JP2549842B2 - 加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造法 - Google Patents

加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、皿状容器に固形食品を収容し、該皿状容器
の上方開放部をフィルム製蓋材にて被冠密封した後加熱
殺菌処理する加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造法に
関する。更に詳しくは、フィルム製蓋材が、皺等の発生
が少なく固形食品に高い密着度で密着して包装され、殺
菌効果及び美観等に優れた加熱殺菌済み固形食品入り容
器の製造法に関する。
(従来の技術) フィルム製の袋状容器或いは皿状容器とこの上方開放
部に覆設されたフィルム製蓋材とからなる容器に食品を
収容し、加熱殺菌処理を施して保存性をもたせた食品入
り容器が広く市場に出回っている。
上記の皿状容器とフィルム製蓋材とからなる形態の容
器は、例えば豆腐、プディング等の食品の包装に使用さ
れている。これらの食品では、通常溶融状態で容器に充
填されるので、容器内部の全体に空隙を残さず収容する
ことができる。したがって、後段で加熱殺菌処理を行な
う場合の殺菌効果或いは美観等の点で特に問題は生じな
い。ところが、同形態の容器に、魚介類、肉類、野菜類
等個体によって大きさ、形状を異にする食品を収容する
場合には、容器内に空隙が存在し(空気が存在し)殺菌
不良が生じる等の重大な問題がある。そして、皿状容器
にフィルム製蓋材をバキュームシールしたり、或いは熱
収縮性フィルムの蓋材を用いる技術も一部提案されてい
るが、これらについても空気の残存による殺菌効果の低
下、フィルム製蓋材に皺が発生して美観を損ねる等の点
で満足のいくものではない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、前記の形態の食品入り容器の製造法に関
し、特にフィルム製蓋材が、皺等の発生が少なく固形食
品に高い密着度で密着して包装され、殺菌効果及び美観
等に優れた加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造法の提
供を目的とする。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を達成すべく研究した結
果、以下なる知見を得、本発明を完成した。
即ち、皿状容器に固形食品を収容し、該皿状容器の上
方開放部をフィルム製蓋材にて被冠密封した加熱殺菌済
み固形食品入り容器の製造法に於いて、特に固形食品を
収容した皿状容器の上方開放部に、フィルム製蓋材を、
予め成形するか或いは押圧を加える手段によって、容器
内部の空隙が特定量以下となるように、固形食品及び皿
状容器の形状、大きさに合せた状態で被冠し、かつ容器
内の空隙率が特定量以下となるようにバキュームシール
する。上記の製造法によると、フィルム製蓋材が容器内
部の空隙を少なくして、しかも固形食品及び皿状容器の
形状、大きさに合せた状態で皿状容器に被冠し、この状
態でバキュームシールされるので、フィルム製蓋材が食
品及び皿状容器に極めて高い密着度で密着包装される。
そして、上記の状態で加熱殺菌処理が施される場合に
は、殺菌効果が大幅に向上し、また食品の離水現象をも
極力防止することができる。加えて、加熱処理によっ
て、フィルム製蓋材が食品及び皿状容器の形状に更にな
じみ、最終品は、フィルム製蓋材が皺の発生が微少で食
品に極めて高い密着度で密着包装された、美観の優れた
ものとなる。
本発明は、上記の知見に基づいて成されたもので、そ
の要旨は、(a)皿状容器に固形食品を収容し、(b)
該皿状容器の上方開放部に、予め該皿状容器及び該固形
食品の形状に合わせて成形されたフィルム製蓋材を使用
するか、或いはフィルム製蓋材に適宜形状の押型で押圧
を加えることによって、フィルム製蓋材を容器内部の空
隙率が略48%以下となるように、該皿状容器及び該固形
食品の形状に合せた状態で被冠し、(c)容器内の空隙
率が25%以下となるようにバキュームシールした後、
(d)加熱殺菌処理することを特徴とする加熱殺菌済み
固形食品入り容器の製造法である。
本発明で使用される皿状容器としては、側壁及び底壁
から構成されるか、或いは椀状、平板状等の成形容器が
