JPH0420167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、走行用車輪の後方に、植付け爪に苗
供給する傾斜苗のせ台、及び、操縦ハンドルを配
置した歩行型田植機の予備苗収納装置に関する。

〔従来の技術〕

上記歩行型田植機において、従来、側面視で走
行用車輪の上方に位置する箇所に予備苗のせ台を
配置することにより、予備苗を搭載しても、機体
の前端側重量と後端側重量の差に予備苗重量に起
因する変化が生じないように、あるいは、生じて
も少量に抑制できるように構成されている。とこ
ろが、予備苗のせ台から植付け用の苗のせ台に苗
供給する途中において、苗を作業者のみによつて
支持する必要のある構造になつており、次の如き
不都合があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

苗のせ台に予備苗供給をするに当り、作業者の
みによる苗支持をする必要があることから、必要
労力が大になるばかりではなく、苗支持に両手が
必要で操縦ハンドルから手を離さねばならないた
めに機体が動き易い不安定な状態になつたり、苗
のせ台の上昇する姿勢になつて、苗のせ台への苗
供給がしにくくなつていた。

本考案の目的は、予備苗搭載が機体の前後重量
差の予備苗重量に起因する変化を防止したり、抑
制しながらできるように、しかも、苗のせ台への
予備苗供給が楽にかつ容易にできるようにするこ
とにある。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、冒記した歩行型田植機の予備苗収納
装置において、苗のせ板の載置台を、側面視で前
記走行用車輪の上方に位置する箇所に前記苗のせ
板が位置する第１取付け位置と、前記傾斜苗のせ
台の上方に前記苗のせ板が位置する第２取付け位
置との摺動操作が自在に、機体側の載置台支持フ
レームに前後摺動自在に取付けると共に、前記苗
のせ板を前記載置台に対して前記傾斜苗のせ台に
向けて自重により下降させると共に揺動させるた
めの通路及び受止めガイド部を、前記載置台が前
記第２取付け位置に在る状態で前記苗のせ板を前
記受止めガイド部によつて支持させると共に案内
させながら前記載置台に対して自重により下降さ
せると共に揺動させて、その下端側を前記傾斜苗
のせ台の苗のせ面に接当させることにより、載置
予備苗を前記傾斜苗のせ台に落下供給するための
下降姿勢に前記苗のせ板がなるように配置した状
態で前記載置台に備えてあることにあり、その作
用及び効果は次のとおりである。

〔作用〕

載置台を第１取付け位置にしておくことによ
り、苗のせ板が側面視で走行用車輪の上方に位置
する箇所に位置して、該箇所への予備苗搭載を可
能にする。

載置台を第１取付け位置から第２取付け位置に
摺動操作して、苗のせ板を走行用車輪の上方から
傾斜苗のせ台の上方に移動させ、苗のせ板を受止
めガイド部によつて支持させると共に案内させな
がら通路を通して自重により下降させると共に揺
動させ、その一端側を傾斜苗のせ台の苗のせ面に
接当させると、苗のせ板が前記下降姿勢になるこ
とにより、予備苗を苗のせ板を介して載置台によ
つて支持させながら、車輪上方の搭載箇所から苗
のせ台に移動させて供給できる。

〔考案の効果〕

予備苗搭載が前記車輪上方箇所にできることに
より、機体の前後重量差が予備苗重量のために変
化することを防止したり、抑制できて、予備苗を
搭載しても操縦がし易いようにできた。それであ
りながら、予備苗を載置台によつて支持させなが
らできることと、載置台を摺動させるための操
作、及び、苗のせ台を自重下降揺動させるための
操作は片手ででもできることにより、予備苗供給
が載置台と分担するわずかな苗支持力を発揮する
だけで楽にできると共、片手で操縦ハンドルの支
持をして機体を苗供給に適正な姿勢に安定させな
がら容易にできるようになり、苗補給を容易かつ
迅速にして、この面から作業が能率よくできるよ
うにできた。

〔実施例〕

第７図に示すように、左右一対の走行用車輪
１，１、これら車輪１，１の後方に配置された操
縦ハンドル２、及び、予備苗収納装置３等を備え
させた自走機体の下部に接地フロート４を付設す
ると共に、機体横方向に並列する複数個の植付け
具５…、及び、前記走行用車輪１の後方に位置す
るように、かつ、前記植付け具５に苗供給するよ
うに配置された傾斜苗のせ台６を有した苗植付け
部を前記自走機体の後部に備えさせて、走行型田
植機を構成してある。

