JP2549565Y2 - 車両の液圧作動シリンダ装置 - Google Patents
車両の液圧作動シリンダ装置Info
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- JP2549565Y2 JP2549565Y2 JP8513291U JP8513291U JP2549565Y2 JP 2549565 Y2 JP2549565 Y2 JP 2549565Y2 JP 8513291 U JP8513291 U JP 8513291U JP 8513291 U JP8513291 U JP 8513291U JP 2549565 Y2 JP2549565 Y2 JP 2549565Y2
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- Japan
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- master cylinder
- air
- cylinder
- hydraulic
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- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、キャブオーバトラッ
ク等のクラッチを作動させる車両の液圧作動シリンダ装
置に関する。
ク等のクラッチを作動させる車両の液圧作動シリンダ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラック等の車両のクラッチは、その運
転室に配置されたクラッチペダルの踏み込みにより断続
操作されるものとなっている。具体的には、クラッチペ
ダルに連結されたマスタシリンダがクラッチペダルの踏
み込みによって作動されると、このマスタシリンダの圧
力室の圧力が立ち上げられ、そして、この圧力がスレー
ブシリンダに伝達されて、このスレーブシリンダが働く
ことにより、クラッチが作動されることになる。
転室に配置されたクラッチペダルの踏み込みにより断続
操作されるものとなっている。具体的には、クラッチペ
ダルに連結されたマスタシリンダがクラッチペダルの踏
み込みによって作動されると、このマスタシリンダの圧
力室の圧力が立ち上げられ、そして、この圧力がスレー
ブシリンダに伝達されて、このスレーブシリンダが働く
ことにより、クラッチが作動されることになる。
【0003】ところで、上述したマスタシリンダにはリ
ザーブタンクが接続されており、このリザーブタンクか
らマスタシリンダ側に圧液の補給が可能となっている。
なお、車両がキャブオーバトラックの場合、リザーブタ
ンクは、運転室内に設置される場合もあるが、整備点検
性を良くするためフロントウインドウの下方に位置する
開閉式フロントパネル内に配置される場合がある。
ザーブタンクが接続されており、このリザーブタンクか
らマスタシリンダ側に圧液の補給が可能となっている。
なお、車両がキャブオーバトラックの場合、リザーブタ
ンクは、運転室内に設置される場合もあるが、整備点検
性を良くするためフロントウインドウの下方に位置する
開閉式フロントパネル内に配置される場合がある。
【0004】また、このリザーブタンクは、圧液の補給
のみならず、車両の整備点検時、マスタシリンダ及びス
レーブシリンダを含む液圧系内の圧液の交換時にも使用
されるものとなっている。即ち、圧液の交換時には、液
圧系内のエア抜き作業を実施する必要があり、このエア
抜きは、マスタシリンダを繰り返して作動させ、リザー
ブタンク内の圧液をマスタシリンダを介してスレーブシ
リンダ側に送出して、液圧系内に滞留している気泡を液
圧系を通じてマスタシリンダからリザーブタンク側に追
い出すことで実施される。
のみならず、車両の整備点検時、マスタシリンダ及びス
レーブシリンダを含む液圧系内の圧液の交換時にも使用
されるものとなっている。即ち、圧液の交換時には、液
圧系内のエア抜き作業を実施する必要があり、このエア
抜きは、マスタシリンダを繰り返して作動させ、リザー
ブタンク内の圧液をマスタシリンダを介してスレーブシ
リンダ側に送出して、液圧系内に滞留している気泡を液
圧系を通じてマスタシリンダからリザーブタンク側に追
い出すことで実施される。
【0005】それ故、従来にあっては、マスタシリンダ
からリザーブタンクへの気泡の追い出しを可能とするた
め、リザーブタンクの圧液出口よりも、マスタシリンダ
