JP2004314882A - 自動二輪車のエンジン懸架構造 - Google Patents

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Giichi Matsui
義一 松井
Kazutate Suzuki
一立 鈴木
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Abstract

【課題】簡単なフレーム構成で軽量化を図り、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面のシール性を確実にすることができる自動二輪車のエンジン懸架構造を提供する。
【解決手段】ミッション3と一体的に設けられるとともに気筒軸心を垂直より前傾させて搭載されるエンジン2を側面視で直線的かつ後下がりに設けられた車体フレーム4に複数箇所でマウントするようにした自動二輪車1のエンジン懸架構造において、エンジン2のシリンダヘッド42に形成されてシリンダヘッド42後部をマウントするための懸架用ボス部42cを、車両側面視で車体フレーム4を構成するボディフレーム6の上下方向の幅員内に位置するように設けたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車のエンジン懸架構造に関し、特に、車体フレームにシリンダヘッドを固定してエンジンを懸架するようにした自動二輪車のエンジン懸架構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動二輪車において、車体フレームにエンジンの一部を懸架させてエンジンを固定支持するとともに、エンジンを強度メンバーとして作用させてフレーム構造の強度を確保するようにしたものが知られている。
【0003】
従来、上述したような構成の自動二輪車としては、例えば、ヘッドパイプと該ヘッドパイプより後方のボディフレームとを連結する左右一対のアッパーチューブと、前記ヘッドパイプに前端部が連結された左右一対のロアチューブとを備えるとともに、前記ロアチューブとボディフレームとにエンジンを懸架する懸架部を設け、該懸架部にエンジンを懸架させることでエンジンを強度メンバーとするようにした自動二輪車のフレーム構造であって、前記ロアチューブをアッパーチューブより大なる外形寸法に形成したものが提案されている(特許文献1を参照)。
【0004】
このように構成することで、アッパーチューブよりロアチューブを大なる外形寸法に形成してロアチューブの強度を確保して、確実にエンジンをフレームに懸架している。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−315365号公報(第1−6頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエンジンの構成では、例えば、図7に示すように、シリンダヘッド142に附属するエンジン102を懸架するための懸架用ボス部の内、車体左側後方の懸架用ボス部142cは、シリンダヘッド142後部にほぼ直線的に形成される吸気ポート151との干渉を避けるために、図中の位置より上方に配置することができない。そのため車体フレーム104を構成するボディフレーム106から懸架用ボス部142cの取付部106cを膨出させたり、取付用ブラケット等が必要となり、フレーム構成が複雑になるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単なフレーム構成で軽量化を図り、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面のシール性を確実にすることができる自動二輪車のエンジン懸架構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自動二輪車のエンジン懸架構造に係り、ミッションと一体的に設けられるとともに気筒軸心を垂直より前傾させて搭載されるエンジンを側面視で直線的かつ後下がりに設けられた車体フレームに複数箇所でマウントするようにした自動二輪車のエンジン懸架構造において、前記エンジンのシリンダヘッドに形成されて該シリンダヘッド後部をマウントするための懸架用ボス部を、車両側面視で前記車体フレームの上下方向の幅員内に位置するように設けたことを特徴とするものである。
【0009】
このように構成することで、シリンダヘッドを車体フレームのより前方に配置することができるとともに、該車体フレームの剛性の高い位置で支持できるので、従来のように、エンジンを車体フレームに懸架するためのブラケットや肉盛り部、膨出部などを設ける必要がなく、車体フレームの形状をシンプルにでき、軽量化を実現できる。
また、エンジンをフレーム構造の一部として作用させることで、車体フレーム後側の剛性を下げることが可能になり、車体フレームの軽量化を図ることができる。
【0010】
