JPH08458U - 枚葉式印刷機のタイミング調整装置 - Google Patents

枚葉式印刷機のタイミング調整装置

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JPH08458U
JPH08458U JP46092U JP46092U JPH08458U JP H08458 U JPH08458 U JP H08458U JP 46092 U JP46092 U JP 46092U JP 46092 U JP46092 U JP 46092U JP H08458 U JPH08458 U JP H08458U
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音文 井脇
清彦 斎藤
浩隆 井上
信也 大藪
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被印刷物とタイミング信号とを印刷機を停止
させることなく同期させることにある。 【構成】 シリンダーの回転角を指定度数として記憶さ
せておき、この指定度数を順次読み出すと共に、実際の
回転角と比較する。比較の結果、一致した時の回転角を
表示して、設定タイミングを調整する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は枚葉式印刷機、特に、枚葉式オフセット印刷機に使用されるタイミン グ調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、枚葉式オフセット印刷機は被印刷物(用紙)を一枚ずつ自動的に供給 する自動供紙部と、自動供紙部から供給された被印刷物を押圧したり、被印刷物 に印刷を施す圧胴、版胴のようなシリンダーとを備えている。このような枚葉式 オフセット印刷機では、自動供紙部から紙差し不良の状態で被印刷物が供給され ると、単に、印刷物に見当不良が生じるだけでなく、用紙破損あるいは機械の破 損をも招来し、莫大な損失をもたらす。
【0003】 不良紙差しを防止するために、この種のオフセット印刷機には、不良紙差し防 止装置が設けられている。不良紙差し防止装置は自動供紙部に設置された供紙台 上に配置され、供紙台上の被印刷物の位置を検出する複数個の光学検知器及びシ リンダーの回転と被印刷物の供給とを同期させるためのタイミング調整装置とを 有している。
【0004】 従来、タイミング調整装置は後述するように、シリンダーの回転軸に取り付け られたカム機構と、カム機構によってオン、オフする近接スイッチとを備え、近 接スイッチのオンによりタイミング信号を送出する。この構成では、カム機構の 位置を調整することによってタイミング信号の送出時点を変化させることができ る。
【0005】 上述したタイミング調整装置を用いて、被印刷物を同期的に供給する場合、光 学検知器の出力と近接スイッチからのタイミング信号とが一致するように、カム 機構の角度位置を調整する必要がある。このため、従来、印刷機を停止させた状 態で、カム機構の調整を行い、次に、印刷機を運転し、光学検知器の状態とタイ ミング信号とを比較すると共に、常時、供紙台上の被印刷物の状態監視を行いな がら、被印刷物の供給とタイミング信号との同期をとる方法が採用されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、タイミング調整装置の調整に非常に熟練を要し 、且つ、時間もかかるという欠点がある。更に、タイミング信号の発生時点を変 更する場合には、印刷機を停止させなければならないから、タイミング信号の微 調整が極めて面倒である。したがって、タイミング信号を正確な時間位置に送出 するのが困難である。
【0007】 本考案の目的は印刷機を停止させることなく、タイミング信号の発生時点を簡 単に調整、変更確認できるタイミング調整装置を提供することである。
【0008】 本考案の他の目的は高精度且つ、確実に時間調整を行えるタイミング調整装置 を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案によれば、シリンダーの回転と同期して動作し、シリンダーの回転角を あらわす信号をシリンダーの1回転毎に複数回送出する手段と、シリンダーの回 転角を指示する指定度数を送出する手段と、指定度数を設定タイミングとして記 憶するメモリと、回転角と指定度数との一致を検出する手段と、一致した時点に おける回転角を表示する手段とを有し、印刷機の動作中に、設定タイミングを調 整できるタイミング調整装置が得られる。
【0010】
【従来技術の詳細】
図1を参照すると、本考案を適用できる枚葉式オフセット印刷機は供紙部A、 給水部B、着肉部C、印刷部D、及び排紙部Eとを備え、ここでは、2色オフセ ット印刷機が例示されている。具体的に述べれば、供紙部Aは被印刷物(用紙) 10を保持する自動供紙台11と、自動供紙台11からの用紙10を一枚ずつ印 刷部Dに送り出す供紙板12とを有している。
【0011】 図2をも併せ参照すると、供紙板12上には、一対の第1の光学検知器15a 、第2の光学検知器15b、一対の第3の光学検知器15c、及び第4の光学検 知器15dが設置されている。
【0012】 これら第1乃至第4の光学検知器15a〜15dは用紙10が供紙板12上に 正確に位置決めされているか否かを検出し、不良紙差しを検出するために役立つ 。ここで、第1の光学検知器15aは用紙の縦方向見当用であり、第2の光学検 知器15bは用紙の横方向見当用である。更に、第3の光学検知器15cは用紙 の角折れを検出し、第4の光学検知器15dは用紙の二枚重ねを検出するための 検出器である。これら光学検知器により、用紙10の先端及び側辺が機械的に定 位置にあるか否かを検出し、定位置にあれば、用紙10を供紙板12から印刷部 Dに送り出し、定位置にないことが検出されると、用紙の供給を停止し、不良紙 差しを防止する。
