷
駆動と充電を並行して行えるようにしている。
制限手段は、負荷量に対し上限値と下限値を予め設定
しておき、負荷量が上限値を上回るか下限値を下回ると
動作する。
[作用] 上記構成に於いて、設定された上下限値の負荷量間で
負荷駆動が行われていることを検出手段が検知している
ときは、制御手段が動作して負荷部を設定状態に維持す
る制御が行われるが、制御手段は何ら動作を行わない。
しかし負荷量が上限値を越えたことが検出されると、
例えばモータ回転のロックあるいはショートなどの異常
状態と考えられるので、出力電圧を下げるか発振を停止
する等して電流値を減少し、インバータ回路の保護を図
る。
一方、負荷量が下限値を下回ったことが検出される
と、二次電池以外の負荷が無負荷に近い状態であり、し
かも二次電池が満充電状態であると考えられるので、出
力電圧値を下げて電流量を減少し、過充電を防止するの
である。
[実施例] 以下本発明を、充電と並行してモータ駆動を可能とす
る電気かみそりに実施した一例に基づいて説明する。
本発明を実施する電気かみそり1は、第2図に示す如
く、外刃2を本体ケース3の上部に着脱自在に取り付け
るとともに、該外刃2の内側に内刃4を摺動自在に配設
する。更に本体ケース3の内部には、前記内刃4を往復
駆動するモータ5と、該モータ5に回転駆動電力を供給
する二次電池6と、該二次電池6への充電制御あるいは
モータ5の回転制御等の各種制御を行わせる電気回路7
を収納する。また本体ケース3の正面には、モータ5へ
の通電時期を規制する押ボタンスイッチ10を挟んで同一
線上の上方位置には回転制御状態を表示する第1表示素
子11を、下方位置には充電制御状態を表示する第2表示
素子12を互いに分離して配設している。
第3図は、上記した本体ケース3に内蔵する電気回路
7の全体の概略を示すブロック図であって、複数回の充
放電が可能なニッケル・カドミュウム電池等の二次電池
6とモータ5とを主たる負荷とし、該負荷へ電力を供給
する電源部13と、負荷の各種状態に対応した検出信号を
出力可能とする検出部14と、負荷が通常の動作範囲内で
使用されているとき、電源部13に入力される商用電源20
の電圧値の変化あるいは負荷の変動に対応させて各種制
御を行う制御部15と、負荷が極端な軽負荷あるいは重負
荷となった場合に電源部13の動作時期を規制する保護部
16と、負荷の各種状態に対応した表示を行う表示部17と
から構成される。
電源部13は、商用交流電源20を整流回路21で全波整流
した電圧を入力とするインバータ回路22が使用され、該
インバータ回路22に於いて、入力電圧を商用周波数より
周波数の高いパルス状電圧に降圧している。
二次電池6は、モータ駆動時の各種制御を行う回路に
対してスイッチ10を介して接続可能としており、従っ
て、モータ停止時は電源部13の負荷として働くが、モー
タ駆動時に於いては、電源部13からの出力と共に主電源
23を構成する。
制御部15は、インバータ回路22の出力制御回路24と、
モータ5の回転制御回路25とから構成される。出力制御
回路24は、商用交流電源20の電圧あるいは負荷の変動に
かかわらず、負荷に供給される電圧を略一定に維持せん
とするものであって、検出部14から出力される検出信号
によりインバータ回路22の発振周波数あるいは発振時期
を規制することにより制御が行われる。一方、回転制御
回路25は、モータ5の回転速度を常時検知し、モータ5
の印加電圧を増減することにより、モータ5に加わる荷
重の大小あるいは主電源23の電圧変動にかかわらず略一
定の回転速度を維持させるようにしている。
保護部16は軽負荷保護回路26と重負荷保護回路27とか
ら構成され、二次電池6が満充電状態になる等して軽負
荷となった場合に、軽負荷保護回路26に於いて電源部13
からの出力を降下させることにより負荷を保護する一
方、モータ5がロック状態となる等して重負荷となった
場合に、重負荷保護回路27でインバータ回路22を停止し
て電源部13を保護する。
表示部17は、二次電池6への充電が進んで満充電状態