また、本発明は、前記エンジンをシリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面が前下りになるように配設し、前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部を前記合わせ面から離間して設けることが好ましい。
このように構成することで、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面での外縁部に掛かる離れ方向に作用する荷重を分散でき、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面のシール性を確保することができる。これにより、従来のシール性確保のための締結ボルトを使用する必要が無く、部品点数の削減を図ることができる。
【0011】
さらに、本発明は、前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部を、前記シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に対して略平行な方向にシリンダヘッド壁面より外側に向かい突設された他のボス部に近接して設けることが好ましい。
このように構成することで、エンジン懸架用のボス部と他のボス部とを共肉化して、シリンダヘッドの軽量化と剛性の向上を図ることができ、しかも、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面上のずれ方向の荷重を分散できるので、該合わせ面のシール性を確保することができる。
【0012】
また、本発明は、前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部を、側面視で前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面上におけるシリンダヘッド取付ボルト中心とクランク軸心とを結ぶ線の延長上もしくはその近傍に設けることが好ましい。
このように構成することで、マスの大きいクランク軸による振動がシリンダヘッド取付ボルト中心を通って略直線上で懸架用ボス部に作用するため、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面の外縁部に掛かる離れ方向に作用する荷重を分散でき、その合わせ面のシール性を確保することができる。
【0013】
さらに、また、本発明は、前記エンジンの気筒軸心を、側面視でクランク軸心とヘッドパイプの下端部とを結ぶ線の傾斜よりも上方に指向し、前記シリンダヘッドの一部を、平面視で車両幅方向左右に構成された車体フレームの内側に配設し、左右の車体フレーム間の内幅が最大となる位置に懸架ボスを配して該車体フレームに固定することが好ましい。
このように構成することで、燃料タンクを外してヘッドパイプ付近に配置された吸気系やシリンダヘッド周りの整備性の向上を図ることができる。
また、車体フレームにパイプ材を使用した場合、曲げ方向が外側に向かう一方向になり、その曲げ幅が最大となる、すなわち平面視で車体フレーム幅が最大となる位置でエンジンを懸架することで、該車体フレームの捩じれ剛性の向上を図ることができる。これにより、走行安定性も向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図6は発明を実施する形態の一例であって、図1は本発明に係る実施形態の自動二輪車のエンジン架橋構造が採用された自動二輪車の全体構成を示す側面図、図2は前記自動二輪車の車体フレームとエンジンの構成を示す部分側面図、図3は前記エンジンのシリンダヘッドと吸気系の構成を示す概略側面図、図4は前記自動二輪車の車体フレームの構成を示す部分平面図、図5は前記エンジンのヘッドカバーを外した状態の構成を示す平面図、図6は前記エンジンのヘッドカバーとカムハウジングを外した状態の構成を示す平面図である。
図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図に示す従来のものと同様である。
【0015】
本実施形態は、図1に示すように、側面視で直線的かつ後下がりに設けられた車体フレーム4を備え、この車体フレーム4の下方にエンジン2を懸架するようにした自動二輪車1のエンジン懸架構造である。
【0016】
まず、本実施形態に係る自動二輪車1の全体構成について説明する。
自動二輪車1の車体フレーム4は、図2、図3に示すように、アルミ合金製のダイヤモンドフレーム式で構成され、車両進行方向前方にヘッドパイプ5を備え、平面視でヘッドパイプ5から車両進行方向後方に向かい略船形状に形成されるとともに側面視で該ヘッドパイプ5から後方に向かい略直線的に斜め下方に延設される左右一対のボディフレーム6を備えている。
【0017】
ヘッドパイプ5には、図1、図2に示すように、ステアリング機構8が回動自在に軸支され、ボディフレーム6下方には、エンジン2とともに吸気装置9、燃料供給装置10、冷却装置11などが設けら、ボディフレーム6上方には、燃料タンク12が設けられている。燃料タンク12の後方左右側面には、両側より凹んだニーグリップ部12aが形成されている。
