JP2539931Y2 - 荷役車両用プッシュプル装置のシートパレット把持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、荷役車両にアタッチメ
ントとして装備されるプッシュプル装置のシートパレッ
ト把持装置の改良に関する。

【０００２】

【従来技術】従来より、シートパレット把持装置を備え
た荷役車両用プッシュプル装置として図２に示すものが
知られている。このプッシュプル装置では、荷役車両１
のマスト２に沿って昇降するリフトブラケット４に、フ
ィンガバー６を介して左右一対のホルダ８が掛吊されて
いる。これらホルダ８の下端には、前方向に伸びるプラ
テン１０が固着され、ホルダ８の上方にはリテーナシリ
ンダ１２を介して昇降フレーム１１が取付けられてい
る。この昇降フレーム１１には、パンタグラフ１６を介
してフェイスプレート１８がプッシュプルシリンダ１７
の伸縮により前後動自在に装備されている。フェイスプ
レート１８の下端にはプラテン１０側に伸びるジョウ１
９が固定され、フェイスプレート１８とジョウ１９との
間にはジョウ１９とともにシートパレット１５（図３参
照）の端部を挟持するグリッパ２０がグリッパシリンダ
２１を介して昇降可能に取付けられている。また、昇降
フレーム１１の下端にはプラテン１０と対面するリテー
ナ１３が固着されている。

【０００３】この種のシートパレット把持装置によっ
て、例えば袋詰めされた荷物Ｗをシートパレット１５ご
と積み込む作業を行う場合には、図３に示すように、荷
物Ｗが載置されたシートパレット１５の前まで荷役車両
を前進させ、場合によってはリフトブラケット４を上昇
させ、そのプラテン１０をシートパレット１５の端部の
前に位置させる。しかる後、プッシュプルシリンダ１７
を伸ばすことによりフェイスプレート１８を前進させ、
ジョウ１９をシートパレット１５の端部に挿入させる。
そして、グリッパシリンダ２１を伸ばすことによりグリ
ッパ２０を下降させ、ジョウ１９とグリッパ２０とでシ
ートパレット１５の端部を挟持する。その後、プッシュ
プルシリンダ１７を縮めることによりフェイスプレート
１８を後退させて、荷物Ｗをシートパレット１５ごとプ
ラテン１０上に引摺り込む。

【０００４】そして、荷物Ｗをシートパレット１５ごと
降ろす作業を行う場合は、上記と逆の作業を行う。ま
た、プラテン１０上のシートパレット１５から荷物Ｗの
みを降ろす作業を行う場合は、リテーナシリンダ１２を
伸ばすと同時にグリッパシリンダ２１を縮め、ジョウ１
９とグリッパ２０との間にあるシートパレット１５をリ
テーナ１３の下方へ入り込ませる。その後、リテーナシ
リンダ１２を縮めることによりシートパレット１５の端
部をリテーナ１３とプラテン１０とで挟持する。この
後、プッシュプルシリンダ１７を伸ばすことによりフェ
イスプレート１８を前進させ、シートパレット１５をプ
ラテン１０上に残したまま荷物Ｗのみを押出す。

【０００５】ところで、このような従来のシートパレッ
ト把持装置は、特にホルダ８がマスト２に沿って高く揚
高された高揚高状態で積み込み作業を行う場合、作業者
にとってジョウ１９とグリッパ２０とがシートパレット
１５の端部を確実に挟持したか否かを確認しずらく、作
業を迅速に行うことができないという問題があった。そ
こで、本願出願人は上記問題を解消するため、図４に示
すように、ジョウ１９に視認孔２３を設けるとともに、
グリッパ２０には挟持姿勢に移行した際シートパレット
１５の欠漏によって視認孔２３から垂出する告知ピン２
５を内装したシートパレット把持装置を提案した（実開
平３−１００２９２号公報）。即ち、この提案のシート
パレット把持装置は、挟持姿勢に移行した際に告知ピン
２５が視認孔２３から垂出しているか否かを視認するこ
とにより、作業者がシートパレット１５の挟持を容易に
確認することができる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記提案の
シートパレット把持装置では、告知ピン２５が視認孔２
３から垂出していなければシートパレット１５の端部を
確実に挟持したことを作業者は容易に確認できるもの
の、シートパレット１５のどの位置を挟持しているかに
ついて認識することができない。そのため、シートパレ
ット１５の端部がジョウとグリッパとの間に充分に入り
込んでいない場合にはシートパレット１５を充分に挟持
できず、逆に必要以上に奥深く入り過ぎた場合にはシー
トパレット１５の端部を挟持したときにその端部を破損
させるという不都合が発生する。また、シートパレット
１５を斜めにずれた状態で挟持した場合には、荷物Ｗが
斜めに積み込まれるため積み込み作業を正常に行うこと
ができないという不都合も発生する。

【０００７】本考案は上記不都合に鑑み案出されたもの
であり、ジョウとグリッパとによりシートパレットの端
部を過不足なく的確に挟持できるようにすることを解決
すべき課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本考案は、ジョウには左右方向の少なくとも２箇所にシ
ートパレットの端部を下面より視認可能にする開口部が
設けられるとともに、該開口部の近傍には該開口部を介
して視認されるシートパレット端の適正位置を表示する
指標部が設けられているという新規な構成を採用してい
る。

