JP2551106Y2 - 非直線性誘電体素子 - Google Patents

非直線性誘電体素子

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JP2551106Y2
JP2551106Y2 JP777591U JP777591U JP2551106Y2 JP 2551106 Y2 JP2551106 Y2 JP 2551106Y2 JP 777591 U JP777591 U JP 777591U JP 777591 U JP777591 U JP 777591U JP 2551106 Y2 JP2551106 Y2 JP 2551106Y2
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linear dielectric
dielectric element
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crystallized glass
electrode
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久男 阿部
昭一 岩谷
典正 坂本
裕樹 森
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、高電圧パルス発生用と
して好適な非直線性誘電体素子に関し、非直線性誘電体
素地の厚み方向の両面に設けられた電極の面内に、電極
面積よりも小さい面積で強誘電性結晶化ガラス層を付着
し、強誘電性結晶化ガラス層を導電膜で覆い、強誘電性
結晶化ガラス層の表面の導電膜上に、リード導体を接合
することにより、時間的変動の小さい安定した高いパル
ス電圧が得られ、しかも、リード導体接続時の熱による
特性劣化を防止し得る非直線性誘電体素子を提供できる
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】この種の非直線性誘電体素子は、例えば
放電灯の無接点始動器として使用される。先行技術文献
としては、特開昭63ー136612号公報、特開昭6
3ー296209号公報等が知られている。これらの従
来技術においては、非直線性誘電体素地の両面に形成さ
れている電極の全面を、強誘電性結晶化ガラスによって
覆い、強誘電性結晶化ガラスの上にリード導体を固定
し、強誘電性結晶化ガラスを貫通させた通電部によっ
て、リード導体をろう付け等の手段によって電極に導通
させてあった。強誘電性結晶化ガラスは、リード導体を
電極に直接にろう付けした場合の電極食われや非直線性
誘電体素地へのフリット拡散による特性劣化を防止する
手段として設けれられている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、電極の
全面を、強誘電性結晶化ガラスによって覆う従来構造で
は、パルス電圧が低下すること、パルス電圧の時間的変
動が大きいことが分った。また、強誘電性結晶化ガラス
層を貫通する通電部によって電極を引出す複雑な構造を
とる必要もあった。
【0004】そこで、本考案の課題は上述する問題点を
解決し、時間的変動の小さい安定した高いパルス電圧が
得られ、しかも、比較的簡単な構造でリード導体接続に
伴う特性劣化を防止し得る非直線性誘電体素子を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本考案は、非直線性誘電体素地の厚み方向の両面に
電極を設け、前記電極にリード導体を導通させた非直線
性誘電体素子であって、前記電極は、面内に電極面積よ
りも小さい面積で付着された強誘電性結晶化ガラス層を
有しており、前記強誘電性結晶化ガラス層は、導電膜で
覆われており、前記導電膜は、前記電極に導通してお
り、前記リード導体は、前記強誘電性結晶化ガラス層の
表面の前記導電膜上に接合されていることを特徴とす
る。
【0006】
【作用】電極は、面内に電極面積よりも小さい面積で付
着された強誘電性結晶化ガラス層を有しているので、強
誘電性結晶化ガラスと非直線性誘電体素地との線膨張係
数の違いによって生ずる残留応力が軽減され、時間的変
動の小さい安定した高いパルス電圧が得られる。
【0007】強誘電性結晶化ガラス層は、電極に導通す
る導電膜で覆われており、リード導体は強誘電性結晶化
ガラス層の表面の導電膜上に接合されているから、リー
ド導体接続時の熱処理温度が高いときに生じる電極食わ
れ、または非直線性誘電体素地へのフリット拡散を阻止
し、特性劣化を防止できる。
【0008】リード導体を接合する導電膜は、強誘電性
結晶化ガラス層を覆うように設ければよいから、構造が
簡単化され、製造が容易になる。
【0009】
【実施例】図1は本考案に係る非直線性誘電体素子の正
面断面図、図2は同じくその平面図である。図におい
て、1は非直線性誘電体素地、2、3は電極、4、5は
強誘電性結晶化ガラス層、6、7は導電膜、8、9はリ
