JP2005113724A - 鞍乗型車両のエンジンのカバー構造 - Google Patents

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立比呂 村松
Tomoyuki Oda
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Abstract

【課題】 エンジン音を適切に遮音して騒音を低減する。
【解決手段】 エンジン20はタンクレール11及び燃料タンク8に覆われるように配置される。エンジンカバー40のヘッド被覆部41及びブロック被覆部42は、側面視において、シリンダヘッド21及びシリンダブロック22にほぼ重なる。エンジンカバー40の内側面には吸音材51が取り付けられ、吸音材51とシリンダブロック22との間に隙間52が形成される。エンジンカバー40は、弾性部材53〜56を介して、エンジン本体ケースECに浮動支持される。エンジンカバー40は、マグネトカバー60等の補機カバーと協働してエンジン本体ケースECの左側部を左方から広く覆う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車体フレームに支持された燃料タンクの下方にエンジンが配置された、鞍乗型車両のエンジンのカバー構造に関する。
近年、自動二輪車等において騒音規制が強化され、寄与度の大きい吸気・排気音対策だけでなく、エンジン本体から放出される騒音を抑制することが望まれている。そこで、下記特許文献1〜4に示されるように、エンジン本体用のカバーを設けたり、そのカバーの設置に工夫を加えたりして、騒音対策が検討されている。
特開平10−184383号公報 特開平8−218890号公報 特開平9−228890号公報 実開平4−66328号公報
しかしながら、特に、オフロード用二輪車等のような鞍乗型車両においては、通常、エンジンが剥き出しで、外部から臨めるように配置されているため、シリンダブロックやクランクケース等からの放射音が騒音の大きな要因となっている。その一方、エンジン本体から放出される騒音の低減のために、エンジン本体の大型化、肉厚増加、剛性アップ等を行うとすると、大がかりな設計変更、改造が必要となり、コスト増加、重量増加等の弊害が大きくなるため、騒音対策は容易でない。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、エンジン音を適切に遮音して騒音を低減することができる鞍乗型車両のエンジンのカバー構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造は、車体フレームに支持された燃料タンクの下方にエンジンが配置され、カバー類を取り除いた状態では前記エンジンが露出し、該エンジンの略全体形状が外部から臨めるように構成される鞍乗型車両のエンジンのカバー構造であって、内側面に吸音材が設けられたエンジンカバーを、前記エンジンのシリンダブロックを側方から覆って少なくとも該シリンダブロックに対して側面視において重なるように配設すると共に、前記エンジンカバーと前記シリンダブロックとの間に隙間を形成し、前記エンジンカバーを、弾性部材を介して前記エンジンに対して浮動支持したことを特徴とする。
この構成によれば、シリンダブロックがエンジンカバーにより側方から覆われるので、シリンダブロックからの騒音が遮音され、内側面に設けた吸音材により一層効果的に遮音することができる。また、エンジンカバーが弾性部材を介して浮動支持されるので、エンジンからの振動伝達が抑制され、ノイズの放音が抑制される。
上記目的を達成するために本発明の請求項4の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造は、車体フレームに支持された燃料タンクの下方に、エンジン本体ケースを含んで成るエンジンが配置され、カバー類を取り除いた状態では前記エンジンが露出し、該エンジンの略全体形状が外部から臨めるように構成される鞍乗型車両のエンジンのカバー構造であって、前記エンジン本体ケースは、少なくともシリンダブロック及びクランクケースを含んで成り、前記エンジン本体ケースの側方に、内部にエンジン補機を収容する少なくとも1つの補機カバーを設けると共に、前記補機カバーと協働して前記エンジン本体ケースの側部の略全体を覆うエンジンカバーを設けたことを特徴とする。
