JP2555159B2 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP2555159B2
JP2555159B2 JP63196026A JP19602688A JP2555159B2 JP 2555159 B2 JP2555159 B2 JP 2555159B2 JP 63196026 A JP63196026 A JP 63196026A JP 19602688 A JP19602688 A JP 19602688A JP 2555159 B2 JP2555159 B2 JP 2555159B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mol
monomer
water
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63196026A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01144404A (ja
Inventor
和正 木村
卓己 初田
好夫 入江
忠生 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP63196026A priority Critical patent/JP2555159B2/ja
Publication of JPH01144404A publication Critical patent/JPH01144404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2555159B2 publication Critical patent/JP2555159B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、吸水性樹脂の製造方法に関するものであ
る。詳しく述べると、吸水特性に優れた吸水性樹脂の製
造方法に関するものである。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) モノマーを重合して得られる吸水性樹脂としては、架
橋ポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル
共重合体のケン化物、架橋ポリビニルアルコール変性
物、部分中和ポリアクリル酸塩架橋体、架橋イソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、澱粉−アクリル酸グラフ
ト重合物等が知られており、生理用ナプキン、紙おむつ
等の衛生用吸収剤あるいは農園芸用分野、土木業分野に
おいて保水剤、脱水剤等の広い用途に応用されている。
これらの吸水性樹脂の製法としては、逆相懸濁重合法
として、例えば特開昭56−161,408号、同57−94,011
号、同57−158,209号および57−198,714号に記載の方法
が知られており、また、水溶液重合法として、例えば特
開昭57−34,101号、特公昭48−42,466号、特開昭58−4
9,714号、特公昭59−37,003号、USP 4,286,082および USP 4,625,001に記載されている方法が知られている。
しかして、逆相懸濁重合方法は有機溶剤を使用するの
で、作業環境が悪くなるばかりでなく引火爆発の危険性
があり、そのための対策を講じなければならず、有機溶
剤の費用ならびにその除去費用と併せてコスト高とな
る。しかも、固形分濃度に限界があるために生産性が低
いという欠点がある。また、この有機溶剤が製品中に微
量残存するので、これを完全に除去するにはさらにコス
ト高となる。さらに、逆相懸濁重合法で得られる吸水性
樹脂は球状でしかも粒径が小さいので、例えば紙オムツ
等に使用した場合、パルプ等の繊維状の吸収コア成分に
保持されず脱落しやすい上に、取扱いも不便である。こ
れら欠点に加えて逆相懸濁重合法では、親水性の低い架
橋剤を用いた場合、該架橋剤が疎水性有機溶剤に溶出す
るという問題があった。モノマー水溶液の中和率を下げ
ることにより親水性の低い架橋剤のモノマー水溶液への
溶解性を上げることは可能であるが、その場合において
は、酸基含有モノマーが疎水性有機溶剤に溶出し、凝集
が起こりやすいという問題があった。
一方、水溶液重合法では前記のごとき問題点はなく、
特開昭57−34,101号およびUSP 4,625,001に開示されて
いる方法が知られている。特開昭57−34,101号およびUS
P 4,625,001に記載されている方法は、水溶液重合時に
架橋構造を形成して含水ゲル状重合体となる単量体の水
溶液および重合開始剤を、撹拌翼を備えた容器内で、重
合の進行に伴なって生成する含水ゲル状重合体を該撹拌
軸の回転による撹拌翼の剪断力により細分化しながらラ
ジカル水溶液重合を行なうことよりなる架橋重合体の製
造方法である。これらの製造方法によれば、作業性が極
めて良好であるばかりでなく、分子中に架橋構造を有す
る細分化された含水ゲル状重合体が生産性良く製造でき
るという利点がある。しかしながら、このような方法に
おいても、吸水倍率が高く、水可溶分が少ない吸水性樹
脂は、生産が困難となる場合があった。
架橋密度を下げることによって吸水倍率が上ること
は、当業者においてよく知られていることであり、また
架橋密度を下げるという操作をして吸水性樹脂を製造し
た場合に、水可溶分が増すということも知られている。
水可溶分は、吸水性樹脂が水、尿、体液等の被吸収液体
と接触してヒドロゲル構造を形成した際に、そこから浸
出されてしまう。このように被吸収液体によって抽出さ
れる水可溶分は、吸水性樹脂の吸水倍率を低下させるば
かりでなく、吸水性樹脂の劣化を促進する。また、その
ヌルつきのために不快感を与えたり、被吸収液体を汚染
する等の好ましくない状況をつくり出すのである。
したがって、吸水倍率が高く、しかも水可溶分の少な
い吸水性樹脂の製造方法が望まれていた。USP 4,654,03