の圧液供給ボートを低いレベル位置に位置付けて、これ
ら圧液出口と圧液供給ポートとをホースにより相互に接
続するようにしている。
からリザーブタンクへの気泡の追い出しを可能とするた
め、リザーブタンクの圧液出口よりも、マスタシリンダ
の圧液供給ボートを低いレベル位置に位置付けて、これ
ら圧液出口と圧液供給ポートとをホースにより相互に接
続するようにしている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところで、前述したキ
ャブオーバトラックにあっては、近年、その運転席から
の視界の拡大を図るため、フロントウインドウの下縁を
下げることで、フロントウインドウは大形化する傾向に
ある。このようなフロントウインドウの大形化は、一方
に於いて、前述したフロントパネルの小形化を招くこと
から、リザーブタンクをフロントパネル内に配置する場
合、リザーブタンクの圧液出口をマスタシリンダの圧液
供給ポートに対して十分に高くして位置付けることがで
きず、このため、前述した液圧系内のエア抜き作業が実
施不能となる不具合がある。
ャブオーバトラックにあっては、近年、その運転席から
の視界の拡大を図るため、フロントウインドウの下縁を
下げることで、フロントウインドウは大形化する傾向に
ある。このようなフロントウインドウの大形化は、一方
に於いて、前述したフロントパネルの小形化を招くこと
から、リザーブタンクをフロントパネル内に配置する場
合、リザーブタンクの圧液出口をマスタシリンダの圧液
供給ポートに対して十分に高くして位置付けることがで
きず、このため、前述した液圧系内のエア抜き作業が実
施不能となる不具合がある。
【0007】この考案は、上述した事情に基づいてなさ
れたもので、その目的とするところは、リザーブタンク
の配置レベルに制約を受ける車両にあっても、その液圧
系内のエア抜き作業を確実に実施可能となる車両の液圧
作動シリンダ装置を提供することにある。
れたもので、その目的とするところは、リザーブタンク
の配置レベルに制約を受ける車両にあっても、その液圧
系内のエア抜き作業を確実に実施可能となる車両の液圧
作動シリンダ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案の車両の液圧作
動シリンダ装置によれば、ペダル操作によって作動さ
れ、スレーブシリンダに圧液を供給可能なマスタシリン
ダと、このマスタシリンダの近傍に配置され、圧液を蓄
えたリザーブタンクと、このリザーブタンクの底部とマ
スタシリンダの圧液供給ポートとを接続し、リザーブタ
ンク内の圧液をマスタシリンダに供給する供給管路と、
一端が前記圧液供給ポート側に接続され、他端がリザー
ブタンクの上部に位置してリザーブタンク内に開口した
エア抜き管路と、リザーブタンク内又はエア抜き管路途
中に配設され、エア抜き管路からリザーブタンク内側へ
の流れのみを許容する逆止弁とを備えて構成されてい
る。
動シリンダ装置によれば、ペダル操作によって作動さ
れ、スレーブシリンダに圧液を供給可能なマスタシリン
ダと、このマスタシリンダの近傍に配置され、圧液を蓄
えたリザーブタンクと、このリザーブタンクの底部とマ
スタシリンダの圧液供給ポートとを接続し、リザーブタ
ンク内の圧液をマスタシリンダに供給する供給管路と、
一端が前記圧液供給ポート側に接続され、他端がリザー
ブタンクの上部に位置してリザーブタンク内に開口した
エア抜き管路と、リザーブタンク内又はエア抜き管路途
中に配設され、エア抜き管路からリザーブタンク内側へ
の流れのみを許容する逆止弁とを備えて構成されてい
る。
【0009】
【作用】上述した液圧作動型シリンダ装置によれば、そ
の液圧系内の圧液の交換時等に於いて、マスタシリンダ
を繰り返して作動させ、リザーブタンク内の圧液をマス
タシリンダを介してスレーブシリンダ側の送出していく
と、液圧系内に滞留している気泡は、マスタシリンダ側
からエア抜き管路及び逆止弁を介してリザーブタンク内
に追い出されて、そのエア抜き作業が実施されることに
なる。
の液圧系内の圧液の交換時等に於いて、マスタシリンダ
を繰り返して作動させ、リザーブタンク内の圧液をマス
タシリンダを介してスレーブシリンダ側の送出していく
と、液圧系内に滞留している気泡は、マスタシリンダ側
からエア抜き管路及び逆止弁を介してリザーブタンク内
に追い出されて、そのエア抜き作業が実施されることに
なる。
【0010】
【実施例】図1を参照すると、キャブオーパトラックの
一部が示されている。このキャブオーバトラックは、車
