JP2548442B2 - ブリスター包装体の反り矯正装置 - Google Patents

ブリスター包装体の反り矯正装置

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JP2548442B2 JP2236108A JP23610890A JP2548442B2 JP 2548442 B2 JP2548442 B2 JP 2548442B2 JP 2236108 A JP2236108 A JP 2236108A JP 23610890 A JP23610890 A JP 23610890A JP 2548442 B2 JP2548442 B2 JP 2548442B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、錠剤やカプセル剤等の医薬品、食品、電子
部品、その他用品等の小物品を包装するブリスター包装
体の反り矯正装置に関する。
(従来の技術) プレス・スルー・パッケージング(PTP)包装等のブ
リスター包装体は、医薬品の分野では、錠剤、カプセル
剤等の固形物の小分包装形態として多用されている。こ
のブリスター包装体は、帯状の樹脂シートの表面に突出
する多数のポケットを熱成形により形成し、各ポケット
に、錠剤、カプセル剤等を装填した後、樹脂シートの裏
面にアルミ箔等のシール箔を加熱接着して各ポケットを
該シール箔により閉塞する。このようにして、帯状のブ
リスター包装体シート形成し、該ブリスター包装体シー
トから所定の形状、大きさのブリスター包装体が打ち抜
かれる。
樹脂シートとしては、従来は、ポリ塩化ビニル(PV
C)が多用されていた。しかし、PVCは環境保全等におい
て問題があるために、最近ではPVCに替わって、防湿面
でも優れた特性を有するポリプロピレン(PP)、高密度
ポリエチレン(HDPE)等の単層シートあるいはこれらの
複合シートが使用されている。
このようなブリスター包装体においては、樹脂シート
にシール箔を加熱接着した後の冷却過程等で、それぞれ
熱収縮率の差により、樹脂シート側、すなわちポケット
側を内側にした反りが生じる。この反りは、樹脂シート
がPP、HDPE等の樹脂シートを使用する場合に、むしろ顕
著となる。
ブリスター包装体における反りは、ブリスター包装体
の製造工程で、加熱接着を終えた帯状のブリスター包装
体シートに、その反りの方向とは反対方向に湾曲させる
ことにより、ある程度は解消される。例えば、特公昭58
−3892号公報、特開平2−139309号公報には、外周面が
硬質弾性体により形成された回転駆動ドラムと、該回転
駆動ドラムの外周面に一部食込んだ状態で回転駆動ドラ
ムに圧接される圧延ロールとの間に、ブリスター包装体
を通過させる反り矯正装置が提案されている。回転駆動
ドラムと圧延ロールとの間を通過するブリスター包装体
は、ポケット側の表面を回転駆動ドラムの外周面に接触
されており、回転駆動ドラムの外周面には、ブリスター
方向体のポケットが押しつぶされないように、ポケット
を嵌合させる凹部が設けられている。
(発明が解決しようとする課題) このような従来の反り矯正装置では、回転駆動ドラム
と圧延ロールとの間にブリスター包装体を挟んだ状態
で、回転駆動ドラムの外周面に圧延ロールの外周面の一
部が喰込むことにより、ブリスター包装体がポケット側
を外側にして湾曲される。従って、回転駆動ドラムと圧
延ロールとの間を通過し終えたブリスター包装体は、反
りが解消されている。
しかし、このような公知の反り強制装置では、ブリス
ター包装体が局部的には反りの反対方向に押圧されてい
るが、全体的には回転駆動ドラムの周方向に沿って樹脂
シート側を内側に湾曲して移送されるので、かえって反
りが付与される。また、この装置では、回転駆動ドラム
および圧延ロールの周速度と同じ速度でブリスター包装
体が移動するために、ブリスター包装体が静的に湾曲さ
れ、しかも、該圧延ロールが1個しか設備されていない
ので、その湾曲作用、すなわち、反りの強制作動が不十
分であるばかりでなく、反りの反対方向への強制的しご
きも行われない。そのため、ブリスター包装体は、矯正
直後は反りが解消されていても、矯正から時間が経過し