9では、本質的に遊離酸型のモノマーを水溶液重合して
吸水倍率が高く、水可溶分の少ない吸水性樹脂の製造方
法を提案している。しかしながら、このような未中和の
モノマーを、通常のラジカル重合開始剤を用いて重合す
ると、残存モノマー量が増加することがわかった。残存
モノマー量の増加は、安全性の面からも望ましくないの
は当然である。
したがって、本発明の目的は、吸水性樹脂の新規な製
造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、吸
水性に優れかつ残存モノマー含量の低い吸水性樹脂の製
造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段および作用) これらの諸目的は、酸基の中和率が10〜40モル%であ
り、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸および2−(メタ)アクリロイ
ルエタンスルホン酸よりなる群から選ばれた1種または
2種以上の酸基含有モノマーを少なくとも50モル%含む
モノマー成分を調整し、該モノマー成分に対して0.01〜
5モル%の分子内に重合性二重合結合を2個以上有する
架橋性モノマーの存在下、該モノマー成分を撹拌翼を備
えた複数の回転撹拌軸を有する反応容器内で水溶液重合
することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法(第1の方
法)により達成される。 これらの諸目的は、酸基の中
和率が10〜40モル%であり、(メタ)アクリル酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および
2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸よりなる群
から選ばれた1種または2種以上の酸基含有モノマーを
少なくとも50モル%含むモノマー成分を調整し、該モノ
マー成分に対して0.01〜5モル%の分子内に重合性二重
合結合を2個以上有する架橋性モノマーの存在下、該モ
ノマー成分を撹拌翼を備えた複数の回転撹拌軸を有する
反応容器内で水溶液重合し、次いで得られた含水ゲル状
重合体に塩基性物質および弱酸の塩より選ばれた少なく
とも1種の中和剤を添加して、該重合体の中和率を少な
くとも50モル%とすることを特徴とする吸水性樹脂の製
造方法(第2の方法)によっても達成される。
本発明で用いられる酸基含有モノマーは、(メタ)ア
クリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸および2−(メタ)アクリロイルエタンスルホ
ン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種のモノマー
であり、アクリル酸が特に好ましい。
本発明におけるモノマー成分は、(メタ)アクリル
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸および2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸よ
りなる群から選ばれた1種または2種以上の酸基含有モ
ノマーを50〜100モル%、好ましくは75〜100モル%含ん
でなるものであり、50モル%未満、好ましくは25モル%
未満の量で酸基含有モノマーに該当しない他のモノマー
(a)を含んでいてもよい。他のモノマー(a)は酸基
含有モノマーと共重合しうるものであれば特に制限なく
使用できるが、得られる吸水性樹脂の吸水特性を損わな
いために親水性の高いモノマーを主体に用いるのが好ま
しい。モノマー(a)のうち親水性の高いモノマーとし
ては、例えば(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシ
エチル(メ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、
アクリル酸メチル、クロトン酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンス
ルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸等を挙げることが
でき、これらの1種又は2種以上の混合物を使用でき
る。
本発明の製造方法によれば、吸水性樹脂は、上記手順
で得られるモノマー成分を、架橋性モノマーの存在下水
溶液重合して、架橋構造を形成させることにより得られ
る。架橋性モノマーは、分子内に重合性二重結合を2個
以上有するものであれば制限なく使用できるが、ある程
度の水溶性を示し、かつ前記酸基含有モノマーと共重合
性が良く、効率良く架橋構造をとり均一な架橋分布を与
えるものでなければならない。
架橋性モノマーとしては、たとえばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリ
スリトールのジアクリレート又はジメタアクリレート、
トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールのト
リアクリレート又はトリメタアクリレート、ペンタエリ
スリトールのテトラアクリレート又はテトラメタアクリ
レート、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−
メチレンビスメタアクリルアミド、イソシアヌル酸トリ
アリル、トリアリルアミン等を挙げることができ、これ
らのうちの1種又は2種以上を用いることができる。こ
れら架橋性モノマーは前記モノマー成分に対して0.001
〜5モル%、好ましくは0.002〜2モル%の範囲で使用
される。0.001モル%未満では吸水倍率は大きくなるも
のの、水可溶分が著しく多くなり、5モル%をこえる量
では得られる吸水性樹脂の吸水倍率が小さいものになっ
てしまう。
また、必要により、前記の架橋性モノマーを用いて架
