JP2548621Y2 - 荷役車両のプッシュプル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、フォークリフトトラッ
ク等の荷役車両において、フォーク爪の上方側に前後移
動自在となるフェースプレートを設け、該フェースプレ
ートの下部にグリッパとジョーとを備えて、該グリッパ
とジョーとで荷物の下に敷いたシートパレットを挟持し
て、シートパレットと共に荷物をフォーク爪上に載置し
て荷役作業を行うプッシュプル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、フォークリフトトラック等の荷役
車両におけるプッシュプル装置としては、図１に示すよ
うに、車体１の前部に立設する左右一対のマスト２に昇
降体３が昇降動自在に設けられ、該昇降体３の前部下方
側に左右一対のフォーク爪４が設けられると共に、前記
昇降体３の前部における前記フォーク爪４の上方側に前
後伸縮自在となるリンク機構部５が設けられ、該リンク
機構部５は前記昇降体３の前部に上下に向かって固着さ
れる左右一対のガイド柱５ａと、該ガイド柱５ａの前部
に連結される左右一対の縦Ｘ字状の第一リンク部５ｂ
と、該第一リンク部５ｂの前部に連結される左右一対の
縦Ｘ字状の第二リンク部５ｃと、前記第一リンク部５ｂ
と第二リンク部５ｃとにまたがって設けられたリンク用
シリンダー５ｄとからなり、前記リンク用シリンダー５
ｄの伸縮動作により第一リンク部５ｂと第二リンク部５
ｃとで前後伸縮運動されるようになっている。そして、
前記リンク機構部５の前部に複数の大きさの異なる開口
部６ａを有したフェースプレート６が設けられ、該フェ
ースプレート６の下部に下方に向かう挟持用シリンダー
７が左右それぞれに固着され、該挟持用シリンダー７の
ピストンロッド７ａ先端に左右細長のグリッパ８が左右
水平に固着されると共に、前記フェースプレート６の下
部後面に前記グリッパ８と相対するようになる断面Ｌ字
形のジョー９が固着されており、前記グリッパ８とジョ
ー９とで荷物１０を載置したシートパレット１１の端部
が挟持されるようになっている。

【０００３】そして、このように構成されたプッシュプ
ル装置において、荷役作業における荷取り作業は、前記
リンク機構部５のリンク用シリンダー５ｄを作動してリ
ンク機構部５を伸ばしてフェースプレート６を前方位置
に前移動させ、挟持用シリンダー７を作動してグリッパ
８を下げてグリッパ８とジョー９とでシートパレット１
１の端部を挟持し、そして、前記リンク機構部５のリン
ク用シリンダー５ｄを作動してリンク機構部５を縮めて
フェースプレート６を後方位置に後移動させながら車体
１を前進してシートパレット１１ごと荷物１０をフォー
ク爪４上に引き入れる。また、荷役作業における荷置き
作業は、前記挟持用シリンダー７を作動してグリッパ８
を上げてグリッパ８とジョー９とによるシートパレット
１１の挟持を解放し、前記リンク機構部５のリンク用シ
リンダー５ｄを作動してリンク機構部５を伸ばしてフェ
ースプレート６を前方位置に前移動させながら車体１を
後退してシートパレット１１ごと荷物１０をフォーク爪
４上より押し出す。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】従来の荷役車両のプッ
シュプル装置においては、図２に示すように、前記フェ
ースプレート６の下部後面の左右対称位置にねじ穴１２
を複数形成すると共に、前記ジョー９における前記ねじ
穴１２に相対する位置に穴部１３を複数形成して、前記
ジョーの後方よりボルト１４を穴部１３を貫通してフェ
ースプレート６のねじ穴１２に螺合することで、フェー
スプレート６にジョー９をボルト１４で固着するように
なっている。しかし、このような固着方法であると、フ
ェースプレート６に対してジョー９を正確に固着するこ
とができずに、ジョー９が左右水平に配置されないと、
グリッパ８とジョー９とでシートパレット１１を挟持す
る際、左右方向の一方側はシートパレット１１を挟持す
るものの、他方側に隙間が生じてシートパレット１１を
挟持することができなくなる恐れがあった。このため、
ジョー９のフェースプレート６への固着作業において
は、ジョー９が左右水平に配置されるように調整作業を
行いジョー９がフェースプレート６に正確に固着するよ
うにしていたが、ジョー９は重量物であるので、その調
整作業は困難を極めており、作業効率がとても悪くなる
という問題があった。本考案は、これらの問題を解消す
ることを、その課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、荷役車両のプ
ッシュプル装置において、フェースプレートの後面とジ
ョーの前面とのうちの一方に前後水平に向かう支持ピン
を固着すると共に、前記フェースプレートと前記ジョー
とのうちの他方に前記支持ピンに相対する嵌合穴部を形
成した構成にする。

