JP2551637B2 - 密封包装容器とその製造方法 - Google Patents
密封包装容器とその製造方法Info
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Description
容器及びその製造方法に関し、殊に、開封後にトップフ
ィルムを再度接着させて蓋をして再密封することのでき
る密封包装容器及びその製造方法に関する。
て、その開口部をトップフィルムで蓋をする場合に、ト
ップフィルムとして容器と同系統のプラスチック材料を
用い、容器の周囲の縁部にトップフィルムを熱溶着によ
り固着する方法が知られている。熱溶着された部分の溶
着面は、溶着の温度及び圧力によって変動するが、一般
にかなりの溶着力(3kg/25mm幅程度)を持っており、指
でつまんで引き剥がすことは困難であり、刃物を用いて
蓋を切り開かねばならなかった。また開封を容易にする
ために、固着を弱くすると、密封が不完全となったり、
密封包装製品の貯蔵、運搬の取り扱い中に誤って開封さ
れる恐れが有った。
ワックスを塗布した層(メルト層)を設け、容器の縁部
にこのトップフィルムを熱溶着する方法が知られている
(ホットメルト法と称されている)。この方法は、メル
ト層の接着力と凝集力との差を利用したもので、メルト
層の凝集破壊によって、トップフィルムの剥離を行うこ
とによって、トップフィルムの開封を容易にしている。
しかし、この方法は、耐油性がないという欠点がある。
形成し、この際トップフィルムに酢酸ビニル共重合体を
配合した接着樹脂層を設けておき、このトップフィルム
を容器に熱溶着する方法がある。この方法は、熱溶着の
圧力、シール時間及びシール温度を適宜選定することに
より、幼児や老人にも指で容器からトップフィルムを剥
離することができる程度の大きさに接着力を調整するこ
とができる(例えば800g/25mm幅〜1.2kg/25mm幅)。し
かしながら、この方法の欠点は、溶着部分が加熱に弱
く、レトルト処理等の加熱処理を行うと処理中ににピン
ホールが発生し、レトルト製品に使用できないという欠
点がある。
の多層シートで形成し、該容器の該縁部の上面の多層シ
ートの1層に該凹部と該縁部との境界領域に沿って多層
シートの1層に切り込みを入れた容器も知られている。
この容器はシート状のトップフィルムと固着されて密封
容器となる。このトップフィルムは蓋部分とそれから延
長したつまみ部分とを持っており、このつまみ部分は縁
部表面に固着されていない。密封容器を開封する場合に
は、つまみ部分を容器の縁部から引き離すように引っ張
ると、容器の切り込みの部分の外側の縁部における多層
シートは1層が蓋に固着した状態で他の層は切り込みの
ところまで剥離し、切り込みを有する多層シートの1層
は切り込みに沿ってトップフィルムとともに容器と分離
し、密封包装容器が開封される。この方法は、多層シー
トにおけるシート間の接着力(例えば500〜1000g/25mm
幅)と容器とトップフィルムとの接着力(例えば3kg)
との差を利用している。
増大と生活の合理化の要求とによって、様々な食品、衛
生用品その他の商品のための使捨ての容器として益々需
要が高まっている。
装品を一時に全部消費するとは限らない。一旦開封され
た蓋は、残りの包装品を保存する際に再利用することが
できない。
衛生品である場合、乾燥を嫌う食品や逆に湿潤を嫌う食
品である場合には、一回分宛のパックとしなければなら
ない。例えば、今日では、単身者用として、梅干しなど
の食品を一個宛パックした商品もあるが、これは、包装
コストを増大させ、また省資源の観点からも望ましくな
い。さりとて、残りの包装品を他の容器に移して保存す
ることは面倒である。
るトップフィルムを持った、廉価な密封包装容器に対す
る需要があったにも拘わらず、本発明者の知る限り、か
かる要求を満足する使捨ての密封包装容器は提供されて
いない。
開封後は蓋を複数回の開閉に再利用できるトップフィル
ムを持った使い捨ての密封包装容器及びその製造方法を
提供することである。
品の陳列時には強固に密封され、開封時には容易に開封
できる密封包装容器及びその製造方法を提供することに
ある。
て積層された層との少なくとも2層を有する多層シート
材料から成形され、該表面層を最内層として有し、凹部
とその周囲に偏平な縁部とを有し、該縁部の上綿の該最
内層に該凹部と該縁部との境界領域に沿った切り込みを
有する容器と、該容器の縁部の表面に該切り込みの外側