【0013】 各光学検知器は用紙10が供紙板12上に導入され、用紙10の前面が供紙台 12の前当て16に当接して瞬間的に静止した状態のとき、出力信号を生成する 。
【0014】 図1に戻ると、印刷部Dは給水部B及び着肉部Cとに接触した版胴c1のほか に、ゴム胴c2、圧胴c3、受渡胴c4、及び給紙胴c5とを有し、版胴c1上 の絵柄はゴム胴2に写され、給紙胴c5を介して圧胴c3上に与えられた用紙上 に印刷される。印刷された用紙は受渡胴c4を通じて排紙部Eに送り出される。
【0015】 供紙板12から給紙胴c5上に用紙を送り込む場合、給紙胴c5の紙送りツメ に用紙を正確につかませることが必要である。このため、供紙板12上には、前 述したように第1乃至第4の光学検知器15a〜15dが設けられている。更に 、版胴c1の回転と供紙板12からの用紙10の供給とは同期していなければな らない。したがって、版胴c1と同期的に回転している圧胴c3の回転軸には、 タイミング調整装置20が取り付けられている。
【0016】 図3(A),(B),及び(C)を参照すると、従来のタイミング調整装置2 0は図2に示した光学検知器15a〜15dとそれぞれ対応する第1、第2、第 3、及び第4のカム機構21a,21b,21c、及び21dを備え、各カム機 構21a〜21dは個々に手動的に移動させ調整することができる。このため、 カム機構21a〜21dを機械的に目盛られた目盛(図示せず)を見ながら回転 角度を設定できる。
【0017】 カム機構21a〜21dと接触できる位置には、それぞれ第1、第2、第3、 及び第4の近接スイッチ22a,22b,22c、及び22dが設置されている 。この構成では、圧胴c3が回転し、例えば、第1のカム機構21aが第1の近 接スイッチ22aに接触すると、第1の近接スイッチ22aが閉成し、第1のタ イミング信号が送出される。同様に、第2乃至第4のカム機構21b〜21dが 第2乃至第4の近接スイッチ22b〜22dにそれぞれ接触すると、第2乃至第 4のタイミング信号が送出される。
【0018】 第1〜第4のタイミング信号は図2に示された供紙板12上に用紙10が前当 て16に当接して停止した時点に、第1〜第4の光学検知器15a〜15dの出 力信号と比較される。例えば、第1の近接スイッチ22aが第1のタイミング信 号を送出したとき、第1の光学検知器15aが2つとも用紙の検知している状態 にあれば、図示しない制御部は縦方向における見当ずれはないものと判定する。 一方、第1の光学検知器15aのいずれか一方が用紙を検知した状態になければ 、縦見当不良として、制御部は外部に停止信号を出し、給紙胴c5に用紙を渡す 前に自動供紙を停止させる。同様に、第2乃至第4の近接スイッチ22b〜22 dがタイミング信号を発生した時点で、対応する各光学検知器15b〜15dが 用紙を検出していれば、不良紙差しなしと判定し、用紙を検出していなければ、 不良紙差し有りと判定し、自動供紙を停止させる。
【0019】 上記したタイミング調整装置20を用いた場合、タイミング信号の送出時点を 変更する際、印刷機の運転を停止させなければならないため、前述したように、 調整に熟練を要し、且つ、時間もかかる。
【0020】
【実施例】
図4を参照すると、本考案の一実施例に係るタイミング調整装置20′は圧胴 c3に連結されたロータリエンコーダ25を備えている。このロータリエンコー ダ25は圧胴c3の1回転毎にN個(例えば、3600個)のパルスと1個のパ ルスとを光学的に発生させる。これらのパルスはアップダウンカウンタ26に与 えられ、1個のパルスによってリセットされると共に、3600個のパルスを順 次計数する。このように、アップダウンカウンタ26を用いることにより、印刷 機が逆方向に回転しているときでも、正確に度数を指示することができる。
【0021】 更に、タイミング調整装置20′は圧胴c3の回転角度を指定するための度数 設定器27及び書込みスイッチ28とを有している。度数設定器27に設定され た任意の指定度数(360°以内)はメモリ29に供給される。メモリ29はア ドレスカウンタ30によって指示されたアドレスに、指定度数を記憶する。アド レスカウンタ30には発振器31からクロックパルスが与えられており、カウン タ30の内容はクロックパルスをカウントする度毎に順次変化していく。ここで 、クロックパルスはロータリエンコーダ25の1/N(1/3600)回転毎に 、n(例えば、24)個カウントされるような繰り返し周波数を有している。し たがって、アドレスカウンタ30はロータリエンコーダ25の1/N回転中に、 n個のアドレスを指定することができ、度数設定器27からの指定度数を最大n 個のアドレスに書き込むことができる。
【0022】 書き込まれた指定度数は一致回路32に与えられ、この一致回路32において ロータリエンコーダ25の1回転毎にアップダウンカウンタ26で指示される回 転角と比較される。一致回路32で一致が検出される度毎に、指定度数が表示切 替器33を介して度数表示器34に表示されると共に、指定度数を書き込んだ時 の指定アドレスに対応した出力回路36を通して、外部にタイミング信号として 送出される。
【0023】 ここで、アドレスカウンタ30で指定できる出力回路36のアドレス数はロー タリエンコーダ25で発生するパルス列の繰り返し周波数と発振器31の繰り返 し周波数とによって定まる。実験によれば、印刷機の最高速度において24以上 の数のアドレスを指定できた。このアドレス数が1台のロータリエンコーダ25 よって出力出来るタイミング信号の個数となる。