になったことを表示することより充電の停止を促す充電
状態表示回路29と、負荷が増大しあるいは主電源23の容
量が不足して上記回転制御回路25における制御が不能と
なったことを表示し、モータ5の停止と充電の開始を促
す回転状態表示回路30とからなり、本体ケース3上に備
えた表示素子11・12の発光色の変化および点滅で各状態
を区別して表示可能とする。
次に上記した各部の構成を、具体的な電気回路図を使
用して更に詳細に説明する。
(電源部) 電源部13は第4図に示す如く、ダイオードブリッジ31
及びフィルタ32を備えた整流回路21とインバータ回路22
とから構成され、本体ケース3に対して着脱自在な電源
プラグ33を介して入力した商用交流電源20を整流回路21
で全波整流した後、ヒューズ34を通じてインバータ回路
22に印加する。該ヒューズは、保護部16が作動不良の場
合における最終的な保護手段として働き、インバータ回
路22への通電を遮断して、インバータ回路22の作動を強
制的に停止する。
インバータ回路22は、トランジスタ35のコレクタ側
に、一次コイル36と該一次コイル36の両端に接続されて
トランジスタ35のオフ時に発生する衝撃電圧を吸収する
衝撃吸収部37とを介装すると共に、ベースとエミッタ間
に帰還部40を備える。更に一次コイル36と同一鉄心上
に、帰還コイル41、二次コイル42及び三次コイル43を巻
いている。
帰還部40は、帰還コイル41の一端をトランジスタ35の
ベース端に繋ぎ、帰還コイル41の他端とトランジスタ35
のエミッタ間にコンデンサ44を接続するとともに、エミ
ッタ端を二次電池6のプラス側に接続している。更に帰
還コイル41とコンデンサ44の接続点には、整流回路21か
らの出力電圧を抵抗45・46で分圧した電圧を抵抗47を介
して印加可能としている。
従って、インバータ回路22への電圧印加と同時に抵抗
46の両端に電圧が発生し、かかる電圧によりコンデンサ
44の充電が開始される。コンデンサ44の両端電圧が上昇
してトランジスタ35のターンオン電圧付近に達すると、
該トランジスタ35のコレクタ端に接続された一次コイル
36に電流が流れはじめ、かかる電流の増加により帰還コ
イル41に電圧が発生する。この電圧がトランジスタ35の
ベース・エミッタ間を通じてコンデンサ44を上記と逆方
向に急速に充電し、かかるコンデンサ44の充電電圧が阻
止電圧となってトランジスタ35を急激にオフする。トラ
ンジスタ35のオフ後は、抵抗46の両端電圧が再度抵抗47
を通じてコンデンサ44に印加され、コンデンサ44を正方
向に充電して、上記オンオフ動作を繰り返す。ここでオ
ン時に一次コイル36側に蓄えられたエネルギーは、トラ
ンジスタ35のオフ期間に、二次コイル42および三次コイ
ル43に接続された負荷へ向けて整流用ダイオード50・51
により選択的に取り出される。
二次コイル42には常に二次電池6が接続されており、
スイッチ10をオンしてモータ5を含む回転制御回路25を
繋いた時は、電源部13からの出力と共に主電源23を構成
する。またスイッチ10の切り換え操作および電源プラグ
33の挿脱により、充電を単独で、あるいは充電とモータ
駆動とを同時に並行し、あるいは又、二次電池単独での
モータ駆動が行えるようにしている。
三次コイル43は前記した二次コイル42より巻数が数倍
大きく、従って二次コイル42側より大きな電圧を出力可
能とし、更にその出力を整流用ダイオード51及び大容量
のコンデンサ52を用いて平滑して補助電源53を構成す
る。従って、補助電源53からは、インバータ回路22の動
作中であるが該インバータ回路22に制御が十分にかかっ
ているため出力が低下している場合に於いても、各種回
路の駆動及び制御が行える必要十分な大きさの補助電圧
V2が、回路駆動電圧あるいは制御信号として、以下の各
回路に対して供給できる様にしている。
(検出部) 検出部14は、第1ないし第4の4組の検出回路61・62
・63・64から構成され、検出すべき負荷の状態に対応し
