JP2552617B2 - 入浴剤用顔料組成物とその製造方法 - Google Patents

入浴剤用顔料組成物とその製造方法

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JP2552617B2
JP2552617B2 JP5084060A JP8406093A JP2552617B2 JP 2552617 B2 JP2552617 B2 JP 2552617B2 JP 5084060 A JP5084060 A JP 5084060A JP 8406093 A JP8406093 A JP 8406093A JP 2552617 B2 JP2552617 B2 JP 2552617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴湯に投入した際に沈
澱や浴槽への付着を生じることなしに美麗な乳白色の浴
湯を与える新規な入浴剤用顔料組成物とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】温泉や鉱泉の成分を有効成分とする入浴
剤組成物はこれまでに数多く開発され市販に供されてい
る。一般的にこれらの入浴剤組成物は硫酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、コハク酸等の水溶性固体物質を基
剤とし、これに保湿成分や香料、着色剤のような補助成
分を適宜配合して調製されている。
【0003】これらの成分からなる入浴剤組成物は、浴
湯に溶解して透明になるものであるが、近年、消費者の
ニーズに応えるために乳白色の浴湯を与える入浴剤組成
物が開発されている。この種の浴用剤は主に白濁分散性
の良好な無機顔料粉末を入浴剤に配合した組成のもの
で、例えば水溶性高分子物質で被覆された無機顔料を含
有する入浴剤(特開昭63−57516 号公報)、HLB11
〜18の界面活性剤でその表面が被覆された無機顔料の
造粒物を乳白剤として配合した浴用剤(特開平2−9811
号公報)、あるいはアシル化されたNを有するアミノ酸
系界面活性剤で被覆された水不溶性で好ましくは白色の
無機顔料を含有してなる粉末状の浴用剤(特開平3−24
0722号公報) 等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
先行技術における組成は浴湯に対する無機顔料の分散性
が十分ではなく、乳白化の程度が希薄であるとともに無
機顔料が比較的短時間のうちに浴槽の底に沈降したり、
浴槽の壁に付着するという問題が残されている。
【0005】この原因は、例えば無機顔料の表面を水溶
性高分子物質やアミノ酸系界面活性剤で被覆する先行技
術では被覆処理を行うために比較的大量の水を用いなけ
ればならず、このためその後の乾燥工程時の加熱および
水の蒸発に伴って部分的な固体架橋や毛管引力による無
機顔料粒子の凝集が生じ、浴湯中での分散性を悪化させ
るからである。したがって、これらの先行技術において
は、無機顔料と被覆物質の比率を50:50前後に設定
して乾燥工程での無機顔料相互の粒子凝集を防止する方
策が講じらているが、十分な解決にはなっていないし経
済的の面でも不利となる。
【0006】これに対し、無機顔料の表面をHLB11
〜18の界面活性剤で被覆する先行技術においては、こ
れらの界面活性剤が一般に液状または比較的低い融点を
持つ非イオン性の柔らかい固体状物質である関係で被覆
処理を施す際に水を用いる必要はない。ところが、無機
顔料に対する分散力が小さいために浴湯中で無機顔料が
凝集して短時間のうちに浴槽の底に沈降するほか、浴湯
に泡立ちを生じたり、被覆処理を施した無機顔料の造粒
物が浴湯表面で散って浴槽の壁に付着する等、界面活性
剤特有の現象が発生するという欠点があった。
【0007】本発明者らはこれらの問題点の解消を図る
べく鋭意研究を重ねた結果、無機顔料として酸化チタン
を用い、その表面を平均分子量が100000以下のポ
リアクリル酸塩と平均分子量が2000以上のポリエチ
レングリコールを共用して被覆した組成とすると、入浴
