JP2553477B2 - 芳香寝装品 - Google Patents

芳香寝装品

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JP2553477B2 JP1208921A JP20892189A JP2553477B2 JP 2553477 B2 JP2553477 B2 JP 2553477B2 JP 1208921 A JP1208921 A JP 1208921A JP 20892189 A JP20892189 A JP 20892189A JP 2553477 B2 JP2553477 B2 JP 2553477B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、芳香を有する寝装品に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来から、芳香を有する繊維品については、様々な開
発がなされ、市場にも多く出回っている。ところが、こ
れらの多くは単に最終製品に仕上げの時点で香水等の香
気物質をスプレーし、またはバインダーや糊剤とともに
塗布する等、大気開放系で施与するか、あるいは包装時
に包装袋の中に芳香紙を封入し、または芯紙を芳香紙と
してその香りを繊維品に移すというようなものであっ
た。
また、近時は、布団、シーツ、布団カバー、タオルケ
ット、枕等の寝装品に消臭加工を施のみならず、積極的
に芳香を付与し、心地良い眠りを提供することが試みら
れているが、これらのものも、単に中綿や側地に香気物
質をスプレーしたものや、包装袋の中に芳香紙を封入し
たものがほとんどであった。
しかしながら、上記のようにして得られた芳香寝装品
は、その芳香の耐久性に乏しいことはいうまでもなく、
たった1回の洗濯で完全に芳香が消失してしまい、極め
て商品価値の低いものであった。更に、使用中に外気に
接触することにより、すぐに香料が蒸発してしまい、使
用後僅か数時間した芳香を維持することのできないもの
さえあった。また、包装袋の中で芳香紙の香りを寝装品
に移すものにおいては、袋密封後の経過時間によって寝
装品に与えられる芳香の強さが異なり、結果的にこれが
快香とならず、商品自体が欠陥品となってしまう場合が
あった。
本発明者は、上記のような問題の解決を狙って、芳香
物質をマイクロカプセルに封入した閉鎖系において織編
地に付与し、これを寝装品の側地等に用いることに着目
した。そして、使用時に寝返り等により織編地に加えら
れる応力によってマイクロカプセルを破壊して開放系に
転換し、芳香を発するものを得ることを試みたのであ
る。
このような考え方を実現しようとする方法としては、
例えば勾物質を含有するマイクロカプセルとメラミン樹
脂含有糊剤とを織編地に付与する方法(BP.1401143
号)、香料を封入したマイクロカプセルを第4アンモニ
ウム塩等の陽イオン性有機物質、ソルビタンエステル等
の非イオン性有機物質を主体とするカプセル移動剤によ
って繊維に付着させる方法(特開昭52−31200号)、香
料を含むマイクロカプセルとアクリル系樹脂との混合液
を塗布し、香気性タオル織物を得る方法(特開昭58−48
86号)、糊料壁膜で被覆された香料のマイクロカプセ
ル、熱可塑性物質及び増粘剤からなる捺染ペーストを印
捺することにより香気を発する捺染物を得る方法(特開
昭53−47440号、特開昭53−49200号)、香料のマイクロ
カプセル、色素及び高分子樹脂等からなるバインダー層
を被転写物に加熱転写することにより芳香を発する香気
捺染物を得る方法(特開昭53−106885号)等が提案され
ている。
ところが、これら従来の提案に示されるように、織編
地にマイクロカプセルを単に糊剤や樹脂バインダーによ
り付着させる方法では、接着性が悪く洗濯耐久性が劣る
ことを免れず、また、乾燥後に高温で加熱固着を行う
