JPS6144989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、食品、飲料液等を充填密封する罐
その他の容器の蓋体、特にテープシール蓋体に関
するものである。

食品、飲料液その他の物品を収容する罐が、開
口操作の容易なイージーオープン罐として構成さ
れることがあるのは周知である。

このようなイージーオープン罐は、一般に、ス
コアーを形成した罐蓋を罐胴に巻き締めて備え、
かつ、この罐蓋にプルタブをリベツト止めして備
え、開罐に際しては、プルタブを引張り上げて罐
蓋をスコアー部分から引き裂くように構成されて
いる。しかるに、このようなイージーオープン罐
では、開罐後の引き裂き片やプルタブが罐胴から
分離されて捨てられ、環境を汚損することがあ
り、これを避けるために、近来、プルタブを使用
せずに、罐蓋に予め内容物取出し用の開口を形成
しておき、この開口をシールテープを貼着させて
密閉し、開罐に当つてはそのシールテープに穴を
あけ、若しくはシールテープを剥離させる、いわ
ゆるテープシール蓋が開発されて来ている。シー
ルテープを貼着させる場合の貼着面の構造として
は、一般にヒートシール型貼着面と粘着シール型
貼着面とが考えられるが、貼着操作の難易度、価
格等の点についての配慮から粘着シール型貼着面
を採用することが多い。しかるに、粘着シール型
貼着面は前述の利点を持つ一方で、再使用性（リ
シール性）を有し、このため、内容物の真正さを
保証する機能、いわゆるピルフアープルーフ機能
が低いという欠点がある。すなわち、粘着型シー
ルテープは蓋体に対して貼合及び剥離が容易であ
るが、仮に、そのシールテープを剥離して開罐
し、しかる後に再びそのシールテープを貼合して
開口部を閉塞しても、剥離し開罐した痕跡が残ら
ないか若しくは明瞭でない。

このようなことから、テープシール蓋において
もピルフアープルーフ機能を持つものの開発が望
まれている。

この考案は上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、一度剥離したシールテープを再使用
して罐蓋の開口部を閉塞しても、剥離の痕跡が明
瞭に残つて、ピルフアープルーフ機能を発揮し得
るテープシール蓋体を提供することを目的とする
ものである。

この目的に対応して、この考案のテープシール
蓋体は、容器蓋に内容物取出し用の開口部を形成
し、前記開口部を前記容器蓋に粘着した第１のシ
ールテープ部材によつて密閉し、さらに前記第１
のシールテープ部材の上から第２のシールテープ
部材を被せ、前記第２のシールテープ部材を前記
容器蓋にヒートシール貼着してなり、前記２のシ
ールテープ部材の内面は前記第１のシールテープ
部材の外面と貼着しその貼着強度は前記第１のシ
ールテープ部材と前記容器蓋との貼着強度より大
であることを特徴としている。

以下、この考案の詳細を一実施例を示す図面に
ついて説明する。

第１図、第２図及び第３図において、１は罐蓋
であり、罐蓋１はその周縁部において罐胴（図示
せず）の開口端フランジに巻締め等の手段によつ
て取り付けられて使用するものである。

罐蓋１は罐蓋本体２とシールテープ３とを備え
ている。

罐蓋本体２はブリキ、TFSその他の金属板、
若しくは金属板の表面にプラスチツク材をコート
したものまたはプラスチツクフイルム若しくはプ
ラスチツクフイルムを含む積層材の、通常、蓋材
として使用される材料によつて構成されている。
特に重要なこととして、この蓋体１には内容物取
出し用の穴４が穿設されている。この穴４は罐蓋
本体２に貼着するシールテープ３によつて密封閉
塞されている。

シールテープ３は内側に位置する第１のテープ
部材５と、外側に位置する第２のテープ部材６と
が重ねられて形成されている。

第１のテープ部材５は罐蓋本体２における穴４
及び穴４の周縁部７を覆い得る寸度を有する。第
１のテープ部材５の貼着面８は粘着型貼着面を構
成し、したがつて、貼着面８は罐蓋本体２に粘着
して穴４を密封閉塞する。このような粘着型貼着
面を構成するために、貼着面８には粘着型接着剤
が塗布されている。このような粘着型接着剤は、
感圧型接着剤とも称されるもので、主剤は天然ゴ
ム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリビニル
エーテル、エチルアクリレート、シリコンゴム等
であり、市販のものを使用することができる。

一方、第２のテープ部材６は本体９と及び本体
９に一体的に連続する摘み部１１とから成つてい
る。摘み部１１は本体９の上側に折り返されて位
置する。本体９は第１のテープ部材５よりもわず
かに大きい寸度をなし、したがつて、第１のテー
プ部材５を本体９の中央部に位置させた状態で、
第１のテープ部材５と第２のテープ部材６とを重
ね合せた場合には、本体９の周縁部１２がわずか
に第１のテープ部材５の外側に環状に延出する。
周縁部１２の貼着面１３はヒートシール型貼着面
を構成し、したがつて、貼着面１３は罐蓋本体２
にヒートシール貼着する。このようなヒートシー
ル型貼着面を構成するために、貼着面１３にはヒ
ートシール型接着剤が塗布される。このようなヒ
ートシール型接着剤は加熱融着によつて接着を行
うもので、加熱源の熱板、インパルス通電装置、
超音波振動装置その他のヒーターによつて加熱溶
融させ、かつ、加圧する。このようなヒートシー
ル型接着剤の主剤としては、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルアルコールポリビニルアセタール等であ
り、市販のものを使用することができる。