【0018】
ステアリング機構8は、図1に示すように、ヘッドパイプ5に貫通支持されるフロントフォーク14を備え、該フロントフォーク14の上部にはハンドル15が装着され、該フロントフォーク14の下部にはフロントフェンダ16およびフロントブレーキ装置17の一部が取付けられるとともに前輪18が回転可能に軸支されている。
【0019】
ボディフレーム6は、図2に示すように、側面視でほぼ一様な上下幅ないし後方に向かって漸減する上下幅を有するとともに、上下に長い略矩形状断面を有し、エンジン2を側方から取付ボルトで取付け懸架するためのエンジン取付部6b、6c、6d、6eが設けられている。エンジン取付部6b、6c、6d、6eの詳細は後述する。また、ボディフレーム6は、ほぼ上下に延出する吸気管付近で、平面視で吸気管を回り込むように湾曲している。
【0020】
ボディフレーム6の後端部6aの上部には、図1、図2に示すように、運転者が着座するシート21を支持するためのシートレールチューブ22が後方に向かい斜め上方に延設され、後端部6aの中程には、シートレールチューブ22に徐々に近づきながら後端部を該シートレールチューブ22の後端部に連結するようにシートピラーチューブ23が延設されている。
【0021】
また、ボディフレーム6の後端部6aのやや下側には、ピボット軸24が設けられている。ピボット軸24より後方に向かい延設され、その後端部に後輪25が回転可能に軸支されたリアサスペンション装置26が該ピボット軸24を支点に揺動自在に配設されている。
【0022】
車体フレーム4の前方には、図1に示すように、上部にスクリーン31が設けられたアッパーフェアリング32が配置されている。アッパーフェアリング32の下方には、連続してロアフェアリング33が構成されている。
【0023】
ロアフェアリング33は、前方が開口されて走行風を導入可能に形成されるとともに、側面視でボディフレーム6下方に設けられたエンジン2や冷却装置11を包囲して覆うように構成されている。ロアフェアリング33の下方には、エンジン2下側を覆うようにアンダーフェアリング34が設けられている。
【0024】
シート21下部から車両後部に亘り、シートレールチューブ22およびシートピラーチューブ23に沿って、シートレールチューブ22およびシートピラーチューブ23を覆うようにその外側にフレームカバー35が設けられている。また、シート21の後方で且つフレームカバー35の上方には、該シート21よりも一段高い位置にリアシート37が設けられている。
【0025】
フレームカバー35の後端部にはリアコンビネーションランプ38が設けられ、該フレームカバー35の後端部下方にはリアフェンダ39が後輪25の後側上方を覆うように設けられている。
【0026】
エンジン2の上方には、図2、図3に示すように、シリンダヘッド42後方から斜め上方に向かい突設された吸気ポート51に、インレットパイプ52を介してスロットルボディ53が配設され、該スロットルボディ53の上方にエアクリーナボックス55がシリンダヘッドカバー43上方に亘り配設されて吸気装置9を構成している。吸気装置9は、エアクリーナボックス55内部に通路上端開口9aが設けられている。
【0027】
燃料供給装置10は、エアクリーナボックス55を上方より覆うようにボディフレーム6上に配設される燃料タンク12内であって、エアクリーナボックス55の後方で且つミッション3の上方にフューエルポンプ61が配置され、スロットルボディ53の後側にはインジェクタ56が設けられ、該インジェクタ56の後方にはデリバリパイプ58が配設されて、フューエルポンプ61により燃料タンク12に貯溜された燃料をエンジンの吸気装置側に供給するようにされている。
【0028】
また、シリンダヘッドカバー43の上部には、スロットルボディ53とエアクリーナボックス55の底部55aとで形成される空間に配置するように2次エアカバー部59が該シリンダヘッドカバー43の外周に沿って後方に突設されている。
【0029】
冷却装置11は、図2に示すように、エンジン2前方に配設されたラジエタ65よりラジエタホース66を介してエンジン2下方の図示しない冷却水通路に冷却水を循環させてエンジン2を冷却するようにされている。
【0030】
エンジン2の排気経路は、シリンダヘッド42の前側に排気ポート68が前方斜め下方に向かい突設され、排気ポート68から排気パイプ69がラジエタ65の後方に配設されエンジン2の前側に沿って下方に延設され、そして、エンジン2およびミッション3の下側に沿って配設され、車両幅方向右側に廻り込み後輪25の左側でフレームカバー35より下方に配設されたマフラ70に連結されている。
【0031】
次に、本実施形態のエンジン2の構成について説明する。
エンジン2は、図2、図5、図6に示すように、4個の気筒を車両幅方向に並設した直列4気筒4サイクルエンジンであって、図5、図6に示すように、シリンダヘッド42の幅方向すなわち車体前後方向の略中央部に、車体幅方向に等間隔で配設された4基のスパークプラグ44を挟んで吸気カム軸47と排気カム軸48とが略平行に配設されている。