と、接着性は向上するが、高温による香料の変質や香料
の気化によるマイクロカプセルの破壊が起こることとな
った。そして、上記のように糊剤や樹脂バインダーでマ
イクロカプセルを付着させようとする場合、接着性の向
上を狙って糊剤や樹脂バインダーの量を多くすると、繊
維の風合が固くなってしまい、特に寝装品において風合
が粗硬化することは致命的な欠点であって商品価値を失
わせてしまうこととなるのである。
更にまたこれら従来技術の多くに見られる重要な問題
点は、糊剤またはバインダーに適用される物質、特に窒
素含有有機化合物の多くは固有の不快臭を有するために
香気を台無しにしてしまうことである。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであっ
て、寝装品に用いる職編地自体の風合や感触は良好であ
って、且つ適度な好ましい芳香を持続的に発散する芳香
寝装品の提供を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明の芳香寝装品は
次のような構成をとる。すなわち、表裏面の少なくとも
一面にプリント模様を有し、このプリント模様の少なく
とも一部を形成する処理剤が、香料封入マイクロカプセ
ル及びシリコン系樹脂バインダーを下記の(A)を満た
す状態で含有し、上記処理剤によるプリント部分に、下
記の(B)を満たす状態で上記香料封入マイクロカプセ
ル及びシリコン系樹脂バインダーが固着されている芳香
織編地を用いたことを特徴とする芳香寝装品である。
(A)香料封入マイクロカプセル(a)とシリコン系樹
脂バインダー(b)との重量比a:bが、2:1〜1:5であ
る。
(B)香料封入マイクロカプセル(a)とシリコン系樹
脂バインダー(b)との付着量(a+b)が、織編地に
おける付着部分の全体重量の0.2〜8.0重量%である。
〔作用〕
すなわち、本発明者は、ほどよい芳香を持続的に発散
し、且つ寝装品としての素材感を損なうことなく良好な
風合と感触を有する芳香寝装品を追求して一連の研究を
行った結果、芳香寝装品に用いる織編地を、表裏面の少
なくとも一面にプリントを施されて模様を有するものと
し、そのプリント模様の少なくとも一部を形成する処理
剤として、香料封入マイクロカプセルとシリコン系樹脂
バインダーとを上記(A)のように限定した範囲内で含
有する処理剤を用いることにより、プリント用顔料とと
もに上記(B)を満たす状態で香料封入マイクロカプセ
ル及びシリコン系樹脂バインダーが固着された本発明の
芳香寝装品に到達したのである。このように、本発明の
芳香寝装品は、プリントによって香料封入マイクロカプ
セルを織編地に固着させるものであるため、香料封入マ
イクロカプセルを含有する処理剤によるプリントを、織
編地の表裏面のいずれか一面のみに施すか、あるいは表
裏面の両面共に施すかということを、寝装品の種類や好
みに応じて適宜選択することができる。更に、プリント
模様の一部、例えば複数色の花びらからなる花模様の中
の特定の花びらを形成する処理剤のみに上記香料封入マ
イクロカプセル及びシリコン系樹脂バインダーを含有さ
せる等、寝装品の種類や好みに応じたきめこまやかな対
応を極めて容易に行うことができる。
また、香料封入マイクロカプセルが、水の除去により
硬化してゴム状皮膜を形成して耐久性のある接着効果を
奏するシリコン系樹脂バインダーとともに上記(A)の
範囲内で顔料に含有され、このシリコン系樹脂バインダ
ーの接着作用により織編地の面に強固に固着されている
ため、使用前に香料封入マイクロカプセルが容易に脱落
してしまうことがなく、寝装品の使用時、すなわち就寝
時の寝返り等の摩擦によって初めてマイクロカプセルが
破壊され、芳香が効果的に発散されることとなるのであ
る。
そして、本発明においては、香料封入マイクロカプセ
ル及びシリコン系樹脂バインダーの付着量が上記(B)
の範囲内となっているため、シリコン系樹脂バインダー