例示される。皿状容器が側壁を有するものである場合に
は、側壁の高さが固形食品の高さとほぼ同じか或いはこ
れよりも若干高くすることが望ましい。これによって、
容器の輸送時或いは積み重ね時に於ける固形食品の損傷
を防止することができる。また、側壁の高さは、例えば
底壁の面積が100cm2〜500cm2の場合に35mm以下好ましく
は25mm以下とし、これによってフィルム製蓋材を皿状容
器及び固形食品に無理なく密着包装することができる。
更に、フィルム製蓋材の被冠密封を容易にするために、
皿状容器の上方開放部に外側に突起したフランジ部を設
けてもよい。
皿状容器の材料は、耐熱性でかつ加熱殺菌処理時の加
熱に耐え得るものであれば何れでもよい。具体的には、
ナイロン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリプロピレン、塩化ビニリデン、
これらの発泡物、紙材、及びこれらを適宜ラミネートし
たもの、陶器等が例示される。容器に紫外線遮断性を付
与するためには、上記の材料にアルミニウム箔をラミネ
ートした材料の使用が望ましい。尚、皿状容器は、レト
ルト加熱殺菌時に変形を起こさない程度の強度を得る上
で、厚みが250μ以下好ましくは400μ〜2000μのポリプ
ロピレン、ポリエステル等で形成することが好ましい。
フィルム製蓋材としては、前記皿状容器の材料と同様
の合成樹脂からなるフィルム、或いはこれらにアルミニ
ウム箔をラミネートしたもの等が例示される。
上記のフィルム製蓋材としては、柔軟性を有するもの
の使用が望ましく、例えば曲げ弾性率(ASTM D 79
0)が21000kg/cm2以下好ましくは70〜12000kg/cm2で、
かつ厚みが200μ以下好ましくは5〜120μのものが望ま
しい。上記材料の使用によって、フィルム製蓋材を固形
食品及び皿状容器に低空隙率で密着包装する操作をより
好適になし得る。
また、フィルム製蓋材としては、合成樹脂製フィルム
の中でも特に熱収縮性フィルムの使用が望ましい。熱収
縮性フィルムとしては、通常ポリエチレン、放射線照射
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロ
ン及びプライオフィルム等を原料として延伸法(例えば
フラット式二段二軸延伸法、フラット式同時二軸延伸
法、チューブ式二段延伸法、チューブ式一段延伸法等)
によって製造されたものである。尚、容器に収容される
当該固形食品及び皿状容器の形状に合せた形状の型によ
って、押圧延伸して製造されたものであれば更に好まし
い。
上記熱収縮性フィルムの厚みは、通常2μ〜200μ好
ましくは5μ〜150μとするのがフィルム製蓋材を固形
食品及び皿状容器に好適に密着包装する上で好ましい。
尚、容器をレトルト殺菌処理する場合には、強度、耐熱
性の面で特に厚みが12μ〜200μのポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ナイロン等からなる熱収縮性フィル
ムの使用が望ましい。
また、熱収縮性フィルムとしては、加熱殺菌処理時の
温度に於ける熱収縮率が5%〜70%好ましくは12%〜55
%のフィルムの使用が望ましい。この場合には、フィル
ムの収縮による固形食品及び皿状容器に対する密着度を
更に高め、食品の離水防止効果を向上させることができ
る。
かくして、フィルム製蓋材として熱収縮性フィルムを
使用することにより、皿状容器に熱収縮性フィルムを固
形食品及び皿状容器の形状、大きさに合わせた状態で被
冠し、バキュームシールした後加熱処理が施され、この
場合は加熱時の熱収縮性フィルムの収縮によって、フィ
ルム製蓋材が固形食品及び皿状容器に更に高い密着度で
密着し、食品からの離水を好適に防止するとともに、美
観も向上した食品入り容器を得ることができるのであ
る。
以上のフィルム製蓋材としては、これを皿状容器の上
方開放部に被冠した場合に、皿状容器及び固形食品の形
状に略合致する形状に予め成形したものを使用すること
もできる。尚、フィルム製蓋材が熱収縮性フィルムであ
る場合には、前述のように固形食品及び皿状容器の形状
に合せた形状の型によって、押圧延伸して成形すること
が望ましい。これらの操作によって、フィルム製蓋材の
皿状容器への被冠密封を容易かつ確実に行うことができ
る。
また、フィルム製蓋材は、皿状容器に被冠密封した場