橋構造を形成させる方法に、他の架橋構造形成方法を併
用しても良い。併用できる方法としては例えば、 (1)デンプン、セルロース、ポリビニルアルコール等
の親水性高分子の存在下に、モノマー成分を水溶液重合
することにより、水溶液重合時にグラフト結合に起因し
た架橋構造を形成させる方法。これら親水性高分子は、
モノマー成分に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜3
0重量%の範囲で使用されるのが好ましい。
(2) モノマー成分が有する酸基、ヒドロキシル基、
アミド基等の官能基に対し、反応性の基を分子内に2個
以上有する架橋剤をモノマー成分中に添加しておくこと
により、水溶液重合時に架橋反応により架橋構造を形成
させる方法。
この方法に用いられる架橋剤としては、例えばポリイ
ソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアミン
化合物、ポリオキサゾリン化合物等を挙げることがで
き、これらのうち1種又は2種以上を用いることができ
る。これら架橋剤はモノマー成分に対して0.001〜50重
量%、好ましくは0.002〜30重量%の範囲で使用され
る。その使用量が0.001重量%未満では吸水倍率は大き
くなるものの、水可溶分が著しく多くなり、50重量%を
こえる量では得られる吸水性樹脂の吸水倍率が小さいも
のになってしまう。
(3) モノマー成分に多価金属化合物を添加しておく
ことにより水溶液重合時にイオン架橋により架橋構造を
形成させる方法。この方法に用いられる多価金属化合物
としては、例えば亜鉛、カルシウム、アルミニウム、ジ
ルコニウム等の水酸化物及び塩等を挙げることができ、
これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
これら多価金属化合物はモノマー成分中の酸基に対して
多価金属イオンによる中和作用を有するため、その添加
量は、本発明において極めて重要な意義を有する酸基含
有モノマーの中和率10〜50モル%の範囲をこえないよう
にしなければならない。
等を挙げることができる。これら(1)〜(3)の方法
は、得られる吸水性樹脂の使用目的に応じて必要によ
り、前記の架橋性モノマーを用いて架橋構造を形成させ
る方法に併用する。この際2以上の方法を併用しても構
わない。
本発明の吸水性樹脂の製造方法のうちの第1の方法
は、前記モノマー成分を水溶液重合する際に、該モノマ
ー成分中の酸基含有モノマーの10〜40モル%を中和して
おくことにより達成される。酸基含有モノマーの中和率
を上記範囲にしておくことは、本発明において極めて重
要な意義を有するものである。酸基含有モノマーの中和
率が10モル%未満であると通常のラジカル重合開始剤を
用いて重合を行なうと、残存モノマー量が多くなる。一
方、酸基含有モノマーの中和率が40モル%を越えると、
吸水倍率が高く、しかも水可溶分の少ない吸水性重合体
を得るのが困難になる。
前記酸基含有モノマーの中和にはアルカリ金属の水酸
化物やアンモニア等が使用可能であるが、好ましいのは
アルカリ金属水酸化物であり、その具体例としては水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムが挙
げられる。工業的入手の容易さ、価格及び安全性の点か
ら水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムが好まし
い。酸基含有モノマーを前記範囲で中和したモノマー成
分は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜45
重量%の濃度で水溶液重合される。5重量%未満の濃度
で水溶液重合を行なうと重合の完結に長時間を要し、生
産性の面からも実用的ではない。また50重量%をこえる
濃度で重合を行なうと重合反応熱の除去が困難となり、
重合ピーク温度が高く、得られる吸水性重合体の水可溶
分も多目になる場合がある。
本発明を実施するための重合方法としては、例えばラ
ジカル重合法や活性エネルギー線による重合法等を挙げ
ることができるが、特に性能の優れた吸水性樹脂を得る
ためにはラジカル重合法によるのが好ましい。ラジカル
重合法に用いられる重合開始剤は水溶性のラジカル重合
開始剤として公知のものを使用できる。例えば、過硫酸
塩、過酸化水素、水溶性アゾ化合物等を挙げることがで
き、これらを単独で用いてもよく、あるいはこれらと亜
硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、L−アスコルビン
酸、第一鉄塩等と組みあわせてレドックス開始剤として
用いてもよい。
これら重合開始剤の使用量は特に限定されないが、通
常モノマー成分に対して0.001〜5モル%であり、好ま
しくは0.002〜1モル%である。5モル%をこえる開始
剤を用いた場合には水可溶分の増加等好ましくない影響
が現われる。
本発明の方法に従って水溶液重合する手順の一例を示
すと、特開昭57−34,101号に開示されているようにフタ
を有するニーダーの如き撹拌翼を備えた複数の回転撹拌
軸を有する容器中に、水溶液重合時に架橋構造を形成し
うるモノマー成分の水溶液を送入し、必要に応じて系を
窒素等の不活性気体で置換し重合開始剤を添加して常温
であるいは30〜70℃に加熱して水溶液重合を開始させ、
重合の進行に伴い生成する含水ゲル状重合体を複数の回
転撹拌軸の回転による剪断力で細分化しながら重合を完
結する方法を挙げることができる。勿論本発明を実施す
るための水溶液重合法はこの例により限定されるもので
はなく、例えばUSP 4,625,001に開示されているような
連続式重合方法であっても良いが、本発明の製造方法の
効果をより有効に発現するには上記方法が最も好ましい
実施態様である。即ち、上記方法に基づいて水溶液重合
を行えば、反応器中には細分化されそしてそれぞれの粒
子が架橋剤により効率良く架橋された構造を有する含水
ゲル状重合体粒子が得られる。粒子径は反応条件により
