JP2555245B2 - 光磁気記録媒体およびその製法 - Google Patents
光磁気記録媒体およびその製法Info
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- JP2555245B2 JP2555245B2 JP4090492A JP9049292A JP2555245B2 JP 2555245 B2 JP2555245 B2 JP 2555245B2 JP 4090492 A JP4090492 A JP 4090492A JP 9049292 A JP9049292 A JP 9049292A JP 2555245 B2 JP2555245 B2 JP 2555245B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交換結合した多層磁性
膜を用いることにより光変調ダイレクトオーバーライト
が可能な光磁気記録媒体およびその製法に関する。
膜を用いることにより光変調ダイレクトオーバーライト
が可能な光磁気記録媒体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、たとえばジャーナル オブ ア
プライド フィジックス(Journal ofApplied Physic
s)67巻 第9号 パートII A 1990年5月1日4415〜44
16頁に記載された従来の光磁気記録媒体の構成および記
録再生時の光ビームを示す説明図である。図中、1は半
導体レーザなどより出射され、レンズにより集光された
光ビーム、2は磁界Hbを発生させる外部磁界発生装
置、3はガラスまたはプラスチックの透明基板、4、
5、6、11、8は互いに交換結合した5層の磁性層、す
なわち第1磁性層4、第2磁性層5、第3磁性層6、第
4磁性層11および第5磁性層8であり、9、10は誘電体
層である。また、それぞれが接する磁性層は、互いに交
換結合力で結合されている。ここで交換結合力とは磁性
層中の希土類金属あるいは遷移金属それぞれの磁化(副
格子磁化)が互いに平行になろうとする力である。
プライド フィジックス(Journal ofApplied Physic
s)67巻 第9号 パートII A 1990年5月1日4415〜44
16頁に記載された従来の光磁気記録媒体の構成および記
録再生時の光ビームを示す説明図である。図中、1は半
導体レーザなどより出射され、レンズにより集光された
光ビーム、2は磁界Hbを発生させる外部磁界発生装
置、3はガラスまたはプラスチックの透明基板、4、
5、6、11、8は互いに交換結合した5層の磁性層、す
なわち第1磁性層4、第2磁性層5、第3磁性層6、第
4磁性層11および第5磁性層8であり、9、10は誘電体
層である。また、それぞれが接する磁性層は、互いに交
換結合力で結合されている。ここで交換結合力とは磁性
層中の希土類金属あるいは遷移金属それぞれの磁化(副
格子磁化)が互いに平行になろうとする力である。
【0003】つぎに、光変調ダイレクトオーバーライト
動作について説明する。図8は記録再生に用いる光ビー
ムの光強度を示す説明図である。光ビームの光強度は3
値変調され、図8において、PREADは再生時の光強度レ
ベル、PLOWは記録時の低い光強度レベルおよびPHIGH
は記録時の高い光強度レベルを示す。PREADは小さな強
度のため光磁気記録媒体(以下、媒体ともいう)の磁化
状態は変化しないが、PLOW、PHIGHはPREADに比べて
大きな強度のため媒体温度は上昇し、その到達温度はそ
れぞれTLOW、THIGHとなり、以後の冷却時の磁化状態
の変化により「0」または「1」の記録が行なわれる。
ここで「0」の記録が行なわれる工程を「低パワープロ
セス」、「1」の記録が行なわれる工程を「高パワープ
ロセス」という。
動作について説明する。図8は記録再生に用いる光ビー
ムの光強度を示す説明図である。光ビームの光強度は3
値変調され、図8において、PREADは再生時の光強度レ
ベル、PLOWは記録時の低い光強度レベルおよびPHIGH
は記録時の高い光強度レベルを示す。PREADは小さな強
度のため光磁気記録媒体(以下、媒体ともいう)の磁化
状態は変化しないが、PLOW、PHIGHはPREADに比べて
大きな強度のため媒体温度は上昇し、その到達温度はそ
れぞれTLOW、THIGHとなり、以後の冷却時の磁化状態
の変化により「0」または「1」の記録が行なわれる。
ここで「0」の記録が行なわれる工程を「低パワープロ
セス」、「1」の記録が行なわれる工程を「高パワープ
ロセス」という。
【0004】以下、この2つの工程について図9に基づ
き説明する。
き説明する。
【0005】図9は図中に示す各温度での各磁性層の遷
移金属副格子磁化の方向を示す説明図であり、Troomは
室温、Tc1は第1磁性層4のキュリー温度、Tc2は第2
磁性層5のキュリー温度、Tc3は第3磁性層6のキュリ
ー温度、Tc4は第4磁性層11のキュリー温度を示す。ま
た、図中の各磁性層は上から順に第1磁性層4、第2磁
性層5、第3磁性層6および第4磁性層11である。
移金属副格子磁化の方向を示す説明図であり、Troomは
室温、Tc1は第1磁性層4のキュリー温度、Tc2は第2
磁性層5のキュリー温度、Tc3は第3磁性層6のキュリ
ー温度、Tc4は第4磁性層11のキュリー温度を示す。ま
た、図中の各磁性層は上から順に第1磁性層4、第2磁
性層5、第3磁性層6および第4磁性層11である。
【0006】まず、「低パワープロセス」において光ビ
ームを照射した際、媒体温度はTLOWまで、つまりTc1
近傍まで上昇する。このとき第2磁性層5と第4磁性層
11はその遷移金属副格子磁化に変化なく上向きであり、
そののちの冷却時に、第1磁性層4は第2磁性層5から
の交換結合力により遷移金属副格子磁化の方向は揃い上
向きになり「0」が記録される。
ームを照射した際、媒体温度はTLOWまで、つまりTc1
近傍まで上昇する。このとき第2磁性層5と第4磁性層
11はその遷移金属副格子磁化に変化なく上向きであり、
そののちの冷却時に、第1磁性層4は第2磁性層5から
の交換結合力により遷移金属副格子磁化の方向は揃い上
向きになり「0」が記録される。
【0007】また、「高パワープロセス」において光ビ
ームを照射した際、媒体温度がTHIGHまで、つまりTc
2近傍まで上昇する。このとき第4磁性層11のみが遷移
金属副格子磁化の方向が上向きであり、そののちの冷却
