JP2553091Y2 - 屋根パネル吊下装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、パネル基体上に複数の
屋根材を敷設して屋根パネルを形成し、該屋根パネルを
屋根上に設置するために吊下支持する屋根パネル吊下装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、図９に示す如く、家屋の屋根は、
屋根下地（イ）上に屋根材（ロ）を並設固定して施工さ
れていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、屋根材（ロ）を一枚づつ並べて固
定しなければならず、施工が面倒なものであった。

【０００４】そこで、図10に示す如く、パネル基体
（ハ）上に複数の屋根材（ロ）を敷設して屋根パネル
（ニ）を形成し、該屋根パネル（ニ）を屋根上に施工す
ることが考えられた。この場合には、複数の屋根材
（ロ）をまとめて屋根パネル（ニ）として簡単に屋根上
に施工することができるものである。

【０００５】又、この場合、屋根パネル（ニ）のパネル
基体（ハ）の周縁部に吊り具（ホ）を取着し、該吊り具
（ホ）を紐体（ヘ）にて吊下支持してなる屋根パネル吊
下装置が採用されており、該屋根パネル吊下装置によっ
て、同屋根パネル（ニ）は屋根上へ吊り上げられて設置
施工されるものである。しかしながら、該屋根パネル吊
下装置においては、板状のパネル基体（ハ）の周縁部に
吊り具（ホ）が釘打ち固定されてはいるものの、この場
合、屋根パネル（ニ）が屋根上に設置された後に、吊り
具（ホ）は不用且つ邪魔になって取り外されるべきもの
であり、そのため、吊り具（ホ）はパネル基体（ハ）に
それほど強固には固定されないものであって、紐体
（ヘ）によって内方へ引っ張られる同吊り具（ホ）が、
内方へ傾き且つぐらつき動き易くて、同パネル基体
（ハ）から外れてしまう危険性を有するものである。

【０００６】本考案は、上記従来の技術における問題を
解決するために考案されたものであり、すなわちその課
題は、複数の屋根材をまとめて屋根パネルとして簡単に
屋根上に設置施工することができ、しかも、該屋根パネ
ルが吊り具によって確実安全に吊下支持されて屋根上に
設置施工される屋根パネル吊下装置を提供することであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の屋根パネル吊下
装置は、パネル基体上に複数の屋根材を敷設して屋根パ
ネルを形成し、該屋根パネルの周縁部に吊り具を取着
し、該吊り具を紐体にて吊下支持してなる屋根パネル吊
下装置であって、パネル材の下面に複数本の桟材を並設
固定してパネル基体を形成し、該屋根材が敷設されたパ
ネル基体の桟材の端部間の空所において同桟材の内側面
に、略Ｌ字型の吊り具の下片部を取着してなり、この構
成によって上記課題が解決されたものである。

【０００８】

【作用】本考案の屋根パネル吊下装置においては、パネ
ル基体上に複数の屋根材が敷設されて屋根パネルが形成
されるため、複数の屋根材をまとめて同屋根パネルとし
て簡単に屋根上に設置施工することができるものであ
る。又、同屋根パネルの周縁部に吊り具が取着され、該
吊り具が紐体にて吊下支持されてなる屋根パネル吊下装
置であって、パネル材の下面に複数本の桟材が並設固定
されてパネル基体が形成され、該パネル基体の桟材の端
部付近の内側面に、略Ｌ字型の吊り具の下片部が取着さ
れるため、該吊り具の下片部が同桟材の内側面から万一
外れても、該吊り具の下片部は、桟材間にあってパネル
材の端縁部に係止され、同屋根パネルは確実安全に吊下
支持されて屋根上に設置施工されるものである。しか
も、この場合に、屋根材が敷設されたパネル基体の桟材
の端部間の空所において同桟材の内側面に略Ｌ字型の吊
り具の下片部が取着されるため、敷設された屋根材が邪
魔になることなく、端部側から空所における取着箇所を
目で見て確認しながら、簡単且つ確実に吊り具の取着作
業を行なうことができるものである。

【０００９】

【実施例】図１、図２、図３、図４、図５に示す屋根パ
ネル吊下装置は、本考案の一実施例で、パネル基体１上
に複数の屋根材２を敷設して屋根パネル３を形成し、該
屋根パネル３の周縁部に吊り具４、５を取着し、該吊り
具４、５を紐体６にて吊下支持してなる屋根パネル吊下
装置であって、パネル材７の下面に複数本の桟材８を並
設固定してパネル基体１を形成し、該屋根材２が敷設さ
れたパネル基体１の桟材８の端部間の空所において同桟
材８の内側面に、略Ｌ字型の吊り具４の下片部９を取着
してなるものである。

