JPH033136Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗のせ台の前方に予備苗のせ台を配
置した歩行型田植機に関する。

上記歩行型田植機において、予備苗のせ台に苗
箱に入れたままで搭載された予備苗を苗のせ台に
補給するに当り、一般に、苗箱からの苗取出しが
手元で容易にできるように、苗箱を予備苗のせ台
から前端側が予備苗のせ台に受止め支持され、か
つ、後端側が苗のせ台の上方に位置する状態に引
き出されるのであるが、従来、後端側を苗のせ台
に直接に載置せねばならないことから、苗箱から
取出した苗を苗箱載置してある苗のせ台部分に補
強するに際し、取出し苗を片手で持ちながら、取
出し苗の苗のせ台に対する挿入が可能となるよう
に、他方の手で空になつた苗箱を予備苗のせ台に
戻した後に、あるいは持ち上げながら、苗のせ台
に苗挿入せねばならず、空箱の収納や苗の補給が
しにくい欠点があつた。

本考案の目的は、苗箱を予備苗のせ台から手元
に引き出して苗箱からの苗取出しが容易にできる
ようにしながらも、その後の空箱収納や苗補給を
も容易にできるようにすることにある。

本考案は、目的達成のために、冒頭に記した歩
行型田植機において、前端側が前記予備苗のせ台
に支持された苗箱の後端側を支持させる支持部材
を備えていると共に、この支持部材の作用部を、
載置苗箱と前記苗のせ台の苗のせ面との間に苗挿
通可能な隙間が形成されるように高さ設定して、
前記苗のせ台の仕切り壁の上方に配置してあるこ
とを特徴構成とする。そして、作用及び効果は次
のとおりである。

苗補給をするに際し、支持部材を使用すること
により、苗箱を予備苗のせ台から手元に引き寄せ
た状態で、しかも、苗箱と苗のせ台の苗のせ面と
の間に苗挿通用間隙がある状態にして載置し、両
手を使用して、苗を苗箱から容易に取出すと共に
前記間隙を通して苗のせ台の所定箇所に容易に供
給し、そして、この苗供給の後に、空苗箱を予備
苗のせ台に両手で容易に戻し収納することが可能
になる。

したがつて、苗箱からの苗取出し、取出し苗の
苗のせ台に対する供給、及び、空苗箱の収納のい
ずれもを両手で容易にし、苗補給を容易かつ迅速
に済ませて作業が楽にかつ能率よくできるように
なつた。

しかも、予備苗のせ台だけで苗箱支持させるた
めの改造を予備苗のせ台や苗箱に加える必要がな
くて経済面で有利にできた。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、左右一対の走行用車輪
１，１、エンジン２及び操縦ハンドル３等を有し
た自走機体の下部に、１個の前フロート４、及
び、機体横方向に並列させた２個の後フロート
５，５を取付けると共に、自走機体の後部に、機
体横方向に並列させた４個の苗植付アーム６…、
及び、苗のせ台７を付設して、４条植え可能な歩
行型田植機を構成してある。

左右車輪１，１夫々に対する伝動ケース８，８
を油圧シリンダー９により一体的に軸芯Ｙ周りで
上下揺動させられるように構成して、左右車輪
１，１の一体的な対機体昇降操作を可能にし、前
記前フロート４を、前端側の軸芯Ｘ周りで上下揺
動する状態に、かつ、車輪１の推進反力等に起因
する機体の前後揺動に伴う対機体昇降量が極力少
なくなるように遊端が車軸芯近辺に位置する状態
に取付けると共に、前フロート４の遊端側の対機
体高さの検出結果に基いて検出高さが設定範囲内
にあるように前記シリンダ９のコントロールバル
ブ（図外）を自動操作する連動機構１０を設け、
もつて、耕盤の深さ変化にかかわらず、苗植付深
さをほぼ一定にしながら作業できるようにしてあ
る。