時に、外部磁界発生装置2による磁界Hbにより、第2
磁性層5の遷移金属副格子磁化の方向が下向きになり、
つぎに第1磁性層4の遷移金属副格子磁化が「低パワー
プロセス」のばあいと同様に第2磁性層5からの交換結
合力により下向きになる。そして、室温近傍において第
2磁性層5の遷移金属副格子磁化が第3磁性層6からの
交換結合力によって上向きとなる、いわゆる初期化過程
がおこるが、第1磁性層4の遷移金属副格子磁化はこの
時点で交換結合力による反転はなく下向きを保ち「1」
が記録される。
ームを照射した際、媒体温度がTHIGHまで、つまりTc
2近傍まで上昇する。このとき第4磁性層11のみが遷移
金属副格子磁化の方向が上向きであり、そののちの冷却
時に、外部磁界発生装置2による磁界Hbにより、第2
磁性層5の遷移金属副格子磁化の方向が下向きになり、
つぎに第1磁性層4の遷移金属副格子磁化が「低パワー
プロセス」のばあいと同様に第2磁性層5からの交換結
合力により下向きになる。そして、室温近傍において第
2磁性層5の遷移金属副格子磁化が第3磁性層6からの
交換結合力によって上向きとなる、いわゆる初期化過程
がおこるが、第1磁性層4の遷移金属副格子磁化はこの
時点で交換結合力による反転はなく下向きを保ち「1」
が記録される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の光変調ダイレク
トオーバーライト動作における初期化過程を実現するた
めには、光磁気記録媒体が前記第4磁性層11のような記
録再生時において副格子磁化が反転しない少なくとも1
つの磁性層(以下、初期化層ともいう)をもつことが必
要であり、また、記録再生時の全温度範囲にわたり初期
化層の副格子磁化の反転磁界が充分大きくなければなら
ない。
トオーバーライト動作における初期化過程を実現するた
めには、光磁気記録媒体が前記第4磁性層11のような記
録再生時において副格子磁化が反転しない少なくとも1
つの磁性層(以下、初期化層ともいう)をもつことが必
要であり、また、記録再生時の全温度範囲にわたり初期
化層の副格子磁化の反転磁界が充分大きくなければなら
ない。
【0009】しかし、従来の光磁気記録媒体の製法によ
りえられた初期化層は、副格子磁化の反転磁界が充分に
大きくないため記録再生条件を狭い範囲に限定してしま
うおそれがあるという問題がある。
りえられた初期化層は、副格子磁化の反転磁界が充分に
大きくないため記録再生条件を狭い範囲に限定してしま
うおそれがあるという問題がある。
【0010】したがって、より広範囲な記録再生条件下
での安定な光変調ダイレクトオーバーライト動作を保証
するためには初期化層の副格子磁化が反転しない光強度
および外部磁界強度の許容範囲をさらに広く確保する必
要がある。
での安定な光変調ダイレクトオーバーライト動作を保証
するためには初期化層の副格子磁化が反転しない光強度
および外部磁界強度の許容範囲をさらに広く確保する必
要がある。
【0011】本発明は前記のような問題を解消するため
になされたもので、従来よりもより広範囲な記録再生条
件下において副格子磁化が反転しない少なくとも1つの
磁性層を備えている光磁気記録媒体および前記光磁気記
録媒体の製法を提供することを目的とする。
になされたもので、従来よりもより広範囲な記録再生条
件下において副格子磁化が反転しない少なくとも1つの
磁性層を備えている光磁気記録媒体および前記光磁気記
録媒体の製法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に垂直
磁気異方性を有する基本的に希土類金属とFeおよび
(または)Co遷移金属からなる複数の磁性層が積層さ
れ、これらの積層された磁性層は隣接する磁性層と互い
に交換結合力で結合し、上記磁性層の1つは、情報が記
録される記録層、他の少なくとも1つは記録再生時に副
格子磁化が反転をおこさない初期化層であり、上記初期
化層は基本的に希土類金属とFeおよび(または)Co
遷移金属が磁性層面の垂直方向に組成変調された磁性層
であり、この組成変調された磁性層によって光変調ダイ
レクトオーバーライト(重ね書き)が可能であることを
特徴とする光磁気記録媒体および基板上に垂直磁気異方
性を有する基本的に希土類金属とFeおよび(または)
Co遷移金属からなる複数の磁性層が積層され、これら
の磁性層は隣接する磁性層と互いに交換結合力で結合
し、上記記録層の1つは、情報が記録される記録層、他
の少なくとも1つは記録再生時に副格子磁化が反転をお
こさない初期化層である光磁気記録媒体の製法であっ
て、上記初期化層を成膜する際、基本的に希土類金属と
Feおよび(または)Co遷移金属を磁性層面の垂直方
向に組成変調することを特徴とする光磁気記録媒体の製
法に関する。
磁気異方性を有する基本的に希土類金属とFeおよび
(または)Co遷移金属からなる複数の磁性層が積層さ
れ、これらの積層された磁性層は隣接する磁性層と互い
に交換結合力で結合し、上記磁性層の1つは、情報が記
録される記録層、他の少なくとも1つは記録再生時に副
格子磁化が反転をおこさない初期化層であり、上記初期
化層は基本的に希土類金属とFeおよび(または)Co
遷移金属が磁性層面の垂直方向に組成変調された磁性層
であり、この組成変調された磁性層によって光変調ダイ
レクトオーバーライト(重ね書き)が可能であることを
特徴とする光磁気記録媒体および基板上に垂直磁気異方
性を有する基本的に希土類金属とFeおよび(または)
Co遷移金属からなる複数の磁性層が積層され、これら
の磁性層は隣接する磁性層と互いに交換結合力で結合
し、上記記録層の1つは、情報が記録される記録層、他
の少なくとも1つは記録再生時に副格子磁化が反転をお
こさない初期化層である光磁気記録媒体の製法であっ
て、上記初期化層を成膜する際、基本的に希土類金属と
Feおよび(または)Co遷移金属を磁性層面の垂直方
向に組成変調することを特徴とする光磁気記録媒体の製
法に関する。
【0013】
【作用】本発明の光磁気記録媒体は、磁性膜面の垂直方
向に組成変調された磁性膜が初期化層として用いられて
いるので、初期化層の副格子磁化が反転しない光強度お
よび外部磁界強度の許容範囲を広くすることができ、よ
り安定な光変調ダイレクトオーバーライト動作が可能と
なる。さらにこれによって光磁気記録媒体を構成する磁
性膜の特性の許容範囲が広くなり、媒体設計上の自由度
を増すことができる。
向に組成変調された磁性膜が初期化層として用いられて