前記予備苗収納装置３は次の如く構成してあ
る。

すなわち、第１図及び第５図に示すように、前
記植付け具５，５と同数の載置台７，７を機体横
方向に並列するように配置すると共に、走行機体
に機体カバー８を介して固定された載置台支持フ
レーム９に取付けてある。複数の前記載置台７，
７夫々は、苗のせ板10を載せるための前後一対の
載置部7a，7a、載置された苗のせ板10の位置ず
れを防止するための前ストツパー部7b、後スト
ツパー部7c及び左右一対の横ストツパー部7d，
7d、並びに、苗のせ板10を上下に挿通させるた
めの通路Ｌ、この通路Ｌを通る予備苗のせ板10に
作用させる受止めガイド部7eの夫々を後端側に備
えるように形成してある。第６図に示すように、
前記苗のせ板10には、載置予備苗Ａの床土部に係
入して載置予備苗Ａの滑り落下を防止する苗スト
ツパー11を苗のせ部の一端側に位置させて備えて
あると共に、前記苗ストツパー11を起立作用状態
と倒伏作用解除状態とに切換え操作する操作具12
を取つ手部10aに位置させて備えてある。

複数の前記載置台７，７夫々において、前記支
持フレーム９の前後一対の載置台受止め部9a，
9bが載置台７の左右一対の前後方向長孔13，13
を摺動自在に挿通しており、載置苗のせ板10を取
つ手部10aをして機体前後方向に移動操作するこ
とにより、載置台７が前ストツパー部7bまたは
後ストツパー部7cに対する苗のせ板10の当りのた
めに前記支持フレーム９に対して機体前後方向に
摺動し、第１図に示す如く載置苗のせ板10が側面
視で走行用車輪１の上方に位置する箇所に位置す
るところの第１取付け位置Ｆと、第２図に示す如
く載置苗のせ板10が傾斜苗のせ台６の上方に位置
するところの第２取付け位置Ｒとに移動するよう
に構成してある。載置台７を前記第２取付け位置
Ｒに操作した状態において、第３図に示す如く苗
のせ板10を裏側が前記受止めガイド部7eに載つて
載置台７によつて受止め支持されるようにしなが
ら機体後方側に引き上げ操作することにより、苗
のせ板10が一対の載置部7a，7aから外れると共
に苗のせ板10の前端側が前記通路Ｌに臨むよう
に、この状態になつた苗のせ板10を第４図に示す
如く、前記受止めガイド部7eによつて受止め支持
させながら自重により通路Ｌを通して傾斜苗のせ
台６に向けて下降させると共に受止めガイド部7e
を支点にして機体後方側に揺動させて、苗のせ板
10の下端側を苗供給用の左右摺動ストロークの中
間に在る傾斜苗のせ台６の苗のせ面6aに接当さ
せることにより、載置予備苗Ａを傾斜苗のせ台６
に落下供給するための下降姿勢に苗のせ板10がな
るように、前記通路Ｌ及び受止めガイド部7eの
夫々を配置してある。

さらに詳述すれば、第１図に示すように、予備
苗Ａを苗のせ板10に載せた状態で、苗のせ板10の
長手方向が機体前後方向になつて取つ手部10aが
機体後方側に位置する状態で複数の載置台７，７
夫々の後端側に載置すると共に、複数の載置台
７，７夫々を前記第１取付け位置Ｆにして、必要
枚数の予備苗Ａ，Ａを側面視で走行用車輪１の上
方に位置する箇所に搭載しておくようにしてあ
る。そして、複数の載置台７，７夫々において、
操縦部からの苗のせ板10の引き寄せ操作による載
置台７の第１取付け位置Ｆから第２取付け位置Ｒ
への摺動操作により、予備苗Ａを載置台７によつ
て支持させながら搭載箇所から傾斜苗のせ台６の
上方に引き寄せ、苗のせ板10を載置台７から前記
下降姿勢に下降操作することより、予備苗Ａを載
置台７によつて支持させながら載置台７から傾斜
苗のせ台６に下降させ、前記苗ストツパー11を倒
伏作用解除状態に切換え操作すると共に、苗のせ
板10を引き上げ操作して予備苗Ａを傾斜苗のせ台
６に供給するようにしてある。

