JP2552264B2 - 高靱性を有するw基合金焼結体の製造法 - Google Patents

高靱性を有するw基合金焼結体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、靭性にすぐれ、かつ高比重を有するW基
合金焼結体の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、一般に高比重を有するW基合金焼結体が、自動
巻時計のリング、遮蔽材、およびバランサーなどとして
用いられており、さらに近年では、これのもつ高比重お
よび高強度に着目して高速飛翔体として用いる試みもな
されている。
また、上記のW基合金焼結体が、例えば特開昭59−13
037号公報に記載されるように、 (a) 原料粉末としてW粉末、Ni粉末、Fe粉末、およ
びNi−Fe合金粉末を用意し、 (b) これら原料粉末のうちから必要なものを用い
て、W:85〜97重量%、Ni+Fe:残り(ただし、Fe:Ni+Fe
に占める割合で20〜50重量%)、からなる配合組成に配
合し、混合して混合粉末とし、 (c) 上記混合粉末を1〜4ton/cm2の圧力で圧粉体に
プレス成形し、 (d) 上記圧粉体を、5〜20℃程度の露点を有する水
素を用いて形成した水素雰囲気中で液相焼結して焼結体
を形成する、以上(a)〜(d)の工程にて製造される
ことも知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
一方、近年の機械装置の高性能化はめざましく、さら
に小型化の要求も強く、これに伴い、これらに用いられ
るW基合金焼結体にはより一層の靭性が求められる傾向
にあるが、上記の従来方法で製造されたW基合金焼結体
においては、十分な靭性を具備するものでないために、
これらの要求には満足に対応することかできないのが現
状である。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、高比
重を有するW基合金焼結体の靭性向上をはかるべき研究
を行なった結果、上記W基合金焼結体を製造するに際し
て、圧粉体の焼結を0〜−60℃の露点を有する水素を用
いて形成した雰囲気中で行なうと、この水素雰囲気によ
って圧粉体、すなわち原料粉末中に含有する酸化物が還
元されるばかりでなく、P成分やS成分などの微量不純
物も除去されるようになり、この焼結で含有するように
なった脆化の原因となる水素は、真空加熱、望ましくは
真空中、700〜1400℃の温度に2〜10時間保持し、保持
後の冷却を少なくとも300℃までを40℃/分以上の冷却
速度で行なう真空加熱処理を施すことにより除去でき、
この結果焼結体の粒界における酸化物や微量不純物の含
有量が著しく低減するようになることから、焼結体の靭
性向上が著しいものとなるという研究結果を得たのであ
る。
この発明は、上記の研究結果にもとづいてなされたも
のであって、 (a) 原料粉末としてW粉末、Ni粉末、Fe粉末、およ
びNi−Fe合金粉末を用意し、 (b) これら原料粉末のうちから必要なものを用い
て、W:85〜97重量%、Ni+Fe:残り(ただし、Fe:Ni+Fe
に占める割合で20〜50重量%)、からなる配合組成に配
合し、混合して混合粉末とし、 (c) 上記混合粉末を1〜4ton/cm2の圧力で圧粉体に
静水圧圧縮成形し、 (d) 上記圧粉体を、0〜−60℃の露点を有する水素
を用いた雰囲気中で液相焼結して焼結体を形成し、 (e) 上記焼結体に真空加熱後急冷の水素除去処理を
施す、以上(a)〜(f)の工程により高靭性を有する
高比重のW基合金焼結体を製造する方法に特徴を有する
ものである。
つぎに、この発明の方法において、製造条件を上記の
通りに限定した理由を説明する。
(1)配合組成 W粉末の配合割合に関し、その割合が85重量%未満で
は、所望の高比重、すなわち比重:16以上を確保するこ
とができず、一方その割合が97重量%を越えると、相対
的にNi+Feの割合が少なくなりすぎて、焼結体が低下
し、強度低下の原因となることから、その割合を85〜97
重量%と定めた。
また、Ni+Feの相互割合については、NiとFeの合金化
で低融点化をはかり、もって効果的な液相焼結を可能な
らしめるものであり、この低融点化はNi+Feに占める割
合でFeの含有量が20〜50重量%の場合に満足に行なえる
ものであり、したがってFeが20重量%未満でも、またFe
が50重量%を越えても所望の低融点化がはかれないこと
から、Ni+FeにおけるFeの割合を20〜50重量%と定め
た。
なお、原料粉末の粒径は、プレス成形性、焼結性の点
から、平均粒径で1〜10μmが望ましい。
(2) 静水圧圧縮成形圧力 その圧力が1ton/cm2未満では、焼結体に2〜3%程度
の気孔が残留するのが避けられず、これが靭性および強
度低下の原因となり、一方その圧力が4ton/cm2を越える
と、圧粉体の密度が高くなりすぎて、焼結時の昇温過程
で気孔はほとんどいわゆるクローズドポアとなるため、
雰囲気の水素による酸化物還元や不純物除去が効果的に
行なえず、この場合も上記の通り高靭性の確保は困難と
なることから、その圧力を1〜4ton/cm2と定めた。
(3) 焼結雰囲気形成用水素 通常、焼結雰囲気の形成には、上記の通り5〜20℃程
度の露点を有する水素が用いられているが、この水素に
よって形成された焼結雰囲気では圧粉体中に存在する酸
化物の還元や不純物の除去を充分に行なうことができ
ず、これらが焼結体中に残留するようになって靭性およ