異なるが、通常平均直径3cm以下のものを得ることがで
きる。得られた含水ゲル状重合体粒子は粒子相互間の粘
着性が少ないのみならず重合容器の内壁からの離型性も
極めて良好で、しかも流動性がよく、重合容器からの取
出しや乾燥工程を必要とする場合の取扱いが極めて容易
である。従って該ゲル状重合体粒子を重合容器から取り
出すには、重合容器を傾斜あるいは転倒せしめて流し出
すか、または回転撹拌軸の他に重合容器底部にスクリュ
ーを設けて押出す等の方法により容易に行うことができ
る。
本発明で用いられる複数の回転撹拌軸を有する容器
は、単量体を水溶液重合する時に重合の進行に伴い生成
する含水ゲル状重合体に撹拌翼を備えた回転撹拌軸の回
転により剪断力を与え得るものである事が必要である。
回転撹拌軸は複数個である事が必要で、その様な容器と
してたとえば双腕型ニーダー(以下単にニーダーとい
う。)、三軸ニーダーの様な装置が挙げられる。ニーダ
ーを使用するに際しては、二本の回転撹拌軸を互いに逆
方向に等速又は不等速で回転して使用する。等速の場合
は二本の回転撹拌軸の回転半径は互いに重なりあう部分
を有する状態で使用し、不等速の場合は二本の回転撹拌
軸の回転半径は互いに重ならない状態で使用する。回転
撹拌軸はシグマ型、S型、バンバリー型あるいは魚尾型
などのいずれも使用できる。
本発明の吸水性樹脂の製造方法のうち、第2の方法
は、前記モノマー成分を水溶液重合する際に、該モノマ
ー成分中の酸基含有モノマーの10〜40モル%を中和して
おき、得られる含水ゲル状重合体に塩基性物質および/
または弱酸の塩を添加して該重合体の中和率を少なくと
も50モル%、好ましくは60〜100モル%に調整すること
により達成される。この第2の方法を実施することによ
り吸水特性に優れた、特に吸水倍率が大きい吸水性樹脂
が得られる。
塩基性物質としては公知のものが使用できるが、一般
的にはアルカリ金属の水酸化物が好適に使用でき、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム
等の水酸化アルカリがある。酸基含有モノマーを含むモ
ノマー成分を重合し、得られた重合体をアルカリ金属の
水酸化物等の塩基性を示す物質で中和することは公知で
ある。しかしながら前述のような酸基含有モノマーが全
く中和されていないモノマー成分を通常のラジカル重合
開始剤を用いて重合して得られる重合体は残存モノマー
量が多いことがわかった。本発明の製造方法の実施、即
ち酸基含有モノマーを特定範囲で中和したモノマー成分
を水溶液重合して得られる含水ゲル状重合体に塩基性物
質を添加して中和率を特定範囲にすることによって初め
て吸水特性に優れ、かつ残存モノマーの少ない吸水性重
合体が得られるのである。
更にまた、酸基含有モノマーを含むモノマー成分を重
合し、得られた含水ゲル状重合体を中和する際に、中和
を均一なものにするためには含水ゲル状重合体を細分化
し、十分な表面積をもたせて塩基性物質と接触させる必
要があった。本発明の方法にしたがえば、酸基含有モノ
マーを特定範囲で中和したモノマー成分を水溶液重合す
ることによって吸水特性に優れ、しかも残存モノマーの
少ない吸水性樹脂が得られ、この吸水性樹脂の吸水倍率
を最大にするべく、含水ゲル状重合体に塩基性物質を添
加することにより重合体の中和率を少なくとも50モル%
に調整することも容易に行なうことができる。即ち、水
溶液重合を完結して得られる含水ゲル状重合体は細粒と
なっているため塩基性物質添加による中和率の調整が容
易である。
また、弱酸の塩としては、従来から公知の無機又は有
機の弱酸の塩が使用でき、具体的な例としては、例えば
炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸カリウムナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸アンモニウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ホウ酸アンモ
ニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、しゅう酸
アンモニウム、しゅう酸ナトリウム、しゅう酸カリウ
ム、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混
合物を用いることができる。これら弱酸の塩の中でも炭
酸塩が工業的に入手が容易でしかも中和効率が良いので
好ましく、炭酸の強アルカリ塩、例えば炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム等が特に好ましい。
本発明の製造方法のうちの第2の方法を実施するに当
り、中和は含水ゲル状重合体に、塩基性物質および弱酸
の塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の中和剤を
添加して行なうが、特に弱酸の塩を用いると以下に述べ
る如く中和作業が簡便に行なえるので好ましい。即ち、
弱酸の塩は水溶液あるいはスラリーで添加してもよい
が、粉末あるいは顆粒のような粉末のまま直接投入して
もよい。本発明の方法にしたがえば、含水ゲル状重合体
は十分に細粒化されており、また細粒化された含水ゲル
状重合体と弱酸の塩との混合も十分であるため、弱酸の
塩を水溶液やスラリーとする工程を経ることなく粉体の
ままあるいはスラリーとして直接投入しても酸基含有含
水ゲル状重合体の中和が可能となるものである。また、
上記のように細粒化された含水ゲル状重合体の混合が十
分であるので、弱酸の塩を粉体のままあるいはスラリー
として投入する場合でも、その投入の仕方を特に均一に
する必要はない。
弱酸の塩投入後、所定の中和が達成されるまでの時間
は、含水ゲル状重合体の粒径や酸基の量などにより異な
るが、通常10分から60分である。その際、弱酸の塩投入
後、容器のふたを閉じて該系の温度を昇温し、含水ゲル
状重合体からの水分の蒸発を促進し、系を蒸すようにす