【0032】
吸気カム軸47および排気カム軸48は、それぞれの一側端部にカムスプロケット47a1、48a1が一体的に設けられ、タイミングチェーン49により駆動するようにされている。図中49aはチェーンガイドである。
【0033】
シリンダヘッド42は、図6に示すように、その上部のシリンダヘッド幅方向の略中央部にスパークプラグ44が装着されるスパークプラグ挿入孔44aが形成され、スパークプラグ挿入孔44aを挟んでシリンダヘッド幅方向に一直線状に吸気カム軸47および排気カム軸48を回転自在に軸支するカム軸受部42a、42aが形成されている。
【0034】
カム軸受部42aには、それぞれ吸気カム軸47および排気カム軸48を挟んで2箇所ずつ取付けられる取付けボルト50用のねじ部42a1が形成されている。
【0035】
シリンダヘッド42の上部には、カムハウジング75が配設され、カムハウジング75の上側には、該カムハウジング75を覆うとともにシリンダヘッド42の上部を覆うシリンダヘッドカバー43が配設されている。
【0036】
カムハウジング75は、図5に示すように、スパークプラグ挿入孔44aを挟んでシリンダヘッド幅方向に一直線状に吸気カム軸47および排気カム軸48とを回転自在に軸支する吸気カム軸47のハウジング部47aと排気カム軸48のハウジング部48aとが一体的に構成されるとともに、隣り合うスパークプラグ44、44の間に配設される二次エア供給通路77のハウジング部、すなわち二次エア用リードバルブハウジング部78を介して2基のスパークプラグ44、44間を跨いで連設されている。
【0037】
カムハウジング75の形状は、平面視で吸気カム軸47のハウジング部47aと排気カム軸48のハウジング部48aとをシリンダヘッド42の排気側方向および吸気側方向に向かい突出させた略矩形状に形成されている。
【0038】
以上のように構成されたエンジン2は、その下側にミッション3が一体に構成されるとともに、シリンダブロック41を前傾させて気筒軸心を前傾させてシリンダヘッド42とシリンダブロック41との合わせ面が前下りになる状態で、且つエンジン2の気筒軸心をヘッドパイプ5下端より上方に指向させてボディフレーム6にマウントされている。
【0039】
なお、本実施形態のようなレイアウトを採る自動二輪車の場合は、ヘッドパイプ5を基準としたフロントフォーク14、前輪18の後端や後記するラジエタ65の位置によりパワーユニットの前端位置が決定されるため、シリンダブロック41の気筒軸心を前傾させ過ぎると相対的にクランク軸45が車両後方に下がり、エンジン2およびミッション3の重心が後方に下がるので、前輪18の分担荷重が減り安定性を欠くことになる。従って、本実施形態においては、シリンダブロック41の気筒軸心の傾斜を大きく採らないように構成している。
【0040】
次に、本実施形態に係るエンジン2の車体フレーム4への懸架構造について説明する。
エンジン2は、図2、図4に示すように、前方側を、側面視で左右のボディフレーム6、6の間にシリンダヘッド42の一部およびシリンダヘッドカバー43の一部を配置した状態で、略矩形断面を持つボディフレーム6の下端外形線6gより下方に延設されたエンジン取付部6bおよびボディフレーム6の矩形断面での下端外形線6gよりも上方に配設しつつボディフレーム6の整った矩形断面を保持するように、上下方向の幅員内に形成されたエンジン取付部6cに取付けられている。
エンジン取付部6b、6cは、図3に示すように、平面視でボディフレーム6の車両左右方向に膨出してフレーム最大幅となるフレーム曲げ部6f付近に形成されている。図中の符号b、cは、それぞれエンジン取付部6b、6cの懸架位置を示すものである。
【0041】
一方、エンジン2の後方側(ミッション3側後方)を、ボディフレーム後端部6aの幅員内に形成されたエンジン取付部6dおよびボディフレーム後端部6aの下端に形成されたエンジン取付部6eに取付けられている。
すなわち、エンジン2は、ボディフレーム6に形成された少なくとも4箇所のエンジン取付部6b、6c、6d、6eでマウントされている。
【0042】
シリンダヘッド42は、前側壁部のボディフレーム6のエンジン取付部6bと対向する位置に懸架用ボス部42bが形成され、後側壁部のエンジン取付部6cと対向する位置に懸架用ボス部42cが形成されている。
懸架用ボス部42bと42cは、図4に示すように、車両搭載時に、高さが同等なほぼ水平レベルであり、クランク軸上に位置する後側の懸架用ボス部42cの方が、若干懸架用ボス部42bより高く、全ての懸架用ボス部の中で最も高い位置となっている。図中の符号1aは水平レベルを示す任意の線である。
【0043】