で強固に固着された蓋部分と、該蓋部分から延長してお
り、縁部表面に固着されていないつまみ部分とを有する
トップフィルムとからなることを特徴とする密封包装容
器を提供するものである。
は、表面層と該表面層に接する少なくとも2層(好まし
くは合成樹脂からなる2層のシート)を持っており、そ
れらの2層は粘着剤を介して積層されている。その他の
点は公知の容器の成形に用いられる多層シートの技術が
本発明の多層シートにも同様に適用される。
系、アクリル系、ビニル系、シリコン系などの粘着剤を
使用することができる。
おり、容器の縁部上面には凹部と縁部との境界領域に沿
って切り込みが入れられている。この切り込みは、境界
領域に沿って凹部の全周にわたって閉じた図形とて形成
してもよいし、開いた図形として一部分を残して形成し
ても良い。切り込みを入れない部分は、蓋のヒンジとし
ての役割を果たし、包装容器を開封後、残った商品を保
存する場合、再度蓋を閉めるだけで容易に密封すること
ができる。
るが、成形加工の際に、粘着剤層に気泡が生じて、極め
て見場の悪い成形品しか得られず、かかるシートは容器
の成形加工には利用されていない。本発明においては、
溶剤型粘着剤の溶剤を速く揮発させて、溶剤が残留して
いない粘着剤を介して積層された多層シートを用いて成
形するか、ホットメルト型粘着剤を利用した多層シート
を用いて成形することが好ましく、これにより、粘着剤
層に気泡を発生させることなく、成形することができ
る。この粘着剤を介して積層した2層シートはシートに
粘着剤を塗布してラミネートする方法、剥離紙に粘着剤
を塗布し2層シートのどちらか一方のシートに粘着剤を
転写し転写面ともう一方のシートとをラミネートする方
法、あるいは2層シートを粘着剤とともに共押出しする
方法等公知の方法で製造することができる。
シートの最内層はそれに接する層から容易に剥離するこ
とができ、切り込みの外側の最内層とトップフィルムと
は強固に固着される。従って、満足な密封が得られると
共に、トップフィルムの開封時には最内層とそれに接す
る層とが剥離し、続いて切り込みところで内層が切り込
みに沿ってトップフィルムと共に分離され、開封が容易
となる。しかも最内層とそれに接する層との剥離面には
粘着剤が残っているので、複数回にわたってトップフィ
ルムの密封、開封が可能となる。
ら切り込みの間に0.5〜10mm、好ましくは1.5〜5mmの間
隔を設けることにより、容器内側からの剥離強度を容器
外側からの剥離強度に比し大幅に増大させることができ
る。
による押圧などが好ましく行われる。通常U型、V型の
環状押圧体を用いて切り込みを形成する。押圧と熱圧を
併用する場合には、容器の最内層となる多層シールの表
面層を、それに接する層よりも低融点、低軟化点の樹脂
とするとともにその厚みも200μm以下とすることが好
ましい。
を有する樹脂又は金属などの非溶融材料を介して多層シ
ート材料を押圧成形することにより切り込みの形成を行
うこともできる。すなわち本発明は、表面層と該表面層
に粘着剤を介して積層された層との少なくとも2層を有
する多層シート材料を用いて、該表面層を最内層として
有する所望の形状寸法の凹部とその周囲に偏平な縁部を
有する容器を成形し、該容器に内容物を充填し、該容器
に、該縁部を覆うに足る面積を持った蓋部分とそれから
延長するつまみ部分とを有するトップフィルムを、該凹
部と該縁部との境界領域の外側周辺部分を覆い得る形状
寸法を有る非溶融材料を介して被せた後、該縁部の上方
にヒートシール部と該境界領域に沿った加熱押圧用凸部
とを非シートシール部を介して有するヒートシールリン
グを用いて熱溶着することにより、該容器の密封と、該
最内層中への該凹部と該縁部との境界領域に沿た切り込
みの形成とを同時に行うことを特徴とする密封包装容器
の製造方法をも提供するものである。
切り込みの形成を同時に行うことができる。
立断面図である。容器10は、凹部11とその周囲に沿って
偏平な縁部12と有しており、概してハット状の断面形状
を有する。容器10は、2層の合成樹脂シート12a及び12b
から成形されており、それらの層は粘着剤で接着されて
いる。第1図では、粘着剤の層cは線で示されている。
説明の便宜上、容器の内側にあるシートを内層シートa
とよび、容器の外側にあるシートを外層シートbとよ
ぶ。
記貼り合わせ合成樹脂シートの内層シートaに切り込み
13が入れられている。トップフィルム20は、容器10の開
口部と縁部12を覆うに足る面積を持った蓋部分21と、そ