剤用乳白剤として要求される性能を十分に満足する結果
が得られる事実を確認した。
【0008】本発明は前記の知見に基づいて開発された
ものであり、その目的は、浴湯中での分散性に優れ、長
時間の使用においても美麗な乳白色を安定に保持し、実
質的に沈降や付着を生じることのない入浴剤用顔料組成
物とその効率的な製造方法をを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による入浴剤用顔料組成物は、平均粒子径が
0.2〜0.7μmの酸化チタン100重量部、平均分
子量が100000以下のポリアクリル酸塩5〜10重
量部、平均分子量が2000以上のポリエチレングリコ
ール20〜50重量部、および水5〜20重量部を混合
し、該混合系をポリエチレングリコールの凝固点以上の
温度に加熱して、分散被覆処理と乾燥操作を同時に進行
させて酸化チタンの表面をポリアクリル酸塩およびポリ
エチレングリコールを同時に被覆してなることを構成上
の特徴とする。
【0010】通常、入浴剤顔料組成物を構成する無機顔
料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、
カオリン、硫酸バリウム、ゼオライト等が用いられる
が、本発明においては浴湯に分散したときに美麗な乳白
色が得られ、浴湯の白濁性、分散安定性および浴槽への
付着性などの改善を図るために酸化チタンを使用するこ
とが必要である。酸化チタンはその結晶構造によりルチ
ル型とアナターゼ型に分類されるが、本発明ではいずれ
も好ましく用いることができる。
【0011】酸化チタンの粒度は、平均粒子径として
0.2〜0.7μmのものが用いられる。平均粒子径が
0.2μm未満であると乳白化が不十分となり、また
0.7μmを越えると溶湯中での長時間の分散安定性が
保ち難くなる等の不都合を招くこととなる。
【0012】上記の無機顔料の表面には、特定の分子量
を有するポリアクリル酸塩およびポリエチレングリコー
ルが同時に被覆されている。このうち、ポリアクリル酸
塩の種類としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリア
クリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸アルカノールア
ミン塩等を挙げることができるが、被覆処理後の安定性
を考慮するとポリアクリル酸ナトリウムの使用が好まし
い。
【0013】ポリアクリル酸塩の平均分子量は1000
00以下のものを使用する。この分子量範囲にあるポリ
アクリル酸塩の10%水溶液における粘度(25゜C)
はB型回転粘度計により回転数30rpmで測定したと
き20000cps以下(好ましい粘度は500cps
以下)である。使用するポリアクリル酸塩の平均分子量
が100000を越えると、無機顔料の分散剤としての
機能よりも寧ろ凝集剤としての働きが強くなり、そのう
え高濃度の水溶液を調製して被覆処理に供することが困
難となるため、本発明の目的を達成することができなく
なる。
【0014】一方の被覆成分となるポリエチレングリコ
ールは、平均分子量が2000以上のものが選択的に使
用される。該ポリエチレングリコールは、常温において
塊状、薄片状または粉末状の固体であり、凝固点は18
℃以上(好ましい凝固点は50℃以上)である。使用す
るポリエチレングリコールの平均分子量が2000未満
であると、常温で液状あるいは柔らかいワセリン状を呈
するため、無機顔料の被覆処理を施した際に顔料組成物
を最終的に粉末の形状に保つことが困難となるので好ま
しくない。
【0015】平均分子量が100000以下のポリアク
リル酸塩の配合割合は、酸化チタン100重量部に対し
5〜10重量部の範囲に設定する。この配合割合が5重
量部を下回ると、酸化チタンの表面を十分に被覆するこ
とができなくなって浴湯に対する酸化チタンの分散性が
悪化し、また10重量部を越えると、ポリアクリル酸塩
を溶解するために用いる水量が増加して乾燥に伴う酸化
チタンの凝集が起こり易くなるからである。一方、平均
分子量が2000以上のポリエチレングリコールの配合
