JP2554087B2 - 自動二輪車用エンジンユニットのフレ−ム支持構造 - Google Patents

自動二輪車用エンジンユニットのフレ−ム支持構造

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JP2554087B2 JP62171737A JP17173787A JP2554087B2 JP 2554087 B2 JP2554087 B2 JP 2554087B2 JP 62171737 A JP62171737 A JP 62171737A JP 17173787 A JP17173787 A JP 17173787A JP 2554087 B2 JP2554087 B2 JP 2554087B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動二輪車用エンジンユニットを車体フレ
ームで支持するための構造に関し、特にクランクケース
の分割面のシール性,及びクランク軸軸受の寿命を改善
できるようにしたフレーム支持構造に関する。
〔従来の技術〕
自動二輪車用エンジンユニットには、クランクケース
とミッションケースとを一体形成するとともに、この一
体ケースをクランク軸,及びトランスミッションの入,
出力軸等の軸芯をを含む平面でアッパケースとロアケー
スとに分割した、いわゆる上下割型のものがある。この
上下割型のエンジンユニットを車体フレームに搭載する
場合は、アッパケース、ロアケースのそれぞれを車体フ
レームにボルト締め固定するのが一般的である(例えば
実開昭54−146553号公報参照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが上記従来のフレーム支持構造では、例えばア
ッパケースとロアケースの分割面を引き離す方向に外力
が作用して該部分のシール性が悪化したり、あるいはク
ランク軸軸受を支持する部分が変形して該軸受の寿命が
短くなったりする問題が生じることがある。即ち、これ
は、車体フレームは完全な剛体ではなく、外力あるいは
い振動によって弾性変形するが、このようなフレームで
もってアッパケース側と、ロアケース側とを別個に固定
していることから、場合によってはフレームの弾性変形
等によって上記分割面を引き離す方向に外力が作用する
ものと考えられる。この分割面のシール性は、クランク
室内で混合気を予圧する2サイクルエンジンでは特に重
要である。
従来は上記問題を、フレームの剛性を向上させること
により、あるいはエンジンユニットを弾性支持すること
で解決する試みがなされているが、この方法はアッパケ
ース側及びロアケース側の両方をフレームに固定するこ
とを前提としているから、外力の作用状態の改善には限
度がある。
本発明は上記従来の問題点を解消するためになされた
もので、クランクケースの分割された両ケース部に異な
る方向への外力が作用することのないようにして、分割
面のシール性を向上できるとともに、クランク軸軸受の
寿命を延長できる自動二輪車用エンジンユニットのフレ
ーム支持構造を提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、クランクケースが第1,第2ケースにクラン
ク軸を含む平面で分割され、かつ第2ケースにミッショ
ンケースが一体形成された自動二輪車用エンジンユニッ
トのフレーム支持構造において、第2ケース及びこれと
一体化されたミッションケース側のみを車体フレームで
支持したことを特徴としている。
〔作用〕
本発明に係るフレーム支持構造によれば、クランクケ
ースの第2ケース側のみが車体フレームで支持されてい
るから、第1ケース側部分にはエンジンユニットの支持
に基づく外力が作用することはなく、従ってクランクケ
ースの分割面にこれを分離させる方向に外力が作用する
ことはないから、該分割面のシール性を向上でき、また
クランク軸軸受に変形力が作用することもないから、そ
れだけ軸受寿命を延長できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図ないし第4図は本発明の一実施例によるエンジ
ンユニットの支持構造を説明するための図である。図に
おいて、1は本実施例構造が採用された自動二輪車であ
り、これの車体フレーム2は、いわゆるダブルクレード
ル型のもので、車両の後方斜め下方に延びる左右一対の
