JP2547237Y2 - 硬貨収納投出装置 - Google Patents

硬貨収納投出装置

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JP2547237Y2
JP2547237Y2 JP5657691U JP5657691U JP2547237Y2 JP 2547237 Y2 JP2547237 Y2 JP 2547237Y2 JP 5657691 U JP5657691 U JP 5657691U JP 5657691 U JP5657691 U JP 5657691U JP 2547237 Y2 JP2547237 Y2 JP 2547237Y2
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義昭 嶋津
英生 西田
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グローリー工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、硬貨入出金機、自動販
売機の硬貨処理部、両替機等に使用される硬貨収納投出
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の硬貨収納投出装置は、例えば特開
昭61−175886号公報に記載されているように、
硬貨を重積状態で収納する硬貨重積筒部を備え、この硬
貨重積筒部の下部に、重積硬貨の最下位硬貨を支承する
支承部を設けるとともに、重積硬貨の最下位硬貨を1枚
ずつ投出する投出手段を設けている。
【0003】そして、硬貨重積筒部への硬貨の収納は、
硬貨を、硬貨重積筒部の上部から筒内に自由落下させ、
支承部に支持された重積硬貨の上に重積収納させるよう
にしている。
【0004】ところで、硬貨入出金機に使用される場
合、入金硬貨を硬貨重積筒部に収納して出金硬貨として
利用することが行われている。この場合、硬貨重積筒部
の上部に入金硬貨を重積状態で一時保留する硬貨一時保
留部を設け、入金承認時に一時保留硬貨を硬貨重積筒部
に収納し、入金非承認時に一時保留硬貨を返却通路へ放
出するようにしている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上述のよう
に、硬貨一時保留部の一時保留硬貨を硬貨重積筒部に収
納する際、特に硬貨重積筒部内の硬貨重積量が少ない場
合に、一時保留硬貨の放出高さ位置と硬貨重積筒部内の
重積硬貨の最上位硬貨の位置との高低差が大きいため、
硬貨の落下中に重積くずれが生じやすく、重積不良が生
じ、硬貨投出不良が生じる。
【0006】また、硬貨一時保留部には、硬貨一時保留
部の下部開口を開閉して保留および放出を行う底板とこ
の底板を駆動する駆動手段とを設ける必要がある。か
つ、硬貨重積筒部には、投出部材とこの投出部材を駆動
する駆動手段とを設ける必要がある。そのため、それら
の設置のためのスペースを多く必要として大型になり、
構造が複雑化する。
【0007】本考案は、このような点に鑑みてなされた
もので、硬貨一時保留部に重積状態に一時保留された硬
貨を重積くずれが生じることなく硬貨重積筒部に収納さ
せることができ、しかも、投出部材に硬貨一時保留部の
底板の機能をもたせることにより、スペースを削減して
小型化し、構造を簡略化することができる硬貨収納投出
装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、硬貨を重積状
態で一時保留するとともに一時保留硬貨を放出する下部
開口23a を有し、硬貨収納位置および硬貨非収納位置の
いずれか一方に選択的に位置される硬貨一時保留部21
と、硬貨収納位置に位置される硬貨一時保留部21の一時
保留硬貨を重積状態で受入れ収納する硬貨重積筒部41
と、前記硬貨一時保留部21と硬貨重積筒部41との間に設
けられ、硬貨一時保留時に硬貨一時保留部21の下部開口
23a の閉塞および一時保留硬貨収納時に下部開口23a の
開放を行うとともに、硬貨投出時に重積硬貨の最上位硬
貨を投出する投出部材47と、前記一時保留硬貨の前記硬
貨重積筒部41への収納時には下降して一時保留硬貨を硬
貨重積筒部41に収納せしめるとともに、硬貨投出時には
上昇して重積硬貨の最上位硬貨を投出位置に位置せしめ
る支承部材71と、前記硬貨一時保留部21に設けられ、硬
貨投出時に重積硬貨の最上位硬貨を支持する支持部材40
とを具備したものである。
【0009】
【作用】本考案では、硬貨重積筒部41内の重積硬貨は支
承部材71上に支承され、重積硬貨の最上位硬貨が硬貨重