割合は、酸化チタン100重量部に対し20〜50重量
部の範囲とする。この配合割合が20重量部未満である
と、酸化チタンの表面を十分に被覆することができなく
なるため溶湯中での酸化チタンの長時間の分散安定性を
維持することが困難となり、配合割合が50重量部を越
えると、顔料組成物の溶湯への溶解拡散速度が遅くな
り、また不経済である。
【0016】このように、本発明の入浴剤用顔料組成物
は、酸化チタン100重量部に対して上記の量比でポリ
アクリル酸塩およびポリエチレングリコールを加え、更
に水を5〜20重量部の割合で添加した混合物をポリエ
チレングリコールの凝固点以上の温度に加熱して分散被
覆処理と乾燥操作を同時に進行させて、酸化チタン表面
にポリアクリル酸塩およびポリエチレングリコールが均
一に被覆されたものであり、適度の粒径、例えば80〜
200メッシュに粉砕処理して製品化される。
【0017】なお、平均分子量100000以下のポリ
アクリル酸塩と平均分子量2000以上のポリエチレン
グリコールの使用比率は、前者100重量部に対し後者
を100〜1000重量部、望ましくは300〜700
重量部の範囲に設定することが好適である。この使用比
率を外れると、酸化チタンの表面を平均分子量1000
00以下のポリアクリル酸塩あるいは平均分子量200
0以上のポリエチレングリコールを単独成分として被覆
したときと同様の効果しか得られず、また後述する本発
明の製造方法を適用することも困難になる。
【0018】上記の入浴剤用顔料組成物を得るための本
発明による製造方法は、無機顔料として平均粒子径が
0.2〜0.7μmの酸化チタン100重量部に対し、
平均分子量が100000以下のポリアクリル酸塩5〜
10重量部、平均分子量が2000以上のポリエチレン
グリコール20〜50重量部および水5〜20重量部の
割合で混合し、該混合系をポリエチレングリコールの凝
固点以上の温度に加熱して分散被覆処理と乾燥操作を同
時に進行させ、ついで粉砕処理することを構成上の特徴
とする。
【0019】水溶性高分子物質あるいはアミノ酸系界面
活性剤を被覆物質とする先行技術においては、溶湯中で
の良分散性を確保するために無機顔料とほぼ同量あるい
はそれ以上の水に無機顔料と被覆物質を投入して流動性
のあるスラリー状態で撹拌分散することが重要な要件と
され、多量の水はその後の乾燥工程により除去するプロ
セスが採られていたが、本発明による製造技術では使用
する水量を可能な限り少なくすると共に、分散被覆と乾
燥を同一の工程操作として進行させることによって乾燥
に伴うエネルギー消費を節減し、かつ無機顔料の凝集化
を効果的に抑制したところに特徴づけられる。
【0020】すなわち、本発明の具体的な製造プロセス
は、まず平均分子量100000以下のポリアクリル酸
塩の高濃度水溶液を調製し、これを酸化チタンおよび平
均分子量2000以上のポリエチレングリコールととも
に、例えばヘンシェルミキサーのような混合分散機に投
入し、室温下で混合分散する。この際、混合分散を行う
ために分散過程を通じて混合物が粉末形状を保つことが
重要であり、この要件を実現するために酸化チタン10
0重量部、平均分子量100000以上のポリアクリル
酸塩5〜10重量部、平均分子量2000以上のポリエ
チレングリコール20〜50重量部および水5〜20重
量部の配合割合に設定することが必要である。
【0021】特に水の使用割合はプロセス面から極めて
重要で、その量が5重量部未満であるとポリアクリル酸
塩の水溶液粘度の上昇あるいは溶解不良が生じて、ポリ
アクリル酸塩が上記混合系の中に均一に分散することが
困難となり、酸化チタンの表面を十分に被覆することが
できなくなる。また使用量が20重量部を上回ると混合
系が湿った団子状となり、さらにはスラリー状となって
効率的な混合分散を阻害するうえ、水分量の増加に伴う
乾燥工程の煩雑性が増大する。
【0022】ついで上記混合系を乾燥するが、この段階
でポリエチレングリコールの凝固点以上に加熱してポリ
エチレングリコールが溶融した状態で分散被覆処理を継
続する。すなわち、ポリエチレングリコールの溶融によ
り混合系に適度な粘性を生じさせ、その剪断応力を利用