たときには反りが戻るおそれがある。
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その
目的は、矯正から時間が経過しても反りが戻るおそれの
ないブリスター包装体の反り矯正装置を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明のブリスター包装体の反り矯正装置は、反りを
矯正すべきブリスター包装体のシール箔側に、該ブリス
ター包装体の移動方向と同方向または反対方向に回転可
能に配設された回転ドラムと、該回転ドラムの周囲に、
回転可能に指示された複数の小径押圧ローラと、該回転
ドラムとはブリスター包装体を挟んで配設されており、
各小径押圧ローラの周回移動域が嵌入する凹部を有する
とともに、該ブリスター包装体の各ポケットが嵌入し得
る溝部が設けられたガイド体と、該ガイド体における溝
部の周囲に取り付けられた硬質弾性体と、を具備し、複
数の小径押圧ローラが周回移動することにより、該小径
押圧ローラが該シール箔を介して硬質弾性体を食い込み
転接して該ブリスター包装体を小径押圧ローラの周回移
動域に沿って、該小径押圧ローラに向かって凹となるよ
うに湾曲させものであり、そのことにより上記目的が達
成される。
(作用) 本発明のブリスター包装体の反り矯正装置は、ガイド
体の溝内にブリスター包装体のポケットが嵌入された状
態で、該溝部の周囲にとり付けられた硬質弾性体にブリ
スター包装体のポケットを除く部分が、樹脂シートを外
側に湾曲して、周囲移動する複数の生径押圧ローラのシ
ール箔への食い込み転接によるしごき作用を十分に受け
る結果、当該包装体シートの反りが強制的に矯正され
る。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
本発明のブリスター包装体の反り矯正装置は、第1図
に示すように、ブリスター包装体の製造ラインにおける
帯状に連続するブリスター包装体シート70を繰り出す搬
送ロール10と、該搬送ロールにより繰り出されたブリス
ター包装体シート70を所定の大きさに切断する打ち抜き
機20との間に配設されている。
ブリスター包装体シート70は、第2図に示すように、
例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリレチレン
(HDPE)等の樹脂シート71を熱成形により該樹脂シート
の表面に突出する多数のポケット71aを形成して、該樹
脂シート71の各ポケット71aに、錠剤、カプセル剤等の
固形物73を収納した状態で、各ポケット71aの突出側と
は反対側である樹脂シート71の裏面に、帯状のシール箔
72を接着したものである。
搬送ロール10は、ブリスター包装体シート70を各ポケ
ット71aが上方へ突出した状態で、所定の長さずつ、順
次、繰り出されるように、間欠的に駆動される。
搬送ロール10と打ち抜き機20との間に配設された本発
明のブリスター包装体の反り矯正装置は、ブリスター包
装体シート70の移動域を挟んで上方および下方にそれぞ
れ配設されたガイド体31および押圧部材40を備えてい
る。
ブリスター包装体シート70の移動域の下方に位置にす
る押圧部材40は、軸心方向がブリスター包装体シート70
の搬送方向と直交する方向になった回転ドラム41を有す
る。該回転ドラム41は、図示しないモーターにより、そ
の上部周面がブリスター包装体シート70の移動方向と同
方向または反対方向となるように回転される。該回転ド
ラム41の各端面には、第2図に示すように、外方へ延出
して相互に対向状態になったフラジ部41aおよび41aがそ
れぞれ設けられており、両フランジ部41a間に、該回転
ドラム41の軸心に平行になった多数の小径押圧ローラ42
が、周方向に等しい間隔をあけて架設されている。各小
径押圧ローラ42は、該回転ドラム41の各フランジ部41a
にそれぞれ取り付けられた軸受43により回転可能に指示
されており、回転ドラム41の回転により、その外周部を
周回移動する。各小径押圧ローラ42は、搬送されるブリ
スター包装体シート70の幅方向とほぼ同様の長さになっ
ており、回転ドラム41の回転によりその頂部に位置され