び強度低下の原因となる。また、この現象は水素の露点
が0℃近くになるまで続くが、前記酸化物還元および不
純物除去は0℃以下の露点を有する水素を用いることに
よって急激に進行する。しかし−60℃未満の低い露点を
有する水素を用いても前記酸化物還元および不純物除去
に一段の向上効果も現われないことから、経済性も考慮
して、焼結雰囲気の形成に用いられる水素を0〜−60℃
の露点を有する水素に限定したのである。
また、焼結に関しては、NiとFeによって少なくとも液
相が形成される温度、かつ十分なぬれ性が確保される時
間保持する必要があり、具体的には1450℃以上の温度に
30分間以上保持する必要がある。
(4) 水素除去処理 焼結時に、上記の通り圧粉体中の酸化物や不純物の還
元および除去が行なわれるが、この場合焼結体中に水素
が固溶含有するようになるのが避けられず、この固溶水
素が残留すると、著しい靭性低下をもたらすことから、
これを除去する必要があり、そこで真空加熱、望ましく
は真空中、700〜1400℃の温度に2〜10時間保持後、少
なくとも300℃までを40℃/分以上の冷却速度で急冷の
条件での真空加熱を施して前記固溶水素の低減化をはか
る必要がある。
また、上記水素除去処理における40℃/分以上の冷却
速度での急冷によって、いずれも靭性低下の原因とな
る、粒界や粒内への微量の析出物の生成が防止され、さ
らにNi+Fe中に過飽和に固溶したW成分の析出も防止さ
れるようになる。
〔実施例〕
つぎに、この発明の方法を実施例により具体的に説明
する。
原料粉末として、平均粒径:5.4μmのW粉末、同5.2
μmのNi粉末、および同6μmの鉄粉を用意し、これら
原料粉末を第1表に示される配合組成に配合し、ポット
ミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、ラバー容器内に
装入し、同じく第1表に示される圧力での静水圧圧縮成
形(ラバープレス成形)にて圧粉体を形成し、この圧粉
体を、同じく第1表に示される露点を有する水素を導入
して形成した水素雰囲気中、温度:1470℃に90分間保持
の条件で焼結して、直径:16mmφ×長さ:150mmの寸法を
もった焼結体を形成し、ついでこれに真空中、温度:125
0℃の6時間保持後、300℃までを50℃/分の冷却速度で
急冷の条件で水素除去処理を行ない、あるいは前記水素
除去処理を行なうことなく、本発明方法1〜4および比
較方法1〜7を実施した。
なお、比較方法1〜7は、製造条件のうちの少なくと
もいずれかの条件がこの発明の範囲から外れた条件で行
なったものである。
また、強度および靭性を評価する目的で、上記焼結体
を用いて、引張強さと伸びを測定し、さらに比重とシャ
ルビー衝撃値も測定した。これらの測定結果を第1表に
示した。
〔発明の効果〕 第1表に示される結果から、本発明方法1〜4によれ
ば、靭性にすぐれ、かつ高強度を有する高比重の焼結体
を製造することができるのに対して、比較方法1〜7に
見られるように、製造条件をうちの少なくともいずれか
の条件がこの発明の範囲から外れると、比重、強度、お
よび靭性のうちの少なくともいずれかの特性が劣った焼
結体しか製造することができないことが明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、高靭性を有
し、かつ高強度を具備した高比重のW基合金焼結体を製
造することができるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 保穂 東京都世田谷区池尻1丁目2番24号 防 衛庁技術研究本部内 (72)発明者 泉 昭雄 東京都世田谷区池尻1丁目2番24号 防 衛庁技術研究本部内 (72)発明者 柏木 重道 東京都世田谷区池尻1丁目2番24号 防 衛庁技術研究本部内 (72)発明者 間山 治 新潟市小金町3番地1 三菱金属株式会 社新潟製作所内 (72)発明者 水野 正一 新潟市小金町3番地1 三菱金属株式会 社新潟製作所内 (72)発明者 河野 通 大宮市北袋町1丁目297番地 三菱金属 株式会社中央研究所内 (72)発明者 高橋 忠輝 福島県西白河郡西郷村大字長坂字土生2 番地1 日本工機株式会社白河製造所内 (56)参考文献 特開 昭61−104002(JP,A) 特開 昭52−37503(JP,A) 特開 昭59−13037(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 原料粉末としてW粉末、Ni粉末、
    Fe粉末、およびNi−Fe合金粉末を用意し、 (b) これら原料粉末のうちから必要なものを用い
    て、W:85〜97重量%、Ni+Fe:残り(ただし、Fe:Ni+Fe
    に占める割合で20〜50重量%)、からなる配合組成に配
    合し、混合して混合粉末とし、 (c) 上記混合粉末を1〜4ton/cm2の圧力で圧粉体に
    静水圧圧縮成形し、 (d) 上記圧粉体を0〜−60℃の露点を有する水素を
    用いた雰囲気中で液相焼結して焼結体を形成し、 (e) 上記焼結体に真空加熱後急冷の水素除去処理を
    施す、以上(a)〜(e)の工程からなることを特徴と
    する高靭性を有するW基合金焼結体の製造法。
JP61026869A 1986-02-12 1986-02-12 高靱性を有するw基合金焼結体の製造法 Expired - Lifetime JP2552264B2 (ja)

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