合に、折曲げられた状態で皿状容器及び/又は固形食品
に密着する部分(つまり、例えば皿状容器の側壁及び底
壁の接合部分等に密着する部分等)の厚みを薄くして設
けることができる。具体的には、上記の部分のフィルム
製蓋材の厚みを2μ〜120μ、特に熱収縮性フィルムの
場合は2〜75μとするのがよい。これによって、上記の
部分に於けるフィルム製蓋材の皿状容器及び/又は固形
食品に対する密着度をより高くすることができる。
加えて、フィルム製蓋材として、透明性或いは光沢性
を要するものを使用することができる。透明性のある材
料としては、曇度(ASTM D1003−61)が15%以下好ま
しくは4.5%以下のものがよい。光沢のある材料として
は、光沢度(20%Gardner Glossmeter)が70%以上好
ましくは90〜180%のものがよい。
また、前記の皿状容器及びフィルム製蓋材をガス遮断
性及び紫外線遮断性のある材料で構成することにより、
固形食品の保存性を高めることができる。更に、両者に
先に例示した材料の中でもアルミニウム箔を含まないも
のを使用すれば、固形食品入り容器を電子レンジで加熱
することができる。
本発明で容器に収容する固形食品とは、魚介類、肉
類、野菜類、各種加工食品等の固形状の食品の全てを意
味する。本発明は、固形食品の中でも、水分含量が25重
量%以上好ましくは32重量%以上の比較的組織が柔軟な
ものに特に有効である。これは、上記の食品では、加熱
殺菌処理時(特にレトルト殺菌処理時)に離水が発生し
易く、本発明によればこれを極力防止することができる
ためである。また、本発明は、固形食品の中でも特に焼
魚に有効である。これは、本来のドライな食感及び風味
が求められる焼魚にとって、加熱殺菌処理時の離水は致
命的であり、また焼魚は加熱、輸送時等に身崩れ、表皮
の剥離を起こしやすく、本発明の密着包装形態により、
これらを防止することができるためである。
焼魚は、魚類を焼成したものである。魚類は如何なる
ものでもよく、例えば、イワシ、アジ、サンマ、サバ、
サケ、ブリ、サワラ、ニシン、カレイ、タイ、ウナギ、
アナゴ、タラ等が例示される。
上記の焼魚は、特に焼魚の硬さが85g〜1500g好ましく
は105g〜1250gであることが望ましい。これによって、
容器に高密着度で真空包装する場合等の身崩れ、加熱殺
菌処理時の離水等の防止効果が更に顕著となる。
ここで、焼魚の硬さとは、下記する測定法によって求
められたものである。即ち、焼魚の硬さは、レオメータ
ー(不動工業(株)製)を用いて、焼成後室温放冷した
焼魚を1cm3角に切りそろえて試料を作成し、該試料の魚
肉の筋せんいに対して直角に力を加えて測定する。測定
条件は、プランジャー直径30mm、上昇スピード6cm/分、
クリアランス5mmである。
焼魚の形状は、全魚(腹抜き魚体を含む)或いは適宜
手段によって切断された切り身(半身、二枚に開いたも
の等)等何れでもよい。加熱殺菌時の離水を防止する上
で、全魚とするか、或いは生魚を切り身にしてから焼成
することが望ましい。
以上の如き皿状容器に固形食品を収容し、該皿状容器
の上方開放部をフィルム製蓋材にて被冠密封した後、加
熱殺菌処理を施して本発明の加熱殺菌済み固形食品入り
容器を得る。そして、上記の場合に、特に該皿状容器の
上方開放部に、フィルム製蓋材を容器内部の空隙率が略
48%以下好ましくは38%以下となるように、該皿状容器
及び該固形食品の形状に合せた状態で被冠し、かつ容器
内の空隙率が25%以下好ましくは15%以下となるように
バキュームシールする。ここで、空隙率とは、皿状容器
の上方開放部にフィルム製蓋材を被冠した場合に於け
る、容器内部の空隙が容器の内積に対して占める割合を
意味する。
フィルム製蓋材を、皿状容器の上方開放部に、上記の
特定の空隙率で皿状容器及び固形食品の形状に合せた状
態で被冠する操作は、予め皿状容器及び固形食品の形状
に合せて成形されたフィルム製蓋材を使用するか、或い
はフィルム製蓋材に適宜形状の押型で押圧を加える手段
によって行なうことができる。
フィルム製蓋材を皿状容器にバキュームシールする場
合は、常法により、例えば真空包装機等を使用し、フィ
ルム製蓋材を皿状容器の周縁部或いは上縁部(例えば皿
状容器の上端に設けられたフランジ部等)に於いて熱シ
ール、高周波シール、超音波シール、及びこれらの併用
等の手段により行なう。バキュームシールは、例えば2.