体フレームの前部にチルト可能なキャブ1と、キャブ1
の後方に位置した荷台2とを備えている。キャブ1内に
は、運転座席3が取り付けられており、また、キャブ1
の床面の上方には、例えばクラッチペダル4が配置され
ている。このクラッチペダル4は、その上端が回動自在
に枢着されているとともに、上端にはクラッチペダル4
と一体にして回動するレバー5が取り付けられている。
レバー5は、運転座席3側に向かって延び、その先端に
は、マスタシリンダ6の上端から延びるプッシュロッド
7が接続されている。マスタシリンダ6は、レバー5を
介してプッシュロッド7の押し込みが可能となるよう
に、上下した状態で、例えばリザーブタンク13内に新
たな圧液を静かに注いでいく。この場合、前述したよう
にマスタシリンダ6内の弁体31は開いた状態にあるの
で、リザーブタンク13からマスタシリンダ6及び圧液
管路8を介してスレーブシリンダ側に圧液が供給される
ことになる。
一部が示されている。このキャブオーバトラックは、車
体フレームの前部にチルト可能なキャブ1と、キャブ1
の後方に位置した荷台2とを備えている。キャブ1内に
は、運転座席3が取り付けられており、また、キャブ1
の床面の上方には、例えばクラッチペダル4が配置され
ている。このクラッチペダル4は、その上端が回動自在
に枢着されているとともに、上端にはクラッチペダル4
と一体にして回動するレバー5が取り付けられている。
レバー5は、運転座席3側に向かって延び、その先端に
は、マスタシリンダ6の上端から延びるプッシュロッド
7が接続されている。マスタシリンダ6は、レバー5を
介してプッシュロッド7の押し込みが可能となるよう
に、上下した状態で、例えばリザーブタンク13内に新
たな圧液を静かに注いでいく。この場合、前述したよう
にマスタシリンダ6内の弁体31は開いた状態にあるの
で、リザーブタンク13からマスタシリンダ6及び圧液
管路8を介してスレーブシリンダ側に圧液が供給される
ことになる。
【0011】そして、液圧系に所定量の圧液が充填され
ると、この後、リザーブタンク13内への圧液の注ぎを
継続しながら、クラッチペダル4が繰り返して踏み込ま
れて、液圧系内のエア抜き作業が実施される。即ち、ク
ラッチペダル4により、プッシュロッド7がシリンダハ
ウジング16内に押し込まれ、マスタピストン19が圧
力室20側に向かって移動されると、マスタピストン1
9の下端が弁体31と当接して、弁軸30の内部通路3
5、即ち、弁50が閉じられることになる。そして、マ
スタピストン19が更に移動されると、圧力室20内の
圧液は、圧液管路8を通じてスレーブシリンダ側に送出
される。
ると、この後、リザーブタンク13内への圧液の注ぎを
継続しながら、クラッチペダル4が繰り返して踏み込ま
れて、液圧系内のエア抜き作業が実施される。即ち、ク
ラッチペダル4により、プッシュロッド7がシリンダハ
ウジング16内に押し込まれ、マスタピストン19が圧
力室20側に向かって移動されると、マスタピストン1
9の下端が弁体31と当接して、弁軸30の内部通路3
5、即ち、弁50が閉じられることになる。そして、マ
スタピストン19が更に移動されると、圧力室20内の
圧液は、圧液管路8を通じてスレーブシリンダ側に送出
される。
【0012】この後、クラッチペダル4が戻されると、
圧力室20側の圧液が追従することなく、マスタピスト
ン19はリターンスプリング22の付勢力を受けて、図
示の休止位置まで急速に戻り、この結果、前述した弁5
0が開かれて、リザーブタンク13内の圧液が圧力室2
0に吸い込まれることになる。従って、マスタピストン
19は上述したポンプ機能をも備えており、クラッチペ
ダル4が繰り返して踏み込まれ、つまり、マスタシリン
ダ19が連続的に作動されることにより、リザーブタン
ク13内の圧液が液圧系に送り込まれる。
圧力室20側の圧液が追従することなく、マスタピスト
ン19はリターンスプリング22の付勢力を受けて、図
示の休止位置まで急速に戻り、この結果、前述した弁5
0が開かれて、リザーブタンク13内の圧液が圧力室2
0に吸い込まれることになる。従って、マスタピストン
19は上述したポンプ機能をも備えており、クラッチペ
ダル4が繰り返して踏み込まれ、つまり、マスタシリン
ダ19が連続的に作動されることにより、リザーブタン
ク13内の圧液が液圧系に送り込まれる。
【0013】上述したようにしてクラッチペダル4が繰
り返して踏み込まれ、その液圧系に圧液が送り込まれて
いくと、これに伴い、液圧系内に滞留している気泡は、
