JP2553183Y2 - 乾式目地ジョイナー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、乾式目地ジョイナー
に関するものである。さらに詳しくは、この考案は、表
面に溝部を有する外装材の端面接合部の耐水、耐凍害
性、および外観意匠性を向上させ、しかも外装材の伸縮
等による寸法変化に追随することのできる乾式目地ジョ
イナーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、住宅等の建物への外装材の取
付けに際しては、たとえば図４の平面図に示したよう
に、外装材（ア）相互の接合部（イ）に乾式目地ジョイ
ナー（ウ）を配設して外装材（ア）を取付けている。こ
の場合の乾式目地ジョイナー（ウ）としては、これまで
に種々の形状のものが提供されてきており、たとえば図
５に示したような乾式目地ジョイナー（ウ）が知られて
もいる。

【０００３】この乾式目地ジョイナー（ウ）は、上部材
（エ）と下部材（オ）の２つの部材からなっており、こ
れら２つの部材は脱着自在となっている。下部材（オ）
は、その底板部（カ）に一対の対向する垂直側板（キ）
を立設しており、この間に上部材（エ）の突起部（ク）
を挿入固定するようにしている。上部材（エ）は全体が
ゴム等の軟質材からなり、目地クッション片（ケ）を外
装材（コ）の端面に当接している。この目地クッション
片（ケ）は、下部材（オ）の対向する垂直板（キ）に延
設した軟質材等からなる目地クッション片（サ）ととも
に外装材（コ）の伸縮等による寸法変化に確実に追随す
ることができる。このため、外装材（コ）の端面との間
に隙間が発生することなく、雨水等の侵入を防止するこ
とができる。また下部材（オ）を露出することなく、仕
上がり外観を良好なものとしている。

【０００４】また、この乾式目地ジョイナー（ウ）は、
上部材（エ）の突起部（ク）に嵌合突起（シ）を有し、
上部材（エ）と下部材（オ）の結合を強固とし、突起部
（ク）の挿入深度を調節可能として、接合する外装材
（コ）の厚さ変化に対応するようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば図５に例示したような従来の乾式目地ジョイナー
（ウ）の場合には、他の目地ジョイナーに比較して優れ
た特徴を有するものの、たとえば図６に例示したよう
な、表面に溝模様を有する外装材（タ）の接合部（チ）
に使用するのには不向きであった。すなわち、上部材
（エ）の目地クッション片（ケ）を外装材（タ）の溝部
（ト）表面の高さに合わせた場合には、外装材（タ）の
凸部端面（ナ）が露出するため外観意匠性が低下し、し
かもその木口（テ）が欠け落ちる危険性が大きくなる。
一方、上部材（エ）の目地クッション片（ケ）を外装材
（タ）の凸部表面（ツ）の高さに合わせた場合には、目
地クッション片（ケ）と溝部（ト）の間に隙間が発生
し、接合部（チ）の防水性が低下するのが避けられず、
また外装材（タ）の溝部（ト）に目地クッション片
（ケ）が露出するため、外装材（タ）の外観意匠性を損
うという問題を有してもいた。

【０００６】この考案は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の乾式目地ジョイナーの欠点を
解消し、接合する外装材が表面に溝部を有する場合に、
その接合部の耐水、耐凍害性を良好とし、しかも外観意
匠性を向上させることのできる、改良された乾式目地ジ
ョイナーを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この考案は、上記の課題
を解決するものとして、対向する一対の垂直板が底板部
に立設された外壁下地材固定用の下部材と、前記垂直板
間に挿入固定される突起部および外装材端面に当接可能
とした目地クッション片を備え、頂部両端側縁に目地封
止片が延設された上部材とからなる乾式目地ジョイナー
であって、前記目地封止片には、両端縁から内側に向か
って切り欠いた形状の切欠け部が形成されていることを
特徴とする乾式目地ジョイナーを提供する。

【０００８】

【実施例】以下、添付した図面に沿って実施例を示し、
この考案についてさらに詳しく説明する。図１は、この
考案の乾式目地ジョイナーの構成を例示した断面斜視図
である。たとえばこの例においては、乾式目地ジョイナ
ー（１）は、上部材（２）と下部材（３）との２つの部
材からなっており、これらの部材は脱着自在となってい
る。下部材（３）は、塩化ビニル等の硬質難燃性樹脂か
らなり、対向する一対の垂直板（４）が底板部（５）に
立設されている。底板部（５）は、金属薄板からなる補
強芯（６）を有している。この底板部（５）が単一面を
構成し、上記の通りに補強芯（６）を有することによ
り、下部材（３）を外壁下地材に固定する際、その施工
直線度を良好とすることができる。なお、底板部（５）
には、従来例と同様に雨水等の浸入を防止するための水
切りひれ（７）を設けることができる。