積筒部41の上端部に位置される。
【0010】そして、硬貨一時保留部21に重積状態で一
時保留された硬貨は、硬貨重積筒部41への収納側、ある
いは非収納放出側に放出される。収納側へ放出される一
時保留硬貨は、硬貨重積筒部41の上端部に位置する重積
硬貨の最上位硬貨上に載り、支承部材71の下降により硬
貨重積筒部41内に収納される。
【0011】また、硬貨投出時には、支承部材71の上昇
により重積硬貨の最上位硬貨が投出位置に位置され、投
出部材47の投出動作によって最上位硬貨が投出される。
このとき、投出動作のために投出部材47が硬貨重積筒部
41の上部から退避した際に、重積硬貨の上面が支持部材
40で支持され、投出部材47によって最上位硬貨が確実に
投出される。
【0012】
【実施例】以下、本考案の一実施例の構成を図面を参照
して説明する。
【0013】図2および図3は本考案の硬貨収納投出装
置を適用した硬貨入出金機を示し、1は機体で、この機
体1の前面上部に硬貨を垂直姿勢で1枚毎に投入する投
入口2が設けられている。図4に示すように、投入口2
に連続して、投入された硬貨を垂直姿勢から水平姿勢に
変換する姿勢変換部3が設けられているとともに、硬貨
を後方へ向けて搬送しながら識別選別する硬貨通路4が
設けられている。
【0014】硬貨通路4は、通路底板5と、硬貨の通過
が可能な間隙を開けて配置された一対の通路側板6,7
とを有している。通路底板5の上方に沿ってモータで駆
動される搬送ベルト8が張設されている。そして、硬貨
通路4内に進入する硬貨は、通路側板6の入口部の傾斜
で通路側板6の縁部に沿わされた状態で、搬送ベルト8
によって搬送される。
【0015】硬貨通路4の入口部には識別部9が設けら
れている。この識別部9は、材質センサやイメージセン
サからなり、正貨、偽貨、金種等の識別を行う。
【0016】識別部9の後流にリジェクト孔10が設けら
れ、識別部9で偽貨が識別された場合に、ロータリーソ
レノイド11が駆動されてレバー12が通路内に進入し、こ
のレバー12で偽貨の通路側板6側の縁部をリジェクト孔
10内に落とし込む。このリジェクト孔10の下部には、リ
ジェクトシュート13が設けられ、機体1の前面下部に設
けられた硬貨取出口14に返却する。
【0017】リジェクト孔10の後流に5円、50円およ
び500円の硬貨用、1円、100円および10円のオ
ーバーフロー硬貨用の選別孔15が設けられ、識別部9で
対応の硬貨が識別された場合に、ロータリーソレノイド
16が駆動されてレバー17が通路内に進入し、このレバー
17で対応硬貨の通路側板6側の縁部を選別孔15内に落と
し込む。この選別孔15の下部には後述するコンベア141
上に導く導出シュート18が設けられている。
【0018】選別孔15の後流に1円、100円、10円
を形状選別する選別孔19が順に設けられている。これら
の選別孔19の下部には、図1および図5に示すように、
硬貨を重積状態で一時保留する硬貨一時保留部21が設け
られている。
【0019】硬貨一時保留部21は、保留枠22を有し、こ
の保留枠22に各選別孔19に対応して上下方向に貫通形成
された保留筒部23の内側に構成されるとともに、この保
留筒部23の下部開口23a を開閉する後述する投出部材47
の上側に構成される。この保留枠22は、両側から突設し
た複数のガイド片24がガイド軸25に沿って移動可能と
し、一時保留硬貨を後述する硬貨重積筒部41の収納側お
よび非収納放出側のいずれか一方へ放出する位置に、駆
動手段26により移動される。
【0020】駆動手段26は、モータ27の正逆転駆動によ
りギヤ28,29を介して回転されるカム板30を設け、この
カム板30と保留枠22とをリンク31で連結している。そし
て、モータ27の正逆転駆動により、保留枠22は、硬貨重
積筒部41上方の収納位置と、後述する放出口44の上方の
非収納放出位置とに選択的に移動される。
【0021】また、保留枠22の移動位置は、保留枠22か
ら突設した検知片32を収納位置検知用のセンサ33および
非収納放出位置検知用のセンサ34で検知する。さらに、
移動枠22の移動位置は、スプリング35で回転付勢された
レバー36に回転自在に設けたローラ37が、カム板30の周
面に収納位置保持用の凹部38または非収納放出位置保持
用の凹部39に嵌まり込むことにより、カム板30の回転を
規制して保持する。
【0022】また、保留枠22には、保留枠22の非収納放
出位置への移動時に硬貨重積筒部41の上方に配置される
支持部材40が一体に形成されている。
【0023】次に、41は硬貨通路4の上流から下流方向
に沿って1円、100円、10円、5円、50円、50
