JP2550923Y2 - 熱交換器のブラケット取付構造 - Google Patents

熱交換器のブラケット取付構造

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JP2550923Y2
JP2550923Y2 JP7652392U JP7652392U JP2550923Y2 JP 2550923 Y2 JP2550923 Y2 JP 2550923Y2 JP 7652392 U JP7652392 U JP 7652392U JP 7652392 U JP7652392 U JP 7652392U JP 2550923 Y2 JP2550923 Y2 JP 2550923Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はろう付け前のブラケット
を治工具を要することなく、ヘッダーパイプに確実かつ
容易に位置決めし仮止めできるようにした熱交換器のブ
ラケット取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のブラケットは、例えば実
開昭63ー142585号、特開平2ー142585
号、同2ー217160号のように、ヘッダーパイプの
周面に取り付けられ、その取付けに際しては、治具等を
用いてブラケットをヘッダーパイプの所定位置に位置決
めし、これをリベットやクリップを用い、或いは一部を
溶接する等して仮止め後、例えばろう付け炉に搬入し
て、ヘッダーパイプと一体にろう付けしていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、この従来の取
付け法では、ブラケットの位置決めに治具等を要し、ま
たブラケットをヘッダーパイプに仮止めする手段とし
て、リベットやクリップを使用し、或いは一部を溶接す
る等していたため、各種の工具や部品を要するうえに、
この種の作業に手間が掛かって生産性が悪い、という問
題があった。
【0004】本考案はこのような問題を解決し、ろう付
け前のブラケットを治工具を要することなく、ヘッダー
パイプに確実かつ容易に位置決めし仮止めでき、この種
作業の生産性を向上し得るようにした熱交換器のブラケ
ット取付構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本考案の熱交
換器のブラケット取付構造は、樋状のタンクプレートと
エンドプレートとを設け、エンドプレートの両端部外面
に、タンクプレートの両端部内面を接合してヘッダーパ
イプを構成し、該ヘッダーパイプの周面に複数の係合片
を有するブラケットを取り付けた熱交換器のブラケット
取付構造において、上記係合片を向き合わせて配置し、
これらに内側へ作用する弾性を付与するとともに、上記
係合片の少なくとも一つをタンクプレートの外周面に突
設した接合片に係合かつ圧接可能にして、ろう付け前の
ブラケットを治工具やクリップを要することなく、タン
クプレートの所定位置に確実かつ容易に位置決めし、仮
止めできるようにしたことを特徴としている。
【0006】
【作 用】複数の係合片を向き合わせて配置し、これら
に内側に作用する弾性を与えて、係合片をヘッダーパイ
プの周面に圧接状態で取り付け、ブラケットの仮止め強
度を向上するとともに、治工具を要することなくブラケ
ットの仮止めを可能にする少なくとも一つの係合片を、
タンクプレートの外周面に突設した接合片に係合させ
て、ヘッダーパイプの定位置でのブラケットの取り付け
を可能にする。
【0007】
【実施例】以下、本考案を車両用空調装置に装備する熱
交換器の取付けに適用した図示実施例について説明する
と、図1乃至図4において1は熱交換器であるコンデン
サで、一対のヘッダーパイプ2,3が左右に配設され、
このうちヘッダーパイプ2の上部に後述の冷媒入口管が
接続され、ヘッダーパイプ3の下部に後述の冷媒出口管
が接続されている。
【0008】ヘッダーパイプ2,3は実質的に同一に構
成され、これはアルミニウムブレージングシートを樋状
に成形した、一対のエンドプレート4とタンクプレート
5とからなり、これらを向き合わせて端部を重合し、そ