いるので、初期化層の副格子磁化が反転しない光強度お
よび外部磁界強度の許容範囲を広くすることができ、よ
り安定な光変調ダイレクトオーバーライト動作が可能と
なる。さらにこれによって光磁気記録媒体を構成する磁
性膜の特性の許容範囲が広くなり、媒体設計上の自由度
を増すことができる。
【0014】
【実施例】本発明の光磁気記録媒体は、基板上に垂直磁
気異方性を有する基本的に希土類金属とFeおよび(ま
たは)Co遷移金属からなる磁性層が積層され、それぞ
れが接する層は交換結合力で結合している多層磁性膜に
情報が記録される光磁気記録媒体であり、記録再生時に
副格子磁化が反転をおこさない少なくとも1つの磁性層
を備え、その層は基本的に希土類金属とFeおよび(ま
たは)Co遷移金属が磁性膜面の垂直方向に組成変調さ
れた磁性層であることが特徴である。
気異方性を有する基本的に希土類金属とFeおよび(ま
たは)Co遷移金属からなる磁性層が積層され、それぞ
れが接する層は交換結合力で結合している多層磁性膜に
情報が記録される光磁気記録媒体であり、記録再生時に
副格子磁化が反転をおこさない少なくとも1つの磁性層
を備え、その層は基本的に希土類金属とFeおよび(ま
たは)Co遷移金属が磁性膜面の垂直方向に組成変調さ
れた磁性層であることが特徴である。
【0015】本発明の光磁気記録媒体では、初期化層が
従来のものと異なるが、その他の基板や磁性層などは従
来と同様のものが用いられる。すなわち、従来から用い
られている基板上に、たとえば誘電体層が設けられ、そ
の上に従来から用いられている希土類−遷移金属合金か
らなる磁性薄膜が通常の厚さでそれぞれ積層されてお
り、最上層として保護膜が設けられている。
従来のものと異なるが、その他の基板や磁性層などは従
来と同様のものが用いられる。すなわち、従来から用い
られている基板上に、たとえば誘電体層が設けられ、そ
の上に従来から用いられている希土類−遷移金属合金か
らなる磁性薄膜が通常の厚さでそれぞれ積層されてお
り、最上層として保護膜が設けられている。
【0016】また、それぞれが接する磁性層は、従来と
同様に交換結合力で結合されている。
同様に交換結合力で結合されている。
【0017】本発明の光磁気記録媒体の一実施例を示す
と図1のようになる。図中、1は半導体レーザなどより
出射されレンズにより集光された光ビーム、2は磁界H
bを発生させる外部磁界発生装置、3はガラスまたはプ
ラスチックの透明基板、4〜8は互いに交換結合した5
層の磁性層であり、4は第1磁性層、5は第2磁性層、
6は第3磁性層、7は磁性膜面の垂直方向に組成が変調
された磁性層(組成変調磁性層)、8は第5磁性層、
9、10は誘電体層である。
と図1のようになる。図中、1は半導体レーザなどより
出射されレンズにより集光された光ビーム、2は磁界H
bを発生させる外部磁界発生装置、3はガラスまたはプ
ラスチックの透明基板、4〜8は互いに交換結合した5
層の磁性層であり、4は第1磁性層、5は第2磁性層、
6は第3磁性層、7は磁性膜面の垂直方向に組成が変調
された磁性層(組成変調磁性層)、8は第5磁性層、
9、10は誘電体層である。
【0018】また、図1で示される光磁気記録媒体の各
層の具体例を示すと、たとえば以下のようになる。ここ
で、たとえばTb25Fe65Co10中の25、65および10
は、原子比率(at%)を示す。
層の具体例を示すと、たとえば以下のようになる。ここ
で、たとえばTb25Fe65Co10中の25、65および10
は、原子比率(at%)を示す。
【0019】 基板 :ガラスまたはプラスチック透明基板 誘電体層 :SiNx 600 Å 第1磁性層:TbFeCo3元系非晶質磁性合金層 Tb25Fe65Co10 700 Å 第5磁性層:GdFeCo3元系非晶質磁性合金層 Gd33Fe60Co7 100 Å 第2磁性層:GdDyFeCo4元系非晶質磁性合金層 Gd10Dy19Fe47Co24 800 Å 第3磁性層:TbFeCo3元系非晶質磁性合金層 Tb17Fe79Co4 200 Å 組成変調磁性層:Tb層およびFeCo層が磁性膜面の垂直方向に周期的に 積層され、組成の変調された構造を有するTbFeCo系非晶 質磁性層 TbX(Fe100-Y CoY )100-X 400 Å 保護層 :SiNx 600 Å 本発明の光磁気記録媒体への光変調ダイレクトオーバー
ライト動作は従来と同様である。
ライト動作は従来と同様である。
【0020】本発明では、前記初期化層が従来のものと
異なり、磁性膜面の垂直方向に組成変調されている。磁
性膜面の垂直方向に組成変調されているとは、たとえば
希土類金属層および遷移金属層が磁性膜面の垂直方向に
積層され、希土類金属(あるいは遷移金属)の原子比率
が磁性膜面の垂直方向に変調された構造で、その組成変
調構造はたとえば高分解能オージェ電子分光法などによ
り確認される。
異なり、磁性膜面の垂直方向に組成変調されている。磁
性膜面の垂直方向に組成変調されているとは、たとえば
希土類金属層および遷移金属層が磁性膜面の垂直方向に
積層され、希土類金属(あるいは遷移金属)の原子比率
が磁性膜面の垂直方向に変調された構造で、その組成変
調構造はたとえば高分解能オージェ電子分光法などによ
り確認される。
【0021】本発明の初期化層の具体例としては、たと
えばTb層およびCo層が磁性膜面の垂直方向に周期的
に積層され組成変調された構造を有するTbCo非晶質
磁性層があげられるが、その組成はTbXCo100-X(21
≦X≦30(at%))が好ましい。この組成は層全体での
組成である。また、変調周期λは組成の均一な従来の合
金層(λ=0Å)と比較して副格子磁化が反転しない光
強度および外部磁界強度のより広い許容範囲が確保され
る点から3Å≦λ≦20Åであるのが好ましい。
えばTb層およびCo層が磁性膜面の垂直方向に周期的
に積層され組成変調された構造を有するTbCo非晶質
磁性層があげられるが、その組成はTbXCo100-X(21
≦X≦30(at%))が好ましい。この組成は層全体での
組成である。また、変調周期λは組成の均一な従来の合
金層(λ=0Å)と比較して副格子磁化が反転しない光
強度および外部磁界強度のより広い許容範囲が確保され
る点から3Å≦λ≦20Åであるのが好ましい。
【0022】また、本発明の初期化層の具体例として、
たとえばTb層およびFeCo層が磁性層面の垂直方向
に周期的に積層され組成変調された構造を有するTbF