た、各々異なった値の検出信号を出力する。
第1検出回路61は、第4図に示す如く、主電源23の二
次コイル42の両端にダイオード65を介して接続されるも
のであって、二次コイル42から出力されるパルス状の電
圧をコンデンサ66で平滑し、該コンデンサ66の両端電圧
を抵抗67〜70で分圧することにより、電源部13から出力
されるパルス状電圧の平均値の増減に即応して変化する
値の検出信号S1、S2を出力する。かかる信号は、出力制
御回路24と充電状態表示回路29で使用される。
第2及び第3検出回路62・63は共に、主電源23と並列
に分圧用の抵抗を接続し、二次電池6の端子電圧V1の変
化に比例した電圧値の検出信号を出力する。ここで、第
2検出回路62は、第7図のようにモータ5の回転状態表
示回路30で使用されるものであり、従って分圧抵抗71〜
73と直列に常開のスイッチ接点10aを介装して、スイッ
チ10のオン動作と連繋してモータ5の駆動時にのみ検出
信号S3を出力する様にしている。
一方、第3検出回路63は第6図の様に検出信号S4を出
力可能とし、更に該信号S4は主として軽負荷保護回路26
で使用されるため、補助電源53からの出力V2でオンする
スイッチングトランジスタ74を直列に介装し、インバー
タ回路22が停止中は分圧抵抗75〜78への通電を止めて二
次電池6の消耗を防止している。
第4検出回路64は、第6図に示す如く、モータ5の回
転速度に対応したパルスレートの矩形波信号を形成する
ことにより、モータ5の回転速度の増減及び回転それ自
体ガロツクされた時期を検出可能とするものであって、
スイッチ10の押圧操作と連動して閉じる常開のスイッチ
接点10aをアース側に介装することにより、モータ駆動
時にのみ検出動作を行わせるようにしている。かかる検
出信号S5は、回転制御回路25及び重負荷保護回路27に於
いて利用される。
上記した第4検出回路64における検出動作は、モータ
5の回転軸に取り付けた円筒状の反射板80と、該反射板
80における光の反射を利用した発光ダイオード81及びフ
ォトトランジスタ82とからなるフォトインタラプタ83を
用いて行われ、モータ5の回転速度に対応した周波数の
信号を発生する。この信号は更にフィルタ回路84に入力
され、モータ5の回転周期に対応した周波数成分の交流
信号のみを選択的に波形整形回路85に送る。波形整形回
路85は、比較器86のマイナス側入力端子にフィルタ回路
84からの出力信号を入力する一方、プラス側端子には二
次電池電圧V1を抵抗87・88で分圧した基準電圧を印加
し、更に出力端には、抵抗89を介して二次電池6側に繋
がれたダイオード90が接続されており、モータ5の回転
が停止して入力信号がなくなった場合は、比較器86の出
力側がオープンしてダイオード90の下降電圧で規制され
る電圧値が出力されているが、モータ5が回転して入力
信号の電圧値が基準電圧の値を越える毎にダイオード90
の両端はショートされて零電圧に降下し、従ってダイオ
ード90の両端からは、該ダイオード90の準方向電圧でピ
ーク値が規制された第8図(a)に示す様な矩形波状の
検出信号S5が取り出される。
(制御部) 制御部15は、通常使用時における安定した負荷駆動を
可能とするものであって、第4図に示す出力制御回路24
と、第5図に示す回転制御回路25とから構成される。
出力制御回路24は第1及び第2トランジスタ93・94を
備え、両トランジスタ93・94のエミッタ及びベース端を
各々直結すると共に、第1トランジスタ93のコレクタ端
をインバータ回路22の抵抗45・46間に、第2トランジス
タ94のコレクタ端を抵抗95・96を介してトランジスタ35
のベース端と補助電源53の出力側に各々繋ぎ、更にベー
ス端に、第1検出回路61から出力される検出信号S1を印
加している。検出信号S1は、二次コイル42に対してダイ
オード65を介し接続されたコンデンサ66の両端電圧を抵
抗で分圧したものであって、商用交流電源20の電圧値の
変化あるいは負荷の変動に対応した大きさの電圧を出力