懸架用ボス部42bは、シリンダヘッド42の前側壁部の高さの略中央の位置に形成され、懸架用ボス部42cは、シリンダヘッド42の後側壁部の高さの略3分の1(下端部より)の位置に車体の左右方向に突出して形成されている。すなわち、シリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42iから離れた位置に設けられている。また、懸架用ボス部42bの外周には、シリンダヘッド42の左右側側壁よりボス面に対して直交する方向に立ち上がる補強リブ42fが形成されている。
【0044】
懸架用ボス部42cは、側面視でシリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i、42iに沿う方向でシリンダヘッド壁面より外側に突出させて設けられる他のボス部に近接させて設けられている。他のボス部とは、図4に示すように、吸気ポート51を形成する裏ボス部、特にその下方側ボス部や、シリンダヘッド取付用ボルトのボルト孔ボス部42hおよびボルト座ボス部42gなどであり、他に冷却水通路を形成する肉部や、シリンダヘッド内をカム室、動弁室、冷却水室に区画する隔壁部などがある。
【0045】
吸気ポート51の裏ボス部とは、吸気ポート51を形成するシリンダヘッド42の肉部を示し、シリンダヘッド42の壁面から斜めに突出して設けられるものである。また、シリンダヘッド取付ボルト座部とは、シリンダヘッド42内の動弁室に設けられるボルト座およびそれを形成する際に周囲に設けられた外壁のことであり、シリンダヘッド取付ボルトが、冷却水室に隣接したボルト挿通孔を貫いて、シリンダブロックに設けられた雌ネジ部と螺合して、シリンダヘッド42とシリンダブロック41とを一体的に固定することを主な機能とするものである。
【0046】
また、懸架用ボス部42cは、側面視でシリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42i上におけるシリンダヘッド取付ボルト46中心とクランク軸45軸心とを結ぶ線45cの延長上の近傍に設けられている。
【0047】
ミッション3は、後端上部のエンジン取付部6dと対向する位置に懸架用ボス部42dが形成され、後端下部の前記エンジン取付部6eと対向する位置に懸架用ボス部42eが形成されている。
【0048】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、エンジン2のシリンダヘッド42後部をマウントするための懸架用ボス部42cを、車両側面視で車体フレーム4を構成するボディフレーム6の上下方向の幅員内に位置するように設けたことで、前記シリンダヘッド42を車体フレーム4のより前方位置することができるとともに、該車体フレーム4の剛性の高い位置で支持できるので、従来のように、エンジン2を車体フレーム4に懸架するためのブラケットや肉盛り部、膨出部などを設ける必要がなく、車体フレーム4の形状をシンプルにでき、外観を向上するとともに、軽量化を実現できる。
【0049】
また、前記シリンダヘッド42後部に設けられる懸架用ボス部42cを、シリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42iから離間させて設けたことにより、前記シリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42iでの外縁部に掛かる離し方向の荷重を分散できので、合わせ面41i,42iのシール性が確保される。また、従来のようにシール性確保の為のみに使用される締付ボルトを廃止できる。
【0050】
さらに、シリンダヘッド42の外壁に面して、補強リブ42fをシリンダヘッド取付ボルト46のボス部に隣接させて、それと直交する方向に設けたことで、他のボス部と共肉化することで軽量高剛性とすることができ、図示しないピストンやコンロッドおよびクランク軸45の回転摺動に因りエンジンケースに生じるクランク軸回りの反力の振動によるシリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42i上のずれ方向の荷重(応力)が分散される。よって、シリンダブロック41とシリンダヘッド42の合わせ面41i,42iのシール性が確保される。
【0051】
また、側面視で前記シリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42i上におけるシリンダヘッド取付ボルト46中心46cとクランク軸45軸心とを結ぶ線45cの延長上の近傍に懸架用ボス部42cを設けたことで、振動源であり、慣性マスが大きいクランク軸45に対してシリンダヘッド取付ボルト46の中心46cを挟んで反対側に懸架用ボス部42cが位置するので、クランク軸45の回転に起因する捩じれ振動によるシリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42iでの外縁部に掛かる離し方向の荷重(応力)が分散される。よって、シリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面41i,42iのシール性が確保される。
【0052】
