JP2552640Y2 - 枚葉式印刷機のタイミング調整装置 - Google Patents

枚葉式印刷機のタイミング調整装置

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JP2552640Y2
JP2552640Y2 JP46092U JP46092U JP2552640Y2 JP 2552640 Y2 JP2552640 Y2 JP 2552640Y2 JP 46092 U JP46092 U JP 46092U JP 46092 U JP46092 U JP 46092U JP 2552640 Y2 JP2552640 Y2 JP 2552640Y2
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音文 井脇
清彦 斎藤
浩隆 井上
信也 大藪
東 霧生
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Description

【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本考案は枚葉式印刷機、特に、枚
葉式オフセット印刷機に使用されるタイミング調整装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、枚葉式オフセット印刷機は被印
刷物(用紙)を一枚ずつ自動的に供給する自動供紙部
と、自動供紙部から供給された被印刷物を押圧したり、
被印刷物に印刷を施す圧胴、版胴のようなシリンダーと
を備えている。このような枚葉式オフセット印刷機で
は、自動供紙部から紙差し不良の状態で被印刷物が供給
されると、単に、印刷物に見当不良が生じるだけでな
く、用紙破損あるいは機械の破損をも招来し、莫大な損
失をもたらす。 【0003】不良紙差しを防止するために、この種のオ
フセット印刷機には、不良紙差し防止装置が設けられて
いる。不良紙差し防止装置は自動供紙部に設置された供
紙台上に配置され、供紙台上の被印刷物の位置を検出す
る複数個の光学検知器及びシリンダーの回転と被印刷物
の供給とを同期させるためのタイミング調整装置とを有
している。 【0004】従来、タイミング調整装置は後述するよう
に、シリンダーの回転軸に取り付けられたカム機構と、
カム機構によってオン、オフする近接スイッチとを備
え、近接スイッチのオンによりタイミング信号を送出す
る。この構成では、カム機構の位置を調整することによ
ってタイミング信号の送出時点を変化させることができ
る。 【0005】上述したタイミング調整装置を用いて、被
印刷物を同期的に供給する場合、光学検知器の出力と近
接スイッチからのタイミング信号とが一致するように、
カム機構の角度位置を調整する必要がある。このため、
従来、印刷機を停止させた状態で、カム機構の調整を行
い、次に、印刷機を運転し、光学検知器の状態とタイミ
ング信号とを比較すると共に、常時、供紙台上の被印刷
物の状態監視を行いながら、被印刷物の供給とタイミン
グ信号との同期をとる方法が採用されている。 【0006】 【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、タイミング調整装置の調整に非常に熟練を要
し、且つ、時間もかかるという欠点がある。更に、タイ
ミング信号の発生時点を変更する場合には、印刷機を停
止させなければならないから、タイミング信号の微調整
が極めて面倒である。したがって、タイミング信号を正
確な時間位置に送出するのが困難である。 【0007】本考案の目的は印刷機を停止させることな
く、タイミング信号の発生時点を簡単に調整、変更確認
できるタイミング調整装置を提供することである。 【0008】本考案の他の目的は高精度且つ、確実に時
間調整を行えるタイミング調整装置を提供することであ
る。 【0009】 【課題を解決するための手段】本考案によれば、シリン
ダーの回転と同期して動作し、シリンダーの回転角をあ
らわす信号をシリンダーの1回転毎に複数回送出する手
段と、シリンダーの回転角を指示する指定度数を送出す
る手段と、指定度数を設定タイミングとして記憶するメ