の接合部6,6をろう付けして構成している。この場
合、エンドプレート4とタンクプレート5の芯材とし
て、実施例ではJISで規定するA3003系のアルミ
ニウム合金を使用し、またその両面に被覆したろう材と
して、JISで規定するA4045のALーSi系アル
ミニウム合金を使用している。
【0009】エンドプレート4,4の相対する周面には
複数の切欠孔7が形成され、これらの孔7に扁平なチュ
ーブ8が挿入されていて、これらチューブ8の間に放熱
フィン9が配設されている。ヘッダーパイプ2,3の上
下端部はキャップ10で閉塞され、またその内部は複数
の仕切板11で区画されていて、チューブ8内を移動す
る冷媒を上方から左右に蛇行させて下方へ移動可能にし
ている。
【0010】タンクプレート5の両端部には、接合片1
2a,12bが外側に突設され、その内面をエンドプレ
ート4の外端部に重合しており、また接合片12a,1
2bの上下位置には切欠または孔からなる一対の係合溝
13が設けられ、これらにブラケット14の第1係合片
15,15が嵌合されている。
【0011】ブラケット14は、アルミニウム板をプレ
ス成形して構成され、これは図示のように一端を幅広に
形成した板体からなり、その両側に補強片16を対向し
て形成している。
【0012】この場合、ブラケット14の材質として、
実施例ではJISで規定するA3003相当のアルミニ
ウム合金を使用し、または芯材としてJISで規定する
A7N01またはA6N01のアルミニウム合金に、J
ISで規定するA3003系のアルミニウム合金をクラ
ッドしたものを使用している。
【0013】ブラケット14の幅広側の一端には、略コ
字形状に形成した前述の第1係合片15,15と、該片
15,15と反対方向へ折り曲げた略L字形状の第2係
合片17とが設けられ、これらには内側に作用する適当
な弾性が与えられていて、その内面を接合片12a,1
2bおよびタンクプレート5の外周面に係合かつ圧接さ
せている。
【0014】第2係合片17は第1係合片15,15の
内側に位置して、該片15よりも幅広に形成され、その
先端部の内面には凸部18,18を突設していて、これ
を一方の接合片12bの側端面に係合させている。
【0015】この他、19はブラケット14の他端部に
形成したボルト挿通孔、20,21はブラケット14の
一端部に形成した補強リブである。
【0016】図5および図6は本考案の他の実施例を示
し、前述の実施例と対応する構成部分には同一の符号を
用いている。この実施例では前述の係合溝13を省略
し、第1係合片15の端部を接合片12aと同幅に屈曲
して、当該部を接合片12aに係合させ、凸部18と共
にブラケット14を取付けている。この場合、凸部18
を省略し、第2係合片17の端部を第1係合片15と同
様に構成してもよい。
【0017】一方、この実施例では接合片12a,12
bの端部に間隔を置いて複数の係合爪22,23を突設
し、これを組み付け時に適宜手段でかしめて、エンドプ
レート4の外周面に係合させ、エンドプレート4とタン
クプレート5の双方の捩れを防止するようにしている。
そして、ブラケット14の組み付け時に、上側の第1係
合片15の端部を一方の係合爪22の基部上面に掛け止
め、ヘッダーパイプ2,3の管軸方向における取付位置
を規制するようにしている。
【0018】図7は図5および図6の実施例の応用例を
示し、この実施例は上下一対の係合爪22の対向距離
と、第1係合片15,15の外側端部寸法とを調整し、
ブラケット14の組み付け時に第1係合片15,15を
係合爪22,22の間に嵌合し、ヘッダーパイプ2,3
の管軸方向における取付位置を規制するようにしている
この場合、第1係合片15,15の端部に、屈曲部の代
わりに第2係合片17と同様な凸部24を突設すれば、
ブラケット14の組み付けをワンタッチで行なえる。
【0019】図8は図7の変形例を示し、この実施例で
は接合片12a,12bの係合爪22,23を省略し、
代わりにタンクプレート5の所定位置に一対のリブ25
を円周方向に突設して、ブラケット14の組み付け時に
リブ25,25の間に第1係合片15,15を嵌合し、
ヘッダーパイプ2,3の管軸方向における取付位置を規