を織編地を付与することにより生じがちな問題の発生が
防止されている。すなわち、シリコン系樹脂バインダー
を過度に織編地に付与すると、シリコン独特の滑り、ぬ
めりが生じ、このシリコン系樹脂バインダーの付着した
部位のみが部分的に乾燥不足のようなぬるぬるとした感
じになることを免れず、パイル等の素材感を損なった
り、使用時に不快感を与えたりするものとなってしま
い、商品価値を低下させることとなるが、本発明におい
ては、上記(B)を満たす範囲内にシリコン系樹脂バイ
ンダーを付着させているため、織編地面に香料封入マイ
クロカプセルを強固に固着させることと、素材感を損な
わず寝装品として良好な風合と感触を保つこととの両立
を可能としているのである。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう寝装品とは、布団、布団カバー、枕カバ
ー、タオルケット、毛布、シーツ等を指し、それぞれの
側地、カバー本体、衿地(衿部カバー)、シーツ本体等
に後述する芳香織編地を用いて本発明に係る芳香寝装品
を現実しうるものである。
また、その素材としては、天然繊維、再生繊維、合成
繊維、或いはこれらの混紡、合糸、混繊等による混合糸
のいずれを使用してもよい。また、シリコン系樹脂バイ
ンダー付着させる関係からは、綿、マクロボイドを有す
る多孔質繊維等の凹凸を有する繊維や、シリコン系樹脂
バインダーと親和性のある繊維が有利である。
本発明において用いられる香料封入マイクロカプセル
は、香料を壁膜によって完全に封入したものであり、適
宜の摩擦や物理的な衝撃によって壁膜が壊れて芳香を発
散するものでなければならない。ただし、その組成等は
特に限定されず、マイクロカプセル化法自体も公知であ
る。
上記香料を封入する壁膜に用いられる壁膜は、香料の
徐放及びマイクロカプセルの機械的強度の点から、有機
ポリマーであることが好ましく、例えばポリウレタン、
尿素−ホルマリン樹脂等が挙げられるが、これらに限定
されない。ただし、壁膜が尿素−ホルマリンまたはメラ
ミン−ホルマリン樹脂を用いたものが好ましく、特に低
ホルマリンマイクロカプセルが好ましい。
そして、このマイクロカプセルの大きさは、通常、平
均粒径1〜50μ、好ましくは5〜20μであって、特に粒
径分布の大部分が5〜20μの範囲内に入るものが好適で
ある。
そして、壁膜が尿素−ホルマリン樹脂の場合には、粒
子径が2〜5μ、好ましくは5〜20μ、壁厚が0.1〜20
μ、好ましくは0.54〜4μ程度のもの、また、壁厚がメ
ラミン−ホルマリン樹脂の場合には、粒子径が5〜50
μ、好ましくは5〜20μ、壁厚が0.2〜30μ、好ましく
は0.5〜6μ程度のものが好適である。
上記マイクロカプセルに封入される香料は、天然香
料、合成香料及び香気を発生する化合物の液状及び粉体
の単品または混合物であり、天然香料としては、動物性
香料のムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリ
ス等、植物性香料としては、レモン油、バラ油、シトロ
ネラ油、白檀油、ペパーミント油、シナモン油等があ
る。また、合成香料としては、α−ピネン、リモネン、
ゲラニオール、リナロール、ラバンジュロール、ネロリ
ドール等からなる調合香料が挙げられる。この香料は、
マイクロカプセル全重量に対して好ましくは5〜99重量
%(以下「%」と略す)、特に好ましくは50〜95%内包
される。
一方、本発明において用いるシリコン系樹脂バインダ
ーは、コーティング効果を奏し、マイクロカプセルと織
編地との間の接着剤としての役割を果たすものである。
そして、特に水への分散性に優れ水で容易に希釈可能な
シリコン系水性エマルジョン型例えばオルガノポリシロ
キサンを主成分とし乳化剤で乳化したものが好ましい。
これは、水の除去により硬化し、シリコンゴムの特長を
有するゴム状皮膜を形成するものであり、耐久性のある