マスタシリンダ6の圧力室20から弁50及び圧液供給
ポート28を通じて追い出され、そして、この圧液供給
ポート28から供給ホース40を介して分岐ホース42
に導かれる。即ち、圧液供給ポート28から分岐ホース
42までの経路はリザーブタンク13に向かって上方に
傾斜しており、しかも、供給ホース40よりも分岐ホー
ス42は高いレベル位置に位置付けられているから、圧
液供給ポート28から追い出された気泡は必ず分岐ホー
ス42内に導かれ、そして、この分岐ホース42内の液
面からリザーブタンク13内側に放出されることにな
る。
り返して踏み込まれ、その液圧系に圧液が送り込まれて
いくと、これに伴い、液圧系内に滞留している気泡は、
マスタシリンダ6の圧力室20から弁50及び圧液供給
ポート28を通じて追い出され、そして、この圧液供給
ポート28から供給ホース40を介して分岐ホース42
に導かれる。即ち、圧液供給ポート28から分岐ホース
42までの経路はリザーブタンク13に向かって上方に
傾斜しており、しかも、供給ホース40よりも分岐ホー
ス42は高いレベル位置に位置付けられているから、圧
液供給ポート28から追い出された気泡は必ず分岐ホー
ス42内に導かれ、そして、この分岐ホース42内の液
面からリザーブタンク13内側に放出されることにな
る。
【0014】ここで、リザーブタンク13内には、エア
流通口43を開閉するリード弁45が取り付けられてい
ることから、クラッチペダル4の戻し操作に伴い、リザ
ーブタンク13側の圧液をマスタシリンダ6の圧力室2
0に送り込もうとするとき、その圧液は供給ホース40
を通じてのみマスタシリンダ6側に確実に送り込まれる
ことになる。
流通口43を開閉するリード弁45が取り付けられてい
ることから、クラッチペダル4の戻し操作に伴い、リザ
ーブタンク13側の圧液をマスタシリンダ6の圧力室2
0に送り込もうとするとき、その圧液は供給ホース40
を通じてのみマスタシリンダ6側に確実に送り込まれる
ことになる。
【0015】即ち、分岐ホース42内にはエアが混在し
ているので、分岐ホース42内は、粘性を有する圧液が
充満している供給ホース40よりも流動抵抗が小さく、
リード弁45が存在しない場合には、リザーブタンク1
3側からは、主として分岐ホース42内の圧液がマスタ
シリンダ6側に吸い込まれるようになり、このため、分
岐ホース42内の圧液中の気泡が再度マスタシリンダ6
に吸い込まれたり、更には、リザーブタンク13内のエ
アがマスタシリンダ6側に吸い込まれてしまい、従っ
て、前記液圧系内への圧液の送り出し、つまり、そのエ
ア抜きが実施不能となってしまう。
ているので、分岐ホース42内は、粘性を有する圧液が
充満している供給ホース40よりも流動抵抗が小さく、
リード弁45が存在しない場合には、リザーブタンク1
3側からは、主として分岐ホース42内の圧液がマスタ
シリンダ6側に吸い込まれるようになり、このため、分
岐ホース42内の圧液中の気泡が再度マスタシリンダ6
に吸い込まれたり、更には、リザーブタンク13内のエ
アがマスタシリンダ6側に吸い込まれてしまい、従っ
て、前記液圧系内への圧液の送り出し、つまり、そのエ
ア抜きが実施不能となってしまう。
【0016】しかしながら、前述した一実施例では、リ
ザーブタンク13のエア流通口43にリード弁45を設
けてあるから、エア抜き作業により、分岐ホース42内
に溜まったエアは図2中、2点鎖線で示した開位置にあ
るリード弁45を通じてリザーブタンク13内に放出さ
れるが、リザーブタンク13内の空気がエア流通口43
を通して分岐ホース42内に流入するようなことはな
い。
ザーブタンク13のエア流通口43にリード弁45を設
けてあるから、エア抜き作業により、分岐ホース42内
に溜まったエアは図2中、2点鎖線で示した開位置にあ
るリード弁45を通じてリザーブタンク13内に放出さ
れるが、リザーブタンク13内の空気がエア流通口43
を通して分岐ホース42内に流入するようなことはな
い。
【0017】従って、リザーブタンク13側からマスタ
シリンダ6に、供給ホース40のみを通じて圧液が吸い
込まれることから、前記液圧系内への圧液の送り出しが
可能となって、そのエア抜き作業を安定且つ確実に実施
することができる。上述したリード弁45の働きは、図
4のグラフからも明かである。このグラフの横軸はエア
抜き作業回数Nを示し、その縦軸はスレーブシリンダ側
のピストンのストロークを表している。図4中、実線は
リード弁45を備えている場合のエア抜き作業の結果を