0円の硬貨を金種別にそれぞれ重積状態で収納する硬貨
重積筒部である。
【0024】この硬貨重積筒部41の上部には投出枠42が
配設されている。この投出枠42は、各硬貨重積筒部41の
上端に連通する投出口43と、後述するコンベア141 の上
方に臨む放出口44とを上下に貫通形成している。なお、
1円、100円、10円の硬貨重積筒部41に連通する投
出口43は、選別孔19、収納側に位置する保留枠22の保留
筒部23と同軸上に位置し、硬貨一時保留部21の一時保留
硬貨を重積状態で受入れ可能になっている。
【0025】投出枠42の上面部には、図6にも示すよう
に、投出口43と放出口44とを連通する投出溝45が形成さ
れているとともに、投出口43の投出溝45とは反対側に投
出部材47が配置される溝部46が形成されている。
【0026】前記投出部材47は、基部48に金種毎の投出
板49を一体に設けており、各投出板49が投出枠42の溝部
46に移動可能に嵌合されている。基部48には、駆動手段
50の図示しないモータによって可動されるレバー51が基
部48に連結されている。そして、この投出部材47は、駆
動手段50の作動にて一体的に可動し、投出板49の先端部
が投出口43よりも溝部46側に位置する退避位置と、投出
板49の先端部が投出口43上を通過して放出口44上に臨む
投出位置とに移動する。その投出板49の退避位置から投
出位置への移動時に、重積硬貨の最上位硬貨を放出口44
に押出し投出することが可能となっている。
【0027】なお、投出枠42の各投出口43の縁部には、
硬貨重積筒部41内の硬貨上端位置を検知する一対の投受
光器形式の硬貨上端検知センサ52がそれぞれ配設されて
いる。また、投出枠42の各投出溝45の一側に、投出溝45
内に突出するピン53を有するレバー54が揺動可能に各々
設けられるとともに、レバー54の先端に臨ませて硬貨投
出枚数カウント用のスイッチ55が設けられ、硬貨が投出
部材47にて放出口44に押出される際に、硬貨がピン53に
当接してレバー3が揺動し、スイッチ55が押されて硬貨
投出枚数がカウントされる。
【0028】前記硬貨重積筒部41は、図1、図7および
図8に示すように、側壁部61および底板部62を有する筒
状に形成されている。側壁部61の一側に円弧面部63が形
成され、この円弧面部63から他側方向に平面部64が平行
に形成され、この平面部64の先端から閉塞部65が形成さ
れ、この閉塞部65間に開口66が筒長手方向に沿って形成
されている。上端には、投出枠42の投出口43の下端内縁
に着脱可能に嵌合する嵌合部67およびこの嵌合部67の内
側に硬貨が通過する通孔68を有する上板69が設けられて
いる。
【0029】硬貨重積筒部41内の開口66に臨んで、底板
部62と上板69との間に筒側壁部材70が架設され、この筒
側壁部材70と側壁部61の円弧面部63との間で重積硬貨の
周面を支持する。
【0030】筒側壁部材70には、硬貨重積筒部41内の重
積硬貨下面を支承する支承部材71が上下動可能に嵌合さ
れている。この支承部材71は、硬貨重積筒部41の略内側
断面形状に合わせて形成された基部72に、筒側壁部材70
の外側にスライド自在に嵌合するガイド孔73が設けられ
ている。基部72上には、硬貨を上面に重積するステージ
74が基部72に対して上下動可能に挿通される支軸75を介
して支持され、このステージ74を上方に付勢するスプリ
ング76が設けられている。基部72から開口66を通じて手
操作部77が突出され、この手操作部77は、基部72と一体
の矩形状の突部78と、この突部78の先端に突設された連
結ピン79とから構成されている。
【0031】そして、各金種毎の硬貨重積筒部41は一体
的に筒カセット81として構成されている。この筒カセッ
ト81は、上方に開口するカセット枠82内に、硬貨重積筒
部41を前記のような金種順に並列に収納している。一側
には窓孔83が形成され、他側には各硬貨重積筒部41の開
口66に対応して手操作部77が突出する開口84が形成され
ている。また、両端面には、筒カセット81を持ち運ぶた
めのハンドル85が回動自在に軸着されている。
【0032】機体1内には筒カセット81を着脱自在に装
着する筒カセット装着部86が設けられている。この筒カ
セット装着部86は、略垂直に設けられた内壁板87の一側
と、この内壁板87の一側に上下動可能に設けた略L字状
のカセット台88の上側とから構成されている。内壁板87
には、各支承部材71の突部78が挿通する開口91が上下方
向に沿ってそれぞれ形成されている。カセット台88は、
上下方向に長い長孔90を通じてピン91で内壁板87に止め