して無機顔料の分散ならびに表面の被覆処理を効率よく
進展させる。ポリアクリル酸塩は溶融したポリエチレン
グリコール中に拡散しながら無機顔料の表面に吸着し、
同時に水分は熱のため蒸発して系外に出る。この際、蒸
発乾燥を促進するため混合系を減圧下においても差し支
えない。
【0023】このように本発明によれば、分散被覆処理
と乾燥操作を同時に進行させることが重要な要件となる
が、この同時工程は上記の混合分散機と同一の装置、例
えばヘンシェルミキサーを用いて加熱減圧下で処理する
か、剪断応力の利用に適したニーダー、フラッシャー、
バンバリーミキサー、2本ロールミル、3本ロールミル
のような分散装置を用いて加熱下または加熱減圧下で行
うことができる。
【0024】分散被覆と乾燥の同時処理をおこなった混
合系は室温まで冷却し、ついで所望の粒径に粉砕して入
浴剤用顔料組成物を得る。
【0025】このようにして製造された入浴剤用顔料組
成物は、入浴剤基材に対して通常1〜15重量部配合さ
れて入浴剤とされる。入浴剤基材の基本構成は、例えば
硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ポリリン酸ナトリウム等の無機塩、あるいはクエン
酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸を主成分と
し、これに香料、色素、保湿剤等が適宜配合されたもの
であるが、本発明の顔料組成物はいずれの入浴剤基材に
対しても好ましく用いることができる。通常、入浴剤は
前記の成分を撹拌混合してそのまま粉末状のものとする
か、あるいはこれを錠剤状に成型することによって製品
化されるが、本発明による顔料組成物の入浴剤基材への
配合は基材成分と必要量の無機顔料組成物をともに混合
機に投入し撹拌混合することにより極めて容易におこな
うことができる。
【0026】酸化チタンの表面を平均分子量が1000
00以下のポリアクリル酸塩単独で被覆処理しようとす
ると、該ポリアクリル酸塩は通常融点を持たない硬い固
体物質である関係で、効果的な被覆処理を実現するには
比較的大量の水に酸化チタンとポリアクリル酸塩を投入
して流動性のあるスラリー状とし攪拌分散する操作が必
要となる。このため、その後の乾燥工程において顔料の
凝集が多少なりとも発生し、溶湯中での分散性が悪化す
ることとなる。したがって、得られた顔料組成物を入用
剤の乳白剤として用いたとき、溶湯に投入した当初は見
掛け上均一な乳白状態を呈するが、30分ほど経過する
と酸化チタンが浴槽の底に沈降する現象が認められるよ
うになる。乾燥工程における顔料の凝集化を抑制するた
めには酸化チタンに対するポリアクリル酸塩の使用割合
を増す手段が考えられるが、顔料の凝集を防ぐには十分
ではないし、経済的にも不利となる。
【0027】一方、酸化チタンの表面を平均分子量が2
000以上のポリエチレングリコール単独で被覆処理す
る場合には、該ポリエチレングリコールが通常室温以上
に融点をもつ固体物質であるため、分散機に酸化チタン
とともに投入してポリエチレングリコールの融点以上に
加熱溶融させながら、剪断応力を利用して効率的に分散
被覆処理を実現することができる。しかし、ポリエチレ
ングリコールは酸化チタンを水中で分散させる能力がな
いので、得られた顔料組成物を入用剤用の乳白剤として
用いても溶湯中において自然な溶解および分散が起こら
ず、乳白化状態を得ることは殆ど不可能である。
【0028】これに対し、平均分子量が100000以
下のポリアクリル酸塩と平均分子量が2000以上のポ
リエチレングリコールを同時に酸化チタンの表面に被覆
した本発明の顔料組成物は、入浴剤用の白濁剤とした場
合に溶湯への極めて自然な溶解および分散が生じて美麗
な乳白状態が得られるばかりではなく、長時間の使用に
おいてもその状態が安定に維持されて実質的に沈降や付
着現象が起こらない。そして、これらの機能は特に酸化
チタン100重量部に対して平均分子量が100000
以下のポリアクリル酸塩を5〜10重量部、平均分子量
が2000以上のポリエチレングリコールを20〜50
重量部の範囲になる量比で被覆することにより効果よく