この構成によれば、エンジンカバーが、補機カバーと協働してエンジン本体ケースの側部の略全体を覆うので、エンジン本体ケースからの騒音を効果的に遮音することができる。また、補機カバーは、内部に収容されるエンジン補機を保護するため通常設けられるものであるので、構成をいたずらに複雑化せず、しかも、単体のカバーでエンジン本体ケース全体を覆う場合に比し、カバー体が小さくて済み、支持箇所も少なくて済むので、構成が複雑化しない。
上記目的を達成するために本発明の請求項5の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造は、車体フレームのタンクレールに支持された燃料タンクの下方に単気筒エンジンが配置され、カバー類を取り除いた状態では前記単気筒エンジンが露出し、該単気筒エンジンの略全体形状が外部から臨めるように構成される鞍乗型車両のエンジンのカバー構造であって、前記単気筒エンジンは、クランクケースの上方に、シリンダブロック及びシリンダヘッドが順に配置され、且つ前記シリンダヘッドの上部が前記タンクレール及び前記燃料タンクに覆われるように配置されて成り、前記単気筒エンジンの左右一側にカム駆動室を設けると共に、前記シリンダヘッドから前記シリンダブロック及び前記クランクケースまでを、前記単気筒エンジンの左右他側から覆うカバー体を設け、前記カバー体が、前記タンクレール、前記燃料タンク及び前記カム駆動室と協働して前記単気筒エンジンを覆うように構成したことを特徴とする。
この構成によれば、単気筒エンジンの上部がタンクレール及び燃料タンクで覆われて遮音され、カム駆動室側の側部がカム駆動室で遮音され、カム駆動室の反対側の側部がカバー体で覆われて遮音される。また、単気筒エンジン全体を覆うカバーを設ける場合に比し、カバー体が小さくて済み、支持箇所も少なくて済み、構成も複雑化しない。
本発明の請求項1の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造によれば、エンジン音を適切に遮音して騒音を低減することができる。
本発明の請求項4の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造によれば、カバー体の大型化を回避しつつ、簡単な構成で、エンジン音を適切に遮音して騒音を低減することができる。
本発明の請求項5の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造によれば、カバー体の大型化を回避しつつ、簡単な構成で、エンジン音を適切に遮音して騒音を低減することができる。さらには、カム駆動室側が外気に触れる度合いと、カム駆動室の反対側の側部が外気に触れる度合いとの差異が少なくなるので、シリンダボアの熱的変形が均一となって、ブローバイガスが減少し、燃焼も安定する。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造が適用された自動二輪車の左側面図である。以降、前後左右の方向は、ライダからみた方向を基準として呼称する。
本自動二輪車1の車体フレーム10は、例えば鋼管製で、いわゆるセミダブルクレードルフレームタイプであり、ヘッドパイプ15、タンクレール11、左右一対のセンターチューブ12、左右一対のロアチューブ13、ダウンチューブ14、左右一対のシートレール16及び左右一対のバックステイ18から主に構成される。
すなわち、ヘッドパイプ15の後部上部から後方へ1本のタンクレール11が僅かに下向きに後方に延出すると共に、ヘッドパイプ15の後部下部からは下方でやや後方に向かう1本のダウンチューブ14が延出している。ヘッドパイプ15の近傍においてタンクレール11とダウンチューブ14とは補強ステイ9で連結されている。
また、タンクレール11の後端部からは、下方でやや後方に向かう左右一対のセンターチューブ12が延出し、センターチューブ12の下端部とダウンチューブ14の下端部とが左右一対のロアチューブ13で連結されている。ヘッドパイプ15には、ステアリング機構部2が左右に転舵自在に支持されており、ステアリング機構部2の下部には、フロントフオーク3を介して前輪4が回転自在に支持されている。左右のセンターチューブ12間には、車幅方向にピボット軸5が架設され、このピボット軸5に、後方へ延びるスイングアーム6が上下揺動自在に枢着され、このスイングアーム6の後端に後輪7が軸支される。