モリと、回転角と指定度数との一致を検出する手段と、
一致した時点における回転角を表示する手段とを有し、
印刷機の動作中に、設定タイミングを調整できるタイミ
ング調整装置が得られる。 【0010】 【従来技術の詳細】図1を参照すると、本考案を適用で
きる枚葉式オフセット印刷機は供紙部A、給水部B、着
肉部C、印刷部D、及び排紙部Eとを備え、ここでは、
2色オフセット印刷機が例示されている。具体的に述べ
れば、供紙部Aは被印刷物(用紙)10を保持する自動
供紙台11と、自動供紙台11からの用紙10を一枚ず
つ印刷部Dに送り出す供紙板12とを有している。 【0011】図2をも併せ参照すると、供紙板12上に
は、一対の第1の光学検知器15a、第2の光学検知器
15b、一対の第3の光学検知器15c、及び第4の光
学検知器15dが設置されている。 【0012】これら第1乃至第4の光学検知器15a〜
15dは用紙10が供紙板12上に正確に位置決めされ
ているか否かを検出し、不良紙差しを検出するために役
立つ。ここで、第1の光学検知器15aは用紙の縦方向
見当用であり、第2の光学検知器15bは用紙の横方向
見当用である。更に、第3の光学検知器15cは用紙の
角折れを検出し、第4の光学検知器15dは用紙の二枚
重ねを検出するための検出器である。これら光学検知器
により、用紙10の先端及び側辺が機械的に定位置にあ
るか否かを検出し、定位置にあれば、用紙10を供紙板
12から印刷部Dに送り出し、定位置にないことが検出
されると、用紙の供給を停止し、不良紙差しを防止す
る。 【0013】各光学検知器は用紙10が供紙板12上に
導入され、用紙10の前面が供紙台12の前当て16に
当接して瞬間的に静止した状態のとき、出力信号を生成
する。 【0014】図1に戻ると、印刷部Dは給水部B及び着
肉部Cとに接触した版胴c1のほかに、ゴム胴c2、圧
胴c3、受渡胴c4、及び給紙胴c5とを有し、版胴c
1上の絵柄はゴム胴2に写され、給紙胴c5を介して圧
胴c3上に与えられた用紙上に印刷される。印刷された
用紙は受渡胴c4を通じて排紙部Eに送り出される。 【0015】供紙板12から給紙胴c5上に用紙を送り
込む場合、給紙胴c5の紙送りツメに用紙を正確につか
ませることが必要である。このため、供紙板12上に
は、前述したように第1乃至第4の光学検知器15a〜
15dが設けられている。更に、版胴c1の回転と供紙
板12からの用紙10の供給とは同期していなければな
らない。したがって、版胴c1と同期的に回転している
圧胴c3の回転軸には、タイミング調整装置20が取り
付けられている。 【0016】図3(A),(B),及び(C)を参照す
ると、従来のタイミング調整装置20は図2に示した光
学検知器15a〜15dとそれぞれ対応する第1、第
2、第3、及び第4のカム機構21a,21b,21
c、及び21dを備え、各カム機構21a〜21dは個
々に手動的に移動させ調整することができる。このた
め、カム機構21a〜21dを機械的に目盛られた目盛
(図示せず)を見ながら回転角度を設定できる。 【0017】カム機構21a〜21dと接触できる位置
には、それぞれ第1、第2、第3、及び第4の近接スイ
ッチ22a,22b,22c、及び22dが設置されて
いる。この構成では、圧胴c3が回転し、例えば、第1
のカム機構21aが第1の近接スイッチ22aに接触す
ると、第1の近接スイッチ22aが閉成し、第1のタイ
ミング信号が送出される。同様に、第2乃至第4のカム
機構21b〜21dが第2乃至第4の近接スイッチ22
b〜22dにそれぞれ接触すると、第2乃至第4のタイ
ミング信号が送出される。 【0018】第1〜第4のタイミング信号は図2に示さ
れた供紙板12上に用紙10が前当て16に当接して停
止した時点に、第1〜第4の光学検知器15a〜15d
の出力信号と比較される。例えば、第1の近接スイッチ
22aが第1のタイミング信号を送出したとき、第1の
光学検知器15aが2つとも用紙の検知している状態に
あれば、図示しない制御部は縦方向における見当ずれは
ないものと判定する。一方、第1の光学検知器15aの
いずれか一方が用紙を検知した状態になければ、縦見当