示しており、これに対し、破線はリード弁45を備えて
いない場合でのエア抜き作業の結果を示している。実線
から明かなように、リード弁45を備えている場合に
は、エア抜き作業を何回か繰り返すと、スレーブシリン
ダ側のピストンのストロークは規定値Lとなり、これに
より、液圧系のエア抜きが完了したことが分かる。これ
に対し、破線から明かなようにリード弁45を備えてい
ない場合には、エア抜き作業を繰り返しても、スレーブ
シリンダ側のピストンのストロークは規定値Lに達せ
ず、液圧系内のエア抜きが不能となる。
シリンダ6に、供給ホース40のみを通じて圧液が吸い
込まれることから、前記液圧系内への圧液の送り出しが
可能となって、そのエア抜き作業を安定且つ確実に実施
することができる。上述したリード弁45の働きは、図
4のグラフからも明かである。このグラフの横軸はエア
抜き作業回数Nを示し、その縦軸はスレーブシリンダ側
のピストンのストロークを表している。図4中、実線は
リード弁45を備えている場合のエア抜き作業の結果を
示しており、これに対し、破線はリード弁45を備えて
いない場合でのエア抜き作業の結果を示している。実線
から明かなように、リード弁45を備えている場合に
は、エア抜き作業を何回か繰り返すと、スレーブシリン
ダ側のピストンのストロークは規定値Lとなり、これに
より、液圧系のエア抜きが完了したことが分かる。これ
に対し、破線から明かなようにリード弁45を備えてい
ない場合には、エア抜き作業を繰り返しても、スレーブ
シリンダ側のピストンのストロークは規定値Lに達せ
ず、液圧系内のエア抜きが不能となる。
【0018】なお、この実施例の場合、エア抜き作業回
数は、クラッチペダル4を10回繰り返して踏み込み、
その後、スレーブシリンダ内のエアを抜くために、スレ
ーブシリンダ側のエア抜きバルブを1回開閉する作業を
1作業回数としている。この考案は、上述した一実施例
に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例
えば、図5に示されているリザーブタンク13は、エア
流通口43側の天井壁がキャップ38から上方に向けて
突出するように傾斜されており、この天井壁の最上部に
形成した凹所44にリード弁45の基部が圧入されてい
る。このような構成によれば、エア流通口43が形成さ
れる位置を一実施例の場合に比べてより高い位置に設定
することができ、これにより、そのリザーブタンク13
内に蓄え可能な圧液量を増加させることができる。
数は、クラッチペダル4を10回繰り返して踏み込み、
その後、スレーブシリンダ内のエアを抜くために、スレ
ーブシリンダ側のエア抜きバルブを1回開閉する作業を
1作業回数としている。この考案は、上述した一実施例
に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例
えば、図5に示されているリザーブタンク13は、エア
流通口43側の天井壁がキャップ38から上方に向けて
突出するように傾斜されており、この天井壁の最上部に
形成した凹所44にリード弁45の基部が圧入されてい
る。このような構成によれば、エア流通口43が形成さ
れる位置を一実施例の場合に比べてより高い位置に設定
することができ、これにより、そのリザーブタンク13
内に蓄え可能な圧液量を増加させることができる。
【0019】また、図6を参照すれば、マスタシリンダ
6側の圧液供給ポート28の変形例が示されている。こ
の変形例の圧液供給ポート28は、シリンダハウジング
16内で予め2本の通路に分岐されており、その下側の
通路28aがコネクタ41及び供給ホース40を介して
リザーブタンク13に接続され、上側の通路28bがコ
ネクタ41及び分岐ホース42を介してリザーブタンク
13に接続されるものとなっている。
6側の圧液供給ポート28の変形例が示されている。こ
の変形例の圧液供給ポート28は、シリンダハウジング
16内で予め2本の通路に分岐されており、その下側の
通路28aがコネクタ41及び供給ホース40を介して
リザーブタンク13に接続され、上側の通路28bがコ
ネクタ41及び分岐ホース42を介してリザーブタンク
13に接続されるものとなっている。
【0020】更に、図2及び図5に示したリード弁45
は何れも、その弁体47が側方に弾性変形して、エア流
通口43を開閉するものとなっているが、このエア流通
口43を上方に向けて開口するように形成し、エア流通
口43を上方からリード弁45により閉塞するようにし
てもよい。また、リード弁45以外の逆止弁を用いても