センターチューブ12の上端部からは、後方に向かって左右一対のシートレール16が延設され、このシートレール16とセンターチューブ12の下部との間がバックステイ18で連結されている。タンクレール11に上方から跨がるようにして燃料タンク8が搭載され、燃料タンク8の後方において、シート17がシートレール16に支持されている。また、単気筒エンジン(以下、「エンジン」と称する)20が、タンクレール11及び燃料タンク8の下方であって、これらとロアチューブ13及びダウンチューブ14とにほぼ囲まれる領域に配置される。エンジン20は、その各種付属部品(カバー類や補機類)を取り除いた状態では剥き出しとなり、外部から、特に側方からその全体形状が臨めるようになっている(図示せず)。
図2は、エンジン20の左側面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。
図2に示すように、クランクケース23は、左側クランクケース23L及び右側クランクケース23Rを接合して成る。エンジン20は、クランクケース23の上にシリンダブロック22及びシリンダヘッド21を順に配置し、さらにシリンダヘッド21の上方からシリンダヘッドカバー63を被せて構成される。これらクランクケース23、シリンダブロック22、シリンダヘッド21及びシリンダヘッドカバー63でエンジン20の外形が構成されるので、これらを総称して、以下、「エンジン本体ケースEC」と呼称する。
エンジン20は、例えば、4サイクル水冷単気筒型のエンジンである。図2に示すように、シリンダヘッド21の後部には、吸気管24を介してキャブレタ25が設けられる。吸気管24及びキャブレタ25は「混合気供給部」を構成する。キャブレタ25には、コネクティングチューブ35を介してエアクリーナ26が接続されている。キャブレタ25は、その下部にソレノイド27を備える。また、シリンダヘッド21の前部からは、エキゾーストパイプ19が延出している。
吸気管24の下方において、シリンダブロック22の後方には、スタータモータ28が設けられる。スタータモータ28より斜め前方下方には、不図示のスタータギヤが設けられ、このスタータギヤを、スタータギヤ収容カバー61が左方から覆うように設けられている。
図3に示すように、シリンダヘッド21の右側部は、カム駆動室29となっている。エンジン中心に対してカム駆動室29の左右反対側、すなわち、シリンダヘッド21及びシリンダブロック22の右方には、後述するエンジンカバー40が設けられる。また、クランクケース23内には、クランクシャフト30が自動二輪車1の車両幅方向に沿って配置される。クランクシャフト30の左端部には、マグネト34が設けられ、マグネト34は、左方から有底形状のマグネトカバー60で覆われている。シリンダブロック22のシリンダーボア36内にはピストン37が摺動自在に挿入され、ピストン37の往復運動が、コンロッド38を介してクランクシャフト30に伝達され、クランクシャフト30が回転運動する。
クランクケース23の後部はミッション室となっている。クランクシャフト30の後方には、カウンターシャフト32がクランクシャフト30と平行に設けられる。カウンターシャフト32の右端部側には、多板クラッチ31が配設され、多板クラッチ31は、右方からクラッチカバー64により覆われている。
また、カウンターシャフト32の後方にはカウンターシャフト32と平行にドライブシャフト33が設けられる。ドライブシャフト33の左端部には、駆動力を後輪7に伝達するためのチェーンドライブスプロケット39が設けられる。チェーンドライブスプロケット39は、左方からチェーンドライブスプロケットカバー62で覆われている。
図4は、エンジン20にカバー体を取り付けた状態を示す左側面図である。図5(a)は、図4のB−B線に沿う部分断面図である。図5(b)は、図4のC−C線に沿う部分断面図である。図5(c)は、図4のD−D線に沿う部分断面図である。図5(d)は、図4のE−E線に沿う部分断面図である。図6は、エンジンカバー40の左側面図である。図7は、図6のF−F線に沿うエンジンカバー40の断面図である。
上記したマグネトカバー60、スタータギヤ収容カバー61及びチェーンドライブスプロケットカバー62は、マグネト34、上記不図示のスタータギヤ、チェーンドライブスプロケット39等のエンジン補機を覆う「補機カバー」である。これら補機カバーとエンジンカバー40とを合わせたものを、協働してエンジン20を広く覆う一体的なカバーとして把握したものを、「カバー体CV」と呼称する。なお、上記補機カバーには、アンダーガードカバー等、エンジン20の一部または各種エンジン補機や配管等を覆う他のカバーを含めてもよい。