【０００６】

【作用】本考案は、フェースプレートの後面とジョーの
前面とのうちの一方に固着した支持ピンに前記フェース
プレートと前記ジョーとのうちの他方に形成した嵌合穴
部を嵌合し、左右水平となるグリッパを下げてジョーに
当接し、ジョーを左右水平状態とし、この状態でジョー
をボルトによりフェースプレートに固着することで、フ
ェースプレートに重量物であるジョーを容易に左右水平
に固着することができる。

【０００７】

【実施例】本考案による荷役車両のプッシュプル装置
は、車体１の前部に立設する左右一対のマスト２に昇降
体３を設け、該昇降体３の前部にフォーク爪４を設ける
と共に、前後伸縮自在となるリンク機構部５を設け、該
リンク機構部５の前部にフェースプレート６を設け、該
フェースプレート６の下部に挟持用シリンダー７とグリ
ッパ８とジョー９を設けた従来とほぼ同様の構成となっ
ている。このような構成において、図３、図４、図５に
示すように、前記フェースプレート６は、複数の大きさ
の異なる開口部６ａを有した板状の前面体２１と、該前
面体２１の上端縁後面に固着して後方側に向かう板状の
上面体２２と、該前面体２１の左右の端縁後面に固着し
て後方側に向かう板状の左右の側面体２３とからなり、
前記フェースプレート６の前面体２１の下部左右それぞ
れに挟持用シリンダー７を下方に向けて固着し、該左右
の挟持用シリンダー７のピストンロッド７ａ先端に左右
細長のグリッパ８を左右水平となるように固着する。ま
た、前記フェースプレート６の前面体２１においては、
その下部後面の左右対称位置にねじ穴１２を複数形成す
ると共に、下部後面の左右中央にブロック体２４を介し
て後方側に向かう支持ピン２５を固着する。そして、左
右細長の断面Ｌ字形となるジョー９において、前記フェ
ースプレート６に形成した複数のねじ穴１２に相対する
位置に穴部１３を形成すると共に、その左右中央にフェ
ースプレート６側に固着した支持ピン２５に嵌合する嵌
合穴部２６を形成して、ジョー９の嵌合穴部２６をフェ
ースプレート６側に固着した支持ピン２５に嵌合すると
共に、ジョー９の穴部１３に後方よりボルト１４を貫通
して介在部材２７を介してフェースプレート６のねじ穴
１２に螺合して、フェースプレート６の前面体２１の下
部後面にジョー９を固着する。

【０００８】このように構成したことで、前記フェース
プレート６へのジョー９の固着作業においては、ジョー
９の嵌合穴部２６をフェースプレート６に固着した支持
ピン２５に嵌合し、左右水平となるグリッパ８を下げて
ジョー９に当接し、ジョー９を左右水平状態とし、この
状態でジョー９をボルト１４によりフェースプレート６
に固着する。これにより、フェースプレート６にジョー
９を左右水平に固着することが容易にでき、グリッパ８
とジョー９とにおいて、シートパレット１１を挟持する
際に隙間が発生するのをなくしてシートパレット１１を
左右均等に挟持することができる。

