JP2548395Y2 - 電気機器の固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、上下や左右に反転させて設置出来るワイヤ
レス受信器等の電気機器を壁面や天井面に簡易に固定さ
せる構造に関する。

［従来の技術］ 従来、この種の電気機器を固定するに際しては、予め
壁面や天井面に固定された取付補助具から突出成形した
係止突片に、電気機器のベース本体裏部に形成した係止
穴部を嵌入させ、必要に応じて止め螺子で固定させてい
るが、電気機器の裏面には配線孔が１つだけ設けられて
いるのが通例であるために、壁面や天井面に電気機器を
固定させる場合には、配線方向が一方向に固定され、配
線作業が面倒な上に、外観上も醜くなる場合があった。

また、止め螺子で電気機器を天井面に固定させる場合
には、落下事故を防止するためにも、電気機器のベース
本体をしっかりと天井面に押しつけて行なわなければな
らず、面倒であった。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、上記問題点を解決するめに案出されたもの
であって、第１の目的は、ワイヤレス受信器等の上下に
反転設置可能な電気機器を、壁面に立たせて固定できる
ようにし、もって配線孔や端子を設置場所に適した上、
下いずれかの方向に導出できるようにした電気機器の固
定構造を提供することにあり、第２の目的は上下に反転
設置可能な電気機器を螺子止めにより天井面などに固定
する場合にも、簡単に仮固定させて固定作業を容易に行
うことができるようにした電気機器の固定構造を提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため提案される第１の本考案は、
上、下端の一方に配線を導出させる配線孔を形成した、
上下に反転設置の可能なベース本体を有した電気機器
と、壁面に止着され、上記電気機器のベース本体を裏面
より係止させる取付補助板とを組み合わせた電気機器の
固定構造であって、上記電気機器のベース本体の裏面に
は、貫通孔を形成した左右で１組とされた係止穴突部を
上下に２組宛突設し、かつ上記取付補助板には、上記２
組のうち、いずれか１組の係止穴突部に嵌入される上方
に鈎状に突出した一対の係止突止を突設した構造とした
ことを特徴としており、上記別の目的を達成するために
提案される第２の本考案は、上、下端の一方に配線を導
出させる配線孔を形成した、上下に反転設置の可能なベ
ース本体を有した電気機器と、天井面に止着され、上記
電気機器のベース本体を裏面より係止させる取付補助板
とを組み合わせた電気機器の固定構造であって、上記電
気機器のベース本体の裏面には、貫通孔を形成した左右
で１組とされた係止穴突部を上下に２組宛突設し、かつ
上記取付補助板には、上記２組の係止穴突部に嵌入され
るようにした同一方向に鈎状に突出した２組の係止突片
を突設した構造とされ、上記取付補助板の上記２組の係
止突片の間には、螺子孔を形成した鈎状突出片を上記係
止突片と同じ高さに突設するとともに上記ベース本体の
鈎状突片に対応した箇所には、螺子挿入孔を形成した構
造としたことを特徴としている。

［作用］ 上記のように構成された第１の本考案では、１組の係
止穴突部には貫通孔が形成されているので、電気機器の
ベース本体の配線孔を下に向け、係止孔突部に、壁面に
止着された取付補助板より突出形成させた係止突片を嵌
入させれば、電気機器の下方に配線を導出させた状態に
して掛け止め固定でき、逆に電気機器のベース本体の配
線孔を上に向けて、係止穴突部に壁面に止着された取付
補助板より突出形成させた係止突片を嵌入させれば、電
気機器の上下方向を反転された状態にして掛け止め固定
できる。

このため、ベース本体の上下端の一方に設けた配線孔
を、現場に適した方向に配線を導出させるようにして壁
面に固定させることが出来る。

また、第２の考案では、天井面に止着された取付補助
板の係止突片を、電気機器のベース本体の裏面に突設し
た２組の係止穴突部に嵌入させれば、電気機器を天井面
に仮固定でき、このようにして仮固定した状態で、ベー
ス本体の表面側に形成した螺子挿入孔より螺子を挿入さ
せて、取付補助板より突出させた鈎状突片の螺子孔に螺
入させれば、完全に固定できる。

このため、ベース本体上下端の一方に設けた配線孔よ
り、現場に適した方向に配線を導出させるようにして、
天井面に固定できる。

［実施例］ 以下本考案を図面によって詳細に説明する。

第１図及び第２図は、第１の本考案の実施例を示した
もので、第１図は上下に反転設置の可能なワイヤレス受
信器１の内部回路の省略されたベース本体２と、カバー
体３とを示した分解斜視図、第２図は、このワイヤレス
受信器１を壁面に固定させるための取付補助板４の要部
構造とともに、ワイヤレス受信器１の固定要領を示して
いる。

これらの図に見るように、ワイヤレス受信器１は、そ
のベース本体２の裏面21より突出する係止穴突部23を、
左右で１組として、適当な間隔を隔てて上下に２組形成
しており、これらの係止穴突部23には、壁面Ｗにビスな
どで止着された取付補助板４の一部を打ち抜きして鈎状
に突出形成した係止突片4aを嵌入する貫通孔部23a,23a
がその開口を対向して形成された構造となっている。ま
た、ワイヤレス受信器１のベース本体２の上下端の一方
には、配線孔24が形成されている。なお、3aは説明の便
宜のため、ワイヤレス受信器１の上下方向を示すマーク
を示している。