図4に示すように、マグネトカバー60、チェーンドライブスプロケットカバー62はいずれも、左側クランクケース23Lに螺着固定される。スタータギヤ収容カバー61は、マグネトカバー60に螺着固定される。
エンジンカバー40は、4箇所に設けられた被固定部40a、40b、40c、40d(図6参照)で固定される。まず、図5(a)に示すように、シリンダヘッド21の前部には、ブラケット65が、シリンダヘッド21に設けられた位置決め部66で位置決めされて螺着固定される。ブラケット65の内側にはウェルドナット69が固着されている。エンジンカバー40の被固定部40aには、ゴム等の弾性部材53がカラー68を介して取り付けられており、ネジ67をウェルドナット69に螺合することで、被固定部40aが弾性部材53を介してブラケット65に固定される。これにより、エンジンカバー40の被固定部40aが、弾性部材53、ブラケット65等を介してシリンダヘッド21に浮動支持された状態となる。
また、図5(b)に示すように、シリンダヘッド21の後部にワッシャ75を介してスペーサ76が固定され、このスペーサ76に、エンジンカバー40の被固定部40bが、弾性部材54及びカラー77を介してネジ78で螺着されている。これにより、エンジンカバー40の被固定部40bが、弾性部材54、スペーサ76等を介してシリンダヘッド21に浮動支持された状態となる。
また、図5(c)に示すように、マグネトカバー60の前部上部には、ブラケット70がボルト71で螺着固定される。ブラケット70の内側にはウェルドナット74が固着されている。上記被固定部40aの場合と同様に、ネジ72をウェルドナット74に螺合することで、エンジンカバー40の被固定部40cが、弾性部材55及びカラー73を介してブラケット70に固定される。これにより、エンジンカバー40の被固定部40cが、弾性部材55、ブラケット70等を介してマグネトカバー60に浮動支持された状態で連結される。ここで、上記のように、マグネトカバー60は、クランクケース23に固定されているので、エンジンカバー40の被固定部40cは、クランクケース23に対しても浮動支持された状態となる。
また、被固定部40bの場合と同様に、図5(d)に示すように、左側クランクケース23Lの後部上部に固定されたスペーサ79に、エンジンカバー40の被固定部40dが、弾性部材56及びカラー80を介してネジ81で螺着されている。これにより、エンジンカバー40の被固定部40dが、弾性部材56、スペーサ79等を介して左側クランクケース23Lに浮動支持された状態となる。
また、図3、図7に示すように、エンジンカバー40の内側面には吸音材51が固着等により取り付けられ、吸音材51とシリンダブロック22(及びシリンダヘッド21)との間には、隙間52が形成される。従って、エンジンカバー40は、弾性部材53〜56を介して、間接的にではあるがエンジン本体ケースECに対して浮動支持されている。このような浮動支持により、エンジン本体ケースECの振動がエンジンカバー40に伝達されることが抑制され、エンジンノイズの放音が抑制される。また、吸音材51により、一層効果的に遮音される。
ところで、エンジンカバー40には、エンジンノイズの放音を抑制するための形状的な種々の工夫がなされている。まず、図6に示すように、エンジンカバー40は、ヘッド被覆部41、ブロック被覆部42、吸気管被覆部47、吸気下方空間被覆部46及び延出部57の部位で主に成り、金属等で一体に形成される。エンジンカバー40の上半部であるヘッド被覆部41は、シリンダヘッド21を左方から覆い、下半部であるブロック被覆部42は、シリンダブロック22を左方から覆う。従って、エンジンカバー40をエンジン20に取り付けた状態では、側面視において、ヘッド被覆部41及びブロック被覆部42が、シリンダヘッド21及びシリンダブロック22にほぼ重なる(図4参照)。
図6に示すように、ヘッド被覆部41には、燃料タンク8の下部等との干渉を避けるための傾斜部43、不図示の吸気カム軸受けボス等を内部に収容するための膨出部44等が形成されている。図6、図7に示すように、吸気管被覆部47は、ヘッド被覆部41の右方に延設され、主に吸気管24を覆うように湾曲している。