良いし、逆止弁の設置はリザーブタンク13内に限ら
ず、例えば分岐ホース42の途中でも良い。
は何れも、その弁体47が側方に弾性変形して、エア流
通口43を開閉するものとなっているが、このエア流通
口43を上方に向けて開口するように形成し、エア流通
口43を上方からリード弁45により閉塞するようにし
てもよい。また、リード弁45以外の逆止弁を用いても
良いし、逆止弁の設置はリザーブタンク13内に限ら
ず、例えば分岐ホース42の途中でも良い。
【0021】
【考案の効果】以上説明したように、この考案の車両の
液圧作動シリンダ装置によれば、マスタシリンダの圧液
供給ポートとリザーブタンクの底部とを供給管路を介し
て接続する一方、圧液供給ポートとリザーブタンクの上
部とをエア抜き管路を介して接続し、このエア抜き管路
のリザーブタンク側の開口端若しくはエア抜き管路の途
中にエア抜き管路からリザーブタンク内側への流れのみ
を許容する逆止弁を設けてあるから、マスタシリンダと
スレーブシリンダ側との間の液圧系内の圧液を交換する
とき、その液圧系内のエア抜きを安定且つ確実に実施す
ることができる。また、エア抜き管路と逆止弁とを備え
ていることで、リザーブタンクのレイアウト上の制約が
少なくなる等、その効果は大である。
液圧作動シリンダ装置によれば、マスタシリンダの圧液
供給ポートとリザーブタンクの底部とを供給管路を介し
て接続する一方、圧液供給ポートとリザーブタンクの上
部とをエア抜き管路を介して接続し、このエア抜き管路
のリザーブタンク側の開口端若しくはエア抜き管路の途
中にエア抜き管路からリザーブタンク内側への流れのみ
を許容する逆止弁を設けてあるから、マスタシリンダと
スレーブシリンダ側との間の液圧系内の圧液を交換する
とき、その液圧系内のエア抜きを安定且つ確実に実施す
ることができる。また、エア抜き管路と逆止弁とを備え
ていることで、リザーブタンクのレイアウト上の制約が
少なくなる等、その効果は大である。
【図1】キャブオーバトラックの一部を示した側面図で
ある。
ある。
【図2】マスタシリンダ、リザーブタンク及びこれらの
接続経路を示した断面図である。
接続経路を示した断面図である。
【図3】リード弁の斜視図である。
【図4】エア抜き作業の結果を示したグラフである。
【図5】他の実施例のリザーブタンクを示した断面図で
ある。
ある。
【図6】マスタシリンダの他の圧液供給ポートを示した
断面図である。
断面図である。
4 クラッチペダル 6 マスタシリンダ 13 リザーブタンク 14 接続ホース 19 マスタピストン 20 圧力室 28 圧液供給ポート 40 供給ホース(供給管路) 41 コネクタ 42 分岐ホース(エア抜き管路) 45 リード弁(逆止弁) 50 弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−148966(JP,A) 特開 昭62−83517(JP,A) 実開 昭62−71075(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 ペダル操作によって作動され、スレーブ
シリンダに圧液を供給可能なマスタシリンダと、このマ
スタシリンダの近傍に配置され、圧液を備えたリザーブ
タンクと、このリザーブタンクの底部とマスタシリンダ
の圧液供給ポートとを接続し、リザーブタンク内の圧液
をマスタシリンダに供給する供給管路と、一端が前記圧
液供給ポート側に接続され、他端がリザーブタンクの上
部に位置してリザーブタンク内に開口したエア抜き管路
と、リザーブタンク内又はエア抜き管路途中に配設さ
れ、エア抜き管路からリザーブタンク内側への流れのみ
を許容する逆止弁とを具備したことを特徴とする車両の
液圧作動シリンダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8513291U JP2549565Y2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 車両の液圧作動シリンダ装置 |
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JP8513291U JP2549565Y2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 車両の液圧作動シリンダ装置 |
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