達成することができる。
【0029】また、本発明に係る入浴剤用顔料組成物の
製造方法によれば、酸化チタン100重量部、平均分子
量が100000以下のポリアクリル酸塩5〜10重量
部、平均分子量が2000以上のポリエチレングリコー
ル20〜50重量部および水5〜20重量部を混合し、
これをポリエチレングリコールの凝固点以上の温度域で
加熱しながら分散被覆処理と乾燥処理を同時に進行させ
る工程を採ることにより、乾燥時の加熱エネルギーを節
減できる少ない水量による均質な分散被覆を施すことが
でき、かつ酸化チタンの凝集化を効果的に抑制すること
が可能となる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を対比しながら本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0031】実施例1 平均粒子径0.20〜0.35μm のルチル型酸化チタ
ン(以下「酸化チタン(A) 」という) 100重量部、平
均分子量1000〜4000で25℃における40%水
溶液の粘度が100〜300cps のポリアクリル酸ナト
リウム(以下「PA酸塩(A) 」という)7重量部を予め
水10重量部に溶解したもの、および平均分子量300
0〜3700のポリエチレングリコール( 以下「PEグ
リコール(A) 」という)25重量部をヘンシェルミキサ
ーに投入して高速で1分間混合分散した。引き続きヘン
シェルミキサーを70〜90℃に保温し、系内を減圧に
して水分を除去しながら30分間低速で撹拌させて分散
被覆処理と乾燥操作を同時に進行させた。ついで、混合
系を粉砕処理して80〜200メッシュの粉末状顔料組
成物を得た。
【0032】得られた顔料組成物を入浴剤基剤に配合し
て入浴剤を調製し、各種の性能評価をおこなった。な
お、顔料組成物の配合は入浴剤30g 中の無機顔料分が
2.1g となる量とし、入浴剤基剤には同重量の炭酸水
素ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを用いた。その評価
結果を表1に示した。
【0033】なお、調製した入浴剤の評価は以下のよう
にして行った。 浴湯の白濁性;ステンレス製浴槽に入れた約40℃の浴
湯200l に入浴剤30g を投入し、かき混ぜて均一に
したのち、1時間静置した時の白濁の状態を下記の二つ
の基準により評価した。 (1)観 察:縦10cm、横5cm、厚み0.2cmの黒色の
プラスチック板を浴湯の水面から10cmの深さに沈め
て、真上から肉眼で観察したときの板の確認度合を次の
基準により判定した。 ○:板の存在がまったく確認できない。 △:板の存在およびその輪郭が何とか確認できる。 ×:板の存在およびその輪郭が明瞭に確認できる。 (2)透過率(%):浴湯の水面から10cmの深さの浴湯
を10mmのガラスセルに採取し、150φ積分球付分光
光度計にて550nmにおける透過率を測定して白濁の程
度を評価した。
【0034】顔料組成物の分散安定性;ステンレス製浴
槽に入れた約40℃の浴湯200l に入浴剤30g を投
入し、かき混ぜて均一にした。このうちの1l を長さ4
0cm、口径6.5cmのガラス製メスシリンダーに分取
し、室温で1時間静置後に下記の基準により評価した。
さらに室温で6時間静置後の状態を同一基準により評価
した。 ○:メスシリンダーの底に沈降物がほとんど認められな
い。 △:メスシリンダーの底に沈降物がわずかに認められ
る。 ×:メスシリンダーの底に沈降物がかなり認められる。 −:当初よりほとんど白濁しないので評価せず。
【0035】浴槽への付着性;ステンレス製浴槽に入れ
た約40℃の浴湯200l に入浴剤30g を投入し、か
き混ぜて均一にしたのち、6時間静置した。ついで浴槽
の排水孔より浴湯を排出し、固くしぼった色付きの綿製
タオルで、ステンレス製浴槽の底及び内面を拭き取った
ときの綿製タオルへの付着の状態を、下記の基準により
評価した。 ○:無機顔料の付着がほとんど認められない。 △:無機顔料の付着がやや認められる。 ×:無機顔料の付着がかなり認められる。 −:当初よりほとんど白濁しないので評価せず。