eCo非晶質磁性層があげられるが、その組成はTbX
(Fe100-YCoY)100-X(21≦X≦30(at%)、50≦
Y<100(at%))が好ましい。この組成は層全体での
組成である。また、変調周期λは組成の均一な従来の合
金層(λ=0Å)と比較して、副格子磁化が反転しない
光強度および外部磁界強度のより広い許容範囲が確保さ
れる点から3Å≦λ≦20Åであるのが好ましい。
たとえばTb層およびFeCo層が磁性層面の垂直方向
に周期的に積層され組成変調された構造を有するTbF
eCo非晶質磁性層があげられるが、その組成はTbX
(Fe100-YCoY)100-X(21≦X≦30(at%)、50≦
Y<100(at%))が好ましい。この組成は層全体での
組成である。また、変調周期λは組成の均一な従来の合
金層(λ=0Å)と比較して、副格子磁化が反転しない
光強度および外部磁界強度のより広い許容範囲が確保さ
れる点から3Å≦λ≦20Åであるのが好ましい。
【0023】本発明の光磁気記録媒体は、上述のような
初期化層を有するため、初期化層の副格子磁化が反転し
ない光強度および外部磁界強度の許容範囲を広くするこ
とができ、より広範囲な記録再生条件下での安定な光変
調ダイレクトオーバーライト動作が可能となる。さらに
これによってこの光磁気記録媒体を構成する他の磁性膜
の特性の許容範囲が広くなり、媒体設計上の自由度を増
すことができる。
初期化層を有するため、初期化層の副格子磁化が反転し
ない光強度および外部磁界強度の許容範囲を広くするこ
とができ、より広範囲な記録再生条件下での安定な光変
調ダイレクトオーバーライト動作が可能となる。さらに
これによってこの光磁気記録媒体を構成する他の磁性膜
の特性の許容範囲が広くなり、媒体設計上の自由度を増
すことができる。
【0024】つぎに、本発明の光磁気記録媒体の製法に
ついて図1に基づき説明する。
ついて図1に基づき説明する。
【0025】本発明では、前記初期化層を形成するた
め、たとえばスパッタ装置を用いて基板を回転させなが
ら希土類金属と遷移金属を同時にスパッタして行なう。
め、たとえばスパッタ装置を用いて基板を回転させなが
ら希土類金属と遷移金属を同時にスパッタして行なう。
【0026】まず、従来の方法と同様にたとえばターゲ
ット上を基板が通過するように回転する基板ホルダに装
着した透明基板3上に、たとえば第1磁性層4、第5磁
性層8、第2磁性層5、第3磁性層6と順次各合金ター
ゲットをスパッタすることにより成膜する。
ット上を基板が通過するように回転する基板ホルダに装
着した透明基板3上に、たとえば第1磁性層4、第5磁
性層8、第2磁性層5、第3磁性層6と順次各合金ター
ゲットをスパッタすることにより成膜する。
【0027】そののち、初期化層である第4磁性層7を
たとえば基板を回転させながらTbターゲットとCoタ
ーゲットとを同時にスパッタを行ない成膜する。
たとえば基板を回転させながらTbターゲットとCoタ
ーゲットとを同時にスパッタを行ない成膜する。
【0028】基板を回転させる際、希土類金属および遷
移金属の成膜速度がそれぞれ、aÅ/分、bÅ/分のと
き、基板回転数がRr.p.m.として変調周期λがλ
=(a+b)/Rである組成変調磁性膜がえられる。た
とえばTbターゲットとCoターゲットを用いてTbお
よびCoの成膜速度がともに100Å/分のとき、基板回
転数を20r.p.m.としてλ=10ÅのTbCo組成変
調磁性膜がえられる。また、基板の回転数を変化させる
ことにより、組成変調磁性膜の変調周期λを任意に変化
させることができる。
移金属の成膜速度がそれぞれ、aÅ/分、bÅ/分のと
き、基板回転数がRr.p.m.として変調周期λがλ
=(a+b)/Rである組成変調磁性膜がえられる。た
とえばTbターゲットとCoターゲットを用いてTbお
よびCoの成膜速度がともに100Å/分のとき、基板回
転数を20r.p.m.としてλ=10ÅのTbCo組成変
調磁性膜がえられる。また、基板の回転数を変化させる
ことにより、組成変調磁性膜の変調周期λを任意に変化
させることができる。
【0029】図2は変調周期λの異なるTb25Co75膜
の室温における垂直磁気異方性Ku⊥および保磁力Hc
を示す。同図より明らかなように、組成変調によりKu
⊥およびHcの大きな磁性膜をうることができる。
の室温における垂直磁気異方性Ku⊥および保磁力Hc
を示す。同図より明らかなように、組成変調によりKu
⊥およびHcの大きな磁性膜をうることができる。
【0030】さらに図3はHcが極大値をとるλ=10Å
と組成変調が無いλ=0ÅのTb25Co75膜のHcの温
度依存性の測定結果であり、測定温度範囲にわたりλ=
10ÅのTb25Co75膜の方がHcが大きいことがわか
る。なお、Hc1(λ=0)は室温での保磁力を示す。
と組成変調が無いλ=0ÅのTb25Co75膜のHcの温
度依存性の測定結果であり、測定温度範囲にわたりλ=
10ÅのTb25Co75膜の方がHcが大きいことがわか
る。なお、Hc1(λ=0)は室温での保磁力を示す。
【0031】したがって、本発明の光磁気記録媒体の製
法によりえられる組成変調磁性膜は、組成の均一な従来
の磁性膜に比較して垂直磁気異方性が大きく、広い温度
範囲にわたり保磁力が大きい。この組成変調磁性膜を初
期化層として用いると広い温度範囲にわたり反転磁界が
大きく、より広範囲な記録再生条件下での安定な光変調
ダイレクトオーバーライト動作が可能となる。
法によりえられる組成変調磁性膜は、組成の均一な従来
の磁性膜に比較して垂直磁気異方性が大きく、広い温度
範囲にわたり保磁力が大きい。この組成変調磁性膜を初
期化層として用いると広い温度範囲にわたり反転磁界が
大きく、より広範囲な記録再生条件下での安定な光変調
ダイレクトオーバーライト動作が可能となる。
【0032】またこのような効果は、たとえば蒸着装置
を用いてシャッターの開閉により組成変調磁性膜をうる
ような製法であつてもよく、スパッタ装置を用いた上述
の製法に限定される訳ではないのはいうまでもない。
を用いてシャッターの開閉により組成変調磁性膜をうる
ような製法であつてもよく、スパッタ装置を用いた上述
の製法に限定される訳ではないのはいうまでもない。
【0033】[実施例1]スパッタ装置を使用し、図1
に示される構成となるようにガラス基板上に誘電体層
9、第1磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3
磁性層6、組成変調磁性層7などをスパッタ法により順