前記前フロート４を構成するに、第２図イ及び
ロに示すように、苗植付深さが設定範囲内に在る
状態において前フロート４が接地している部分の
最前端位置P₁よりも、機体の前端側が車軸芯周
りで揺動下降されるに伴い前フロート４が接地す
る部分の最後端位置P₂が後方に位置する形状に
形成し、前フロート４を圃場に押圧して対機体上
昇させるに際して接地反力が前フロート４の極力
遊端側に作用するように構成することにより、ハ
ンドル３を持ち上げて油圧シリンダ９により車輪
１を対機体下降させ、機体を対地上昇状態にしな
がら旋回させるに当り、ハンドル３の持ち上げ高
さが極力少なく済むように配慮してある。

第３図及び第４図に示すように、自走機体の苗
のせ台７より前方に位置する箇所に、２枚の予備
マツト状苗を苗箱１１に入れたままで機体横方向
に並列格納できるように、あるいは、１枚の予備
マツト状苗を苗箱１１に入れたままで格納できる
ように構成した予備苗のせ台１２ａ，１２ｂ，１
２ｃを上下３段に並列させて設けてある。

第３図及び第５図に示すように、予備苗のせ台
１２ａから引きだされた苗箱１１の一端側を載置
して支持させる支持部材１３を苗のせ台７に取付
けてある。支持部材１３は作用部１３ａをして苗
箱１１の支持をするように構成すると共に、支持
部材１３を第５図の如き屈曲杆で作成することに
より、作用部１３ａが苗のせ台７の仕切り壁７ａ
の上方に位置し、この配置のために、載置苗箱１
１と苗のせ台７の苗のせ面７ｂとの間に第３図の
如き苗挿通可能な間隙Ｓが形成されるように構成
してある。さらに、載置苗箱１１の滑り動きを防
止するために苗箱底板に係止されるストツパー１
４を作用部１３ａに備えさせ、もつて、苗のせ台
７に予備苗補給するに当り、予備苗のせ台１２
ａ，１２ｂ，１２ｃから引き出した苗箱１１を、
前端側が最上段予備苗のせ台１２ａの後端部に受
止め支持され、後端側が支持部材１３に受止め支
持される状態にし、かつ、ストツパー１４により
動かないように固定された状態にして苗のせ台７
の上方に載置でき、苗箱１１からの苗取出しが手
元で容易にできるように、かつ、空になつた苗箱
１１を予備苗のせ台１２，１２ｂ，１２ｃに収納
したり、持ち上げ支持しなくとも、取出し苗を苗
箱１１の下方に位置する苗のせ台部分に容易に挿
入できるように構成してある。

尚、前記支持部材１３は、苗植付アーム６の運
動に伴つて左右の往復動する苗のせ台７に接当し
ないように、それを迂回する形状に形成した状態
で苗のせ台支持フレームに取付ける等、苗のせ台
７以外の箇所に取付けてもよい。

さらに、上記実施例にあつては、苗の葉先が苗
箱や支持部材に接触しても何ら支障がないことに
鑑み、その接触が生じる寸法に前記間隙Ｓを設定
してあるが、苗と苗箱や支持部材の接触が全く生
じないように間隙寸法を設定して実施してもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機の実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図イ及びロは前フ
ロートの作用状態を示す側面図、第３図は支持部
材の作用状態を示す断面図、第４図は第３図の
−断面矢視図、第５図は苗箱の引き出し載置状
態を示す一部切欠き平面図である。 ７……苗のせ台、１１……苗箱、１２ａ……予
備苗のせ台、１３……支持部材、１３ａ……作用
部、７ａ……仕切り壁、７ｂ……苗のせ面、Ｓ…
…間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗のせ台７の前方に予備苗のせ台１２ａを配置
   した歩行型田植機であつて、前端側が前記予備苗
   のせ台１２ａに支持された苗箱１１の後端側を支
   持させる支持部材１３を備えていると共に、この
   支持部材１３の作用部１３ａを、載置苗箱１１と
   前記苗のせ台７の苗のせ面７ｂとの間に苗挿通可
   能な隙間Ｓが形成されるように高さ設定して、前
   記苗のせ台７の仕切り壁７ａの上方に配置してあ
   る歩行型田植機。