JP2548007Y2 - 田植機の苗載台収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、複数の苗載台を並設し
た苗載台本体の両端側に連結する両端部苗載台をそれぞ
れ垂下状に折りたたんで収納可能にした田植機の苗載台
収納装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、複数の苗載台を並設した苗載台
本体の両端側に連結する両端部苗載台をそれぞれ垂下状
に折りたたみ収納可能にして構成する田植機において、
本出願人が既に出願した実開平２−４７１５６号に見ら
れるように、両端部苗載台をそれぞれ折りたたみ自在に
構成することは知られている。

【０００３】

【考案を解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな構造では、寸法制約により、折りたたみの回動支点
の部位と苗載台との距離が定められてしまい、苗載台に
は苗送り装置を大きく設けることができず、苗送り性能
が不充分となったり、あるいは苗載台を長くしなければ
ならず、しかも、作動が有効に行われない、といった不
具合を呈していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、そのうよな不
具合を解決し、有効に折りたたんで収納できるように工
夫したものであり、そのため、苗載台本体の両端側両苗
載台の下方には、下部側に設けた苗送り装置の傾斜上位
側位置に両支持アームをそれぞれ縦支軸中心に回動可能
にして軸架し、両支持アームの端部には、回動自在の中
間アームを介装して端部苗載台の下面側に固設した両ア
ームの端部をそれぞれ連結し、該アームにはアクチュエ
ータによって引っ張り可能の操作ワイヤーを、また、前
記支持アームにはダンパーをそれぞれ連動連繋して構成
したものである。

【０００５】

【作用】従って、操作ワイヤーを弛めダンパーを作動さ
せると、両端部苗載台は一端外側方へ移動するとともに
後方側上方へ移動することになり、そのまま両端部苗載
台が垂下するように下方へ回動させると、植付部を幅狭
にするとともに両端部苗載台を上方側に偏位させて有効
に収納可能となり、各苗載台の下部側には容量の大きな
苗送り装置を従来同様に装備して苗の縦送りを有効に行
わせることができる。

【０００６】

【実施例】図１ないし図７において、図７は８条植えが
できる乗用田植機の平面図を示し、本機Ｂの後方に連結
する植付部Ｃは、各フロート９の上方には後部に植付爪
１０を装備する各植付ケース１１を架設し、各植付ケー
ス１１の上方に横設した苗取出し板１２の上方には８枚
の苗載台１ａ〜１ｈを横方向に往復動自在にして斜設し
構成するが、６枚の苗載台１ａ〜１ｆを一体に並設して
苗載台本体１を形成するとともに、該本体１の両端側に
並設する両端部苗載台１ｇ、１ｈは分割し、また、全て
の苗載台１ａ〜１ｈの下部側には苗送り装置Ａである苗
送りベルトａをそれぞれ装着するとともに、苗載台本体
１の両端の両苗載台１ａ、１ｆにおける苗送りベルトａ
の駆動軸と、両端部苗載台１ｇ、１ｈにおける苗送りベ
ルトａの駆動軸とがそれぞれ着脱自在に連結できるよう
にして構成する。

【０００７】前記苗載台本体１の両端側となる両苗載台
１ａ、１ｆの下方には、苗送り装置Ａの傾斜上位側位置
となって上下に間隔をおいた両支持アーム２をそれぞれ
縦支軸３中心に回動可能にして軸架し、両支持アーム２
の先端部には両中間アーム４の一端側を横軸１３を介し
回動自由にしてそれぞれ連結するとともに、両中間アー
ム４の他端部には、両端部苗載台１ｇ、１ｈの下面側に
固設するとともにその間を連結杆１４により連結した平
行の両アーム５の端部をそれぞれ縦軸１５を介し回動自
由にして連結し、また、両端の両苗載台１ａ、１ｆの下
方には、下方のアーム５の中間部に固定した板体１８上
のピン１６を嵌入できる溝１７ａを有した係合板１７を
それぞれ回動自由にして取付け構成する。

【０００８】前記苗載台本体１の下方にはモータである
アクチュエータ６およびギヤケース１９を架設するとと
もに、該ギヤケース１９より駆動できる正逆転自在のピ
ニオン２０には平行となる両ラック板２１をそれぞれ噛
合し、両ラック板２１の反対側端部にそれぞれ一端側を
連繋した両操作ワイヤー７の他端側を、両端部苗載台１
ｇ、１ｈの上方アーム５より延出したアーム２２にスプ
リング７ａを介装してそれぞれ連繋し、また、両側方に
おける上方側の支持アーム２の先端側部には該支持アー
ム２を外側方へ弾圧するダンパー８をそれぞれ連動連繋
して構成する。