5kpa〜8kpaの減圧下で行なうことができる。また、イー
ジーピールが可能であるシール形態(例えばピール強度
(開封強度)が2.0kg/15mm以下とする)を採用すれば、
固形食品の喫食操作が容易となり好ましい。
尚、個体に応じて大きさ、形状等が若干異なる焼魚等
の固形食品を収容する場合には、皿状容器の上方開放部
に、フィルム製蓋材を、上記特定の空隙率を満足し、か
つ同空隙を当該固形食品の略平均体積の10%以上好まし
くは18%以上として、皿状容器及び固形食品の形状に合
せた状態で被冠し、バキュームシールする方法を採用す
ることができる。つまり、この方法によると、皿状容器
に固形食品を収容しフィルム製蓋材にて被冠した場合に
は、容器内に一定の空間が残されるように構成される。
したがって、固形食品の個体差に関係なく、皿状容器に
フィルム製蓋材を被冠密封する操作を同一の条件で行な
うことができ、しかも本発明の所望の効果を達成し得る
のである。上記の方法は、本発明の固形食品入り容器を
工業的に製造する場合に極めて有効である。
最後に、上記のようにして得られた固形食品入り容器
を、加熱殺菌処理して求める加熱殺菌済み固形食品入り
容器を得る。加熱殺菌処理の手段は、特に制限はなく、
例えば熱水加熱殺菌、蒸気加熱殺菌、レトルト加熱殺
菌、高周波加熱殺菌及びこれらの併用等を例示すること
ができる。また、加熱殺菌処理の条件は、例えば75℃〜
130℃で、レトルト加熱殺菌の場合は例えば0.8〜1.7kg/
cm2(ゲージ圧力)、好ましくは1〜1.5kg/cm2(ゲージ
圧力)、温度115℃〜130℃好ましくは121℃〜127℃で5
〜60分程度である。本発明は、固形食品の離水現象が顕
著であり、厳密な殺菌効果を要求されるレトルト加熱殺
菌を行なう場合に特に有効である。
(発明の効果) 本発明によれば、フィルム製蓋材が容器内部の空隙が
少なく、しかも固形食品及び皿状容器の形状、大きさに
合せた状態で皿状容器に被冠され、この状態でバキュー
ムシールされるので、フィルム製蓋材が食品及び皿状容
器に極めて高い密着度で密着包装される。したがって、
上記の状態で加熱殺菌処理が施されることにより、殺菌
効果が大幅に向上し、また食品からの離水を極力防止す
ることができる。そして、最終品は、フィルム製蓋材
が、皺の発生が微少で食品及び皿状容器に極めて高い密
着度で密着包装された、美観の優れたものとなる。加え
て、本発明は、上記の固形食品入り容器を工業的に製造
する場合に極めて有効である。
また本発明で得られた固形食品入り容器は、容器のま
まで温めるか或いは電子レンジで温める等の簡便な操作
により、また開封後皿状容器をそのまま喫食用容器とし
て用いて固形食品を喫食することができるので、利用価
値は極めて高い。
次に、実施例により本発明を説明する。
実施例1 第1図は、本発明により製造された固形食品入り容器
1を示す断面図であり、第2図は、該固形食品入り容器
1の製造工程に於いて皿状容器2の上方開放部にフィル
ム製蓋材3を被冠した状態を示す断面図である。
容器1は、皿状容器2とその上方開放部を覆うフィル
ム製蓋材3とから構成される容器内に固形食品4を収容
して構成される。
皿状容器2は、厚さ1.2mmのポリプロピレンで形成さ
れる。該皿状容器2は側壁5及び底壁6から構成され、
上方に開放部を有し、該開放部の上端にはフランジ7が
設けられている。皿状容器2は、側壁5の高さh1が20m
m、底壁6が100mm×280mmの長方形、上方開放部が120mm
×300mmの形状である。固形食品4は、さんまの全魚を
焼成したもの(体積約90cm3のもの)であり、上記の皿
状容器2に載置収容される。
フィルム製蓋材3は、容器の内部側がポリプロピレン
フィルムで外側が熱収縮性ポリプロピレンフィルム(12
0℃に於ける収縮率が約25%のもの)である構造の厚さ7