【0024】 上記したメモリ29はRAMによって構成されているため、指定度数の書込み 変更が容易に行え、且つ、バックアップ電源を用意しておけば、実用上差し支え ない範囲で長時間、記憶内容を保持できる。
【0025】 ロータリエンコーダ25、メモリ29、及び一致回路32を有するタイミング 調整装置を使用すれば、各出力回路36の度数を表示切替器32を介して度数表 示器34に表示させ、現在使用しているタイミング度数を容易に知ることもでき る。度数表示器34は常時表示させる必要はなく、単に確認すれば良いため、数 個の出力に対して1個で良い。
【0026】 次に、図示したタイミング調整装置20′は各光学的検知器15がどの度数で 用紙を検知しているかを確認するために使用することができる。具体的に述べる と、各光学検知器15の出力信号は切替器37及び増幅器38を介して一致回路 32に与えられ、アップダウンカウンタ26の出力と比較される。尚、各光学検 知器15の出力信号は外部回路にも与えられ、不良紙差し検出の際、印刷機の運 転を停止させる。
【0027】 一致回路32では、アップダウンカウンタ26の出力信号と光学検知器15の 出力信号とが一致すると、一致信号を出力し、その数値を表示切替器32を切り 替えて、度数表示器34に表示させる。これによって、光学検知器15における 用紙の検知した度数を確認することができる。この検知度数を参照してタイミン グ度数を容易に設定でき、且つ、検知度数とタイミング度数との差を精度として 計算することも可能である。
【0028】
【考案の効果】
以上述べた通り、本考案では、度数設定器から与えられるタイミング度数を印 刷機を停止させることなく設定でき、動作確認も表示器の指示により確実に行え る。また、本考案に係るタイミング調整装置はタイミング調整に要する時間を約 10分の1に短縮でき、且つ、精度を著しく向上させることができた。一旦タイ ミングを設定した後は、タイミングの微調整が実際上、不要となり、もし、より 精密な度数が必要な場合には、簡単に、タイミングを調整できる。更に、本考案 は従来装置では行えなかった運転中の各タイミングの度数表示確認、各光学検知 器の検知度数の表示確認を行える。このため、不良紙差し防止装置が正常に動作 しているかどうかを確認できると共に、不良紙差し防止装置が誤動作しないよう に事前に対策をたてることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を適用できる枚葉式オフセット印刷機の
概略構成を示す図。
【図2】図1に示された供紙部をより具体的に説明する
ための図。
【図3】(A),(B)、及び(C)は従来のタイミン
グ調整装置を説明するための図。
【図4】本考案の一実施例に係るタイミング調整装置を
示すブロック図である。
【符号の説明】
A 供紙部 B 給水部 C 着肉部 D 印刷部 E 排紙部 c1〜c5 シリンダー 10 用紙 11 自動供紙台 12 供紙板 15a〜15d 光学検知器 20,20′ タイミング調整装置 25 ロータリエンコーダ 26 アップダウンカウンタ 27 度数設定器 28 書込みスイッチ 29 メモリ 30 アドレスカウンタ 31 発振器 32 一致回路 33 表示切替器 34 度数表示器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大藪 信也 茨城県稲敷郡阿見町大字香澄の里29番地 太洋電機産業株式会社内 (72)考案者 霧生 東 茨城県稲敷郡阿見町大字香澄の里29番地 太洋電機産業株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷物を自動的に供給する自動供紙
    部、及び、前記自動供紙部からの被印刷物を送るシリン
    ダーを備えた枚葉式印刷機のタイミング調整装置におい
    て、前記シリンダーの回転と同期して動作し、前記シリ
    ンダーの回転角を前記シリンダーの1回転毎に複数回指
    示する手段と、前記シリンダーの回転角の指定度数を指
    示する手段と、前記指定度数を設定タイミングとして記
    憶するメモリと、前記回転角と前記設定タイミングとの
    一致を検出する手段と、一致した時点における数値を表
    示する手段とを有し、前記枚葉式印刷機の動作中に前記
    設定タイミングを調整できることを特徴とする枚葉式印
    刷機のタイミング調整装置。
JP46092U 1984-01-06 1992-01-10 枚葉式印刷機のタイミング調整装置 Expired - Lifetime JP2552640Y2 (ja)

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JPH08458U true JPH08458U (ja) 1996-03-08
JP2552640Y2 JP2552640Y2 (ja) 1997-10-29

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0841702A (ja) * 1994-07-29 1996-02-13 Toray Ind Inc ワイシャツ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0841702A (ja) * 1994-07-29 1996-02-13 Toray Ind Inc ワイシャツ

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