接着効果を奏するものである。
このオルガノポリシロキサンのエマルジョンは、更に
好ましくは低温反応型のオルガノポリシロキサンプレポ
リマーエマルジョンである。ここでいう低温反応型オル
ガノポリシロキサンプレポリマーエマルジョンとして
は、例えば1分子中にケイ素原子に結合するとヒドロキ
シル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
及びその誘導体100重量部に対し、アミノファンクショ
ナルシランまたはその加水分解物と酸無水物との反応生
成物0.1〜10重量部とコロイダルシリカ1〜50重量部か
らなる均一分散液をオルガノポリシロキサンに対して1
〜60重量部及び硬化用触媒を0.01〜10重量部及びアニオ
ン系乳化剤を0.3〜20重量部及び水が25〜600重量部から
なるシリコンの水性エマルジョンが挙げられる。
本発明の芳香寝装品に用いられる芳香織編地は、織編
地面にプリント模様を形成する顔料等に、上記香料封入
マイクロカプセルと上記エマルジョン及び好ましくは圧
力緩衝剤を配合し、この処理剤により織編地面にプリン
トを施すことによって得られるものである。この際、処
理剤のpHを5〜10、好ましくはpH6〜9となるようにソ
ーダ灰、重曹、アンモニア等で調整することが好まし
い。
上記において、香料封入マイクロカプセル(a)とシ
リコン系樹脂バインダー(b)との重量比a:bは、2:1〜
1:5に設定することが必要であり、この範囲内で香料封
入マイクロカプセルを充分な強度で織編地に固着させる
ことができるのである。すなわち、香料封入マイクロカ
プセルに対するシリコン系樹脂バインダーの量が上記の
範囲内を越えて少ない場合には、マイクロカプセルに対
する接着作用が極端に劣り、一方シリコン系樹脂バイン
ダーの量を上記の範囲内を越えて多くしてもマイクロカ
プセルの付着率はほとんど変わらず、逆に織編地の風合
を硬くしたり、滑りやぬめりが生じて素材感を損なった
りすることとなり、商品価値を低下させてしまうことと
なるのである。
そして、これら香料封入マイクロカプセル(a)及び
シリコン系樹脂バインダー(b)の付着量(a+b)
は、付着部分の織編地重量の0.2〜8.0%であることが必
要であり、特に、0.4〜4.0%であることが好ましい。す
なわち、香料封入マイクロカプセルは、シリコン系樹脂
バインダーを上記(A)の割合で与えられることにより
織編地に充分に付着するものであるから、これら両者の
付着量が0.2%よりも少ないと、芳香が弱すぎてその耐
久性も不充分となり、一方これが8.0%よりも多くなる
と、上述したように織編地の風合が悪くなり、また一時
に発散する香りがきつくなりすぎて就寝時にこれが不快
となるという問題も発生し、いずれも不適である。つま
り、ほどよい芳香を持続的に発散する効果を奏し、且つ
織編地の素材感を損なうことなく好適な風合、感触を有
するという全ての要件を満たすものを得るためには、上
記(B)の付着量とすることが必要なのである。
なお、このプリント加工は、後加工を行わない最終の
織編地、例えば起毛加工、タオル地加工を行った後の織
編地、またはこれを寝装品に仕上げたものに対して行う
ことが好ましく、上記処理剤を用いてプリント加工を行
った後に風合を損なわない方法で脱水、乾燥することが
好適である。すなわち、香料封入マイクロカプセル及び
シリコン系樹脂バインダーを含有する処理剤によるプリ
ント加工を行った後、150℃未満の温度で乾燥を行い、
香料封入マイクロカプセルを織編地表面に固着させる
が、この乾燥処理としては、温度60〜150℃好ましくは8
0〜130℃にて10秒〜30分好ましくは30秒〜10分乾燥を行
うか、乾燥後温度80〜150℃好ましくは100〜130℃にて1
0秒〜10分好ましくは30秒〜5分熱処理すること等が挙
げられる。
なお、上記プリント加工の前後に、必要に応じて柔軟