【０００９】

【作用】本考案のシートパレット把持装置では、高揚高
状態でシートパレットの挟持作業を行う場合、フェイス
プレートとともにジョウ及びグリッパを前方へ押し出す
ことにより、相対的にジョウとグリッパとの間に進入す
るシートパレットの後方端の位置をジョウの開口部を介
して視認する。そして、各開口部内においてシートパレ
ットの後方端が指標部により表示された適正位置に到達
したとき前方への押し出しを停止し、ジョウとグリッパ
とによりシートパレットの端部を挟持する。したがっ
て、ジョウとグリッパとによりシートパレットの端部を
過不足なく的確に挟持することが可能となる。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。なお、本実施例のシートパレット把持装置は、ジョ
ウを除く他の構成が図２に示す従来のシートパレット把
持装置と同様のものであるため、他の構成については共
通する部材の符号を援用して詳しい説明を省略する。

【００１１】本実施例のシートパレット把持装置では、
図１に示すように、フェイスプレート１８の下端にプラ
テン１０側に伸びるジョウ１９が固定されており、この
ジョウ１９のグリッパ２０と対面する左右及び中央の３
箇所には、後端から中央部にかけて切欠き状に形成され
た開口部２６が設けられている。そして、ジョウ１９の
下面には、各開口部２６の側方近傍に位置して指標部２
７が設けられている。この指標部２７には、ジョウ１９
とグリッパ２０との間に嵌入したシートパレット１５の
後方端の適正位置を中心として前後方向に目盛りが表示
されている。

【００１２】以上のように構成された本実施例のシート
パレット把持装置において、図３に示すような高揚高状
態でシートパレット１５の挟持作業を行う場合、プッシ
ュプルシリンダ１７の作動によりフェイスプレート１８
とともにジョウ１９及びグリッパ２０を前方へ押し出
し、これにより相対的にジョウ１９とグリッパ２０との
間に進入するシートパレット１５の後方端の位置をジョ
ウ１９の各開口部２６を介して視認する。そして、各開
口部２６内においてシートパレット１５の後方端が指標
部２７により表示された適当な位置に到達したとき、フ
ェイスプレート１８の前方への押し出しを停止し、グリ
ッパシリンダ２１を伸ばすことによりグリッパ２０を下
降させ、ジョウ１９とグリッパ２０とによりシートパレ
ット１５の端部を挟持する。

【００１３】したがって、本実施例のシートパレット把
持装置によれば、ジョウ１９とグリッパ２０とにより、
シートパレット１５の端部を充分に挟持できなかった
り、逆に必要以上に奥深く入り過ぎた状態で挟持した
り、シートパレット１５を斜めにずれた状態で挟持する
ことがなくなり、シートパレット１５の端部を過不足な
く的確に挟持することができる。これにより、シートパ
レット１５の端部の破損や、荷物Ｗを斜めに積み込む等
の不都合の発生を回避することができる。

【００１４】なお、シートパレット１５の端部の視認を
可能にする開口部２６は、少なくともジョウ１９の左右
両側２箇所に設ければよく、必要に応じて上記実施例の
ように３箇所あるいはそれ以上の箇所に設けることによ
って、より一層的確な位置の挟持が可能となる。

【００１５】

【考案の効果】本考案のシートパレット把持装置によれ
ば、ジョウには左右方向の少なくとも２箇所にシートパ
レットの端部を下面より視認可能にする開口部が設けら
れるとともに、該開口部の近傍には該開口部を介して視
認されるシートパレット端の適正位置を表示する指標部
が設けられているため、作業者はジョウとグリッパとに
よりシートパレットの端部を過不足なく的確に挟持する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るシートパレット把持装置
の要部を部分的に示す斜視図である。

【図２】従来のシートパレット把持装置を装備した荷役
車両の側面図である。

【図３】従来のシートパレット把持装置により荷役作業
を行う状態を示す模式側面図である。

【図４】従来のシートパレット把持装置の要部を示す断
面図である。

【符号の説明】

１…荷役車両 ２…マスト ８…ホルダ １０…
プラテン １１…昇降フレーム １５…シートパレット １８
…フェイスプレート １９…ジョウ ２０…グリッパ ２６…開口部
２７…指標部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷役車両のマストに昇降自在に取付けら
   れるホルダと、該ホルダの下端に固着され前方向に伸び
   るプラテンと、前記ホルダの上方に昇降自在に取付けら
   れた昇降フレームと、該昇降フレームにパンタグラフを
   介して前後動自在に装備されたフェイスプレートとを含
   み、該フェイスプレートの下端に前記プラテン側に伸び
   るジョウが固定され、該ジョウと前記フェイスプレート
   との間に前記ジョウとともにシートパレットの端部を挟
   持するグリッパが昇降可能に取付けられた荷役車両用プ
   ッシュプル装置のシートパレット把持装置において、 前記ジョウには左右方向の少なくとも２箇所にシートパ
   レットの端部を下面より視認可能にする開口部が設けら
   れるとともに、該開口部の近傍には該開口部を介して視
   認されるシートパレット端の適正位置を表示する指標部
   が設けられていることを特徴とする荷役車両用プッシュ
   プル装置のシートパレット把持装置。