れから延長するつまみ部分の22とを有する。トップフィ
ルム20は、1枚の合成樹脂シートであっても良い。蓋部
分21は、容器10の縁部12の表面に例えば強力な接着剤に
よって強固に接着されている。接着剤を用いる代わり
に、同系統の合成樹脂材料を用いて、強固に熱溶着させ
ても良い。蓋部分と縁部との接着力は、多層シートにお
ける2層の合成樹脂シート12aと12bとを接着している粘
着剤の粘着力よりも強力であることが必要である。つま
み部分22は、縁部12の表面に接着されていない。トップ
フィルム20を容器10に接着する前に包装物を凹部に収納
する。
す、立断面図であって、トップフィルム20が開封されよ
うとしている状態を示している。つまり部分22が、矢印
Aの方向に引っ張られるとき、縁部分12の切り込み13の
外側の内層シート部分12aは、蓋部分21との接着力のほ
うがシート部分12bとの粘着剤による接着力よりも強い
ために、粘着層cで剥離されてトップフィルム20と共に
引っ張られ、剥離する。続いて切り込み13のところで内
層シート12aは切断し、トップフィルム20が開封され
る。
aが付着しており、シート部分12aとシート部分12bとの
剥離された表面には粘着剤が残っている。従って、それ
らの面は、再びトップフィルムを押圧することにより、
粘着剤により付着し密封することができる。
器10の縁部分12と固着されていないつまみ部分22が、上
方に突出して見えている。切り込み13は点線で示されて
いる。第3図から判るように、切り込み13は、つまみ部
分22と反対側に位置する部分23には設けられていない。
この部分23は、蓋20が容器10から分離しないよう蓋を支
持し、蓋を開閉する際に、ヒンジとしての機能を果た
す。この際、切り込み13の両端部は、蓋20を開く方向に
対して直角又は直角に近い角度で延長しているのが有利
である。これにより、蓋を開く際に内層シート部分12a
が、つまみ部分に与えられた引っ張り力によって、切り
込み13の両端部を超えて引き裂かれる際に、幾分かの抵
抗を与える。必要に応じ、切り込み13の両端部に丸穴を
設けることにより、ヒンジ部分において内層シートが引
き裂かれるのを防止することができる。この丸穴は、内
層シートのみに設けても良く、また多層シート材料全体
に設けても良い。
立断面図である。第1図のものと異なるところは容器10
とトップフィルム20とが容器縁部12で熱溶着により固着
されており、熱溶着部の内側端部と切り込みの間には間
隔tが設けられている。内層シートaと外層シートbと
はポリアクリル酸エステル系粘着剤により積層されてい
る。
する請求項6に記載の本発明方法の一実施態様を図面に
基づいて説明する。第5図及び第6図は本発明の密封包
装容器の熱溶着と切り込みの形成を同時に行う一例を示
す断面説明図である。ヒートシールリング30には熱溶着
を行うヒートシール部31と、ヒートシール部から距離t
のところに加熱押し付け用の環状体32(加熱押圧用凸
部)が一体に設けられている。内容物を充填した後、容
器の内層シートの上に非熱融着層を図に示されるように
置き、さらにトップフィルムを被せ、ヒートシールリン
グ30で加熱加圧する。これにより、熱溶着と切り込みの
形成とを同時に行うことができる。また、このようにし
て熱溶着と切り込みの形成を同時に行うとtを一定にす
ることができ、さらに容器の形状を損なわないで熱溶着
と切り込み形成が可能となる。
て実施態様を通じて説明したが、本発明は、これらの実
施態様に限定されるものではない。本発明の技術思想を
逸脱することなく、様々な変形、応用が可能である。
の多層シート材料である必要はなく、3層以上の多層シ
ート材料であっても良い。また、合成樹脂の多層シート
材料である必要もない。さらに、また、トップフィルム
としてアルミ箔や他の材料とラミネートした材料を用い
ても良い。
25μmの粘着剤層、及び厚み700μmのポリプロピレン
外層シートbからなるシート厚785μmの多層シート材
料からなる容器に、トップフィルムを熱溶着して熱溶着
部の内側端から切り込みまでの間隔tを4mmとした。こ
の容器の開封方向の剥離強度は剥離強度300mm/分で1.17
kg/25mm幅であり、非開放方向(容器内側からの開封方
向)の剥離強度は4.25kg/25mm幅であった。このことか
ら内圧に対しては密封性に優れ、内容物を取り出す際の
開封性に優れていることがわかる。
強度及び再封気密性について測定した結果を以下に示
す。