【０００９】なお、前記支持ピン２５には、丸棒状のノ
ックピンまたはダウエルピンを用いている。

【００１０】また、前述の実施例において、支持ピン２
５をフェースプレート６の前面体２１の下部後面に固着
し、この支持ピン２５に相対する嵌合穴部２６をジョー
９に形成しているが、図６に示すように、支持ピン２５
をジョー９の前面の左右中央に固着し、この支持ピン２
５に相対する嵌合穴部２６をフェースプレート６の前面
体２１の下部後面に固着したブロック体２４に形成する
ようにしても良い。

【００１２】

【考案の効果】本考案は、フェースプレートの後面とジ
ョーの前面とのうちの一方に固着した支持ピンにフェー
スプレートとジョーとのうちの他方に形成した嵌合穴部
を嵌合し、左右水平となるグリッパを下げてジョーに当
接し、ジョーを左右水平状態とし、この状態でジョーを
ボルトによりフェースプレートに固着するようにしたこ
とで、フェースプレートに重量物であるジョーを容易に
左右水平に固着することができ、作業の効率を向上する
ことができると共に、グリッパとジョーとにおいて、シ
ートパレットを挟持する際にグリッパとジョーとの間に
隙間が発生することなくして左右均等に挟持することが
できるので、荷役作業を確実に行うことができる。ま
た、荷役車両のプッシュプル装置を長時間使用する際、
従来のようなボルトのみによる固着方法であると、ジョ
ーの重みがボルトにかかりボルトが緩む恐れがあった
が、本考案においては、支持ピンと嵌合穴部とをフェー
スプレートとジョーとに設けたことにより、ジョーの重
みが支持ピンによって支えられるので、長時間の使用に
おいてもボルトが緩むのを防止することができるという
効果も奏せられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のプッシュプル装置の全体図。

【図２】従来のプッシュプル装置のフェースプレートの
後面図。

【図３】本考案によるプッシュプル装置のフェースプレ
ートの後面図。

【図４】本考案によるプッシュプル装置のフェースプレ
ートの側面図。

【図５】本考案によるプッシュプル装置のフェースプレ
ートの分解斜視図。

【図６】本考案による他のプッシュプル装置のフェース
プレートの分解斜視図。

【符号の説明】

１…車体、２…マスト、３…昇降体、４…フォーク爪、
５…リンク機構部、５ａ…ガイド柱、５ｂ…第一リンク
部、５ｃ…第二リンク部、５ｄ…リンク用シリンダー、
６…フェースプレート、６ａ…開口部、７…挟持用シリ
ンダー、７ａ…ピストンロッド、８…グリッパ、９…ジ
ョー、１０…荷物、１１…シートパレット、１２…ねじ
穴、１３…穴部、１４…ボルト、２１…前面体、２２…
上面体、２３…側面体、２４…ブロック体、２５…支持
ピン、２６…嵌合穴部、２７…介在部材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体１の前部にマスト２を立設し、該マ
   スト２に昇降体３を昇降動自在に設け、該昇降体３の前
   部下方側にフォーク爪４を設けると共に、前記昇降体３
   の前部における前記フォーク爪４の上方側に前後伸縮自
   在となるリンク機構部５の後部を設け、該リンク機構部
   ５の前部にフェースプレート６を設け、該フェースプレ
   ート６の下部に下方に向かう挟持用シリンダー７を固着
   し、該挟持用シリンダー７のピストンロッド７ａ先端に
   左右細長のグリッパ８を固着すると共に、前記フェース
   プレート６の下部後面に前記グリッパ８と相対するよう
   になる断面Ｌ字形のジョー９を固着した荷役車両のプッ
   シュプル装置において、 前記フェースプレート６の後面と前記ジョー９の前面と
   のうちの一方に前後水平に向かう支持ピン２５を固着す
   ると共に、前記フェースプレート６と前記ジョー９との
   うちの他方に前記支持ピン２５に相対する嵌合穴部２６
   を形成したことを特徴とする荷役車両のプッシュプル装
   置。