第２のシールテープ部材６は第１のシールテー
プ部材５の外側に位置し、本体９の周縁部１２の
貼着面１３で罐蓋本体２に貼着する。第１のシー
ルテープ部材５の外側面と第２のシールテープ部
材６の本体９の中央部内側面とは貼着している。
この貼着の手段は粘着型貼着、ヒートシール型貼
着その他の貼着形式を採ることができる。ただ
し、両者間の貼着強度は第１のシールテープ部材
５と罐蓋本体２との貼着強度より大であり、第２
のシールテープ部材６を罐蓋本体２から剥離させ
た場合には、第１のシールテープ部材５も罐蓋本
体２から剥離して第２のシールテープ部材６に一
体的に随伴するものであることを要する。上記の
第１のシールテープ部材５と第２のシールテープ
部材６との間の貼着は、両者の罐蓋本体２への貼
着に先立つて、予め行なつてもよいし、また、両
者を罐蓋本体２に貼着させる操作のときに同時に
行つてもよい。また、第２のシールテープ部材６
が第１のシールテープ部材５が完全に被覆するも
のであることは必ずしも必要でなく、前記の両者
間の必要な貼着強度が確保される限り、第１のシ
ールテープ部材５の一部分を被覆するものであつ
てもよい。

このような罐蓋１は、シールテープ３を貼着面
８及び貼着面１３において罐蓋本体２に貼着し、
穴４を密封閉塞して完成され、その後罐胴（図示
せず）等に巻締め等の手段により固着される。貼
着面８における接着剤は感圧接着剤であるから、
その部分は圧力をかけて押圧することによつて貼
着し、また貼着面１３における接着剤はヒートシ
ール型接着剤であるから、その部分は加熱加圧す
ることによつて貼着する。

次にこのように構成された罐蓋１において、穴
４を開封する場合には第４図に示す如く、シール
テープ３の第２のシールテープ部材６の摘み部１
１を摘み、かつ引張り上げると、第２のシールテ
ープ部材が罐蓋本体２から剥離し、かつ、第１の
シールテープ部材５が第２のシールテープ部材６
に随伴して罐蓋本体２から剥離する。この際、罐
蓋本体２上の貼着面８と接着していた面１４は、
粘着の性質上、表面状態が平滑であるが、貼着面
１３と接着していた面１５はヒートシールの性質
上、融着面が破壊した痕跡が残り、表面状態は粗
面になる。

次に、仮に、罐蓋本体２の穴４をシールテープ
３を使用して再び閉塞しようとすると、第１のシ
ールテープ部材５における貼着面８は粘着型接着
面の性質上、再び罐蓋本体２の面１４に貼着す
る。しかるに、第２のシールテープ部材６の周縁
部１２の貼着面１３はヒートシールの性質上、再
使用が不可能であつて、貼着しない。したがつ
て、一度シールテープ３を罐蓋本体２から剥離し
た後は、第５図に示す如く、第２のシールテープ
部材６の周縁部１２が貼着せずに浮き上つた状態
となり、また、剥離した罐蓋本体２上の面１５に
破壊された粗面が露出しているから、一見して、
一度罐蓋本体２の穴４が開封された事実を認識す
ることができる。つまり、このような罐蓋１はピ
ルフアープルーフ機能を発揮する。

なお、以上説明した実施例においては、粘着型
貼着面及びヒートシール型貼着面を形成するため
のそれぞれの接着剤はシールテープ側に予め塗布
することとなつているが、これらの接着剤は罐蓋
本体側に塗布しておいてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は罐蓋の平面図、第２図は第１図におけ
る−部断面拡大図、第３図は第１図における
−部断面拡大図、第４図はシールテープを剥
離する状態を示す断面拡大図、及び第５図はシー
ルテープを再貼着した状態を示す断面拡大図であ
る。 １……罐蓋、２……罐蓋本体、３……シールテ
ープ、５……第１のシールテープ部材、６……第
２のシールテープ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器蓋に内容物取出し用の開口部を形成し、前
   記開口部を前記容器蓋に粘着した第１のシールテ
   ープ部材によつて密閉し、さらに前記第１のシー
   ルテープ部材の上から第２のシールテープ部材を
   被せ、前記第２のシールテープ部材を前記容器蓋
   にヒートシール貼着してなり、前記２のシールテ
   ープ部材の内面は前記第１のシールテープ部材の
   外面と貼着しその貼着強度は前記第１のシールテ
   ープ部材と前記容器蓋との貼着強度より大である
   ことを特徴とするテープシール蓋体。