剤、風合調整剤、染料フィックス剤、反応型樹脂、縮合
型樹脂、触媒等の通常の仕上剤を併用しても、本発明の
効果に対しては特に問題はなく、更に顔料を10%以下併
用しても同じく問題はない。
以上のようにして得られた芳香織編地は、香料封入マ
イクロカプセルが、シリコン系樹脂バインダーにより織
編地面に強固に固着されたものであり、マイクロカプセ
ルが容易に脱落することがない。しかも、香料封入マイ
クロカプセルとシリコン系樹脂バインダーとの割合及び
これら両者の付着量が最適範囲内に設定されているた
め、織編地における付着部分からほどよい芳香が持続的
に発散され、且つこの付着部分にシリコン独特の滑りや
ぬめりを生じてパイル等の素材感や風合を損なうという
ようなことがない。
従って、この織編地を布団の側地、布団カバー、枕カ
バー、タオルケット、毛布の衿部カバー等に用いると、
使用時、すなわち就寝時の寝返り等による織編地に対す
る物理的な摩擦力や屈曲歪み等にによってマイクロカプ
セルの壁膜が破れ、徐々に内部の香料が露呈してほどよ
い香りを発散する芳香寝装品が得られるのである。しか
も、プリントによって芳香マイクロカプセルを織編地に
固着させるようになっているため、マイクロカプセルの
使用量を少なく抑えることができ、また、香料封入マイ
クロカプセル及びシリコン系樹脂バインダーを含有する
処理剤によるプリントを、織編地の表裏面のいずれか一
面のみに施すか、あるいは表裏面の両面共に施すかとい
うことを、寝装品の種類や好みに応じて適宜選択するこ
とができる。更に、プリント模様の一部を形成する処理
剤のみに上記香料封入マイクロカプセル及びシリコン系
樹脂バインダーを含有させる等、きめこまやかな対応も
極めて容易に行うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、以下の実施例中の数値の基本となる試験方法は
次の通りである。
(1)引裂強力 JIS L−1096 D法 (2)洗 濯 JIS L−0217 103法 (3)香 り 試験者10人を対象として下記に示す基
準で点数評価した平均値で示す。
5:最適な香り 4:少し少ない 3:半分程度 2:少し有 1:ほとんど無 0:無 (4)変 色 K/S濃度 K/S=(I−R)2/2R (R:分光光度計の最大吸収波長) ○:K/S濃度の変化 3%以下 ×: 〃 10%以上 〈実施例1〉 通常公知の方法にて精錬、晒、シルケット、染色を行
った径60番手、糸密度90本/インチ、緯60番手、糸密度
88本/インチ、目付70g/m2の綿平織物を得た。この平織
物に、フレグランスSH3037(高砂香料工業(株)製ラベ
ンダー系合成香料)92%を含む粒子径5〜15μ(平均10
μ)からなる尿素−ホルマリン樹脂を壁膜とするマイク
ロカプセル47%を含む水分散液をそれぞれ(A)0.2
%、(B)1.0%、(C)3.0%及オルガノポリシロキサ
ンプレポリマーエマルジョンのKM2002L−1(信越化学
(株)製)5.0%、及び分子量72万のポリアクリル酸ソ
ーダ塩5.0%からなる水性緩衝剤をそれぞれ(A)94.8
%、(B)94.0%、(C)92.0%からなる処理剤を120
メッシュ・フラットスクリーンでプリントを行い、しか
る後、130℃で1分間乾燥を行った。
得られた織地を側地とする布団カバーを製造し、この
物性及び香りの耐久性を試験した。その結果を第1表に
示す。
〈比較例1〉 実施例1で使用したものと同一の綿平織物の使用し、
フレグランスSH3037(高砂香料工業(株)製ラベンダー
系合成香料)92%ぽ含む粒子径5〜15μ(平均10μ)か
らなる尿素−ホルマリン樹脂を壁膜とするマイクロカプ
セル47%を含む水分散液を1.0%、及びバインダーLE−2
5(林化学工業(株)製アクリルバインダー)5.0%、及
びファインガムHE(第一工業(株)製カルボキシメチル
セルロース)5.0%からなる水性糊剤を94%、からなる