0μのラミネート材で形成されている。該フィルム製蓋
材3は、第2図に示すように周縁部を皿状容器2のフラ
ンジ7に接合させて皿状容器2に被冠された場合に、容
器1内部の空隙9の占める割合、つまり空隙率が約30%
となり、かつ皿状容器2及び固形食品4の形状に略合致
する形状である。
フィルム製蓋材3を、上記の状態で皿状容器2に被冠
し、真空包装機を使用し容器1内の空隙率が約15%とな
るように真空に引くとともに、フィルム製蓋材3の周縁
部を皿状容器2のフランジ部7に於いて熱シールする。
次いで、この容器1を蒸気式レトルトで圧力1.5kg/cm2
(ゲージ圧力)、温度121℃で24分間加熱殺菌処理を施
して固形食品入り容器を得た。
かくして得られた固形食品入り容器1は、フィルム製
蓋材3が固形食品4に高密着度で密着包装され、かつ固
形食品4からの離水が微少で大変美観の優れたものであ
った。また上記の固形食品入り容器1を常温で3ヵ月保
存後、電子レンジで温めて食した場合には、固形食品4
は焼魚らしい食感及び風味を有する品質の優れたもので
あった。
実施例2 第3図は、本発明の別の態様により製造された固形食
品入り容器11を示す断面図であり、第4図は、該固形食
品入り容器11の製造工程に於いて皿状容器12の上方開放
部にフィルム製蓋材13を被冠した状態を示す断面図であ
る。
固形食品14を収容した皿状容器12(固形食品14及び皿
状容器12は実施例1の固形食品4及び皿状容器2と同様
である)の上方開放部に、容器の内部側がポリプロピレ
ンフィルムで外側がナイロンフィルムである構造の厚さ
55μのラミネート材からなるフィルム製蓋材13を被冠し
た。そして、フィルム製蓋材13を押型20にて容器1内の
空隙率が約20%以下となるように押圧し(この状態は第
4図に示す)、上記の状態で真空包装機により容器11内
の空隙率が約15%以下となるように真空に引くととも
に、フィルム製蓋材13の周縁部を皿状容器12のフランジ
部17に於いて熱シールした。次いで、上記の容器11を95
℃で20分間熱水加熱殺菌処理して固形食品入り容器を得
た。
かくして得られた固形食品入り容器11は、フィルム製
蓋材13が固形食品14に高密着度で密着包装され、かつ固
形食品14からの離水が微少で大変美観の優れたものであ
った。また上記の固形食品入り容器11を冷蔵庫(庫内5
℃)で20日間保存後、熱湯で温めて食した場合には、固
形食品14は焼魚らしい食感及び風味を有する品質の優れ
たものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明により製造された固形食品入り容器の
一例を示す断面図であり、第2図は、その製造工程に於
いて皿状容器の上方開放部にフィルム製蓋材を被冠した
状態を示す断面図である。第3図は、本発明の別の態様
により製造された固形食品入り容器を示す断面図であ
り、第4図は、該固形食品入り容器の製造工程に於いて
皿状容器の上方開放部にフィルム製蓋材を被冠した状態
を示す断面図である。 1、11……固形食品入り容器、2、12……皿状容器、
3、13……フィルム製蓋材、4、14……固形食品、5…
…側壁、6……底壁、7、17……フランジ、20……押型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 久美子 東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウ ス食品工業株式会社内 合議体 審判長 鐘尾 宏紀 審判官 樋口 靖志 審判官 大高 とし子 (56)参考文献 実願 昭61−48682号(実開 昭62− 160883号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)皿状容器に固形食品を収容し、 (b)該皿状容器の上方開放部に、予め該皿状容器及び