メインフレーム2aの後端に、上,下のクロスメンバ2bで
接続された左右一対のリヤアームブラケット2cを固定
し、該ブラケット2cとメインフレーム2aの前部下面とを
左右一対のダウンチューブ2dで接続し、さらにメインフ
レーム2aの後部上面にシートレール2eを配設して構成さ
れている。
また、上記メインフレーム2aの前端に固定された操向
軸筒2fには、下端にて前輪3を軸支する前フォーク4が
軸支されており、また、上記リヤアームブラケット2cに
は、後端にて後輪5を軸支するリヤアーム6の前端が上
下揺動自在に枢支されている。このリヤアーム6の下面
の補強部材6aと上記下クロクメンバ2bとの間には後輪懸
架装置のリンク6bが、また該リンク6bと上記上クロスメ
ンバ2bとの間には緩衝器6cが配設されている。なお、7
は燃料タンク、8はシート、9はカウリングである。
そして上記車体フレーム2の略中央には、2サイクル
水冷2気筒型エンジンユニット10が搭載されている。該
エンジンユニット10のクランクケース11は車両前側に位
置するアッパケース(第1ケース)11aと、後側に位置
するロアケース(第2ケース)11bとに分割されてお
り、両者の分割面11cは側面から見て垂直で、かつクラ
ンク軸18の軸芯を含んで車幅方向に延びている。また、
上記両ケース11a,11bは結合ボルト22a,22bで結合されて
いる。
上記アッパケース11aの前側下面には、クランク室内
に連通する吸気口11dが形成され、これには気化器12が
接続されており、また前面にはシリンダボディ13が配置
されている。このシリンダボディ13の排気口13aにはマ
フラ14が接続されており、このマフラ14は排気口13aの
排出方向と同一直線をなすように車両後方斜め上方に延
びている。また上記シリンダボディ13の上面にはシリン
ダヘッド15が配設され、これは上記シリンダボディ13と
ともにアッパケース11aにボルト締め固定されている。
なお、16はラジエータであり、これは循環ホース16aで
シリンダヘッド15に接続されている。
また、上記ロアケース11bの車両後側にはミッション
ケース17が一体形成されている。このミッションケース
17にはいわゆるカセット方式の変速歯車装置が収容され
ている。このカセット方式の変速歯車装置は、支持ケー
ス17cによりメイン軸18a,ドライブ軸18b,及びチェンジ
ドラム23aの基端を支持してカセットとし、これをミッ
ションケース17内に軸方向に着脱可能に挿入し、各軸18
a,18b,チェンジドラム23aの先端をミッションケース17
で支持するように構成されている。
そしてミッションケース17の底部内壁には一対のボス
部17d,17eが突設され、これによりチェンジ軸23bが回動
自在に支持されており、これは上記チェンジドラム23a
にアーム23cで連結されている。また上記ミッションケ
ース17内の上記メイン軸18a下方にはカウンタ軸18cが配
設されており、これを介してクランク軸18の回転がメイ
ン軸18aに、さらにドライブ軸18bに伝達されるようにな
っている。さらにまたこのドライブ軸18bの突出端部に
固着された駆動スプロケット19aと後輪軸に固着された
従動スプロケット19bとの間には駆動チェン20が巻回さ
れている。
そして上記ロアケース11bの前端部下面の左右外側
部,ミッションケース17の後端上面の左右外側部及び下
面の左右外側部には支持部11e,17a,17bが形成れれ、該
支持部11eは上記ダウンチューブ2dに固定された支持ブ
ラケット21aにボルト締めにより固定支持されており、
また支持部17a,17bはそれぞれリヤアームブラケット2c
に固着された支持ブラケット21b,下クロスメンバ2bに固
着された支持ブラケット21cにボルト締めにより固定支
持されている。なお、このミッションケース17の上,下
の支持部17a,17bは上記ドライブ軸18bの上,下部分に位
置している。このようにして本実施例のエンジンユニッ
ト10は、そのロアケース11b,ミッションケース17側部分
のみを支持することによって車体フレーム2に搭載され
ている。
次に本実施例の作用効果について説明する。
エンジンユニットを車体に搭載する場合、従来は、ア
ッパケースとロアケースとの両方を車体フレームに固定
支持しており、そのため外力が該両ケースに対して異な
る方向に、例えば両ケースを引き離す方向に作用する場