可能としている。
上記構成において、例えば商用交流電源20の電圧値が
100〜120V程度の範囲で変化する場合を想定すると、電
圧値が100Vでモータ駆動時に両トランジスタ93・94が共
にオフする様、第1検出回路61の可変抵抗器70を調整し
て検出信号S1の電圧値を予め設定しておく。かかる使用
状態に於いては、インバータ回路22のトランジスタ35の
ベース端に抵抗95・96を介して補助電圧V2が印加されて
おり、この電圧V2がトランジスタ35のオフ中におけるコ
ンデンサ44の放電時間を短縮し、インバータ回路22の発
振周波数を該回路22における最高効率時の周波数より稍
高めている。ここで商用電源電圧が上昇しあるいは負荷
が軽くなると検出信号S1の値が上がり、第2トランジス
タ94にベース電流が流れ始め、補助電源53からの出力V2
を該トランジスタ94で分流し、トランジスタ35のベース
端に印加される電圧を徐々に低下させる。すると、コン
デンサ44の放電時間が上記の場合より長くなり、インバ
ータ回路22の発振周波数が下がる。更に検出信号S1の値
が上昇すると、抵抗46の両端を第1トランジスタ93でシ
ョートし、インバータ回路22の発振を間欠的に停止させ
る。かかる動作により、負荷量が一定でかつ商用電源電
圧が上下した場合には、出力が一定になるように制御が
働き、商用電源電圧が一定で負荷が増減した場合には、
負荷量の大小に対応して出力も増減させ、もって通常の
負荷駆動時に於いて安定した電力供給動作がおこなえる
ようにインバータ回路22を制御している。
回転制御回路25は、第5図に示す如く、第4検出回路
64から出力される回転速度に比例した周波数の矩形波状
の検出信号S5を、D−A変換器100で周波数に対応した
大きさの検出信号に変換し、かかる検出信号を比較器10
1で基準電圧と比較して、両者の間にずれが発生する
と、ずれの値に対応した制御信号を制御回路102に送
る。該制御回路102はモータ5への通電回路中に介装さ
れており、制御信号により制御回路102における光換電
圧値を制御してモータ5への印加電圧を増減し、モータ
5に加わる荷重負荷の大小あるいは主電源23の出力電圧
の増減に即応した回転速度制御が行われる。
ここでD−A変換器100は、OPアンプ103を使用した積
分回路であって、検出したデジタル状の検出信号S5をコ
ンデンサ104に印加すると、該コンデンサ104に蓄えられ
た電荷は、ダイオード105・106からなるポンプ回路を通
じて負帰還コンデンサ107に流れる。かかる電荷の流入
は、OPアンプ103を介して積分され、出力側にはパルス
レートに比例した電圧値のアナログ状の信号が得られ
る。
比較器101は、OPアンプ110を使用した差動増幅器であ
って、マイナス側に前記信号を入力する一方、プラス側
に基準信号を印加し、両者の差に比例した電圧の制御信
号を取り出す。基準信号は、ダイオード111の両端に可
変抵抗器112を結合することによりその値を調整可能と
し、制御回路102の動作点を変更出来る様にしている。
制御回路102は、第1及び第2トランジスタ113・114
をダーリントン接続したものであって、第1トランジス
タ113のベース端をOPアンプ110の出力側に、エミッタ端
を第2トランジスタ114のベース端に接続すると共に、
第2トランジスタ114のエミッタ・コレクタ間をモータ
5への通電回路中に介装し、更に第2トランジスタのコ
レクタ端から抵抗115を介して比較器101のOPアンプ110
側に負帰還している。
かかる構成に於いて、モータ5に設定負荷が加わった
ときに設定回転速度を呈する様に、前期比較器101の可
変抵抗器112を調整して制御回路102を増幅動作状態にし
ておく。ここで設定速度よりモータ5の回転速度が低下
したことが比較器101で検出されると、設定回転数に必
要なモータ端子電圧になるように制御信号の値を上昇
し、第2トランジスタ114を飽和状態とすることにより
モータ5への印加電圧を上昇して回転速度を上昇方向へ
修正する。逆に回転速度が設定値より上昇したことが検