    該固形食品の形状に合わせて成形されたフィルム製蓋材
    を使用するか、或いはフィルム製蓋材に適宜形状の押型
    で押圧を加えることによって、フィルム製蓋材を容器内
    部の空隙率が略48%以下となるように、該皿状容器及び
    該固形食品の形状に合せた状態で被冠し、 (c)容器内の空隙率が25%以下となるようにバキュー
    ムシールした後、 (d)加熱殺菌処理することを特徴とする加熱殺菌済み
    固形食品入り容器の製造法。
  2. 【請求項2】固形食品が、水分含量が25重量%以上のも
    のである特許請求の範囲第(1)項記載の加熱殺菌済み
    固形食品入り容器の製造法。
  3. 【請求項3】固形食品が、焼魚である特許請求の範囲第
    (1)項記載の加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造
    法。
  4. 【請求項4】焼魚がイワシ、アジ、サンマ、サバ、サ
    ケ、ブリ、サワラ、ニシン、カレイ、タイ、ウナギ、ア
    ナゴ、タラからなる群から選ばれた魚類である特許請求
    の範囲第(3)項記載の加熱殺菌済み固形食品入り容器
    の製造法。
  5. 【請求項5】焼魚の硬さが85g〜1500gである特許請求の
    範囲第(3)項又は第(4)項記載の加熱殺菌済み固形
    食品入り容器の製造法。
  6. 【請求項6】フィルム製蓋材が、曲げ弾性率が21000kg/
    cm2以下で、かつ厚みが200μ以下のものである特許請求
    の範囲第(1)項記載の加熱殺菌済み固形食品入り容器
    の製造法。
  7. 【請求項7】フィルム製蓋材が合成樹脂製フィルムであ
    る特許請求の範囲第(1)項又は第(6)項記載の加熱
    殺菌済み固形食品入り容器の製造法。
  8. 【請求項8】合成樹脂製フィルムが、熱収縮性フィルム
    である特許請求の範囲第(7)項記載の加熱殺菌済み固
    形食品入り容器の製造法。
  9. 【請求項9】熱収縮性フィルムが、ポリエチレン、放射
    線照射ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
    ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレ
    ン、ナイロン及びプライオフィルムからなる群から選ば
    れる特許請求の範囲第(8)項記載の加熱殺菌済み固形
    食品入り容器の製造法。
  10. 【請求項10】熱収縮性フィルムの厚みが2μ〜200μ
    である特許請求の範囲第(8)項又は第(9)項記載の
    加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造法。
  11. 【請求項11】熱収縮性フィルムが、加熱殺菌時の温度
    に於ける熱収縮率が5%〜70%のものである特許請求の
    範囲第(8)項、第(9)項又は第(10)項記載の加熱
    殺菌済み固形食品入り容器の製造法。
  12. 【請求項12】加熱殺菌処理が、レトルト加熱殺菌処理
    である特許請求の範囲第(1)項又は第(8)項記載の
    加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造法。
JP61087698A 1986-04-16 1986-04-16 加熱殺菌済み固形食品入り容器の製造法 Expired - Lifetime JP2549842B2 (ja)

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