JP2553000Y2

JP2553000Y2 - 真空式温水ボイラの多缶設置

Info

Publication number: JP2553000Y2
Application number: JP1991110797U
Authority: JP
Inventors: 直樹小畑
Original assignee: 株式会社サムソン
Priority date: 1991-12-17
Filing date: 1991-12-17
Publication date: 1997-11-05
Anticipated expiration: 2006-12-17
Also published as: JPH0628551U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、複数台の真空式温水ボ
イラを設置するシステムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】真空式温水ボイラは、ボイラ本体内に加
熱を行う燃焼室と熱媒水を溜めた真空密閉容器を設け、
真空密閉容器内に熱交換器を設置しておき、燃焼室内で
の燃焼によって熱媒水を加熱し、熱交換器に水を通すこ
とで熱媒水と熱交換を行い温水を得る仕組みになってい
る。上記真空式温水ボイラを複数台設置し、燃焼台数の
制御を行う方法として、熱負荷への供給配管や熱負荷か
らの戻り配管に温度検出装置を設け、温水の検出温度と
設定温度との温度差に応じて制御するようにしたものが
ある。しかし、熱媒水によって温水を得ている場合、熱
交換器出口の温水温度と熱媒水の温度には差が生じるた
め、温水温度が低いと熱媒水温度が許容温度以上に上昇
しても燃焼を続ける可能性があり、熱媒水温度が異常に
上昇した場合にはボイラが異常停止し、温水を安定的に
供給することができない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案では、熱媒水に
よって温水を得ている真空式温水ボイラを複数台設置し
た構成において、熱媒水温度が許容温度以上に上昇する
ことで、安定した温水の供給ができなくなるのを防止す
ることを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、熱媒水温度を一定に保つように燃焼制御を行う真
空式温水ボイラを熱負荷への供給配管並びに戻り配管に
並列に複数台接続し、各々のボイラへの枝配管の途中に
ポンプ、共通の配管途中に温度検出装置を設置し、温度
検出装置にて検出された温水温度の検出値と設定してお
いた温水温度の設定値を比較し、検出値と設定値の差に
よって枝配管の途中に設けたポンプの稼働を制御する制
御装置を設けておく。真空式温水ボイラの燃焼を行うこ
とで温水温度が上昇し、共通の配管部分の温水温度が高
くなった場合には、真空式温水ボイラへの枝配管途中に
設けたポンプの稼働を順番に停止させる。通水を停止し
たボイラでは熱媒水温度が上昇し、熱媒水温度が上限値
以上となると燃焼が停止される。共通の配管部分の温水
温度が低くなった場合には、ポンプの稼働を順番に開始
させる。通水が開始されたボイラでは熱媒水温度が低下
し、熱媒水温度が下限値以下となると該当ボイラの燃焼
が開始される。

【０００５】

【作用】各ボイラの燃焼制御は熱媒水温度によって独自
に行われており、ボイラへの通水を停止すると熱媒水と
水の熱交換が無くなるため、燃焼を行っていると熱媒水
温度が上昇し、燃焼を停止する制御が行われる。熱媒水
温度が上昇すると自動的に燃焼を停止するため、熱媒水
の温度が極端に上昇することが無くなり、熱媒水温度に
よる異常停止が無くなる。また、ボイラへの通水が停止
されていても熱媒水温度は一定の値を保っているため、
通水再開時にはすぐに温水を得ることができ、温水の供
給は安定的に行える。温水使用量が多く温水温度が低い
場合には通水するボイラの台数を増加することで温水量
を増加させることができ、温水使用量が少なく温水温度
が高い場合には通水するボイラの台数を減少することで
温水量を減少させることができるので、温水が必要なだ
け効率よく得られる。