出されると、制御信号の値を下げて第2トランジスタ11
4のエミッタ・コレクタ間電圧を上げ、モータ印加電圧
を下げて回転速度を下降方向へ自動修正する。
なお、主電源23の容量が十分ある場合には、上記した
制御が比較的安定に行われる。しかし、電源部23を使用
せず二次電池6単独の電力供給で、しかも該電池容量が
減少した場合には、比較器101からの制御信号それ自体
の値も可及的に小さくなり、その結果、制御回路102に
供給し得るベース電流が減少し、二次電池6にモータ5
を駆動し得るだけの容量がまだ残っている場合にも、制
御回路102がオフしてモータ5への通電を強制的に停止
してしまう虞がある。本実施例に於いては、制御回路10
2の入力側と二次電池6間に抵抗116を繋ぎ、比較器101
側からの制御が利かなくなった後も、制御回路102に二
次電池6側から電流を直接供給し、モータ5の回転可能
時間を出来るだけ延長しうる様にしている。
(保護部) 第6図は保護部16の全体構成を示す電気回路図であっ
て、軽負荷保護回路26と重負荷保護回路27とから構成さ
れる。軽負荷保護回路26は、二次電池6に対し1C電流に
よる急速充電を行わせて満充電状態となり、軽負荷にな
ったことが第3検出回路63により検知されると、インバ
ータ回路22の発振時期を規制して出力を減少させて、0.
1〜0.2C程度の細流充電に移行させることにより、二次
電池6の過充電による劣化を主として防止する。一方、
重負荷保護回路27は、毛屑が外刃2と内刃4間に噛む等
してモータ5がロック状態となり重負荷となったことが
第4検出回路64により検知された場合に、インバータ回
路22の発振を停止してトランジスタ35の破損を防止す
る。
軽負荷保護回路26は、比較器120のマイナス側入力端
に、第3検出回路63のダイオード121で安定化された基
準電圧を印加する一方、プラス側入力端に第3検出回路
63から出力される検出信号S4を印加している。更に比較
器120の出力側にはコンデンサ122を繋ぎ、該コンデンサ
122の両端に抵抗123を介して補助電源53を接続すると共
に、トランジスタ124のベース端とツェナーダイオード1
25を介して接続している。またトランジスタ124は、コ
レクタ端をダイオード126を介してインバータ回路22の
トランジスタ35のベース端に繋ぐと共に、エミッタ端と
ベース端間を抵抗127で接続している。
重負荷保護回路27は、第8図(a)に示す様な、第4
検出回路64から出力されるモータ5の回転速度に比例し
た周波数の矩形波状の検出信号S5を変換部130に入力し
て、デジタル信号をアナログ信号に変換する。変換部13
0は、トランジスタ131のベース電流を検出信号S5から供
給して該トランジスタ131をオンオフ制御すると共に、
コレクタ側を二次電池6に繋いで出力を取り出すことに
より、第8図(b)の如く、前記検出信号S5よりピーク
値が大きく且つモータ回転時にのみ発生する、回転速度
に比例したパルスレートの矩形波状電圧S6を形成する。
かかる出力電圧S6は、更に積分回路132に入力されて積
分され、回転速度の大小に対応した大きさの検出電圧S7
として比較器133のマイナス側入力端子に印加される。
比較器133はそのプラス側端子に、第3検出回路63から
出力される検出信号S4′が基準電圧として印加され、更
に出力端子をツェナーダイオード134を介してトランジ
スタ135のベース端に、抵抗136を介して補助電源53に各
々繋いでいる。トランジスタ135はコレクタ側をダイオ
ード137を介して前記した軽負荷保護回路26と並列に接
続する。更にベース・エミッタ間と並列に、常閉のスイ
ッチ接点10bとダイオード138を直列に接続したもの及び
抵抗139を繋ぐことにより、モータ5への通電を停止し
ている期間は、抵抗139の両端のショートしてベース電
圧の印加を強制的に止め、重負荷保護回路27が誤動作し
ないようにしている。
次ぎに第8図に示す波形図に基づいて、保護部16にお
ける動作を詳細に説明する。