〔別実施例〕

苗のせ板10、及び、これの載置台７の別実施構
造を第８図ないし第10図に示してある。

すなわち、苗のせ板10に載置予備苗Ａの滑り落
下を防止するために備えてある苗ストツパー11
を、予備苗Ａの床土部端面に接当作するように構
成してある。

そして、苗のせ板10の載置台７を構成するに、
苗のせ板10を下降揺動させるための受止めガイド
部7eを支軸14の軸芯周りで揺動するように備えさ
せると共に、載置台７が前記第１取付け位置Ｆに
操作されると、受止めガイド部7eに対するストツ
パー15にレリーズワイヤ16を介して連動させてあ
るストツパー操作具17が一方の前記載置台受止め
部7eから離れ、ストツパー15がスプリング18によ
り受止めガイド部7eの移動経路に入り込んだ作用
位置に操作されて受止めガイド部7eを下降不能に
受止め支持するように、かつ、載置台７が前記第
２取付け位置Ｒに操作されると、ストツパー操作
具17が前記受止めガイド部7eに接当して押圧操作
され、ストツパー15が前記移動経路から外れた作
用解除位置に操作されて受止めガイド部7eの下降
揺動を可能にするようにしてある。つまり、第８
図に示すように、予備苗Ａの搭載のために苗のせ
板10を載置台７に載せるための後端側の載置部に
前記受止めガイド部7eを利用するようにしてあ
る。そして、第９図及び第10図に示すように載置
台７を第２取付け位置Ｒに操作すると受止めガイ
ド部7eが自動的に下降揺動可能な状態になり、苗
のせ板10を受止めガイド部7eにより受止め支持さ
せながら機体後方側に引き操作して前方側の載置
部7aから外し操作すると、受止めガイド部7eが
苗のせ板10と載置予備苗Ａの重量のために下降揺
動し、苗のせ板10を支持しながら通路Ｌを通して
傾斜苗のせ台６に向け下降揺動させて下端側が苗
のせ面6aに接当するところの苗供給用の下降姿
勢にするようにしてある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機の予備苗収納
装置の実施例を示し、第１図ないし第４図は予備
苗収納装置の一部切欠き側面図、第５図は予備苗
収納装置の平面図、第６図は苗のせ板の斜視図、
第７図は歩行型田植機全体の側面図、第８図ない
し第10図は別実施予備苗収納装置の一部切欠き側
面図である。 １……走行用車輪、２……操縦ハンドル、５…
…植付け爪、６……傾斜苗のせ台、6a……苗の
せ面、７……載置台、7e……受止めガイド部、10
……苗のせ板、Ａ……予備苗、Ｌ……通路、Ｆ…
…第１取付け位置、Ｒ……第２取付け位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行用車輪１の後方に、植付け爪５に苗供給す
   る傾斜苗のせ台６、及び、操縦ハンドル２を配置
   した歩行型田植機の予備苗収納装置であつて、苗
   のせ板10の載置台７を、側面視で前記走行用車輪
   １の上方に位置する箇所に前記苗のせ板10が位置
   する第１取付け位置Ｆと、前記傾斜苗のせ台６の
   上方に前記苗のせ板10が位置する第２取付け位置
   Ｒとの摺動操作が自在に、機体側の載置台支持フ
   レーム９に前記摺動自在に取付けると共に、前記
   苗のせ板10を前記載置台７に対して前記傾斜苗の
   せ台６に向けて自重により下降させると共に揺動
   させるための通路Ｌ及び受止めガイド部7eを、前
   記載置台７が前記第２取付け位置Ｒに在る状態で
   前記苗のせ板10を前記受止めガイド部7eによつて
   支持させると共に案内させながら前記載置台７に
   対して自重により下降させると共に揺動させて、
   その下端側を前記傾斜苗のせ台６の苗のせ面6a
   に接当させることにより、載置予備苗Ａを前記傾
   斜苗のせ台６に落下供給するための下降姿勢に前
   記苗のせ板10がなるように配置した状態で前記載
   置台７に備えてある歩行型田植機の予備苗収納装
   置。