【００１０】該実施例の屋根パネル吊下装置において
は、屋根パネル３の相対向する前後二辺の両側に各々吊
り具５、４が取着され、各吊り具５、４が上方へ収束し
た四本の紐体６にて吊下支持されている。

【００１１】パネル基体１は、木製のパネル材７の下面
に三本の桟材８を並設固定して形成されており、該パネ
ル基体１の前端部分には、桟材８の前端面に固着される
前板10が設けられている。又、該パネル基体１の上面に
は防水シ−ト11が貼着されており、該防水シ−ト11上に
屋根材２が敷設固定されるものである。該屋根材２はセ
メント系の横長形状の無機質瓦で、パネル基体１上に上
下方向に五枚並設固定されている。

【００１２】前側の対の吊り具５と後側の対の吊り具４
とは形状が異なっており、前側の吊り具５は略コ字型に
屈曲した棒状体にて形成されており、後側の吊り具４は
本考案でいう下片部９を有する略Ｌ字型の吊り具４とし
て形成されている。前側の吊り具５は、屋根先突出部分
を避けるように略Ｌ字型に屈曲しているが、その後方下
端には、桟材８に嵌着される略コ字状の嵌着部12と、該
嵌着部12の前方において前板10の前面に当止される前当
片部13が設けられ、同吊り具５の上端には吊り掛け輪部
14が形成されている。又、後側の対の吊り具４は略Ｌ字
型の本考案の吊り具４であって、その板状の下片部９が
桟材８の端部付近の内側面に取着されており、該吊り具
４の上端にも吊り掛け輪部14が形成されている。

【００１３】紐体６の下端にはフック片15が設けられて
おり、各フック片15が吊り具４、５の吊り掛け輪部14に
各々係止結合されている。又、前側、後側において各々
対となった両紐体６の中程間には、バ−材16が突っ張り
状に架設されており、各吊り具４、５に紐体６による無
理な引っ張り力がかからないようになっている。

【００１４】屋根パネル３は、棟木17と軒桁18との間に
架設固定されるものであり、該屋根パネル３を側方へ数
個並設固定するだけで、屋根の一傾斜面が簡単に施工形
成されるものである。又、屋根材２は側方へずらせて敷
設固定されていて、パネル基体１の一方の側端に突出部
19、同他方の側端に凹段部20が形成されており、突出部
19が凹段部20上に係合されることによって、屋根パネル
３は側方へと相互に接合されて屋根上に並設固定されて
いる。又、その際、凹段部20には、防水シ−ト10上に接
着され屋根材２との間に介在固定された目地用接続シ−
ト21が被着されており、該目地用接続シ−ト21の上面に
は、複数条の水切り凸条22が突設されていて、該水切り
凸条22が突出部19の屋根材２の裏面に密着することによ
って、屋根パネル３の接続部分での防水性が確保される
ものである。

【００１５】吊り具４は、金属製の棒状体23の下端に同
金属製で板状の下片部９を溶接一体化してなり、同棒状
体23の上端に吊り掛け輪部14が一体に形成されている。
又、下片部９には一対のだるま孔24が穿設されており、
該両だるま孔24が桟材８の内側面に固定される一対の螺
子体25に係止されて、同下片部９は桟材８の内側面に取
着されるものである。この場合、だるま孔24の上円孔部
26において螺子体25に着脱され、吊下支持状態にあって
は、だるま孔24の下長孔部27に螺子体25が位置して外れ
ないものである。

【００１６】したがって、該実施例の屋根パネル吊下装
置においては、パネル基体１上に複数の屋根材２が敷設
されて屋根パネル３が形成されるため、複数の屋根材２
をまとめて同屋根パネル３として簡単に屋根上にクレ−
ン等により吊り上げて設置施工することができるもので
ある。又、この場合、パネル材７の下面に複数本の桟材
８が並設固定されてパネル基体１が形成され、該パネル
基体１の桟材８の端部付近の内側面に、略Ｌ字型の吊り
具４の下片部９が取着されており、該吊り具４の下片部
９が同桟材８の内側面から万一外れても、該吊り具４の
下片部９は、桟材８間にあってパネル材７の端縁部に係
止されるため、同屋根パネル３は確実安全に吊下支持さ
れて屋根上に設置施工されるものである。又、該実施例
においては、螺子体25にだるま孔24が係止されて吊り具
４の下片部９が桟材８の内側面に取着されているため、
吊り具４の着脱が容易で、吊下状態では吊り具４が確実
に係止取着されているものである。