吸気下方空間被覆部46は、吸気管被覆部47の下部及びブロック被覆部42の後部から延出している。図7に示すように、ブロック被覆部42の後部は、吸気管24の下方の空間において、シリンダブロック22の側部22aから後部22bに沿って右方に向かって回り込む、回り込み部45となっており、この回り込み部45に、前後方向に沿って吸気下方空間被覆部46が繋がっている。吸気下方空間被覆部46は、吸気管24及びキャブレタ25の下方空間を覆うと共に、吸気管24、キャブレタ25及びエアクリーナ26等の吸気系とシリンダブロック22との間に介在することになり、これにより、シリンダブロック22からの熱風が吸気系にいかないようにして、キャブレタ25等の吸気系の過度な温度上昇を抑制することができる。また、吸気下方空間被覆部46が、吸気系の下方の空間を覆うので、不整地走行時等において、泥、水等がエンジン20にかかりにくくなるという利点もある。
エンジンカバー40の、吸気下方空間被覆部46の下方における部位であるスタータモータ被覆部48は、スタータモータ28(図2参照)等を左方から覆う。延出部57は、スタータモータ被覆部48の後部から、センターチューブ12との間の隙間を少なくするように、センターチューブ12(図1参照)側の方向に延出している。延出部57は、不図示の各種配管を覆うと共に、延出部57の上部であるキャブレタ下部被覆部49が、キャブレタ25のソレノイド27(図2参照)等を左方から覆う。
詳細は図示しないが、延出部57は、単純な平板状ではなく、その一部が、クランクケース23の側部から左側、右側クランクケース23L、23Rの上部23La、23Raにかけて沿うように形成される。延出部57の下部は、クランクケース23上部を覆うクランクケース上部被覆部50となっている。図2に示すように、クランクケース上部被覆部50は、左側、右側クランクケース23L、23Rの上部23La、23Raに沿って、左側クランクケース23Lの左側部近傍に回り込んでいる。これらにより、クランクケース23上部が被覆されるので、ドライブシャフト33、及びチェーンドライブスプロケット39やミッションギヤの噛み込み音等のノイズがクランクケース23から放射されることが抑制され、騒音が低減される。また、クランクケース23の上部に泥等が溜まりにくくなる。さらには、スタータモータ28、ソレノイド27等のエンジン補機や、上記不図示の各種配管等が延出部57の内側に収容されることで、外観が向上する。
ところで、図4を参照してわかるように、マグネトカバー60、スタータギヤ収容カバー61及びチェーンドライブスプロケットカバー62は、側面視において、それぞれ異なる位置に配置され、エンジンカバー40も、これら補機カバーとは異なる位置に配置される。上述のように、これら補機カバーとエンジンカバー40とで成るカバー体CVは、協働してエンジン本体ケースECの左側部を広く覆う。しかも、カバー体CVは、あたかも大きな一体のカバーであるかのように、個々のカバー間においてほとんど隙間が生じないように構成され、エンジン20がほとんど見えないようになっている。
これにより、エンジン本体ケースECからの主に左方への放音を効果的に抑制することができる。また、各補機カバーは、内部に収容されるエンジン補機を保護するため通常設けられるものであるので、エンジンカバー40を適切な領域に追加したことで、構成をいたずらに複雑化することなく騒音低減が図られる。しかも、単体のカバーでエンジン本体ケースEC全体を覆うように構成した場合に比し、カバー体が小さくて済み、支持箇所も少なくて済むので、構成が複雑化しない。
また、図1に示すように、エンジン20はタンクレール11及び燃料タンク8の下方に配置され、特に、シリンダヘッド21の上部がタンクレール11及び燃料タンク8に覆われている。一方、カム駆動室29は上述のようにエンジン20の右側部に設けられ、カバー体CVはその反対側であるエンジン20の左方に配置される。従って、エンジン20の上部はタンクレール11及び燃料タンク8で覆われて遮音され、エンジン20の右側部はカム駆動室29及びクラッチカバー64等で遮音され、エンジン20の左側部はカバー体CVで覆われて遮音される。すなわち、カバー体CVが、タンクレール11、燃料タンク8及びカム駆動室29等と協働して、エンジン20を上方及び左右側方の3方から覆うように構成されている。これにより、エンジン20の上方及び側方への放音を効果的に抑制することができる。なお、アンダーガードカバーを設ければ一層効果的である。
ここで、一般に、単気筒エンジンにおいては、シリンダボアを構成する肉部のうち右側部は、カム駆動室の存在により外気にほとんど触れない。一方、シリンダボアを構成する肉部のうち左側部については、通常、シリンダブロックが剥き出しであることから、外気に触れる。従って、一般の単気筒エンジンにおいては、エンジンの左右両側間で外気に触れる度合いの差異が大きく、シリンダボアの熱的変形が不均一となる。