ード導体、10、11は接合材、12、13はガラスを
示している。
【0010】非直線性誘電体素地1を構成する材料は周
知である。代表例として、チタン酸バリウム系強誘電体
磁器材料がある。非直線性誘電体素地1は円形や角形等
の任意の形状を有する平板状となっている。
【0011】電極2、3は非直線性誘電体素地1の厚み
方向の両面に形成されている。電極2、3の電極材料も
周知である。代表例としてはAg合金等をあげることが
できる。電極2、3は、面内に電極面積よりも小さい面
積で付着された強誘電性結晶化ガラス層4、5を有して
いる。
【0012】強誘電性結晶化ガラス層4、5は、チタ
ン、バリウム系セラミック粉末を含有している。こうす
ると強誘電性結晶化ガラス層4、5と非直線性誘電体素
子1との間の線膨張係数が近似したものとなり、非直線
性誘電体素子1に加わる残留応力が低下するから、高圧
パルスを容易、かつ、確実に発生させることができるよ
うになる。強誘電性結晶化ガラス層4、5は導電膜6、
7で覆われている。導電膜6、7は端縁部が電極2、3
に重なって電気的に導通している。この導電膜6、7は
電極2、3と同じ材質であっても、異なる材質であって
もよい。
【0013】リード導体8、9は、強誘電性結晶化ガラ
ス層4、5の表面の導電膜6、7上に、ろう付け等の手
段によって接合されている。リード導体6、7はニッケ
ル、鉄ーニッケル、鉄ーニッケルーコバルト系合金等に
よって構成できる。
【0014】上述のように、電極2、3は、面内に電極
面積よりも小さい面積で付着された強誘電性結晶化ガラ
ス層4、5を有しているので、強誘電性結晶化ガラス
4、5と非直線性誘電体素地1との間の線膨張係数の差
に起因して生じる残留応力が軽減され、時間的変動の小
さい安定した高いパルス電圧が得られる。
【0015】また、強誘電性結晶化ガラス層4、5は、
電極2、3に導通する導電膜6、7で覆われており、リ
ード導体8、9は強誘電性結晶化ガラス層4、5の表面
の導電膜上に接合されているから、リード導体6、7を
高温でろう付けした場合でも、電極食われや非直線性誘
電体素地1へのフリット拡散を阻止し、特性劣化を防止
できる。
【0016】しかも、リード導体8、9を接合する導電
膜6、7は、印刷塗布等の手段によって強誘電性結晶化
ガラス層4、5を覆うように設ければよいから、構造が
簡単化され、製造が容易になる。
【0017】図示の電極2、3は外周端縁21、31が
非直線性誘電体素地1の外周面からギャップG1 だけ内
側に位置するように設けられている。電極2、3の外周
端縁21、31は、その全周がガラス12、13によっ
てリング状に覆われている。従って、電極2、3の外周
端縁21、31の全周が、ガラス12、13によって封
止され、電極2ー3間の電圧破壊が生じにくくなる。ま
た、ガラス12、13はリング状となっているから、ガ
ラス12、13と非直線性誘電体素地1との間の線膨張
係数の差に起因して生じる残留応力が軽減され、時間的
変動の小さい安定した高いパルス電圧を維持できるよう
になる。
【0018】ガラス12、13は、電極2、3の外周端
縁21、31の外側に0.1mm以上のガラス被覆領域
G2 が生じるように設けるのが望ましい。こうすること
により、所定の破壊電圧を確保することができる。また
ガラス12、13は幅W1 が3mm以内となるように設
けることが望ましい。この範囲内であれば、ガラス1
2、13と非直線性誘電体素地1との間の線膨張係数の
差に起因する残留応力が軽減されるので、パルス電圧の
低下を回避できる。更に、ガラス12、13にはチタ
ン、バリウム系セラミック粉末を含有させることもでき
る。こうするとガラス12、13と非直線性誘電体素子
1との間の線膨張係数が近似したものとなり、非直線性
誘電体素子1に加わる残留応力が低下するから、高圧パ
ルスを容易、かつ、確実に発生させることができるよう
になる。
【0019】図3〜図9に他の実施例を示す。図3〜図
6は正面断面図、図7〜図9は平面図である。何れの実
施例においても、電極2、3は面内に電極面積よりも小
さい面積で付着された強誘電性結晶化ガラス層4、5を
有しており、強誘電性結晶化ガラス層4、5は電極に導
通する導電膜6、7で覆われている。リード導体6、7
は強誘電性結晶化ガラス層4、5の表面の導電膜6、7
上にろう付け等の手段によって接合されている。
【0020】上述のような基本的な構造の下で、図3で
は、ガラス12、13は、非直線性誘電体素地1の表面
側から裏面側に連続し、非直線性誘電体素地1の外周面
の全体を覆うように設けてある。図4では、ガラス1
2、13は、非直線性誘電体素地1の表面側及び裏面側
において互いに独立し、非直線性誘電体素素地1の外周
面の一部を覆うように設けられている。図5では、電極
2、3のうち、電極2のみにガラス12を付与した例を
示している。図6では、電極2のみに、非直線性誘電体
素地1の端面から外周面に達するように、ガラス12を