不良として、制御部は外部に停止信号を出し、給紙胴c
5に用紙を渡す前に自動供紙を停止させる。同様に、第
2乃至第4の近接スイッチ22b〜22dがタイミング
信号を発生した時点で、対応する各光学検知器15b〜
15dが用紙を検出していれば、不良紙差しなしと判定
し、用紙を検出していなければ、不良紙差し有りと判定
し、自動供紙を停止させる。 【0019】上記したタイミング調整装置20を用いた
場合、タイミング信号の送出時点を変更する際、印刷機
の運転を停止させなければならないため、前述したよう
に、調整に熟練を要し、且つ、時間もかかる。 【0020】 【実施例】図4を参照すると、本考案の一実施例に係る
タイミング調整装置20′は圧胴c3に連結されたロー
タリエンコーダ25を備えている。このロータリエンコ
ーダ25は圧胴c3の1回転毎にN個(例えば、360
0個)のパルスと1個のパルスとを光学的に発生させ
る。これらのパルスはアップダウンカウンタ26に与え
られ、1個のパルスによってリセットされると共に、3
600個のパルスを順次計数する。このように、アップ
ダウンカウンタ26を用いることにより、印刷機が逆方
向に回転しているときでも、正確に度数を指示すること
ができる。 【0021】更に、タイミング調整装置20′は圧胴c
3の回転角度を指定するための度数設定器27及び書込
みスイッチ28とを有している。度数設定器27に設定
された任意の指定度数(360°以内)はメモリ29に
供給される。メモリ29はアドレスカウンタ30によっ
て指示されたアドレスに、指定度数を記憶する。アドレ
スカウンタ30には発振器31からクロックパルスが与
えられており、カウンタ30の内容はクロックパルスを
カウントする度毎に順次変化していく。ここで、クロッ
クパルスはロータリエンコーダ25の1/N(1/36
00)回転毎に、n(例えば、24)個カウントされる
ような繰り返し周波数を有している。したがって、アド
レスカウンタ30はロータリエンコーダ25の1/N回
転中に、n個のアドレスを指定することができ、度数設
定器27からの指定度数を最大n個のアドレスに書き込
むことができる。 【0022】書き込まれた指定度数は一致回路32に与
えられ、この一致回路32においてロータリエンコーダ
25の1回転毎にアップダウンカウンタ26で指示され
る回転角と比較される。一致回路32で一致が検出され
る度毎に、指定度数が表示切替器33を介して度数表示
器34に表示されると共に、指定度数を書き込んだ時の
指定アドレスに対応した出力回路36を通して、外部に
タイミング信号として送出される。 【0023】ここで、アドレスカウンタ30で指定でき
る出力回路36のアドレス数はロータリエンコーダ25
で発生するパルス列の繰り返し周波数と発振器31の繰
り返し周波数とによって定まる。実験によれば、印刷機
の最高速度において24以上の数のアドレスを指定でき
た。このアドレス数が1台のロータリエンコーダ25よ
って出力出来るタイミング信号の個数となる。 【0024】上記したメモリ29はRAMによって構成
されているため、指定度数の書込み変更が容易に行え、
且つ、バックアップ電源を用意しておけば、実用上差し
支えない範囲で長時間、記憶内容を保持できる。 【0025】ロータリエンコーダ25、メモリ29、及
び一致回路32を有するタイミング調整装置を使用すれ
ば、各出力回路36の度数を表示切替器32を介して度
数表示器34に表示させ、現在使用しているタイミング
度数を容易に知ることもできる。度数表示器34は常時
表示させる必要はなく、単に確認すれば良いため、数個
の出力に対して1個で良い。 【0026】次に、図示したタイミング調整装置20′
は各光学的検知器15がどの度数で用紙を検知している
かを確認するために使用することができる。具体的に述
べると、各光学検知器15の出力信号は切替器37及び
増幅器38を介して一致回路32に与えられ、アップダ
ウンカウンタ26の出力と比較される。尚、各光学検知
器15の出力信号は外部回路にも与えられ、不良紙差し
検出の際、印刷機の運転を停止させる。 【0027】一致回路32では、アップダウンカウンタ
26の出力信号と光学検知器15の出力信号とが一致す