上記構成に於いて、二次電池6が満充電に近付いた時
点(時刻t1)で検出信号S4の電圧値が基準電圧V3と略一
致するように第3検出回路63の可変抵抗器76を予め調整
しておく。ここで、スイッチ10をオフしてモータ5を停
止した状態で、時刻t0において電源プラグ33を入れる
と、二次電池6は電源部13に対する負荷として充電が開
始される。充電初期に於いては、検出信号S4の値は基準
電圧V3より十分小さく、従ってコンデンサ122の両端は
比較器120の出力側によりショートされてトランジスタ1
24はオフ状態を続け、インバータ回路22は上記した出力
制御回路24による制御が利いた通常の発振を続ける。更
に充電が進み満充電に近付く(時刻t1)と、二次コイル
42からのパルス状電圧の出力時に対応して瞬間的に検出
信号S4が基準電圧を越えるようになり、比較器120の出
力側は、パルス状にオープンして補助電圧V2が出力され
る。しかし、該電圧V2で直接トランジスタ124を制御す
るのではなく、一旦コンデンサ122に印加して積分し、
積分値がダイオード125のツェナー電圧を越えた時に初
めてダイオード125を導通してトランジスタ124にベース
電流を流し、該トランジスタ124をオンしてトランジス
タ124のベース端をアースすることによりインバータ回
路22の発振を停止する。即ち、軽負荷保護回路26による
インバータ回路22の出力規制量を、制御の開始時期に於
いて可及的に制限することにより、かかる期間の充電電
流量を実質的に増加させて、短時間で二次電池6に対す
る充電電流の絞り込みが行われる様にしている。従っ
て、軽負荷時におけるインバータ回路22からの出力は必
要最小限に規制され、二次電池6の過充電に起因する劣
化が未然に防止されるのである。
次ぎに、上記の如く二次電池6が満充電になった状態
でスイッチ10をオンする(時刻t3)と、モータ5は回転
制御回路25による回転速度制御がかかった状態で、定速
回転を開始する。なお、モータ5の回転開始時点に於い
ては第4検出回路64からの検出信号S5はないが、主電源
23側から抵抗140及びダイオード141を通じて基準電
′より十分大きい信号が印加されており、また定速
回転状態になった後も、予め第3検出回路63の可及抵抗
器76を調整して、内刃4に荷重負荷を加えない状態に於
いても基準電圧S4′が検出電圧S7に比較して十分小さく
なるように電圧値を設定しておくことにより、回転速度
が十分高くしかも前記した回転速度制御が有効な状態に
於いては、比較器133の出力側は常にアースされ、トラ
ンジスタ135はオフ状態を続けてインバータ回路22には
何ら影響を与えない。
しかし、モータ5に加わる荷重負荷が大きくなるにつ
れて主電源23からの出力電圧V1が低下し、遂には回転制
御が利かなくなり(時刻t4)、更に荷重が増加するに従
ってモータ5の回転速度は低下する。それと同時に、比
較器133に入力される検出電圧S7の値も低下し、モータ
5の回転が毛先を噛み込むなどしてロックされると、積
分回路132への入力が無くなる(時刻t7)。しかし検出
電圧S7は、直ちに消失することなく、コンデンサ142と
抵抗143の放電時定数で決まる時間経過後の時刻t9に基
準電圧S4′の値より下回り、比較決133の出力端をオー
プンする。これと同時に補助電圧V2がダイオード134を
介してトランジスタ135のベースに印加され、第8図
(d)の如く、トランジスタ135をオンしてインバータ
回路22の発振を停止するのである。
なお、上記したモータ5のロックが一時的なものであ
り、ロックが時刻t8ですでに解除された場合は、ロック
時からインバータ回路の発振停止までに、上記の如く、
例えば0.3〜1秒程度の時間差を予め設けてあるため、
検出電圧S7は一点鎖線で示す如く直ちに基準電圧S4′よ
り十分高い正常値に復帰して、モータ5は正常な回転動
作を続ける。
なお、モータ5に大きな荷重が加わってはいるが停止
させる必要がない期間に於いては検出電圧S7の値は大幅
な乱高下を繰り返すため、誤って重負荷保護回路が差動