設けた例を示している。素7は非直線性誘電体素地1の
外形を四角形状にした例、図8は非直線性誘電体素地1
の四隅部を弧状にした例、図9は非直線性誘電体素地1
の相対する両端を半円弧状にした例をそれぞれ示してい
る。何れの実施例の場合も、第1図及び第2図を参照し
て説明したと同様の作用及び効果が得られる。
【0021】次に実測データによって、本考案の効果を
説明する。図10はろう付け温度ーパルス電圧特性デー
タをグラフ化して示す図である。図において、曲線L1
は本考案に係る非直線性誘電体素子の特性データを示
し、曲線L2は強誘電性結晶化ガラス層を持たない非直
線性誘電体素子であって、電極にリード導体を直接ろう
付けした従来品の特性データを示している。図示するよ
うに、本考案に係る非直線性誘電体素子は、ろう付け温
度が高くなっても、特性劣化が極めて小さく、高いパル
ス電圧が得られている。これに対して、従来品はろう付
け温度が770℃を越えると特性が急激に悪化し、パル
ス電圧が極端に低下する。
【0022】
【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、次
のような効果が得られる。 (a)電極は、面内に電極面積よりも小さい面積で付着
された強誘電性結晶化ガラス層を有しているので、強誘
電性結晶化ガラスと非直線性誘電体素地との間の残留応
力が軽減され、時間的変動の小さい安定した高いパルス
電圧を発生し得る非直線性誘電体素子を提供できる。 (b)強誘電性結晶化ガラス層は、電極に導通する導電
膜で覆われており、リード導体は強誘電性結晶化ガラス
層の表面の導電膜上に接合されているから、リード導体
接続時の電極食われ、非直線性誘電体素地へのフリット
拡散を阻止し、特性劣化を防止した非直線性誘電体素子
を提供できる。 (c)リード導体を接合する導電膜を、強誘電性結晶化
ガラス層を覆うように設ければよく、構造が簡単で、製
造の容易な非直線性誘電体素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る非直線性誘電体素子の正面断面図
である。
【図2】本考案に係る非直線性誘電体素子の平面図であ
る。図3〜図6本考案に係る非直線性誘電体素子の他の
実施例における各正面断面図である。図7〜図9本考案
に係る非直線性誘電体素子の他の実施例における各平面
図である。
【図10】非直線性誘電体素子におけるろう付け温度ー
パルス電圧特性データをグラフ化して示す図である。
【符号の説明】
1 非直線性誘電体素地 2、3 電極 4、5 強誘電性結晶化ガラス 6、7 導電膜 8、9 リード導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 森 裕樹 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−52007(JP,A)

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非直線性誘電体素地の厚み方向の両面に
    電極を設け、前記電極にリード導体を導通させた非直線
    性誘電体素子であって、前記電極は、面内に電極面積よ
    りも小さい面積で付着された強誘電性結晶化ガラス層を
    有しており、前記強誘電性結晶化ガラス層は、導電膜で
    覆われており、前記導電膜は、前記電極に導通してお
    り、前記リード導体は、前記強誘電性結晶化ガラス層の
    表面の前記導電膜上に接合されていることを特徴とする
    非直線性誘電体素子。
  2. 【請求項2】 前記電極の少なくとも一方は、外周端縁
    のほぼ全周がガラスによってリング状に覆われているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の非直線性誘電体素子。
  3. 【請求項3】 前記ガラスは、チタン、バリウム系セラ
    ミック粉末を含有することを特徴とする請求項2に記載
    の非直線性誘電体素子。
  4. 【請求項4】 前記ガラスは、前記電極の前記外周端縁
    の外側に0.1mm以上のガラス被覆領域が生じるよう
    に設けられていることを特徴とする請求項2または3に
    記載の非直線性誘電体素子。
  5. 【請求項5】 前記ガラスは、幅が3mm以内であるこ
    とを特徴とする請求項2、3または4に記載の非直線性
    誘電体素子。
JP777591U 1991-01-28 1991-01-28 非直線性誘電体素子 Expired - Lifetime JP2551106Y2 (ja)

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JPH0496834U JPH0496834U (ja) 1992-08-21
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