ており、筒カセット81を載せる受板部92の先端縁部およ
び両端縁部に筒カセット81の下部周縁を保持する保持片
93が上方に折曲形成されている。
【0033】また、図9にも示すように、カセット台88
の両端部下面にローラ94がそれぞれ回転自在に設けられ
ている。この各ローラ94の位置に対応して、機体1の側
面に開閉可能に設けた扉体95の内壁に、ローラ94を押上
げ可能とするレバー96が突設されている。レバー96の先
端には、ローラ94のレバー96上への乗り上げを容易にす
るための傾斜部96a が形成されている。
【0034】そして、扉体95を開放させると、レバー96
がローラ94から外れて、カセット台88が下降し、このカ
セット台88と投出枠42との間への筒カセット81の装着、
あるいはその間からの筒カセット81の取外しができる。
また、筒カセット81の装着状態で扉体95を閉塞させる
と、レバー96がローラ94を介してカセット台88を押上
げ、筒カセット81の上部に突出する3金種用の各嵌合部
67が投出枠42の各投出口43の下縁部に嵌合して保持され
る。
【0035】また、内壁板87の他側には、支承部材71を
上下動させる支承部材駆動手段101が設けられている。
この支承部材駆動手段101 は、各支承部材71を個々に上
下動させる金種別のステッピングモータ102 をそれぞれ
有しており、これらのステッピングモータ102 は内壁板
87の他側面に取付けられる支持板103 に支持されてい
る。
【0036】この支持板103 は、各支承部材71の突部78
が挿通する開口104 が上下方向に沿ってそれぞれ形成さ
れており、上側縁部から上側支持板部105 が、下側縁部
から各ステッピングモータ102 が下面に固定される下側
支持板部106 がそれぞれ折曲形成されている。
【0037】各ステッピングモータ102 の上方に突出す
る回転軸102aにねじ軸107 がそれぞれ回り止め連結され
ているとともに、支持板103 の上側支持板部105 に設け
た各軸受部材108 により各ねじ軸107 の上端部がそれぞ
れ回転自在に支持されている。
【0038】各ねじ軸107 には昇降部材111 がそれぞれ
螺合されている。この昇降部材111は、図10および図
11に示すように、ねじ軸107 に螺合するねじ孔112 が
形成されているとともに、このねじ孔112 に対して長孔
状に形成されたガイド孔113が形成されている。
【0039】昇降部材111 の一側には連結部材114 が配
置され、連結部材114 の上下縁部から突設された取付片
115 が昇降部材111 の上下面に回転自在に軸着されてい
る。なお、この連結部材114 は昇降部材111 の一側に接
合する方向に回動付勢されている。連結部材114 の先端
には連結片116 が略L字状に折曲形成され、この連結片
116 に連結ピン79に係合可能とする連結溝117 が形成さ
れ、連結片116 の上縁および下縁に円弧状の導入部118
が形成されている。また、昇降部材111 の他側には検知
板119 が取付けられている。
【0040】各ねじ軸107 には揺動枠120 が取付けられ
ている。この揺動枠120 は、上側縁部および下側縁部か
ら支持板部121 ,122 が折曲形成され、上側支持板部12
1 が軸受部材108 の外側に回動自在に嵌合し、下側支持
板部122 がねじ軸107 の下端に取付けた軸受部材123 の
外側に回動自在に嵌合している。この支持板部121 ,12
2 間には昇降部材111 のガイド孔113 を挿通する回転規
制軸124 が架設されている。
【0041】なお、揺動枠120 には、各昇降部材111 の
検知板119 の下降域に対応して、硬貨の満杯状態を検知
するフルセンサ125 、昇降部材111 の下限位置を検知す
る下限センサ126 が設けられている。また、各昇降部材
111 の検知板119 の上昇域に、硬貨収納量が残りわずか
であることを検知するニアエンプティセンサ127 、昇降
部材111 の上限位置を検知する上限センサ128 が設けら
れている。
【0042】各揺動枠120 の上側支持板部121 には連動
リンク129 が支軸130 によって回転可能に連結され、こ
の連動リンク129 によって各揺動枠120 がねじ軸107 を
中心として一体に揺動するようになっている。連動リン
ク129 の一端は、支軸131 を支点として揺動可能に設け
た揺動レバー132 の一端の長孔133 にピン134 を嵌合し
て連結されている。揺動レバー132 は、一端側をスプリ
ング135 で引張り付勢するとともに、その付勢による揺
動をストッパ136 で規制し、他端にローラ137が回転自