ると、一致信号を出力し、その数値を表示切替器32を
切り替えて、度数表示器34に表示させる。これによっ
て、光学検知器15における用紙の検知した度数を確認
することができる。この検知度数を参照してタイミング
度数を容易に設定でき、且つ、検知度数とタイミング度
数との差を精度として計算することも可能である。 【0028】 【考案の効果】以上述べた通り、本考案では、度数設定
器から与えられるタイミング度数を印刷機を停止させる
ことなく設定でき、動作確認も表示器の指示により確実
に行える。また、本考案に係るタイミング調整装置はタ
イミング調整に要する時間を約10分の1に短縮でき、
且つ、精度を著しく向上させることができた。一旦タイ
ミングを設定した後は、タイミングの微調整が実際上、
不要となり、もし、より精密な度数が必要な場合には、
簡単に、タイミングを調整できる。更に、本考案は従来
装置では行えなかった運転中の各タイミングの度数表示
確認、各光学検知器の検知度数の表示確認を行える。こ
のため、不良紙差し防止装置が正常に動作しているかど
うかを確認できると共に、不良紙差し防止装置が誤動作
しないように事前に対策をたてることも可能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本考案を適用できる枚葉式オフセット印刷機の
概略構成を示す図。 【図2】図1に示された供紙部をより具体的に説明する
ための図。 【図3】(A),(B)、及び(C)は従来のタイミン
グ調整装置を説明するための図。 【図4】本考案の一実施例に係るタイミング調整装置を
示すブロック図である。 【符号の説明】 A 供紙部 B 給水部 C 着肉部 D 印刷部 E 排紙部 c1〜c5 シリンダー 10 用紙 11 自動供紙台 12 供紙板 15a〜15d 光学検知器 20,20′ タイミング調整装置 25 ロータリエンコーダ 26 アップダウンカウンタ 27 度数設定器 28 書込みスイッチ 29 メモリ 30 アドレスカウンタ 31 発振器 32 一致回路 33 表示切替器 34 度数表示器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大藪 信也 茨城県稲敷郡阿見町大字香澄の里29番地 太洋電機産業株式会社内 (72)考案者 霧生 東 茨城県稲敷郡阿見町大字香澄の里29番地 太洋電機産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−82915(JP,A) 特開 昭58−104749(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 1.被印刷物の位置を検出する用紙位置検出手段を備
    え、被印刷物を一枚ずつ自動的に供給する自動供紙部、
    及び、前記自動供紙部からの被印刷物を送るシリンダー
    を備えた枚葉式印刷機のタイミング調整装置において、
    前記シリンダーの回転と同期して動作し、前記シリンダ
    ーの回転角を前記シリンダーの1回転毎に複数回指示す
    る手段と、前記被印刷物の用紙位置検出手段上の位置と
    関連して、前記シリンダーの回転角を指定度数として設
    定、指示する手段と、前記指定度数を設定タイミングと
    して記憶するメモリと、前記シリンダーの回転角と前記
    設定タイミングとの一致を検出する手段と、一致した時
    点における数値を表示する手段とを有し、前記枚葉式印
    刷機の動作中に前記設定タイミングを調整できることを
    特徴とする枚葉式印刷機のタイミング調整装置。
JP46092U 1984-01-06 1992-01-10 枚葉式印刷機のタイミング調整装置 Expired - Lifetime JP2552640Y2 (ja)

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JPH08458U JPH08458U (ja) 1996-03-08
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