ると中和の達成は早くなる。
上記のように、弱酸の塩を用いて中和を行なえば、水
溶液のかたちでアルカリ性物質を加え中和を行なう方法
に比べて含水ゲル状重合体の固形分の低下がなく、この
あとに続くであろう乾燥工程の負担を低減できる。更に
また、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムの如き
強アルカリ性物質を用いて中和を行なうと架橋構造を形
成している架橋点が加水分解により切断されて得られる
重合体の物性が劣化する等の問題が生じる場合があるの
に対し、弱酸の塩による中和ではそのような問題は生じ
ない。
更に、弱酸の塩として炭酸塩を用いた場合は酸根が炭
酸ガスとなって含水ゲル状重合体から容易に除去される
と共に著しく乾燥効率が高くなる効果がある。
こうして塩基性物質および/または弱酸の塩を加え中
和を完了した後の含水ゲル状重合体粒子は粒子相互間の
粘着性が少ないのみならず重合容器の内壁や撹拌翼から
の離型性も極めて良好で、しかも流動性がよく、重合容
器からの取出しや乾燥工程を必要とする場合の取扱いが
極めて容易である。従って中和した後の該ゲル状重合体
粒子を重合容器から取り出すには重合容器を傾斜あるい
は転倒せしめて流し出すか、または回転撹拌軸の他に重
合容器底部にスクリューを設けて押出す等の方法により
容易に行うことができる。
(実施例) 以下実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳述す
るが、本発明の範囲がこれらの例により限定されるもの
ではない。尚、実施例および比較例中の%は特に断りの
ない限り重量%を、また部は重量部を意味するものとす
る。
また、これらの例に記載の吸水倍率、水可溶分および
残存モノマーは下記の試験方法によって測定した数値を
指す。
A:吸水倍率 重合体0.2gを不織布製のティーバッグ式袋(40mm×15
0mm)に均一に入れ、0.9%食塩水に浸漬し、30分後の重
量を測定し、次式に従って吸水倍率を求めた。
B:水可溶分 重合体0.5gを1000mlの脱イオン水中に分散し、12時間
撹拌後、紙で過し、液の固形分を測定して次式に
従って水可溶分を求めた。
C:残存モノマー 重合体1.0gを蒸留水1000mlに分散し、2時間撹拌後、
ワットマン紙で過し、液を液体クロマトグラフで
分析した。
実施例1 内容積2、開口部160mm×150mm、深さ135mm、羽根
の回転径70mmのシグマ型羽根を2本有するジャケット付
きステンレス製双腕型ねつか機(ニーダー)にふたをつ
け、このニーダー中に30モル%が苛性ソーダにより中和
された部分中和アクリル酸300g、N,N′−メチレンビス
アクリルアミド0.88g(部分中和アクリル酸に対し0.15
モル%)および水700gからなるモノマー成分の水溶液
(水溶液濃度30重量%)を送入し、窒素ガスを吹き込み
反応系内を窒素置換した。次いで、2本のシグマ型羽根
をそれぞれ67および56rpmの速度で回転させ、ジャケッ
トに35℃の温水を通して加熱しながら重合開始剤として
過硫酸アンモニウム0.38gと亜硫酸水素ナトリウム0.38g
を添加した。重合開始剤を添加して12分後に重合が開始
した。重合開始剤を添加して30分後に反応系内の温度は
61℃に達し、含水ゲル状重合体は約5mmの径の細粒に細
分化されていた。さらに撹拌を続け重合を開始して45分
後にふたをはずし、ゲルを取り出した。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を、50メッシュ
金網上に広げ、150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾
燥物の含水率は11%であった。この乾燥物を振動ミルを
用いて粉砕し、得られた粉体(以下吸水性樹脂(1)と
いう)の吸水倍率、水可溶分および残存モノマーを測定
し、結果を第1表に示した。
実施例2 実施例1と同じ組成および同じ操作で重合を行なっ
た。重合開始剤を添加して11分後に重合が開始した。重
合開始剤を添加して29分後に反応系内の温度は62℃に達
し、含水ゲル状重合体は約5mmの径の細粒に細分化され
ていた。ふたをはずし48%水酸化ナトリウム水溶液143g
を5分間かけて投入した(重合体の中和率は75モル%に
なる)。再びふたをして、さらに撹拌を続け重合開始後
45分にふたをはずしフェノールフタレイン溶液を滴下し
たところ、どの点においても赤い発色は認められなかっ
た。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上に広げ150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥物
の含水率は9%であった。この乾燥物を振動ミルを用い
て粉砕し、得られた粉体(以下吸水性樹脂(2)とい
う)の吸水倍率、水可溶分および残存モノマーを測定し
結果を第1表に示した。
実施例3 実施例1と同じ組成および同じ操作で重合を行なっ
た。実施例1と同様の細粒に細分化された含水ゲル状重
合体を得た後、ふたをはずし粉末状無水炭酸ナトリウム
90.9gを10分間かけて投入した。(重合体の中和率は75
モル%となる)再びふたをして20分間撹拌を続けた。ふ
たをはずしフェノールフタレイン溶液を滴下したとこ
ろ、どの箇所においても赤い発色は認められなかった。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上におき150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥物
の含水率は2%であった。この乾燥物を振動ミルを用い
て粉砕し、得られた粉体(以下吸水性樹脂(3)とい
う)の吸水倍率および水可溶分を測定し、結果を第1表
に示した。
比較例1 実施例1において、モノマー成分として完全未中和の
アクリル酸300gおよびN,N′−メチレンビスアクリルア
ミド0.96g(アクリル酸に対し0.15モル%)からなる混