合があり、その結果該分割面のシール性が低下し易い問
題があった。これに対して、本実施例では、エンジンユ
ニット10のロアケース11b及びこれと一体のミッション
ケース17のみを車体フレーム2に固定支持し、アッパケ
ース11a側部分については車体フレーム2に対して自由
にしたので、アッパケース11a側部分には外力が作用す
ることはなく、従って上記分割面を分離する方向に外力
が作用することはない。その結果分割面11cの外力によ
るシール性低下の問題は解消できる。また、このアッパ
ケース11aには外力が作用しないことから、クランク軸
軸受部分に変形力が作用することもなく、それだけ該軸
受の寿命を延長できる。
また、エンジンユニット10にはドライブ軸18bを介し
て大きな駆動反力が作用することとなるが、本実施例の
ミッションケース17は、該ドライブ軸18b部分で分割す
ることなくロアケース11bと一体形成されており、かつ
該ドライブ軸18bの上,下の支持部17a,17bがフレームに
固定支持されているので、上記大きな外力に十分耐える
ことができ、この点からも上記分割面のシール性向上,
軸受寿命延長の効果が得られる。
ところでカセット方式の変速歯車装置を備えたエンジ
ンでは、チェンジ軸も支持ケースで支持するのが一般的
であり、この場合エンジンの前後長を短縮するためこの
チェンジ軸をメイン軸の直下に配設すると、それだけミ
ッションケースが下方に膨出する問題があった。これに
対して本実施例ではチェンジ軸23bをミッションケース1
7の底面で支持したので、ミッションケース17を下方に
膨出させる問題はなくなる。
また本実施例ではカウンタ軸18cを介在させることに
よってクランク軸18を第2図反時計方向に回転させると
ともに、気化器12をクランクケース11の前方に取り付
け、かつ排気口13aをシリンダボディ13の後面に形成し
たので、吸気がクランク軸18の接線方向に沿って吸入さ
れ、かつ排気も接線方向に排出されることとなり、これ
によりエンジン出力の向上に寄与できる。
なお、上記実施例ではクランクケース11の分割面11c
が垂直面をなしていたが、この分割面は必ずしも垂直で
ある必要はなく、傾斜していてもよい。要するに本発明
は、クランク軸の軸芯を含む平面で分割されたロアケー
ス側にミッションケースが一体形成されている場合に、
このロアケース側のみをフレームで支持することにより
上述の効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明に係る自動二輪車用エンジンユニ
ットのフレーム支持構造によれば、ミッションケースが
一体形成された第2ケース側部分のみを車体フレームで
支持するようにしたので、クランクケースの分割面に異
なる方向の外力が作用することはなくなり、該分割面の
シール性を向上できるとともに、クランク軸軸受の寿命
を延長できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の一実施例によるエンジン
ユニットのフレーム支持構造を説明するための図であ
り、第1図は左側面図、第2図は右側面図、第3図はミ
ッションケース部分の断面背面図、第4図は該実施例構
造が適用された自動二輪車の左側面図である。 図において、1は自動二輪車、2は車体フレーム、10は
エンジンユニット、11はクランクケース、11aはアッパ
ケース(第1ケース)、11bはロアケース(第2ケー
ス)、11cは分割面、11e,17a,17bは支持部、13はシリン
ダボディ、17はミッションケース、18はクランク軸、21
a〜21cは支持ブラケットである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランクケースをクランク軸を含む平面で
    第1ケースと第2ケースとに分割し、かつ第1ケースに
    シリンダボディを接続するとともに、第2ケースに変速
    歯車装置を収容するミッションケースを一体形成してな
    る自動二輪車用エンジンユニットを車体フレームに搭載
    するための支持構造において、上記第2ケース及びミッ
    ションケースのみを車体フレームで支持したことを特徴
    とする自動二輪車用エンジンユニットのフレーム支持構
    造。
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