【０００９】したがって、図１および図２に示すよう
に、ダンパー８に拡張して操作ワイヤー７により両端部
苗載台１ｇ、１ｈを両端の苗載台１ａ、１ｆ側にそれぞ
れ引き寄せて、係合板１７をピン１６にそれぞれ係合さ
せておくと、従来形同様の８条の苗載台にすることがで
きることになり、また、ピニオン２０を逆転させて両操
作ワイヤー７を弛めると、係合板１７をピン１６から外
すことによって、ダンパー８が支持アーム２、２を外側
方へ９０度、回転させるとともに、図４および図２に仮
想線で示すように両端部苗載台１ｇ、１ｈを一端外側方
へ移動させるとともに後方側上方へ移動させることがで
きることになり、その際に、両端部苗載台１ｇ、１ｈは
横軸１３、１３中心に回動して図５および図６に示すよ
うに垂下しながら収納されることになり、植付部Ａを幅
狭にするとともに両端部苗載台１ｇ、１ｈを上方側に偏
位させて有効に収納できることになり、各苗載台の下部
側には容量の大きな苗送り装置Ａを従来形同様に装備し
て苗の縦送りを有効に行わせることができる。

【００１０】なお、図８ないし図１０は他の例を示し、
前記苗送り装置Ａにおける苗送りベルトａの緊張装置で
あり、上方の駆動ローラ２３と下方の遊動ローラ２４に
苗送りベルトａを掛装するとともに、前記遊動ローラ２
４の軸２５を各ブラケット２６の長孔２７に遊嵌し、前
記ブラケット２６に中心部を軸支２８したテンションア
ーム２９の一端側には引張りばね３０を連繋し、テンシ
ョンアーム２９の他端側に形成した屈曲部２９ａを前記
軸２５に当接して構成したものであり、テンションアー
ム２９の軸支２８部から両端にかけての長さのアーム比
を大きくとることにより引張りぱね３０の荷重を下げる
ことができることになって引張りばね３０を着脱を工具
なしで容易に行ったり、ばねフック部の変形を防止でき
る。

【００１１】

【考案の効果】このように本考案は、操作ワイヤー７を
弛めダンパー８を作動させると、苗送り装置Ａの上方位
となる両支持アーム２が回動するとともに両端部苗載台
１ｇ、１ｈは一端外側方の後方側上方へ移動することに
なり、そのまま両端部苗載台１ｇ、１ｈが垂下するよう
に下方に回動させると、植付部を幅狭にするとともに両
端部苗載台を１ｇ、１ｈを上方側に偏位させて有効に収
納できることになり、また、各苗載台の下部側には容量
の大きな苗送り装置Ａを従来形同様に装備することがで
きることになって、苗載台を長くすることなくしかも苗
の縦送りを有効に行わせることができることになり、好
適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の要部をを示した底面図である。

【図２】苗載台全体の下方を示した底面図である。

【図３】図２の一部を拡大して示した底面図である。

【図４】作動状態を示した底面図である。

【図５】作動状態を示した側面図である。

【図６】作動状態を示した底面図である。

【図７】乗用田植機を示した平面図である。

【図８】他の例を示した上面図である。

【図９】図８の一部の側面を示した側面図である。

【図１０】図９の一部を拡大して示した側面図である。

【符号の説明】

１ａ 苗載台 １ｂ 苗載台 １ｃ 苗載台 １ｄ 苗載台 １ｅ 苗載台 １ｆ 苗載台 １ 苗載台本体 １ｇ 端部苗載台 １ｈ 端部苗載台 Ａ 苗送り装置 ２ 支持アーム ３ 縦支軸 ４ 中間アーム ５ アーム ６ アクチュエータ ７ 操作ワイヤー ８ ダンパー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の苗載台１ａ〜１ｆを並設した苗載
   台本体１の両端側に連結する両端部苗載台１ｇ、１ｈを
   それぞれ垂下状に折りたたみ収納可能にして構成する田
   植機において、前記苗載台本体１の両端側両苗載台１
   ａ、１ｆの下方には、下部側に設けた苗送り装置Ａの傾
   斜上位側位置に両支持アーム２をそれぞれ縦支軸３中心
   に回動可能にして軸架し、両支持アーム２の端部には、
   回動自在の中間アーム４を介装して端部苗載台１ｇ、１
   ｈの下面側に固設した両アーム５の端部をそれぞれ連結
   し、該アーム５にはアクチュエータ６によって引張り可
   能の操作ワイヤー７を、また、前記支持アーム２にはダ
   ンパー８をそれぞれ連動連繋して構成したことを特徴と
   する苗載台収納装置。