た小径押圧ローラ42およびこの小径押圧ローラ42に隣接
する一対の小径押圧ローラ42および42は、ブリスター包
装体70シートが上方へ突出した湾曲状態になるように、
該ブリスター包装体シート70を強く押し、その周回移動
により、前記シート70にしごき作用を与える。
ブリスター包装体シート70を挟んで該押圧部材40の上
方に配設されたガイド体31は、回転ドラム41の回転によ
り、最上側に位置された小径押圧ローラ42および該小径
押圧ローラ42に隣接する一対の小径押圧ローラ42が嵌入
されるように、下面が円弧状に窪んだ凹部31bを有して
いる。該ガイド体31は、搬送されるブリスター包装体シ
ート70の上方を、その幅方向域にわたって覆った状態に
なっている。
ガイド体31の下部には、第2図に示すように、ブリス
ター包装体シート70の搬送方向に延びる複数の溝部31a
が、幅方向に所定の間隔をあけて配設されている。各溝
部31aは、下方に開口した状態でガイド体31を挿通して
おり、搬送されるブリスター包装体シート70の各ポケッ
ト部71aが嵌入し得るように位置されている。そして、
溝部31aの深さは、各ポケット部71aが当接しないように
十分に深く設定されている。
該ガイド体31の溝部31aの開口部を除く凹部周面に
は、硬質弾性体32がそれぞれ取り付けられており、従っ
て、各溝部31aの周囲に位置されている。各硬質弾性体3
2は、例えば硬質ウレタンゴム等により構成されてお
り、ガイド体31の凹部31bにおける円弧状の周面に沿っ
て湾曲している。各硬質弾性体32は、ブリスター包装体
シート70の搬送方向の各端部が、順次薄くなっており、
各端部が、搬送されるブリスター包装体シート70におけ
る押圧部材40の各小径押圧ローラ42により押圧されてい
ない樹脂シート71のポケット部71a間に当接する。各小
径押圧ローラ42は、硬質弾性体32を強く押圧して、該硬
質弾性体32内に嵌入、すなわち食い込んだ状態になって
いる。
本発明の反り矯正装置と打ち抜き機20との間には、ブ
リスター包装体シート70におけるポケット71aの位置決
めを行うためのストッパー50が設けられており、該スト
ッパー50により、打ち抜き機20の所定位置にブリスター
包装体シート70が停止される。また、打ち抜き機20の下
流側には、搬送ロール10に同期して間欠駆動される一対
の引っ張りローラ60および60が設けられており、搬送ロ
ーラ10から円滑にブリスター包装体シート70が繰り出さ
れる。
このような構成の本発明の反り矯正装置は、ブリスタ
ー包装体シート70の反りを次のようにして矯正する。
搬送ローラ10と一対の引っ張りローラ60および60とが
同期して間欠駆動されることにより、ブリスター包装体
シート70が、所定の長さだけ本発明の反り矯正装置に送
り込まれる。このとき、ブリスター包装体シート70の各
ポケット部71aは、ガイド体31の凹部31bの周面に取り付
けられた各硬質弾性体32の間から、溝部31a内に嵌入
し、ブリスター包装体シート70のポケット部71aを除く
樹脂シート71部分とシール箔72とが、ガイド体31の下面
に取り付けられた硬質弾性体32と押圧部材40の上部に位
置する各小径押圧ローラ42との間に進入する。ブリスタ
ー包装体シート70は、一対の引っ張りローラ60および60
により引っ張られているために、確実に、硬質弾性体32
と各小径押圧ローラ42との間に進入する。
このような状態で、押圧部材40における回転ドラム41
が回転され、その外周部に配設された各小径押圧ローラ
42が順次ブリスター包装体シート70のシール箔72に圧接
する。各小径押圧ローラ42は、硬質弾性体32内に食い込
んだ状態で、順次周回移動するために、該硬質弾性体32
と小径押圧ローラ42との間のブリスター包装体シート70
は、シール箔72側が内周側になるように強制的に湾曲さ
れる。
ブリスター包装体シート70は、前述したように、樹脂
シート71の熱収縮率がシール箔72の熱収縮率よりも大き
いために、樹脂シート71が内周側、シール箔72側が外周
側となるように反る習性があるが、本発明の反り矯正装
置におけるガイド体31の凹部31b内に位置されているブ