【０００９】一方、上部材（２）は、全体がゴム等の軟
質材料から形成されている。この上部材（２）は、接合
する外装材の溝部に対応する形状とした切欠け部（８）
を有する目地封止片（９）と、外装材端面に当接する二
対の目地クッション片（１０）、および下部材（３）の
対向する垂直板（４）の間に挿入固定される突起部（１
１）とを備えている。目地封止片（９）は、上部材
（２）の頂部両端側縁に延設されており、切欠け部
（８）は、目地封止片（９）の両端縁から内側に向かっ
て切欠き形成されている。突起部（１１）は、両端面に
二対の小さな嵌合突起（１２）を備えている。嵌合突起
（１２）は弾性を有しており、これに発生する弾性力を
利用して、下部材（３）の垂直板（４）の間に突起部
（１１）を嵌合固定するのを可能としている。突起部
（１１）の挿入深度はある程度まで調節可能となっても
いる。

【００１０】図２はこの乾式目地ジョイナー（１）を用
いた外装材の接合例を示した断面斜視図である。この図
２に例示したように、この考案の乾式目地ジョイナー
（１）は、上部材（２）の目地封止片（９）が接合する
外装材（１３）の溝部（１４）に対応した切欠け部
（８）を有するため、目地封止片（９）の表面露出部分
と外装材（１３）の端縁木口形状とが完全に一致する。
このため、目地封止片（９）が外装材（１３）の溝部
（１４）に露出することがなく、外装材目地部の外観意
匠性が向上する。

【００１１】また、目地封止片（９）が外装材（１３）
の端縁木口面を完全に封止して覆い隠し、しかも目地ク
ッション片（１０）が、その軟質弾性力により、外装材
（１３）の伸縮等による寸法変化に追随し、外装材（１
３）の端面に常に密着するため、接合部の防水性は極め
て良好である。もちろんこの考案は、以上の例によって
限定されるものではない。外装材表面の溝部の形状や、
上部材および下部材の細部の構成等については、様々な
態様が可能であることは言うまでもない。

【００１２】たとえば、図３の正断面図に接合例を示し
たように、厚みが小さい外装材（１３′）に対しては、
一対の目地クッション片（１０）を有する上部材
（２′）を用いるようにする。このように、この考案の
乾式目地ジョイナー（１）は、脱着自在な上部材（２）
と下部材とからなるため、接合する外装材（１３）の形
状や厚み等に応じて作成した種々の上部材（２）を下部
材（３）に固定することができる。

【００１３】

【考案の効果】以上詳しく説明した通り、この考案によ
って、表面に溝部を有する外装材を接合する場合に、そ
の端縁木口面を完全に封止することができる。接合部の
耐水、耐凍害性は向上し、仕上がり外観や外観意匠性も
向上する。しかも、接合力は強固であり、また、外装材
の寸法変化にも確実に追随することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の乾式目地ジョイナーの一実施例を示
した断面斜視図である。

【図２】図１に例示した乾式目地ジョイナーによる外装
材の接合例を示した断面斜視図である。

【図３】この考案の乾式目地ジョイナーの別の実施例に
よる外装材の接合例を示した正断面図である。

【図４】外装材の接合部を示した平面図である。

【図５】従来の乾式目地ジョイナーによる外装材の接合
例を示した正断面図である。

【図６】表面に溝模様を有する外装材を例示した斜視図
である。

【符号の説明】

１ 乾式目地ジョイナー ２，２′ 上部材 ３ 下部材 ４ 垂直板 ５ 底板部 ６ 補強芯 ７ 水切りひれ ８ 切欠け部 ９ 目地封止片 １０ 目地クッション片 １１ 突起部 １２ 嵌合突起 １３，１３′ 外装材 １４ 溝部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する一対の垂直板が底板部に立設さ
   れた外壁下地材固定用の下部材と、前記垂直板間に挿入
   固定される突起部および外装材端面に当接可能とした目
   地クッション片を備え、頂部両端側縁に目地封止片が延
   設された上部材とからなる乾式目地ジョイナーであっ
   て、前記目地封止片には、両端縁から内側に向かって切
   り欠いた形状の切欠け部が形成されていることを特徴と
   する乾式目地ジョイナー。