ところが、本実施の形態では、カバー体CVでシリンダブロック22の左側部を覆うので、シリンダボア36の熱的変形が均一となり、ブローバイガスが減少して、燃焼も安定する。
本実施の形態によれば、吸音材51付きのエンジンカバー40が、主にシリンダブロック22、シリンダヘッド21及びクランクケース23上部等を覆い、しかも、補機カバーと協働して、エンジン本体ケースECの左側部をほとんど隙間が生じることなく覆うようにしたので、エンジン音を効果的に遮音して騒音を低減することができる。また、エンジンカバー40をエンジン20に対して隙間52を保って弾性支持したので、エンジン20の振動に起因する騒音も低減することができる。特に、エンジン20からの放音が、カバー体CV、タンクレール11、燃料タンク8及びカム駆動室29等によって総合的に遮音されるので、遮音効果が高い。その一方、エンジンカバー40のない従来の一般的なカバー構造と比較して、エンジン20自体の変更は、ブラケット65、70及びスペーサ76、79を固定するための変更等、最小限の設計変更で済むので、改造が少なく済む。しかも、単体のカバーでエンジン20全体を覆う場合に比し、構成が簡単で、カバー体の大型化を回避することができる。
なお、本実施の形態では、混合気供給部を構成するものの1つとしてキャブレタ25を例示したが、キャブレタ25に代えて、スロットルボディとインジェクタとで混合気供給部の一部を構成してもよい。この場合、吸気下方空間被覆部46の存在により、インジェクタの燃料噴射時の駆動音が外部に漏れることが抑制される。
なお、本実施の形態では、エンジンカバー40をエンジン20の左側に装着した構成を例示したが、エンジン構成がこれとは左右対称である場合は、エンジンカバー40を右側に設けることで、上記と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、車体フレーム10はセミダブルクレードルフレームタイプであるとしたが、これに限定されず、例えば、上下方向の幅が比較的大きいタンクレールが2本設けられる「ダイヤモンドフレームタイプ」等にも本発明を適用可能である。特に、エンジン音の上側からの遮音という観点からは、シリンダヘッド21を両タンクレール間に配置し、シリンダヘッド21が両タンクレール及び燃料タンクに囲まれるようにエンジン20を配置すればよい。
なお、エンジンカバー40と協働してエンジン20の遮音効果を奏する補機カバーは、上記例示したものに限定されない。また、エンジンカバー40または各補機カバーに収容されるエンジン補機及び配管も、例示したものに限定されない。
なお、本実施の形態では、エンジンカバー40の効果を、主にエンジン音の遮音という観点で述べたが、適用されるエンジンによっては、異なる効果も期待できる。例えば、吸気行程の途中で吸気弁を閉じる(吸気弁早閉じ)、いわゆるミラーサイクルのように、燃焼前のシリンダ内の空気温度を低下させる「自己冷却サイクル」を採用しているエンジンにおいては、エンジン温度が比較的上昇しにくい。しかし、エンジンカバー40のようなカバーを設けることで、エンジン始動後、しばらくの間、走行風の影響を少なくしてエンジンを保温するという効果があるため、始動後におけるエンジン温度の早期上昇に寄与することができる。
なお、本実施の形態では、エンジンのカバー構造を自動二輪車に適用した構成を例示したが、適用対象はこれに限定されることなく、例えば、自動三輪車や不整地走行用車等の鞍乗型車両、特に、カバー類を取り除いたならば、エンジンが露出してその全体形状が外部から臨めるように構成される車両に本発明を広く適用可能である。
本発明の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造が適用された自動二輪車の左側面図である。 エンジンの左側面図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 エンジンにカバー体を取り付けた状態を示す左側面図である。 図4の、B−B線に沿う部分断面図(図(a))、C−C線に沿う部分断面図(図(b))、D−D線に沿う部分断面図(図(c))及びE−E線に沿う部分断面図(図(d))である。 エンジンカバーの左側面図である。 図6のF−F線に沿うエンジンカバーの断面図である。
符号の説明
8 燃料タンク
10 車体フレーム
11 タンクレール
12 センターチューブ
15 ヘッドパイプ
20 単気筒エンジン
21 シリンダヘッド
22 シリンダブロック
22a 側部
22b 後部