【００１７】しかも、該実施例においては、屋根材２が
敷設されたパネル基体１の桟材８の端部間の空所におい
て同桟材８の内側面に略Ｌ字型の吊り具４の下片部９が
取着されるため、敷設された屋根材２が邪魔になること
なく、端部側から空所における取着箇所を目で見て確認
しながら、簡単且つ確実に吊り具４の取着作業を行なう
ことができるものである。又、該実施例においては、図
６に示す如く、螺子体25に代えて釘体28を使用しても良
く、又、下片部９と棒状体23とを枢着し、同棒状体23の
上端の吊り掛け輪部14を回動自在となして、該吊り具４
の吊り掛け輪部24に結合される紐体６の捩じれを防止し
ても良いものである。

【００１８】なお、本考案の屋根パネル吊下装置におい
ては、図７、図８に示す実施例の如きであっても良いも
のである。すなわち、該実施例の屋根パネル吊下装置に
あっては、パネル材７の下面に四本の桟材８を並設固定
してパネル基体１が形成されており、該パネル基体１の
前後の端部において、桟材８の端部付近の内側面に、略
Ｌ字型の吊り具４の下片部９が取着されている。該吊り
具４は、略Ｌ字型に打ち抜かれた金属板を折曲加工して
形成したものであり、縦片部29の下端一側縁部分に折曲
した下片部９が一体に形成されている。又、縦片部29の
上端付近には紐体６が結合される結合孔30が穿設されて
おり、下片部９には螺子体25が挿入されて桟材８の内側
面に固着される固定用孔31が穿設されている。

【００１９】

【考案の効果】上述の如く、本考案の屋根パネル吊下装
置においては、パネル基体上に複数の屋根材が敷設され
て屋根パネルが形成されるため、複数の屋根材をまとめ
て同屋根パネルとして簡単に屋根上に設置施工すること
ができ、又、パネル材の下面に複数本の桟材が並設固定
されてパネル基体が形成され、該パネル基体の桟材の端
部付近の内側面に、略Ｌ字型の吊り具の下片部が取着さ
れており、該吊り具の下片部が同桟材の内側面から万一
外れても、該吊り具の下片部は、桟材間にあってパネル
材の端縁部に係止されるため、同屋根パネルは確実安全
に吊下支持されて屋根上に設置施工されるものである。
しかも、この場合に、屋根材が敷設されたパネル基体の
桟材の端部間の空所において同桟材の内側面に略Ｌ字型
の吊り具の下片部が取着されるため、敷設された屋根材
が邪魔になることなく、端部側から空所における取着箇
所を目で見て確認しながら、簡単且つ確実に吊り具の取
着作業を行なうことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である屋根パネル吊下装置を
示す下方斜視図である。

【図２】同屋根パネル吊下装置の上方斜視図である。

【図３】同屋根パネル吊下装置の施工状態を示す斜視図
である。

【図４】図３におけるＸ−Ｘ断面図である。

【図５】同屋根パネル吊下装置の要部斜視図である。

【図６】同屋根パネル吊下装置の応用実施形態を示す要
部斜視図である。

【図７】別の実施例である屋根パネル吊下装置を示す下
方斜視図である。

【図８】同屋根パネル吊下装置における吊り具を示す斜
視図である。

【図９】本考案の従来例の施工状態を示す斜視図であ
る。

【図10】本考案に至る前の屋根パネル吊下装置を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ パネル基体 ２ 屋根材 ３ 屋根パネル ４ 吊り具 ６ 紐体 ７ パネル材 ８ 桟材 ９ 下片部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 近藤 健也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−293261（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−120786（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル基体上に複数の屋根材を敷設して
   屋根パネルを形成し、該屋根パネルの周縁部に吊り具を
   取着し、該吊り具を紐体にて吊下支持してなる屋根パネ
   ル吊下装置であって、パネル材の下面に複数本の桟材を
   並設固定してパネル基体を形成し、該屋根材が敷設され
   たパネル基体の桟材の端部間の空所において同桟材の内
   側面に、略Ｌ字型の吊り具の下片部を取着してなる屋根
   パネル吊下装置。