合物を用い、重合開始剤の量を過硫酸アンモニウム0.42
gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.42gとする以外は実施例
1と同様にして重合を行なった。重合開始剤を添加して
18分後に重合が開始した。重合開始剤を添加して33分後
に反応系内の温度は66℃に達し含水ゲル状重合体は約5m
mの細粒に細分化されていた。さらに撹拌を続け重合開
始後45分にふたをはずしゲルを取り出した。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上に広げ、150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥
物の含水率は13%であった。この乾燥物を振動ミルを用
いて粉砕し、得られた粉体(以下比較吸水性樹脂(1)
という)の吸水倍率、水可溶分および残存モノマーを測
定し、結果を第1表に示した。
比較例2 比較例1と同じ組成および同じ操作で重合を行なっ
た。重合開始剤を添加して16分後に重合が開始した。重
合開始剤を添加して29分後に反応系内の温度は69℃に達
し、含水ゲル状重合体は約5mmの径の細粒に細分化され
ていた。ふたをはずし48%水酸化ナトリウム水溶液260g
を10分間かけて投入した(重合体の中和率は75モル%に
なる)。再びふたをしてさらに撹拌を続け、重合開始後
45分にふたをはずしフェノールフタレイン溶液を滴下し
たところ、どの点においても赤い発色は認められなかっ
た。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上に広げ、150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥
物の含水率は10%であった。この乾燥物を振動ミルを用
いて粉砕し、得られた粉体(以下比較吸水性樹脂(2)
という)の吸水倍率、水可溶分および残存モノマーを測
定し、結果を第1表に示した。
比較例3 実施例1において、モノマー成分として75モル%が苛
性ソーダにより中和された部分中和アクリル酸300g、N,
N′−メチレンビスアクリルアミド0.78g(部分中和アク
リル酸に対し0.15モル%)からなる混合物を用い、重合
開始剤の量を過硫酸アンモニウム0.34gおよび亜硫酸水
素ナトリウム0.34gとする以外は実施例1と同様に重合
を行なった。開始剤を添加して10分後に重合が開始し
た。重合開始剤を添加して30分後に反応系内の温度は58
℃に達し、含水ゲル状重合体は約5mmの径の細粒に細分
化されていた。さらに撹拌を続け重合開始後40分にふた
をはずし、含水ゲル状重合体をとり出した。
得られた含水ゲル状重合体を50メッシュ金網上におき
150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥物の含水率は
8%であった。この乾燥物を実施例1と同様に粉砕して
粉体(以下比較吸水性樹脂(3)という)とし、吸水倍
率、水可溶分および残存モノマーを測定し結果を第1表
に示した。
実施例4 実施例1で用いたのと同様のふたつきニーダーを用い
このニーダー中に20モル%が苛性ソーダにより中和され
た部分中和アクリル酸300g、トリメチロールプロパント
リアクリレート1.74g(部分中和アクリル酸に対し0.15
モル%)および水700gからなるモノマー成分の水溶液
(水溶液濃度30重量%)を送入し、実施例1と同様に重
合した。重合開始剤を添加して35分後に反応系内の温度
は64℃に達し、含水ゲル状重合体は約5mmの径の細粒に
細分化されていた。ふたをはずし48%水酸化ナトリウム
水溶液196gを5分間かけて投入した(重合体の中和率は
80モル%になる)。再びふたをして、さらに撹拌を続け
重合開始剤添加後60分にふたをはずしフェノールフタレ
イン溶液を滴下したところ、どの点においても赤い発色
は認められなかった。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上に広げ150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥物
の含水率は9%であった。この乾燥物を振動ミルを用い
て粉砕し、得られた粉体(以下吸水性樹脂(4)とい
う)の吸水倍率、水可溶分および残存モノマーを測定し
た結果を第1表に示した。
実施例5 実施例4において48%水酸化ナトリウム水溶液196gで
中和するのに変えて59.5%炭酸ナトリウム水スラリー21
0gを用いて中和を行なった以外は実施例4と同様に行な
った。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上におき150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥物
の含水率は3%であった。この乾燥物を振動ミルを用い
て粉砕し、得られた粉体(以下吸水性樹脂(5)とい
う)の吸水倍率および水可溶分を測定し、結果を第1表
に示した。
実施例6 内容積10、開口部240mm×220mm、深さ260mm、羽根
の回転径110mmのシグマ型羽根を2本有するジャケット
付きステンレス製双腕型ねつか機(ニーダー)にふたを
つけ、このニーダー中に、いずれも15モル%が苛性ソー
ダにより中和された部分中和アクリル酸およびメタアク
リル酸1800g(アクリル酸とメタアクリル酸はモル比3:
1)、N,N′−メチレンビスアクリルアミド2.1g(部分中
和酸基含有モノマーに対し0.06モル%)および水3200g
からなるモノマー成分の水溶液(水溶液濃度36重量%)
を送入し、窒素ガスを吹き込み反応系内を窒素置換し
た。次に2本のシグマ型羽根をそれぞれ44および24rpm
の速度で回転させ、ジャケットに40℃の温水を通して加
熱しながら重合開始剤として35%過酸化水素水溶液6.5g
とL−アスコルビン酸2.7gおよび過硫酸アンモニウム1.