23L 左側クランクケース
23R 右側クランクケース
23La、23Ra 上部
24 吸気管(混合気供給部の一部、吸気系の一部)
25 キャブレタ(混合気供給部の一部、吸気系の一部)
26 エアクリーナ(吸気系の一部)
27 ソレノイド(エンジン補機)
29 カム駆動室
34 マグネト(エンジン補機)
40 エンジンカバー
45 回り込み部(エンジンカバーの一部)
46 吸気下方空間被覆部(エンジンカバーの一部)
50 クランクケース上部被覆部(延出部の一部)
51 吸音材
52 隙間
53、54、55、56 弾性部材
57 延出部
60 マグネトカバー(補機カバー)
EC エンジン本体ケース
CV カバー体

Claims (5)

  1. 車体フレーム(10)に支持された燃料タンク(8)の下方にエンジン(20)が配置され、カバー類を取り除いた状態では前記エンジンが露出し、該エンジンの略全体形状が外部から臨めるように構成される鞍乗型車両のエンジンのカバー構造であって、
    内側面に吸音材(51)が設けられたエンジンカバー(40)を、前記エンジンのシリンダブロック(22)を側方から覆って少なくとも該シリンダブロックに対して側面視において重なるように配設すると共に、前記エンジンカバーと前記シリンダブロックとの間に隙間(52)を形成し、前記エンジンカバーを、弾性部材(53、54、55、56)を介して前記エンジンに対して浮動支持したことを特徴とする鞍乗型車両のエンジンのカバー構造。
  2. 少なくとも混合気供給部(24、25)を含み前記エンジンの後方に設けられた吸気系(24、25、26)を有し、前記エンジンカバーの一部(45、46)は、少なくとも前記混合気供給部の下方の空間において、前記シリンダブロックの側部(22a)から後部(22b)に沿って回り込み、前記吸気系と前記シリンダブロックとの間に介在するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造。
  3. 前記車体フレームは、少なくとも、前記燃料タンクを支持するタンクレール(11)と、該タンクレールの後端部から略下方に向かって延びるセンターチューブ(12)とを含んで成り、前記エンジンカバーは、前記センターチューブ側の方向に延出する延出部(57)を有し、前記延出部の一部は、前記エンジンのクランクケース(23)の側部から上部(23La、23Ra)にかけて沿うと共に、前記延出部の内側に、エンジン補機及び/又は配管(27)が収容されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗型車両のエンジンのカバー構造。
  4. 車体フレーム(10)に支持された燃料タンク(8)の下方に、エンジン本体ケース(EC)を含んで成るエンジン(20)が配置され、カバー類を取り除いた状態では前記エンジンが露出し、該エンジンの略全体形状が外部から臨めるように構成される鞍乗型車両のエンジンのカバー構造であって、
    前記エンジン本体ケースは、少なくともシリンダブロック(22)及びクランクケース(23)を含んで成り、前記エンジン本体ケースの側方に、内部にエンジン補機(34)を収容する少なくとも1つの補機カバー(60)を設けると共に、前記補機カバーと協働して前記エンジン本体ケースの側部の略全体を覆うエンジンカバー(40)を設けたことを特徴とする鞍乗型車両のエンジンのカバー構造。
  5. 車体フレーム(10)のタンクレール(11)に支持された燃料タンク(8)の下方に単気筒エンジン(20)が配置され、カバー類を取り除いた状態では前記単気筒エンジンが露出し、該単気筒エンジンの略全体形状が外部から臨めるように構成される鞍乗型車両のエンジンのカバー構造であって、
    前記単気筒エンジンは、クランクケース(23)の上方に、シリンダブロック(22)及びシリンダヘッド(21)が順に配置され、且つ前記シリンダヘッドの上部が前記タンクレール及び前記燃料タンクに覆われるように配置されて成り、
    前記単気筒エンジンの左右一側にカム駆動室(29)を設けると共に、前記シリンダヘッドから前記シリンダブロック及び前記クランクケースまでを、前記単気筒エンジンの左右他側から覆うカバー体(CV)を設け、
    前記カバー体が、前記タンクレール、前記燃料タンク及び前記カム駆動室と協働して前記単気筒エンジンを覆うように構成したことを特徴とする鞍乗型車両のエンジンのカバー構造。
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