このような構造においては、係止穴突部23に対向して
形成されたいずれか一方の貫通孔23a,23aを選んで、壁
面Ｗに止着された取付補助板４より上方に鈎状に突出形
成された係止突片4aを嵌入させることによって、第３
図，第４図に示したように、ベース本体１を上、下に反
転させて固定でき、その結果ベース本体１の上、下いず
れかの方向に配線孔をもって来ることができるので、ベ
ース本体２より導出する配線Ｓの方向を、現場に合わせ
て最適な位置に何らの補助具を使用せずに簡単に設定で
きる。

第５図は、第２の本考案を示した実施例図である。

６は、ビスなど天井面（不図示）に止着される取付補
助板であり、この補助板６には、ワイヤレス受信器のベ
ース本体５の裏面5aに形成された４つの係止穴突部51に
対応させた鈎状の係止突片61が抜き打ち形成されるとと
もに、ベース本体５に形成された螺子挿入穴54に対応す
るように螺子穴62aを形成した鈎状係止片61と同じ高さ
に突出させた鈎状突出片62を打ち抜き形成している。

ベース本体５は、挟止金具7aによってカバー７に一体
結合されるようになっており、該ベース本体１に形成さ
れた螺子挿入穴54には、挿入した止め螺子８の抜け止め
を防止する抜け止め防止部が形成されている。

なお、53はベース本体５に形成された配線孔であり、
ベース本体５の裏面に形成された枠突壁52に、上記した
取付補助板６を嵌入させるようになっている。

このような構造のものでは、取付補助板６を、ビスな
どで天井面に止着した後、その係止突片61のすべてを、
ベース本体５の裏面に形成された係止穴突部51の貫通孔
51aに同じ方向から嵌入させて係止させ、更にベース本
体５の螺子挿入孔54より、止め螺子８を挿入させて、補
助板６に対応した鈎状突片62の螺子孔62aに螺入させれ
ば、ベース本体５を天井面にしっかりと固定できる。

ベース本体５の補助板６への固定は、補助板に形成し
た係止突片を係止めさせるベース本体の裏面に突出形成
した係止穴突部の貫通孔からの嵌入方向を選べば左右反
転した状態に固定でき、したがって、ワイヤレス受信器
より導出する配線方向も左右のいずれの方向にも変更さ
せることができる。

この実施例では、ワイヤレス受信器を天井面に固定さ
せる例を説明したが、取付補助板を壁面に止着させれ
ば、第１の考案と同様に、ワイヤレス受信器を上下反転
させて壁面に固定できることはいうまでもない。

［考案の効果］ 以上述べた如く、第１の本考案の固定構造によれば、
上下に反転設置可能な電気機器を、予め壁面に止着され
た補助取付板に反転させて係止できるので、ベース本体
に２方向に２つの配線孔を設けることなく、現場に応じ
た方向に適合させることができ、外観の良い配線ができ
る。

また、第２の本考案によれば、電気機器を左右に反転
させて天井面に固定する場合に仮固定できるので、固定
作業の難しい箇所においても落下事故が防止でき、完全
に固定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の本考案の要部構造を示したワイヤレス受
信器の分解斜視図，第２図はワイヤレス受信器を取付補
助板を用いて壁面に固定させる場合の説明図，第３図，
第４図はワイヤレス受信器上下に反転させて取付けた状
態を示す図，第５図は第２の本考案に係る実施例の分解
斜視図である。 （符号の説明） 2,5……上下に反転設置の可能な電気機器のベース本体 21,5a……その裏面 24,53……配線孔 23,51……係止穴突部 23a,51a……その貫通孔 Ｗ……壁面 4,6……取付補助板 54……螺子挿入孔 62……鈎状突片 62a……螺子孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 川合 正典 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−128714（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−16183（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−188385（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上，下端の一方に配線を導出させる配線孔
   を形成した、上下に反転設置の可能なベース本体を有し
   た電気機器と、壁面に止着され、上記電気機器のベース
   本体を裏面より係止させる取付補助板とを組み合わせた
   電気機器の固定構造であって、 上記電気機器のベース本体の裏面には、貫通孔を形成し
   た左右で１組とされた係止穴突部を上下に２組宛突設
   し、かつ 上記取付補助板には、上記２組のうち、いずれか１組の
   係止穴突部に嵌入される上方に鈎状に突出した一対の係
   止突片を突設した構造とした電気機器の固定構造。
2. 【請求項２】上，下端の一方に配線を導出させる配線孔
   を形成した、上下に反転設置の可能なベース本体を有し
   た電気機器と、天井面に止着され、上記電気機器のベー
   ス本体を裏面より係止させる取付補助板とを組み合わせ
   た電気機器の固定構造であって、 上記電気機器のベース本体の裏面には、貫通孔を形成し
   た左右で１組とされた係止止穴突部を上下に２組宛突設
   し、かつ上記取付補助板には、上記２組の係止穴突部に
   嵌入されるようにした同一方向に鈎状に突出した２組の
   係止突片を突設した構造とされ、 上記取付補助板の上記２組の係止突片の間には、螺子孔
   を形成した鈎状突出片を上記係止突片と同じ高さに突設
   するとともに、上記ベース本体の鈎状突片に対応した箇
   所には、螺子挿入孔を形成した構造とした電気機器の固
   定構造。