【0036】実施例2 実施例1と同一の酸化チタン(A) 100重量部、平均分
子量5000〜10000のポリアクリル酸ナトリウム
( 以下「PA酸塩(B) 」という)の40%水溶液(25
℃における粘度500〜1000cps )15重量部およ
び平均分子量9300〜12500のポリエチレングリ
コール(以下「PEグリコール(B) 」という)35重量
部をヘンシェルミキサーに投入し、高速で1分間混合分
散した。ついで、ヘンシェルミキサーから取り出して双
腕型ニーダーに投入し、70〜90℃に保温し、減圧下
において水分を除去しながら30分間練肉分散した。乾
燥物を粉砕処理して80〜200メッシュの粉末状顔料
組成物を得た。得られた顔料組成物を実施例1と同様に
基剤と配合して入浴剤を調製し、同様にして性能評価し
た結果を表1に併載した。
【0037】実施例3 無機顔料を粒子径0.20〜0.40μm のアナターゼ
型酸化チタン(以下「酸化チタン(B) 」という)100
重量部、PA酸塩(B) の40%水溶液12.5重量部お
よびPEグリコール(A) 20重量部をヘンシェルミキサ
ーに投入した。そのほかは全て実施例1と同一の方法お
よび条件により顔料組成物を製造した。得られた顔料組
成物を実施例1と同様に基剤と配合して入浴剤を調製
し、同様にして性能評価した結果を表1に併載した。
【0038】実施例4 酸化チタン(A) 100重量部、PA酸塩(A) 9重量部、
水13.5重量部およびPEグリコール(B) 40重量部
を用い、実施例2の方法および条件によって顔料組成物
を製造した。得られた顔料組成物を実施例1と同様に基
剤と配合して入浴剤を調製し、同様に性能評価した結果
を表1に併載した。
【0039】比較例7 平均粒子径〜0.30μmの酸化亜鉛100重量部、P
A酸塩(B)6重量部、水9重量部およびPEグリコー
ル(A)35重量部を用い、実施例2の方法および条件
によって顔料組成物を製造した。得られた顔料組成物を
実施例1と同様に基剤と配合して入浴剤を調製し、同様
に性能評価した結果を表1に併載した。
【0040】比較例8 平均粒子径〜0.40μmの硫酸バリウム100重量
部、PA酸塩(B)6重量部、水9重量部、PEグリコ
ール(B)35重量部を用い、実施例2の方法および条
件によって顔料組成物を製造した。得られた顔料組成物
を実施例1と同様に基剤と配合して入用剤を調製し、同
様に性能評価した結果を表1に併載した。
【0041】比較例1 酸化チタン(A) 100重量部とPA酸塩(A) 1.9重量
部を予め水1.9重量部に溶解したもの、およびPEグ
リコール(A) 30重量部をヘンシェルミキサーに投入し
た。そのほかは実施例1と同一の方法および条件により
顔料組成物を製造した。得られた顔料組成物を実施例1
と同様に基剤と配合して入浴剤を調製し、同様に性能評
価をおこなった。その結果を表2に示した。
【0042】比較例2 酸化チタン(A) 100重量部、PA酸塩(B) 25重量部
を水37.5重量部に溶解した40%水溶液62.5重
量部およびPEグリコール(B) 25重量部をヘンシェル
ミキサーに投入し、高速で分散しようとしたが直ちに混
合物が濡れた塊状物となって混合分散ができなくなっ
た。ヘンシェルミキサーから混合物を取り出して双腕型
ニーダーに入れ、70〜90℃昇温して減圧下で水分を
除去しながら90分間練肉分散した。ついで、混合物を
粉砕処理して80〜200メッシュの粉末状顔料組成物
を製造した。得られた顔料組成物を実施例1と同様に基
剤と配合して入浴剤を調製し、同様に性能評価をおこな
った結果を表2に併載した。
【0043】比較例3 酸化チタン(A) 100重量部、PA酸塩(B) の40%水
溶液17.5重量部およびPEグリコール(A) 8重量部
をヘンシェルミキサーに投入した。そのほかは実施例1
と同一の方法および条件により顔料組成物を製造した。
得られた顔料組成物を実施例1と同様に基剤と配合して
入浴剤を調製し、同様に性能評価をおこなった結果を表
2に併載した。
【0044】比較例4 酸化チタン(A) 100重量部、平均分子量100000