次成膜して、下記の構成の光磁気記録媒体を製造した。
に示される構成となるようにガラス基板上に誘電体層
9、第1磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3
磁性層6、組成変調磁性層7などをスパッタ法により順
次成膜して、下記の構成の光磁気記録媒体を製造した。
【0034】 誘電体層 :SiNx 600 Å 第1磁性層:TbFeCo3元系非晶質磁性合金層 Tb25Fe65Co10 700 Å 第5磁性層:GdFeCo3元系非晶質磁性合金層 Gd33Fe60Co7 100 Å 第2磁性層:GdDyFeCo4元系非晶質磁性合金層 Gd10Dy19Fe47Co24 800 Å 第3磁性層:TbFeCo3元系非晶質磁性合金層 200 Å Tb17Fe79Co4 組成変調磁性層:TbCo2元系非晶質磁性層 400 Å Tb25Co75(変調周期λ=10Å) 保護層 :SiNx 600 Å 組成変調磁性層7はTbターゲットとCoターゲットを
用いて成膜した変調周期λ=10ÅのTb25Co75膜であ
る。このときの成膜条件は、成膜時Ar圧力2.3mTorr、
TbターゲットおよびCoターゲットともに投入電力30
0Wで、基板回転数20r.p.m.である。
用いて成膜した変調周期λ=10ÅのTb25Co75膜であ
る。このときの成膜条件は、成膜時Ar圧力2.3mTorr、
TbターゲットおよびCoターゲットともに投入電力30
0Wで、基板回転数20r.p.m.である。
【0035】以上のようにして製造した光磁気記録媒体
を用い、ビット長3.8μmの信号上にビット長2.9μmの信
号を線速7.5m/秒、印加磁界300 Oe、PLOW 3.0mWの
条件で、PHIGHの値を変化させて光変調ダイレクトオー
バーライトし、再生した。なお、このときPREADは1.0m
Wとした。
を用い、ビット長3.8μmの信号上にビット長2.9μmの信
号を線速7.5m/秒、印加磁界300 Oe、PLOW 3.0mWの
条件で、PHIGHの値を変化させて光変調ダイレクトオー
バーライトし、再生した。なお、このときPREADは1.0m
Wとした。
【0036】図4に測定結果を示す。同図に示すように
CNR(搬送波対雑音比)が極大値より2dB落ちる値を
PHIGHの許容範囲を決定する下限(PHmin.)および上
限(PHmax.)の値と定義すると、PHIGHの許容範囲
((PHmax.-PHmin.)/{(PHmax.+PHmin.)/
2})は、このばあい70%確保できた。
CNR(搬送波対雑音比)が極大値より2dB落ちる値を
PHIGHの許容範囲を決定する下限(PHmin.)および上
限(PHmax.)の値と定義すると、PHIGHの許容範囲
((PHmax.-PHmin.)/{(PHmax.+PHmin.)/
2})は、このばあい70%確保できた。
【0037】[比較例1]初期化層のほかは実施例1と
同様にして、ガラス基板上に第1磁性層4、第5磁性層
8、第2磁性層5、第3磁性層6、第4磁性層11をスパ
ッタ法により順次成膜して、前記の構成の光磁気記録媒
体を製造した。第4磁性層11はTbCo合金ターゲット
を用いて通常の方法で成膜した変調周期λ=0ÅのTb
25Co75膜である。
同様にして、ガラス基板上に第1磁性層4、第5磁性層
8、第2磁性層5、第3磁性層6、第4磁性層11をスパ
ッタ法により順次成膜して、前記の構成の光磁気記録媒
体を製造した。第4磁性層11はTbCo合金ターゲット
を用いて通常の方法で成膜した変調周期λ=0ÅのTb
25Co75膜である。
【0038】以上のようにして製造した光磁気記録媒体
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件で、PHIGHの値を変化させて光
変調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、こ
のときPREADは1.0mWとした。
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件で、PHIGHの値を変化させて光
変調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、こ
のときPREADは1.0mWとした。
【0039】このばあい、PHIGHの許容範囲は50%であ
った。
った。
【0040】[実施例2〜6]初期化層のほかは実施例
1と同様にして、ガラス基板上に第1磁性層4、第5磁
性層8、第2磁性層5、第3磁性層6、組成変調磁性層
7をスパッタ法により順次成膜して、前記の構成の光磁
気記録媒体を製造した。組成変調磁性層7はTbターゲ
ットとCoターゲットを用いて成膜したλ=3Å、λ=
5Å、λ=15Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例
2〜6)のTb25Co75膜である。
1と同様にして、ガラス基板上に第1磁性層4、第5磁
性層8、第2磁性層5、第3磁性層6、組成変調磁性層
7をスパッタ法により順次成膜して、前記の構成の光磁
気記録媒体を製造した。組成変調磁性層7はTbターゲ
ットとCoターゲットを用いて成膜したλ=3Å、λ=
5Å、λ=15Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例
2〜6)のTb25Co75膜である。
【0041】以上のようにして製造した光磁気記録媒体
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件で、PHIGHの値を変化させて光
変調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、こ
のときPREADは1.0mWとした。
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件で、PHIGHの値を変化させて光
変調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、こ
のときPREADは1.0mWとした。
【0042】図5はえられたPHIGHの許容範囲の各測定
結果を実施例1および比較例1の結果も含めて変調周期
λに対してプロットしたものである。従来の合金ターゲ
ットを用いたスパッタ法により製造した光磁気記録媒体