制するようにしている。したがって、この実施例では係
合爪22,23の省略によって、プレス成形に対するタ
ンクプレート5の板取りを容易かつ無駄なく行なえ、材
料の有効利用を図れる。
【0020】図9乃至図13はブラケット14の他の実
施例を示し、このうち図9では第1および第2係合片1
5,17の基部を同方向に平行に延設して略コ字形に屈
曲し、その屈曲部を中心に略対称に構成して、成形加工
の容易化と剛性の強化を図るとともに、ボルト挿通孔1
9をヘッダーパイプ3の側方に配置し、同位置でコンデ
ンサ1を支持するようにした点を特徴にしている。
【0021】図10のものは第1および第2係合片1
5,17を非対称に形成し、それらの基部を第1係合片
15寄りの側方に延設して折返し、その重合部に設けた
ボルト挿通孔19をヘッダーパイプ2,3の斜め前方ま
たは後方に位置付け、同位置でコンデンサ1を支持する
ようにした点を特徴にしている。
【0022】図11ではブラケット14を2部材で構成
し、これらで第1および第2係合片15,17を別々に
形成するとともに、それらの他端部を重合して一体にろ
う付けするようにした点を特徴にしている。
【0023】図12および図13のブラケット14は、
コンデンサ1の取付け用ではなく、コンデンサ1に配管
する導管取り付け用に適用したものであるが、その主要
部の構成は前述の実施例と実質的に同一である。したが
って、この実施例のブラケット14はボルト挿通孔19
を要しない。
【0024】すなわち、この実施例のブラケット14
は、細長のアルミニウム板の一端を湾曲成形し、該湾曲
部の両端に第1および第2係合片15,17を設け、こ
れらに屈曲部と凸部18とを設け、第1および第2係合
片15,17と湾曲部の中間部とでタンクプレート5の
周面に装着可能にする一方、他端に略半円弧状の導管保
持部26を設け、該保持部26に出口側の冷媒導管27
を挟持可能にしている。この場合、上記ブラケット14
を入口側の冷媒導管28に適用することも可能であり、
また導管保持部26を省略し、代わりにブラケット14
の他端に別設の導管保持片を取り付けてもよい。
【0025】このように構成した本考案のブラケット取
付構造は、図1乃至図4の場合、アルミニウムブレージ
ングシートを用いて、エンドプレート4とタンクプレー
ト5とをプレス成形し、このうち外側に配置するタンク
プレート5の一方の接合片12aの所定位置に、切欠ま
たは孔状の一対の係合溝13を設ける
【0026】一方、アルミニウムベア材またはブレージ
ングシートを所定形状に切断し、その長さ方向の両端を
屈曲して補強片16,16を形成するとともに、ブラケ
ットブランクの一端を互いに反対方向に屈曲して、略コ
字形状の一対の第1係合片15と、略L字形状の第2係
合片17とを向き合わせて形成し、これら第1および第
2係合片15,17に内側に作用する適当な弾性を与え
る一方、第2係合片17の内面に凸部18,18を突設
し、この他端にボルト挿通孔19を形成する。
【0027】こうして製作したエンドプレート4を接合
片12a,12bの内面に挿入し、その端面を接合部
6,6の段部に押し当てて、図示のように組み付ける。
【0028】このような状況の下でブラケット14を保
持し、第1係合片15,15を係合溝13,13に嵌合
して位置決め後、当該部を支点に第2係合片17の先端
を若干拡開させながら、タンクプレート5の周面に沿っ
て押し込み、凸部18,18を接合片12bの側端部に
係合させる。
【0029】このようにすると、係合溝13と第1係合
片15との嵌合と、凸部18と接合片12bの側端部と
の係合によって、ブラケット14がタンクプレート5の
定位置に取り付けられる。その際、第1および第2係合
片15,17の内面が、自身の弾性によって接合片12
a,12bとタンクプレート5との外周面に圧接し、上
記係合関係を強化して、ブラケット14の仮止め強度を
高める。
【0030】このように本考案は、ヘッダーパイプ2,
3の所定位置に確実かつ強固にブラケット14を組み付
けられ、またこの組み付けによって、エンドプレート4
とタンクプレート5との仮止め強度も強化し得るから、
従来のような治具等の位置決め用部材を要せず、しかも