しないように、基準電圧S4′は出来るだけ低いことが望
ましい。しかし一旦回路が停止した後は、回転停止の原
因を取り除くまで、スイッチ10のオンオフで不要に回転
を開始することなく、確実に保護回路が作動し続けるこ
とが必要で、そのためには、基準電圧S4′がある程度高
いことを必要とする。本実施例に於いては、基準電圧
S4′として主電源23の出力電圧を分圧したものを利用し
ているので、回転速度の低下に従って自動的に基準電圧
S4′は下がり、モータ停止後は元の値に復帰して、何ら
面倒な調整を要することなく上記した相矛盾する要求を
満足している。
また重負荷状態の検出は、モータ5の回転それ自体を
直接検出するのではなく、主電源23からの出力電圧を検
出することによっても知ることが出来る。その場合、重
負荷検出と軽負荷検出とを兼用させることも可能であ
る。
(表示部) 表示部17は、第7図に示す如く、充電時に動作して満
充電状態を表示する充電状態表示回路29と、モータ駆動
時に動作して回転速度制御の状態を表示する回転状態表
示回路30とから成る。
充電状態表示回路29は、第1検出回路61から出力され
る検出信号S2を第1トランジスタ150のベース端に入力
し、コレクタ端を第2トランジスタ151のベース端に接
続すると共に、両トランジスタのコレクタ側に第2表示
素子12を繋いた後、補助電圧V2の入力でオンするスイッ
チングトランジスタ152と、常閉のスイッチ接点10bを介
して主電源23に接続している。第2表示素子12は赤およ
び緑色の発光ダイオードを一体化したものであって、第
1トランジスタ150と直列に緑色の発光ダイオード153
を、第2トランジスタ151と直列に赤色の発光ダイオー
ド154を繋いでいる。
回転状態表示回路30は、比較器155のプラス側入力端
に、第2検出回路62のダイオード156の両端から取られ
た基準電圧を印加する一方、マイナス側に検出信号S3
入力すると共に、出力端を第1トランジスタ157のベー
ス端に接続している。更に第1トランジスタ157のコレ
クタ端を第2トランジスタ158のベース端に繋ぎ、第1
トランジスタ157に緑色の発光ダイオード159、第2トラ
ンジスタ158に赤色の発光ダイオード160を各々接続した
後、常開のスイッチ接点10aを介して主電源23に接続し
ている。
以下第8図を用いて、各表示素子11・12の点灯のタイ
ミングを説明する。なお、第8図(f)は第2表示素子
12、(g)は第1表示素子11の点灯時期を各々示す。
上記構成に於いて、モータ停止状態でインバータ回路
22を動作させると、補助電圧V2が出力されてトランジス
タ152がオンし、充電状態表示回路29に通電が開始され
る。同時に第1検出回路61から検出信号S2が出力される
が、時刻t0のごとく、二次電池6の容量が減少している
場合には軽負荷保護回路26の制御がかかっておらず、従
って検出信号S2の値が大きいために第1トランジスタ15
0はオフ状態となり、第2トランジスタ151がオンして赤
色の発光ダイオード154に通電して充電中であることを
表示する。
次いで充電が進み、軽負荷保護回路26が作動して制御
がかかり始める(時刻t1)と、間欠的に検出信号S2の値
が低下し、第1トランジスタ150がオンして緑色の発光
ダイオード153が点灯し始める。即ち、赤色と緑色とが
交互に点灯し、充電が終了に近付くに連れて緑色の点灯
時間の割合が徐々に増加する結果、発光色は赤色からオ
レンジ色に変化し、更に時刻t2で緑色に変わって満充電
状態となったことを表示するのである。
次いで、本体ケース3のスイッチ10をオンすると、モ
ータ5の回転駆動が開始される(時刻t3)。ここで、予
め第2検出回路62の可変抵抗器72を調節することによ
り、回転制御回路25における制御が利かなくなる時刻t4
に於いて、基準電圧と検出信号S3の値が略一致する様に
しておく。すると、負荷が小さいさいか或いは主電源23
の電圧が大きいために回転制御が有効な間は、第1トラ
ンジスタ157がオンして第1表示素子11は緑色に点灯し