粘度5800cpc(BM型粘度計20℃)の処理剤を120メッシュ
・フラットスクリーンによりプリントを行った後、130
℃で1分間乾燥を行った。
得られた織地で実施例1と同じく布団カバーを製造し
同一の試験を行った結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明は、以上に述べた構成をとることにより、次の
ような効果を奏する。
まず、本発明の芳香寝装品に用いる織編地に香料封入
マイクロカプセルを付着させているため、就寝中の寝返
り等による摩擦、あるいは意図的な摩擦により少しずつ
マイクロカプセルの壁膜が破れて好適な香りを発散す
る。従って、この香りは一気に発散されて消失してしま
うものではなく、充分な持続性を有するものである。
また、香料封入マイクロカプセルを、プリントにより
織編地に固着させるようになているため、香料封入マイ
クロカプセル及びシリコン系樹脂バインダーを含有する
顔料によるプリントを、織編地の表裏面のいずれか一面
のみに施すか、あるいは表裏面の両面共に施すかという
ことを、寝装品の種類や好みに応じて適宜選択すること
ができる。更に、プリント模様の一部、例えば複数色の
花びらからなる花模様の中の特定の花びらを形成する処
理剤のみに上記香料封入マイクロカプセル及びシリコン
系樹脂バインダーを含有させる等、きめこまやかな対応
も極めて容易に行うことが可能となる。
また、香料封入マイクロカプセルが、水の除去により
硬化してゴム状皮膜を形成して耐久性ある接着効果を奏
するシリコン系樹脂バインダーとともに特定の範囲内の
割合で処理剤に含有され、このシリコン系樹脂バインダ
ーの接着作用により織編地の強固に固着されているた
め、使用前に香料封入マイクロカプセルが容易に脱落し
てしまうことがなく、寝装品の使用時、すなわち就寝時
の寝返り等の摩擦によって初めてマイクロカプセルが破
壊されて芳香が効果的に発散されることとなる。
そして、本発明においては、香料封入マイクロカプセ
ル及びシリコン系樹脂バインダーの付着量を特定範囲内
とすることにより、シリコン系樹脂バインダーを織編地
に付与することにより生じがちな問題の発生が防止され
ている。すなわち、シリコン系樹脂バインダーを過度に
織編地に付与すると、シリコン独特の滑り、ぬめりが生
じ、このシリコン系樹脂バインダーの付着した部位のみ
が部分的に乾燥不足のようなぬるぬるとした感じになる
ことを免れず、パイル等の素材感を損なったり、使用時
に不快感を与えたりするものとなってしまい、商品価値
を低下させてしまうこととなるが、本発明においては、
付着量が上記特定の範囲内となっているため、織編地面
に香料封入マイクロカプセルを強固に固着させること
と、素材感を損なわず寝装品として良好な風合、感触を
保つこととの両立を可能としているのである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表裏面の少なくとも一面にプリント模様を
    有し、このプリント模様の少なくとも一部を形成する処
    理剤が、香料封入マイクロカプセル及びシリコン系樹脂
    バインダーを下記の(A)を満たす状態で含有し、上記
    処理剤によるプリント部分に、下記の(B)を満たす状
    態で上記香料封入マイクロカプセル及びシリコン系樹脂
    バインダーが固着されている芳香織編地を用いたことを
    特徴とする芳香寝装品。 (A)芳香封入マイクロカプセル(a)とシリコン系樹
    脂バインダー(b)との重量比a:bが、2:1〜1:5であ
    る。 (B)香料封入マイクロカプセル(a)とシリコン系樹
    脂バインダー(b)との付着量(a+b)が、織編地に
    おける付着部分の全体重量の0.2〜8.0重量%である。
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