両プレート4,5を保持するクリップ等の仮止め部材が
不要になって、これらを駆使した煩雑な作業から解消さ
れ、この種の作業を容易かつ迅速に行なえる。
【0031】こうして、エンドプレート4とタンクプレ
ート5、およびブラケット14を仮止め後、ヘッダーパ
イプ2,3の上下にキャップ10を嵌合し、またエンド
プレート4,4に形成した切欠孔7にチューブ8を差し
込み、かつそのチューブ8の間に放熱フィン9を介挿し
て、これらをクリップ等の適手段で仮止め後、これをろ
う付け炉に搬入して、所定箇所をろう付けする。
【0032】すなわち、上記ろう付けによって、エンド
プレート4とタンクプレート5とが、接合部6,6を介
してろう付けされ、また第1および第2係合片15,1
7の内面が、接合片12a,12bとタンクプレート5
との外面にろう付けされる。
【0033】そして、ろう付け後、熱交換器1をろう付
け炉から搬出し、使用したクリップを取り外す場合で
も、ヘッダーパイプ2,3およびブラケット14周辺に
は、クリップを使用していないから、その分取り外し作
業の手間が軽減される。
【0034】こうして、ろう付けされたブラケット14
は、ボルト挿通孔19と、熱交換器1を設置する側の取
付金具(図示略)とに、ボルトを差し込み、これをナッ
ト等で緊締することで、使用される。
【0035】
【考案の効果】本考案の熱交換器のブラケット取付構造
は以上のように、係合片を向き合わせて配置し、これら
に内側へ作用する弾性を付与するとともに、上記係合片
の少なくとも一つをタンクプレートの外周面に突設した
接合片に係合かつ圧接可能にして、ろう付け前のブラケ
ットを治工具やクリップを要することなく、タンクプレ
ートの所定位置に確実かつ容易に位置決めし、仮止めす
ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す正面図である。
【図2】本考案の要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本考案の要部を分解して示す斜視図である。
【図4】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図5】本考案の他の実施例の要部を示す斜視図であ
る。
【図6】図2のB−B線に沿う断面図である。
【図7】本考案の更に他の実施例の要部を示す断面図で
ある。
【図8】本考案の別の実施例の要部を示す斜視図であ
る。
【図9】本考案に適用したブラケットの他の実施例の要
部を示す断面図である。
【図10】本考案に適用したブラケットの更に他の実施
例の要部を示す断面図である。
【図11】本考案に適用したブラケットの別の実施例の
要部を示す断面図である。
【図12】本考案を導管取り付け用に適用したブラケッ
トの使用状態を示す正面図である
【図13】図12のCーC線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器 2,3 ヘッダーパイプ 4 エンドプレート 5 タンクプレート 12a,12b 接合片 14 ブラケット 15 第1係合片 17 第2係合片

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樋状のタンクプレートとエンドプレート
    とを設け、エンドプレートの両端部外面に、タンクプレ
    ートの両端部内面を接合してヘッダーパイプを構成し、
    該ヘッダーパイプの周面に複数の係合片を有するブラケ
    ットを取り付けた熱交換器のブラケット取付構造におい
    て、上記係合片を向き合わせて配置し、これらに内側へ
    作用する弾性を付与するとともに、上記係合片の少なく
    とも一つをタンクプレートの外周面に突設した接合片に
    係合かつ圧接可能にしたことを特徴とする熱交換器のブ
    ラケット取付構造。
JP7652392U 1992-10-09 1992-10-09 熱交換器のブラケット取付構造 Expired - Lifetime JP2550923Y2 (ja)

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