に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦20Åの範囲で大
きな値をえられることが、同図により明らかである。
結果を実施例1および比較例1の結果も含めて変調周期
λに対してプロットしたものである。従来の合金ターゲ
ットを用いたスパッタ法により製造した光磁気記録媒体
に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦20Åの範囲で大
きな値をえられることが、同図により明らかである。
【0043】[実施例7〜10および比較例2]初期化
層のほかは実施例1と同様にして、ガラス基板上に第1
磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3磁性層
6、初期化層をスパッタ法により順次成膜して、前記の
構成の光磁気記録媒体を製造した。初期化層はTbター
ゲットとCoターゲットを用いて成膜したλ=3Å、λ
=10Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例7〜10)
のTb30Co70膜(組成変調磁性膜7)およびTbCo
合金ターゲットを用いて通常の方法で成膜したλ=0Å
(比較例2)のTb30Co70膜(第4磁性層11)であ
る。
層のほかは実施例1と同様にして、ガラス基板上に第1
磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3磁性層
6、初期化層をスパッタ法により順次成膜して、前記の
構成の光磁気記録媒体を製造した。初期化層はTbター
ゲットとCoターゲットを用いて成膜したλ=3Å、λ
=10Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例7〜10)
のTb30Co70膜(組成変調磁性膜7)およびTbCo
合金ターゲットを用いて通常の方法で成膜したλ=0Å
(比較例2)のTb30Co70膜(第4磁性層11)であ
る。
【0044】以上のようにして製造した光磁気記録媒体
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件で、PHIGHの値を変化させて光
変調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、こ
のときPREADは1.0mWとした。
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件で、PHIGHの値を変化させて光
変調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、こ
のときPREADは1.0mWとした。
【0045】図5はえられたPHIGHの許容範囲の各測定
結果を変調周期λに対してプロットしたものである。従
来の合金ターゲットを用いたスパッタ法により製造した
光磁気記録媒体に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦
20Åの範囲で大きな値をえられることが、同図により明
らかである。
結果を変調周期λに対してプロットしたものである。従
来の合金ターゲットを用いたスパッタ法により製造した
光磁気記録媒体に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦
20Åの範囲で大きな値をえられることが、同図により明
らかである。
【0046】[実施例11〜14および比較例3]初期
化層のほかは実施例1と同様にして、ガラス基板上に第
1磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3磁性層
6、初期化層をスパッタ法により順次成膜して、前記の
構成の光磁気記録媒体を製造した。初期化層7はTbタ
ーゲットとFeCoターゲットを用いて成膜したλ=3
Å、λ=10Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例11
〜14)のTb25(Fe30Co70)75膜(組成変調磁性層
7)およびTbFeCo合金ターゲットを用いて通常の
方法で成膜したλ=0Å(比較例3)のTb25(Fe30
Co70)75膜(第4磁性膜11)である。
化層のほかは実施例1と同様にして、ガラス基板上に第
1磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3磁性層
6、初期化層をスパッタ法により順次成膜して、前記の
構成の光磁気記録媒体を製造した。初期化層7はTbタ
ーゲットとFeCoターゲットを用いて成膜したλ=3
Å、λ=10Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例11
〜14)のTb25(Fe30Co70)75膜(組成変調磁性層
7)およびTbFeCo合金ターゲットを用いて通常の
方法で成膜したλ=0Å(比較例3)のTb25(Fe30
Co70)75膜(第4磁性膜11)である。
【0047】以上のようにして製造した光磁気記録媒体
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件でPHIGHの値を変化させて光変
調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、この
ときPREADを1.0mWとした。
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件でPHIGHの値を変化させて光変
調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、この
ときPREADを1.0mWとした。
【0048】図6はえられたPHIGHの許容範囲の各測定
結果を変調周期λに対してプロットしたものである。従
来の合金ターゲットを用いたスパッタ法により製造した
光磁気記録媒体に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦
20Åの範囲で大きな値をえられることが、同図により明
らかである。
結果を変調周期λに対してプロットしたものである。従
来の合金ターゲットを用いたスパッタ法により製造した
光磁気記録媒体に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦
20Åの範囲で大きな値をえられることが、同図により明
らかである。
【0049】[実施例15〜18および比較例4]初期
化層のほかは実施例1と同様にして、ガラス基板上に第
1磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3磁性層
6、初期化層をスパッタ法により順次成膜して、前記の
構成の光磁気記録媒体を製造した。初期化層はTbター
ゲットとFeCoターゲットを用いて成膜したλ=3
Å、λ=10Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例15
〜18)のTb30(Fe30Co70)70膜(組成変調磁性層
7)およびTbFeCo合金ターゲットを用いて通常の
方法で成膜したλ=0Å(比較例4)のTb30(Fe30
Co70)70膜(第4磁性層11)である。
化層のほかは実施例1と同様にして、ガラス基板上に第
1磁性層4、第5磁性層8、第2磁性層5、第3磁性層
6、初期化層をスパッタ法により順次成膜して、前記の
構成の光磁気記録媒体を製造した。初期化層はTbター
ゲットとFeCoターゲットを用いて成膜したλ=3
Å、λ=10Å、λ=20Å、λ=30Å(それぞれ実施例15
〜18)のTb30(Fe30Co70)70膜(組成変調磁性層
7)およびTbFeCo合金ターゲットを用いて通常の
方法で成膜したλ=0Å(比較例4)のTb30(Fe30
Co70)70膜(第4磁性層11)である。
【0050】以上のようにして製造した光磁気記録媒体
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件でPHIGHの値を変化させて光変
調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、この
ときPREADを1.0mWとした。
を用いて、実施例1と同様にビット長3.8μmの信号上に
ビット長2.9μmの信号を線速7.5m/秒、印加磁界300 O
e、PLOW 3.0mWの条件でPHIGHの値を変化させて光変
調ダイレクトオーバーライトし、再生した。なお、この
ときPREADを1.0mWとした。
【0051】図6はえられたPHIGHの許容範囲の各測定
結果を変調周期λに対してプロットしたものである。従
来の合金ターゲットを用いたスパッタ法により製造した
光磁気記録媒体に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦
20Åの範囲で大きな値をえられることが、同図により明
らかである。
結果を変調周期λに対してプロットしたものである。従
来の合金ターゲットを用いたスパッタ法により製造した
光磁気記録媒体に比べてPHIGHの許容範囲は3Å≦λ≦
20Åの範囲で大きな値をえられることが、同図により明
らかである。
【0052】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体を用いることに
より、初期化層の副格子磁化が反転しない光強度および
外部磁界強度の許容範囲を広くすることができ、より広
範囲な記録再生条件下での安定な光変調ダイレクトオー
バーライト動作が可能となる。また、本発明の光磁気記
録媒体では光磁気記録媒体を構成する磁性膜の特性の許
容範囲が広くなり、媒体設計上の自由度を増すことがで
きる。
より、初期化層の副格子磁化が反転しない光強度および
外部磁界強度の許容範囲を広くすることができ、より広
範囲な記録再生条件下での安定な光変調ダイレクトオー
バーライト動作が可能となる。また、本発明の光磁気記
録媒体では光磁気記録媒体を構成する磁性膜の特性の許
容範囲が広くなり、媒体設計上の自由度を増すことがで
きる。
【0053】また、本発明の製法によれば、垂直磁気異
方性を有する基本的に希土類金属とFeおよび(また
は)Co遷移金属からなる磁性膜において希土類金属と
遷移金属が磁性膜面の垂直方向に組成変調した構造を持
ち、従来の製法による組成の均一な磁性膜に比較して垂
直磁気異方性が大きく、広い温度範囲にわたり保磁力の
大きな磁性膜をえることができる。
方性を有する基本的に希土類金属とFeおよび(また
は)Co遷移金属からなる磁性膜において希土類金属と
遷移金属が磁性膜面の垂直方向に組成変調した構造を持
ち、従来の製法による組成の均一な磁性膜に比較して垂
直磁気異方性が大きく、広い温度範囲にわたり保磁力の
大きな磁性膜をえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の構成および記録再生
時の光ビームを示す説明図である。
時の光ビームを示す説明図である。
【図2】本発明の製法により形成された初期化層の垂直
磁気異方性および保磁力の組成変調周期依存性を示すグ
ラフである。
磁気異方性および保磁力の組成変調周期依存性を示すグ
ラフである。
【図3】本発明の製法により形成された初期化層の保磁
力の温度依存性を示すグラフである。
力の温度依存性を示すグラフである。
【図4】実施例1でえられた光磁気記録媒体のCNRと
(PHIGH/PHmin.)との関係を示すグラフである。
(PHIGH/PHmin.)との関係を示すグラフである。
【図5】実施例1〜10および比較例1〜2でえられた光
磁気記録媒体のPHIGHの許容範囲の組成変調周期依存性
を示すグラフである。
磁気記録媒体のPHIGHの許容範囲の組成変調周期依存性
を示すグラフである。
【図6】実施例11〜18および比較例3〜4でえられた光
磁気記録媒体のPHIGHの許容範囲の組成変調周期依存性
を示すグラフである。
磁気記録媒体のPHIGHの許容範囲の組成変調周期依存性
を示すグラフである。
【図7】従来の光磁気記録媒体の構成および記録再生時
の光ビームを示す説明図である。
の光ビームを示す説明図である。
【図8】3値変調された光ビームの光強度を示す説明図
である。
である。
【図9】従来の光磁気記録媒体の各温度における磁化状
態を示す説明図である。
態を示す説明図である。
3 基板 4 第1磁性層 5 第2磁性層 6 第3磁性層 7 組成変調磁性層(磁性膜面の垂直方向に組成が変調
された層) 8 第5磁性層