0〜3000000で25℃における0.5%水溶液の
粘度が〜800cps のポリアクリル酸ナトリウム(以下
「PA酸塩(C) という) 3重量部を予め水15重量部と
混合したもの、およびPEグリコール(A) 30重量部を
ヘンシェルミキサーに投入した。そのほかは実施例1と
同一の方法および条件により原料組成物を製造した。得
られた顔料組成物を実施例1と同様に基剤と配合して入
浴剤を調製し、同様にして性能評価をおこなった結果を
表2に併載した。
【0045】比較例5 酸化チタン(A) 100重量部とPEグリコール(B) 35
重量部を用い、PA酸塩の水溶液を配合しない組成で実
施例2の方法により顔料組成物を製造した。得られた顔
料組成物を実施例1と同様に基剤と配合して入浴剤を調
製し、同様にして性能評価をおこなった。その結果を表
2に併載した。
【0046】比較例6 酸化チタン(A) 100重量部、PA酸塩(A) 7重量部、
PEグリコール(A) 25重量部を水150重量部と混合
してスラリー状としたのち、粒径約2mmのガラスビーズ
300重量部を充填した横型サンドミルで1時間分散処
理した。ついで、減圧乾燥機に移し、70〜90℃の温
度で5時間乾燥して水分を除去した。乾燥物を粉砕して
80〜200メッシュの粉末状顔料組成物を製造した。
得られた顔料組成物を実施例1と同様に基剤と配合して
入浴剤を調製し、同様にして性能評価をおこなった結果
を表2に併載した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】 表注:1)顔料組成物の製造時にPA酸塩を溶解するため
に用いた水量またはPA酸塩水溶液に含まれる水量。 2)入浴剤30g 中の無機顔料が2.1g となる顔料組成
物の配合量。
【0049】表1および表2の結果を対比して判るよう
に、実施例による入浴剤は本発明の要件を外れる顔料組
成物を含む比較例の入浴剤に比べて浴湯の白濁性、分散
安定性および浴槽への付着性のいずれの性能にも改善が
認められた。特に無機顔料に酸化チタンを用いた実施例
1〜4において優れた性能を示した。
【0050】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る入浴剤用顔
料組成物を乳白剤とすることにより、常に美麗な乳白色
が得られるばかりではなく、長時間の使用においてもそ
の状態が安定に維持され、実質的に沈澱や付着を生じる
ことはない。したがって、使用者に不快感を与えず、使
用後の洗浄に手間がかからないという極めて優れた効果
がもたらされる。また、本発明の製造方法によれば少な
い水量で、かつ分散被覆工程と乾燥操作を同一工程でお
こなうことができるから目的とする入浴剤顔料組成物を
工業的に効率よく製造することが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.2〜0.7μmの酸化
    チタン100重量部、平均分子量が100000以下の
    ポリアクリル酸塩5〜10重量部、平均分子量が200
    以上のポリエチレングリコール20〜50重量部、
    よび水5〜20重量部を混合し、該混合系をポリエチレ
    ングリコールの凝固点以上の温度に加熱して、分散被覆
    処理と乾燥操作を同時に進行させて酸化チタンの表面を
    ポリアクリル酸塩およびポリエチレングリコールを同時
    に被覆してなることを特徴とする入浴剤用顔料組成物。
  2. 【請求項2】 無機顔料として平均粒子径が0.2〜
    0.7μmの酸化チタン100重量部に対し、平均分子
    量が100000以下のポリアクリル酸塩5〜10重量
    部、平均分子量が2000以上のポリエチレングリコー
    20〜50重量部および水5〜20重量部の割合で
    合し、該混合系をポリエチレングリコールの凝固点以上
    の温度に加熱して分散被覆処理と乾燥操作を同時に進行
    させ、ついで粉砕処理することを特徴とする入浴剤用顔
    料組成物の製造方法。
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