1gを添加した。重合開始剤添加後1分で重合が開始し
た。重合開始剤を添加して15分後に反応系内の温度が89
℃に達し、含水ゲル状重合体は約4mmの径の細粒に細分
化されていた。ふたをはずし、48%水酸化ナトリウム水
溶液1085gを15分間かけて投入した(重合体の中和率は7
2モル%となる)。再びふたをしてさらに撹拌を続け重
合が開始してから40分後にふたをはずし、フェノールフ
タレイン溶液を滴下したところ、どの点においても赤い
発色は認められなかった。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上におき150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥物
の含水率は8%であった。この乾燥物を振動ミルを用い
て粉砕し、得られた粉体(以引吸水性樹脂(6)とい
う)の吸水倍率、水可溶分および残存モノマーを測定、
結果を第1表に示した。
実施例7 実施例6において、モノマー成分として50モル%が苛
性ソーダにより中和された部分中和アクリル酸および2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1800
0g(アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸はモル比4:1)およびN,N′−メチレンビ
スアクリルアミド1.5g(部分中和酸基含有モノマーに対
し0.06モル%)からなる混合物を用い、重合開始剤の量
を35%過酸化水素水溶液4.6g、L−アスコルビン酸1.9g
および過硫酸アンモニウム0.8gとする以外は実施例6と
同様に重合を行なった。開始剤を添加して1分後に重合
が開始した。重合開始剤を添加して18分後に反応系の温
度が80℃に達し、含水ゲル状重合体は約4mmの径の細粒
に細分化されていた。ふたをはずし粉末状無水炭酸ナト
リウム174gを10分間かけて投入した。(重合体の中和率
は70モル%となる)再びふたをして20分間撹拌を続け
た。ふたをはずしフェノールフタレイン溶液を滴下した
ところ、どの箇所においても赤い発色は認められなかっ
た。
得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金
網上におき150℃の温度で1時間熱風乾燥した。乾燥物
の含水率は2%であった。この乾燥物を振動ミルを用い
て粉砕し、得られた粉体(以下吸水性樹脂(7)とい
う)の吸水倍率および水可溶分を測定し、結果を第1表
に示した。
(発明の効果) 上記実施例及び比較例から明らかなように、本発明の
うちの第1の方法にしたがって、特定範囲の中和率を有
する酸基含有モノマーを重合することで、吸水倍率が高
く、水可溶分の少ないしかも残存モノマーの少ない安全
性の高い吸水性樹脂が得られる。また、本発明のうちの
第2方法にしたがって、特定範囲の中和率を有する酸基
含有モノマーを重合して得られる含水ゲル状重合体を特
定範囲の中和率に中和することで、水可溶分や残存モノ
マーに悪影響を及ぼすことなく吸水倍率が更に高められ
た吸水性樹脂が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 永坂 友康 審判官 沼辺 征一郎 審判官 川上 美秀 (56)参考文献 特開 昭62−100507(JP,A)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸基の中和率が10〜40モル%であり、(メ
    タ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
    パンスルホン酸および2−(メタ)アクリロイルエタン
    スルホン酸よりなる群から選ばれた1種または2種以上
    の酸基含有モノマーを少なくとも50モル%含むモノマー
    成分を調整し、該モノマー成分に対して0.001〜5モル
    %の分子内に重合性二重合結合を2個以上有する架橋性
    モノマーの存在下、該モノマー成分を撹拌翼を備えた複
    数の回転撹拌軸を有する反応容器内で水溶液重合するこ
    とを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】重合が、重合の進行に伴い生成する含水ゲ
    ル状重合体を、撹拌軸の回転による剪断力により細分化
    しながら行われる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】該酸基含有モノマーが、モノマー成分中少
    なくとも、75モル%である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】複数の回転撹拌軸を有する反応容器が双腕
    型ニーダーである請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】酸基含有モノマーがアクリル酸である請求
    項1記載の方法。
  6. 【請求項6】モノマー成分の濃度が5〜50重量%である
    請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】酸基の中和率が10〜40モル%であり、(メ
    タ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
    パンスルホン酸および2−(メタ)アクリロイルエタン
    スルホン酸よりなる群から選ばれた1種または2種以上
    の酸基含有モノマーを少なくとも50モル%含むモノマー
    成分を調整し、該モノマー成分に対して0.001〜5モル
    %の分子内に重合性二重合結合を2個以上有する架橋性
    モノマーの存在下、該モノマー成分を撹拌翼を備えた複
    数の回転撹拌軸を有する反応容器内で水溶液重合し、次
    いで得られた含水ゲル状重合体に塩基性物質および弱酸
    の塩より選ばれた少なくとも1種の中和剤を添加して、
    該重合体の中和率を少なくとも50モル%とすることを特
    徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】重合が、重合の進行に伴い生成する含水ゲ
    ル状重合体を、撹拌軸の回転による剪断力により細分化
    しながら行われる請求項7に記載の方法
  9. 【請求項9】該酸基含有モノマーが、モノマー成分中少
    なくとも75モル%である請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】複数の回転撹拌軸を有する反応容器が双
    腕型ニーダーである請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】酸基含有モノマーがアクリル酸である請
    求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】モノマー成分の濃度が5〜50重量%であ
    る請求項7に記載の方法。
  13. 【請求項13】含水ゲル状重合体の酸基を中和するに際
    し、複数の回転撹拌軸を有する反応容器内で、含水ゲル
    状重合体を該撹拌軸の回転による剪断力下に、塩基性物
    質および弱酸の塩よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の中和剤を添加して中和を行う請求項7に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】複数の回転撹拌翼を有する反応容器が双
    腕型ニーダーである請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】中和剤が塩基性物質である請求項7に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】塩基性物質が水酸化アルカリである請求
    項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】中和剤が弱酸の塩である請求項7に記載
    の方法。
  18. 【請求項18】弱酸の塩が炭酸の強アルカリ塩である請
    求項17に記載の方法。