さらに、また、エンジン2の気筒軸心をヘッドパイプ5下端より上方に指向させてシリンダヘッドの一部をフレーム幅内に収容する。その上で、フレームの幅が最大となる位置に懸架用ボス部を配してフレームに固定するようにしたので、フレーム構造にパイプ材を使用した場合、曲げ方向が一方向になるが、その曲げ幅が最大となるため、車体幅が最大となる位置に懸架することで捩じれ剛性を高めることができる。これにより、走行状態における剛性感が向上する。
【0053】
また、気筒軸心をヘッドパイプ5より上方に傾倒させてエンジン2を搭載したので、燃料タンク12を外して吸気系やシリンダヘッド42周りの整備、例えば、バルブクリアランスの調整、点火プラグの燃焼状態確認などを行う際の整備性の向上を図ることができる。
吸気系では、スペースを確保できるのでケーブルの組付け作業などの作業性が良好となり、さらに、サブスロットルバルブの駆動モータをバルブ軸上に配置できるという効果がある。
【0054】
以上のようにレイアウトできる背景として、従来のエンジンよりも吸気カム軸−排気カム軸の間隔が狭くすることで、吸気ポート51を気筒軸心に沿う方向に直線的に立たせるように構成して、シリンダヘッド42をコンパクト化を図った点にある。これにより、平面視でヘッドパイプ5からボディフレーム6の最大幅位置までの略三角形状(紡錘形状)の範囲に、シリンダヘッド42の上面と吸気経路の上流側開口端(エアクリーナ55内)までを収容することができ、燃料タンク12下のスペースを効果的に有効利用できる。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の自動二輪車のエンジン懸架構造によれば、簡単なフレーム構成で軽量化を図り、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面のシール性を確実にすることができるという優れた効果を奏し得る。
詳しくは、ミッションと一体的に設けられるとともに気筒軸心を垂直より前傾させて搭載されるエンジンを側面視で直線的かつ後下がりに設けられた車体フレームに複数箇所でマウントするようにした自動二輪車のエンジン懸架構造において、前記エンジンのシリンダヘッドに形成されて該シリンダヘッド後部をマウントするための懸架用ボス部を、車両側面視で前記車体フレームの上下方向の幅員内に位置するように設けることで、シリンダヘッドを車体フレームのより前方に配置することができ、しかも、車体フレームの剛性の高い位置で支持できるので、従来のように、エンジンを車体フレームに懸架するためのブラケットや肉盛り部、膨出部などを設ける必要がなく、車体フレームの形状をシンプルにでき、軽量化を実現できる。
また、エンジンをフレーム構造の一部として作用させることで、車体フレーム後側の剛性を下げることが可能になり、車体フレームの軽量化を図ることができる。
【0056】
また、前記エンジンをシリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面が前下りになるように配設し、前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部を前記合わせ面から離間して設けることで、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面での外縁部に掛かる離れ方向に作用する荷重を分散でき、その合わせ面のシール性を確保することができる。これにより、従来のシール性確保のための締結ボルトを使用する必要が無く、部品点数の削減を図ることができる。
【0057】
さらに、前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部を、前記シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に対して略平行にシリンダヘッド壁面より外側に向かい突設された他のボス部に近接して設けることで、エンジン懸架用のボス部と他のボス部とを共肉化して、シリンダヘッドの軽量化と剛性の向上を図ることができ、しかも、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面上のずれ方向の荷重を分散できるので、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面のシール性を確保することができる。
【0058】
また、前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部を、側面視で前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面上におけるシリンダヘッド取付ボルト中心とクランク軸心とを結ぶ線の延長上もしくはその近傍に設けることで、マスの大きいクランク軸による振動がシリンダヘッド取付ボルト中心を通って略直線上で懸架用ボス部に作用するため、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面の外縁部に掛かる離れ方向に作用する荷重を分散でき、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面のシール性を確保することができる。