リスター包装体シート70は、まず、押圧部材40の回転ド
ラム41の外周に沿ってシール箔72に内側にして湾曲保持
され、さらに、この状態において、各小径押圧ローラ42
が前記シール箔72に順次強く転接されて、当該シートを
連続的にしごくので、その反り方向とは反対方向に強制
的に湾曲される。その結果、ブリスター包装体シート70
の反りが矯正される。このとき、ブリスター包装体シー
ト70における各ポケット部71aは、ガイド体31の溝部31a
内に嵌入した状態になっており、各小径押圧ローラ42に
よるブリスター包装体シート70の押圧によっても、各ポ
ケット部71aは、溝部31aの底面には当接しない。その結
果、各ポケット部71aは破壊されるおそれがない。
このようにして、ブリスター包装体シート70の反りが
矯正されると、一対の引っ張りローラ60および搬送ロー
ラ10が駆動されて、ブリスター包装体シート70が搬送ロ
ーラ10から所定の長さだけ繰り出され、反りが矯正され
たブリスター包装体シート70の所定部分が打ち抜き機20
内に移動される。そして、ブリスター包装体シート70が
打ち抜き機20に対して所定状態になると、ストッパー50
により停止される。このような状態で、打ち抜き機20
は、ブリスター包装体シート70から所定の大きさおよび
形状のブリスター包装体を打ち抜く。このような打ち抜
きが行われている間に、本発明の反り矯正装置にてブリ
スター包装体シート70の所定部分の反りの矯正が行われ
る。
なお、上記実施例は、押圧部材40の各小径押圧ローラ
42がカイド体31の硬質弾性体32に、常時、圧接した状態
で、ブリスター包装体シート70の搬送が行われる構成に
なっているが、このような構成に限らず、例えば、ブリ
スター包装体シート70の搬送時にはガイド体31の硬質弾
性体32と押圧部材40とを離れさせる構成としてもよい。
また、前記実施例では、ブリスター包装体シート70が
間欠的に搬送され、該シートの搬送停止時に前記押圧部
40の回転ドラムが駆動して当該シートの反りを矯正する
方式であるが、本発明装置は、ブリスター包装体シート
の連続的搬送方式にも適用できる。
さらに、本発明の反り矯正装置は、搬送ロール10の上
流側に設置することもできる。
(発明の効果) 本発明のブリスター包装体の反り矯正装置は、上述し
たように、反りを矯正すべきブリスター包装体を、シー
ル箔を内側にして湾曲させた後に周回移動する小径押圧
ローラで硬質弾性体へ強く押圧して、反りとは反対方向
にブリスター包装体を強制的に湾曲させているために、
ブリスター包装体に充分な矯正力が作用し、矯正から長
期間経た後も反りが戻るおそれはない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のブリスター包装体の反り矯正装置の一
例を示す側面図、第2図は第1図のI−I線における断
面図である。 31……ガイド体、31a……溝部、31b……凹部、32……硬
質弾性体、40……押圧部材、42……小径押圧ローラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反りを矯正すべきブリスター包装体のシー
    ル箔側に、該ブリスター包装体の移動方向と同方向また
    は反対方向に回転可能に配設された回転ドラムと、 該回転ドラムの周囲に、回転可能に支持された複数の小
    径押圧ローラと、 該回転ドラムとはブリスター包装体を挟んで配設されて
    おり、各小径押圧ローラの周回移動域が嵌入する凹部を
    有するとともに、該ブリスター包装体の各ポケットが嵌
    入し得る溝部が設けられたガイド体と、 該ガイド体における溝部の周囲に取り付けられた硬質弾
    性体と、 を具備し、 複数の小径押圧ローラが周回移動することにより、該小
    径押圧ローラが該シール箔を介して硬質弾性体を食い込
    み転接して該ブリスター包装体を小径押圧ローラの周回
    移動域に沿って、該小径押圧ローラに向かって凹となる
    ように湾曲させる、ブリスター包装体の反り矯正装置。
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