JP63196026A 1987-08-10 1988-08-08 吸水性樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JP2555159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63196026A JP2555159B2 (ja) 1987-08-10 1988-08-08 吸水性樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62-198233 1987-08-10
JP19823387 1987-08-10
JP63196026A JP2555159B2 (ja) 1987-08-10 1988-08-08 吸水性樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01144404A JPH01144404A (ja) 1989-06-06
JP2555159B2 true JP2555159B2 (ja) 1996-11-20

Family

ID=26509478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63196026A Expired - Lifetime JP2555159B2 (ja) 1987-08-10 1988-08-08 吸水性樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2555159B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11466128B2 (en) 2018-11-26 2022-10-11 Lg Chem, Ltd. Superabsorbent polymer and preparation method thereof

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW241279B (ja) * 1991-02-01 1995-02-21 Catalyst co ltd
US5624967A (en) 1994-06-08 1997-04-29 Nippon Shokubai Co., Ltd. Water-absorbing resin and process for producing same
US6194531B1 (en) 1996-06-05 2001-02-27 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of cross-linked polymer
EP1427762B1 (en) * 2001-09-12 2012-02-08 Evonik Stockhausen GmbH A continuous polymerization process for the manufacture of superabsorbent polymers
JP4087682B2 (ja) * 2002-11-07 2008-05-21 株式会社日本触媒 吸水性樹脂の製造方法および製造装置
EP2074153B1 (de) * 2006-09-19 2015-09-09 Basf Se Verfahren zur herstellung farbstabiler wasserabsorbierender polymerpartikel mit niedrigen neutralisationsgrad
JP2008297422A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Kao Corp 吸水性ポリマーの製造方法
KR101495845B1 (ko) 2013-09-30 2015-02-25 주식회사 엘지화학 고흡수성 수지 및 이의 제조 방법
US10285866B2 (en) 2015-01-16 2019-05-14 Lg Chem, Ltd. Super absorbent polymer

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3537276A1 (de) * 1985-10-19 1987-04-23 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von vernetzten feinteiligen gelfoermigen polymerisaten

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11466128B2 (en) 2018-11-26 2022-10-11 Lg Chem, Ltd. Superabsorbent polymer and preparation method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01144404A (ja) 1989-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0303440B1 (en) Method for production of water absorbent resin
JP4150252B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP2849617B2 (ja) 水状の液体および人体内の体液を吸収可能な粉末状のクロスリンクポリマー、その製造方法およびその使用
JP4210432B2 (ja) 2−オキサゾリジノンを用いてのヒドロゲルの後架橋
RU2243975C2 (ru) Порошкообразные сшитые абсорбирующие водные жидкости, а также кровь, полимеры, способ их получения и их применение
JPS6216135B2 (ja)
EP0981380A1 (en) Resilient superabsorbent compositions
JP2002530491A (ja) 2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジンでのヒドロゲルの後架橋法
JP2002538275A (ja) 水性液体および血液を吸収する粉末状の架橋吸収性ポリマー、その製造方法および使用
EP1866349A1 (en) Polyacrylic acid (salt) water-absorbent resin, production process thereof, and acrylic acid used in polymerization for production of water-absorbent resin
KR20150048785A (ko) 입자상 흡수제 및 그의 제조 방법
US10391195B2 (en) Super-absorbing polymers with rapid absorption properties and method for producing the same
JPWO2011090130A1 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP4084648B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP2555159B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
EP0429608A1 (en) PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF RESINS WITH HIGH WATER ABSORPTION.
JPH02153903A (ja) 高吸水性樹脂の製法
JPH0639486B2 (ja) 高吸水性樹脂の製法
JP4550256B2 (ja) 吸水性樹脂の製造法
JP3461860B2 (ja) 吸収性材料の製造方法
JPH0848721A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP2000007790A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPH10101735A (ja) 吸水剤およびその製造方法
JP3963550B2 (ja) 吸水剤の製造方法
JPH03285919A (ja) 高吸水性樹脂の製法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070822

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term