【0059】
さらに、また、前記エンジンの気筒軸心を、側面視でクランク軸心とヘッドパイプの下端部とを結ぶ線の傾斜よりも上方に指向し、前記シリンダヘッドの一部を、平面視で車両幅方向左右に構成された車体フレームの内側に配設し、左右の車体フレーム間の内幅が最大となる位置に懸架ボスを配して該車体フレームに固定することで、燃料タンクを外してメンテナンス作業を行う際に、ヘッドパイプ付近に配置された吸気系やシリンダヘッド周りの整備性の向上を図ることができる。
【0060】
また、車体フレームにパイプ材を使用した場合、曲げ方向が外側に向かう一方向になり、その曲げ幅が最大となる、すなわち平面視で車体フレーム幅が最大となる位置でエンジンを懸架することで、該車体フレームの捩じれ剛性の向上を図ることができる。これにより、走行安定性も向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の自動二輪車のエンジン架橋構造が採用された自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
【図2】前記自動二輪車の車体フレームとエンジンの構成を示す部分側面図である。
【図3】前記エンジンのシリンダヘッドと吸気系の構成を示す概略側面図である。
【図4】前記自動二輪車の車体フレームの構成を示す部分平面図である。
【図5】前記エンジンのヘッドカバーを外した状態の構成を示す平面図である。
【図6】前記エンジンのヘッドカバーとカムハウジングを外した状態の構成を示す平面図である。
【図7】従来の自動二輪車の車体フレームとエンジンの構成を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車
2、102 エンジン
3 ミッション
4、104 車体フレーム
5 ヘッドパイプ
6、106 ボディフレーム
6a 後端部
6b、6c、6d、6e エンジン取付部
41 シリンダブロック
42、142 シリンダヘッド
42b、42c、42d、42e、142c 懸架用ボス部
42f 補強リブ
45 クランク軸
46 シリンダヘッド取付ボルト
50 取付けボルト

Claims (5)

  1. ミッションと一体的に設けられるとともに気筒軸心を垂直より前傾させて搭載されるエンジンを側面視で直線的かつ後下がりに設けられた車体フレームに複数箇所でマウントするようにした自動二輪車のエンジン懸架構造において、
    前記エンジンのシリンダヘッドに形成されて該シリンダヘッド後部をマウントするための懸架用ボス部を、車両側面視で前記車体フレームの上下方向の幅員内に位置するように設けたことを特徴とする自動二輪車のエンジン懸架構造。
  2. 前記エンジンをシリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面が前下りになるように配設し、前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部を前記合わせ面から離間して設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のエンジン懸架構造。
  3. 前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部は、前記シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に対して略平行な方向にシリンダヘッド壁面より外側に向かい突設された他のボス部に近接して設けたことを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車のエンジン懸架構造。
  4. 前記シリンダヘッド後部の懸架用ボス部は、側面視で前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面上におけるシリンダヘッド取付ボルト中心とクランク軸心とを結ぶ線の延長上もしくはその近傍に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のエンジン懸架構造。
  5. 前記エンジンの気筒軸心は、側面視でクランク軸心とヘッドパイプの下端部とを結ぶ線の傾斜よりも上方に指向し、
    前記シリンダヘッドの一部を、平面視で車両幅方向左右に構成された車体フレームの内側に配設し、左右の車体フレーム間の内幅が最大となる位置に懸架用ボス部を配して該車体フレームに固定したことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のエンジン懸架構造。
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