された層) 8 第5磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳永 隆志 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 産業システム研究所内 (72)発明者 中木 義幸 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 産業システム究所内 (56)参考文献 特開 平2−230531(JP,A) 特開 平3−156752(JP,A) 特開 昭63−211141(JP,A) 特開 昭62−128041(JP,A) 特開 昭62−71041(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に垂直磁気異方性を有する基本的
に希土類金属とFeおよび(または)Co遷移金属から
なる複数の磁性層が積層され、これらの積層された磁性
層は隣接する磁性層と互いに交換結合力で結合し、上記
磁性層の1つは、情報が記録される記録層、他の少なく
とも1つは記録再生時に副格子磁化が反転をおこさない
初期化層であり、上記初期化層は基本的に希土類金属と
Feおよび(または)Co遷移金属が磁性層面の垂直方
向に組成変調された磁性層であり、この組成変調された
磁性層によって光変調ダイレクトオーバーライト(重ね
書き)が可能であることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 初期化層は、Tb層およびFeCo層ま
たはCo層が磁性層面の垂直方向に周期的に積層され組
成変調された構造を有する一般式TbX(Fe100-YC
oY)100-X(21≦X≦30(at%)、50≦Y<100(at
%))で示されるTbFeCo非晶質磁性層またはTb
Co非晶質磁性膜であり、その変調周期λが、3Å≦λ
≦20Åである請求項1記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】 基板上に垂直磁気異方性を有する基本的
に希土類金属とFeおよび(または)Co遷移金属から
なる複数の磁性層が積層され、これらの磁性層は隣接す
る磁性層と互いに交換結合力で結合し、上記記録層の1
つは、情報が記録される記録層、他の少なくとも1つは
記録再生時に副格子磁化が反転をおこさない初期化層で
ある光磁気記録媒体の製法であって、上記初期化層を成
膜する際、基本的に希土類金属とFeおよび(または)
Co遷移金属を磁性層面の垂直方向に組成変調すること
を特徴とする光磁気記録媒体の製法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4090492A JP2555245B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 光磁気記録媒体およびその製法 |
US08/209,258 US5547751A (en) | 1992-04-10 | 1994-03-14 | Magneto-optical recording medium and method of manufacturing the same |
US08/543,517 US5593791A (en) | 1992-04-10 | 1995-10-16 | Magneto-optical recording medium and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4090492A JP2555245B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 光磁気記録媒体およびその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05290431A JPH05290431A (ja) | 1993-11-05 |
JP2555245B2 true JP2555245B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=14000025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4090492A Expired - Fee Related JP2555245B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 光磁気記録媒体およびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2555245B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7646179B2 (en) | 2006-03-20 | 2010-01-12 | Ricoh Company, Ltd. | Electric power supply circuit and electronic device |
US7675276B2 (en) | 2005-05-20 | 2010-03-09 | Torex Semiconductor Ltd. | DC/DC converter |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0670858B2 (ja) * | 1983-05-25 | 1994-09-07 | ソニー株式会社 | 光磁気記録媒体とその製法 |
JP2820154B2 (ja) * | 1989-06-19 | 1998-11-05 | 富士写真フイルム株式会社 | ハロゲン化銀写真感光材料 |
-
1992
- 1992-04-10 JP JP4090492A patent/JP2555245B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7675276B2 (en) | 2005-05-20 | 2010-03-09 | Torex Semiconductor Ltd. | DC/DC converter |
US7646179B2 (en) | 2006-03-20 | 2010-01-12 | Ricoh Company, Ltd. | Electric power supply circuit and electronic device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05290431A (ja) | 1993-11-05 |
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