て正常回転中であることを表示する。しかし制御が利か
なくなる(時刻t4)と、第2トランジスタ158がオンし
始め、赤色の発光ダイオード160が点灯する時間が徐々
に増加し、緑色からオレンジ色、そして時刻t5で赤色に
変化してモータ回転の異常を表示する。更に、モータ5
の回転が停止寸前(時刻t6)となると、第1表示素子11
が消灯して電池容量の減少を表示するのである。
なお、充電状態を表示する第2表示素子12を、本体ケ
ース3上でスイッチ10の下方位置に配設することによ
り、電気かみそり1の使用中は、操作者の手で第2表示
素子12の表示は覆われ、よってスイッチ10のオンオフで
第1及び第2の表示素子11・12の点灯が入れ替わって表
示されても、表示を誤認することはない。
またトランジスタ152のオン期間を規制する補助電源5
3は、第1検出回路61より安定で且つ十分大きな出力が
得られるように構成しているので、第2表示素子12が赤
緑の点滅を繰り返している期間に於いてもトランジスタ
152は確実にオン状態を続け、表示素子12それ自体が点
滅してちらつくのを防止している。
[発明の効果] 本発明は上記の如く、インバータ回路から電力が供給
される負荷の負荷量を常時検出しながら、定常運転時に
あってはその検出出力で負荷の制御動作を行わせる一
方、許容される負荷量の上下限値を予め設定しておき、
その範囲を越えると負荷に対する供給電流量を制限する
ようにしたので、充電をさせながら機器を作動させた場
合における機器全体の保護が有効かつ確実に図れる利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概略を示すブロック図である。 第2図及び第3図は本発明を電気かみそりに実施した一
例であって、第2図は全体の斜視図、第3図は電気回路
のブロック図を示す。 第4図ないし第7図は第3図の具体的な電気回路図であ
って、第4図は電源部、第5図は制御部、第6図は保護
部、第7図は表示部を各々示す。 第8図(a)ないし(g)は電気回路の動作を説明する
波形図である。 5……モータ、 6……二次電池、 7……電気回路、 10……スイッチ、 13……電源部、 14……検出部、 15……制御部、 16……保護部、 17……表示部、 22……インバータ回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバータ回路を商用電源の電圧変換手段
    として使用する電力供給手段と、 該電力供給手段に常時接続される二次電池を少なくとも
    含む負荷部と、 該負荷部における負荷量の大きさの変化を常時に検出す
    る手段と、 該検出手段で検出された負荷量の大小に対応させて、二
    次電池を除く負荷部の駆動状態を予め設定された状態に
    維持可能とする制御手段と、 上記検出手段で検出された負荷量が、予め設定された上
    限値を上回るか下限値を下回ると、上記電力供給手段か
    ら出力される電流量を制限する手段とを備えた小型電気
    機器。
  2. 【請求項2】上記負荷部は二次電池とモータとから構成
    され、上記制御手段はモータの回転速度を略一定に維持
    可能とするものであって、更に 上記検出手段は、負荷量の下限値検出用と上限値検出用
    とを個別に備えるとともに、 負荷量の下限値検出用の検出手段は、二次電池の端子電
    圧を検出するものであり、上記制限手段では、端子電圧
    が予め設定した値を上回ると負荷量が下限値に達したと
    判定する一方、 負荷量の上限値検出用の検出手段は、モータの回転速度
    を検出するものであって、上記制御手段および制限手段
    に対して同時に検出信号を送り、制限手段ではモータの
    回転速度が予め設定した値を下回ると負荷量が上限値に
    達したと判定する特許請求の範囲第1項記載の小型電気
    機器。
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