【０００６】

【実施例】本考案の一実施例を図面を用いて説明する。
図１に示すように、熱負荷(５)への供給配管(６)並びに
戻り配管(７)に複数台の真空式温水ボイラ(１)を並列に
設置する。ボイラの本体内は図示しないが、加熱を行う
燃焼室と熱媒水を溜めた真空密閉容器を設け、真空密閉
容器内に熱交換器を設置しておき、燃焼室内での燃焼に
よって熱媒水を加熱し、熱交換器に水を通すことで熱媒
水と熱交換を行い温水を得ており、熱媒水の温度によっ
て燃焼制御を行っている真空式温水ボイラとする。ボイ
ラへの枝配管の途中にポンプ(２)を設け、各ポンプ(２)
は電気的に制御装置(４)に接続されており、制御装置
(４)からの信号に応じてポンプ(２)の発停を行うことで
ボイラへの通水を制御する。ボイラからの供給配管(６)
の途中に温度検出装置(３)を設置し、温度検出装置(３)
と制御装置(４)とを電気的に接続しておき、温度検出装
置(３)にて検出した温水温度の検出値を制御装置(４)へ
伝えるようにする。

【０００７】制御装置(４)には温水温度の設定値を入力
しておき、温度検出装置(３)からの検出値と設定値の温
度差によって、図２に示すように稼働するポンプ(２)の
台数を決定し、決定した台数のポンプ(２)を稼働させ
る。この場合、それぞれのポンプ(２)稼働時間を積算
し、積算値を運転時間としておき、ポンプ(２)への発停
信号を出す際に各ポンプ(２)の運転時間を比較して運転
時間が少ないポンプから稼働し、運転時間の多いポンプ
から停止させることで全体の運転時間を均一化する。図
３は制御回路のブロック図を示した図である。

【０００８】各ボイラは熱媒水温度を一定の範囲内に保
つように燃焼制御が行われる。真空式温水ボイラの燃焼
を行うことで温水温度が上昇し、温度検出装置にて検出
されている温水温度の検出値と設定値の温度差が小さく
なった場合には、真空式温水ボイラへの枝配管途中に設
けたポンプの稼働を順番に停止させる。ポンプを停止さ
せることで通水が停止したボイラでは、水と熱媒水の熱
交換が無くなるために熱媒水温度が上昇し、熱媒水温度
が上限値以上となると該当ボイラの燃焼が停止される。
供給している温水量が少ないと温度検出装置での温水温
度が低下し、温度検出装置にて検出されている温水温度
の検出値と設定値の温度差が大きくなった場合には、ポ
ンプの稼働を順番に開始させる。ポンプを稼働させるこ
とで通水が開始されたボイラでは水と熱媒水の熱交換が
行われ、熱媒水温度が低下して熱媒水温度が下限値以下
となると燃焼が開始される。

【０００９】

【考案の効果】本考案の実施により、熱媒水温度が極端
に上昇するまで燃焼が続くことが防止でき、熱媒水の過
熱による突然の異常停止で温水が安定供給できなくなる
ことを防止できる。また、必要な量の温水のみを作り出
すため効率の向上がはかれ、各ボイラの運転時間を均一
化することで寿命の向上がはかれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の３台の真空式温水ボイラを
設置した場合の構成概要説明図

【図２】本考案の台数制御の一実施例の説明図

【図３】本考案の一実施例の制御回路の制御概要ブロッ
ク図

【符号の説明】

１真空式温水ボイラ２ポンプ３温度検出装置４制御装置５熱負荷６供給配管７戻り配管

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】熱媒水の温度によって燃焼制御が行われ、
熱媒水の熱によって温水を得る真空式温水ボイラを複数
台設置し、熱負荷への供給配管並びに熱負荷からの戻り
配管を前記真空式温水ボイラにそれぞれ接続し、共通の
配管途中に温度検出装置、戻り配管から各ボイラへ接続
される枝配管の途中にポンプ、温度検出装置並びにポン
プと電気的に接続され所定の温水温度が設定値として入
力された制御装置を設け、制御装置は温度検出装置から
得られた温水温度と設定値との温度差によって枝配管途
中に設置したポンプの稼働制御を行い、各真空式温水ボ
イラは各々の熱媒水温度によって燃焼制御を行う構成と
した真空式温水ボイラの多缶設置。