ムを容器に粘着剤で固定する操作を所定回数繰り返した
後の再密封包装容器の開封方向の剥離強度を剥離速度30
0mm/分で測定したもので結果を第1表に示す。
ムを容器に粘着剤で固定する操作を所定回数繰り返した
後の再密封包装容器の気密性をJIS Z 0222に準じて測定
した。また、未開封のもの及びカッターにより開封した
ものについても比較のために測定した。測定は温度40±
1℃、湿度90±2%、空気流れ1m/sの条件で所定日数放
置し100gの塩化カルシウムによる吸湿重量(g)を測定
した。結果を第2表に示す。
る容器に比し、密封性が良好なことがわかる。
できる一方、開封が容易であり、かつ開封後は蓋は複数
回の開閉に最利用できるトップフィルムを持った使い捨
ての密封包装容器を得ることができた。また、本発明の
方法によれば、このような優れた密封包装容器を極めて
効率よく製造することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】表面層と該表面層に粘着剤を介して積層さ
れた層との少なくとも2層を有する多層シート材料から
成形され、該表面層を最内層として有し、凹部とその周
囲に偏平な縁部とを有し、該縁部の上面の該最内層に該
凹部と該縁部との境界領域に沿った切り込みを有する容
器と、該容器の縁部の表面に該切り込みの外側で強固に
固着された蓋部分と、該蓋部分から延長しており、縁部
表面に固着されていないつまみ部分とを有するトップフ
ィルムとからなることを特徴とする密封包装容器。 - 【請求項2】該蓋部分と該縁部の固着部分の内側端から
切り込みの間に0.5〜10mmの間隔が設けられている請求
項1記載の密封包装容器。 - 【請求項3】該切り込みが該縁部の上面の該最内層に該
凹部と該縁部の境界領域に沿ってヒンジ部分を残して弧
状に設けられている請求項1記載の密封包装容器。 - 【請求項4】該最内層に設けられた該切り込み両端部の
該多層シートに丸穴が設けられている請求項3記載の密
封包装容器。 - 【請求項5】表面層と該表面層に粘着剤を介して積層さ
れた層との少なくとも2層を有する多層シート材料を用
いて、該表面層を最内層として有し、所望の形状寸法の
凹部とその周囲に偏平な縁部を有する容器を成形し、該
縁部の上面の最内層に該凹部と該縁部との境界領域に沿
って切り込みを入れ、内容物を充填した後、該縁部の表
面に該縁部を覆うに足る面積を持った蓋部分とそれから
延長するつまみ部分とを有するトップフィルムを、該つ
まみ部を除いて該縁部表面に該切り込みの外側で強固に
固着することを特徴とする密封包装容器の製造方法。 - 【請求項6】表面層と該表面層に粘着剤を介して積層さ
れた層との少なくとも2層を有する多層シート材料を用
いて、該表面層を最内層として有する所望の形状寸法の
凹部とその周囲に偏平な縁部を有する容器を成形し、該
容器に内容物を充填し、該容器に、該縁部を覆うに足る
面積を持った蓋部分とそれから延長するつまみ部分とを
有するトップフィルムを、該凹部と該縁部との境界領域
の外側周辺部分を覆い得る形状寸法を有する非溶融材料
を介して被せた後、該縁部の上方にヒートシール部と該
境界領域に沿った加熱押圧用凸部とを非ヒートシール部
を介して有するヒートシールリングを用いて熱溶着する
ことにより、該容器の密封と、該最内層中への該凹部と
該縁部との境界領域に沿った切り込みの形成とを同時に
行うことを特徴とする密封包装容器の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS63110108A (ja) * | 1986-10-14 | 1988-05-14 | シ−ケ−デイ株式会社 | 開封容易な包装体の製造方法および装置 |
-
1988
- 1988-09-08 JP JP63223499A patent/JP2551637B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012197097A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Fuji Seal International Inc | ブリスター容器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01167073A (ja) | 1989-06-30 |
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