在に取付けられている。
【0043】揺動レバー132 のローラ137 の位置に対応
して扉体95の内壁に作動部材138 が突設されており、扉
体95の開放時に、スプリング135 の付勢により揺動レバ
ー132 が図9の2点鎖線に示すように揺動させ、また、
扉体95の閉塞時に、作動部材138 の傾斜面139 でローラ
137 を押圧し、スプリング135 の付勢に抗して揺動レバ
ー132 を図9の実線に示すように揺動させる。この揺動
レバー132 の揺動に伴い、連動リンク129 を介して各揺
動枠120 が一体的に揺動する。
【0044】また、扉体95にはコンベア141 が設けられ
ている。このコンベア141 は、扉体95に設けられたコン
ベア枠142 の内側間にコンベアベルト143 を張設してい
る。コンベア枠142 の上部には導出シュート18および投
出枠42の各放出口44の下方に臨んでいる。コンベアベル
ト143 の表面には、硬貨を引っ掛ける突起144 がコンベ
アベルト143 の長さ方向所定間隔毎に所定間隔毎に突設
されている。
【0045】コンベア141 の搬送端に臨んで、硬貨取出
口14に連通するシュート145 が設けられている。このシ
ュート145 の途中には通路切換部材146 が回動可能に設
けられ、この通路切換部材146 の垂直姿勢時は放出され
る硬貨を硬貨取出口14へ導き、通路切換部材146 のシュ
ート145 内への突出時にシュート145 内に放出される硬
貨を一括収納部147 に導く。この一括収納部147 は機体
1に対して着脱可能となっている。
【0046】次に、本実施例の作用を説明する。
【0047】まず、筒カセット81の機体1内へのセット
について説明する。なお、筒カセット81への硬貨の収納
は、筒カセット81から突出する手操作部77を操作し、筒
下部に位置する支承部材71を上昇させて硬貨を補給する
毎に下降させていく。これにより、硬貨を重積状態に容
易に収納させることができる。
【0048】扉体95を開放し、下降したカセット台88上
に筒カセット81を載置し、扉体95を閉塞する。この扉体
95の閉塞に伴ってカセット台88が上昇し、筒カセット81
の上部に突出する各嵌合部67が投出枠42の各投出口43の
下縁部に嵌合する。なお、各支承部材71の連結ピン79が
支承部駆動手段101 内に侵入する。また、各昇降部材11
1 は連結ピン79の位置より上方に位置している。また、
各揺動枠120 は、扉体95の閉塞によって図9の実線位置
に揺動される。
【0049】そして、イニシャル動作により、各ステッ
ピングモータ102 が駆動されて昇降部材111 が一旦下降
し、連結部材114 の連結片116 が連結ピン79に当接す
る。このとき、連結片116 の下縁に設けた円弧状の導入
部118 が連結ピン79の周面に当接するため、連結片116
が図10に2点鎖線で示すように逃げるように回動し、
連結片116 の連結溝117 が連結ピン79に臨んだときに連
結片116 が実線位置に回動し、連結片116 の連結溝117
が連結ピン79に係合する。
【0050】この時点で、昇降部材111 の下降位置を下
限センサ126 で検知し、各ステッピングモータ102 の駆
動が逆転されて昇降部材111 とともに支承部材71および
重積硬貨が上昇する。そして、金種毎の各硬貨上端検知
センサ52が重積硬貨の上端を検知したら、対応する金種
のステッピングモータ102 の駆動が所定時間逆転された
後に停止され、重積硬貨の上端が硬貨上端検知センサ52
よりやや低い待機位置で停止される。
【0051】次に、硬貨入金処理を説明する。
【0052】投入口2に投入された硬貨は、硬貨通路4
を搬送され、識別部9で識別される。このとき偽貨が識
別されれば、ロータリーソレノイド11、レバー12を介し
てリジェクト孔10からリジェクトシュート13を通じて硬
貨取出口14に返却される。
【0053】硬貨重積筒部41への収納を行わない5円、
50円、500円の金種硬貨、あるいは硬貨重積筒部41
への収納を行う1円、100円、10円の金種硬貨でも
フルセンサ125 によって満杯が検知されている金種硬貨
は、ロータリーソレノイド16、レバー17を介して選別孔
15から導出シュート18を通じてコンベア141 上に導かれ
て一時保留される。
【0054】硬貨重積筒部41への収納を行う1円、10
0円、10円の金種硬貨で満杯が検知されていない金種
硬貨は、対応する選別孔19で金種別に選別されて保留枠
22の保留筒部23に落下し、保留筒部23の下部開口23a を
閉塞状態にある投出部材47上に重積状態に一時保留され
る。
【0055】そして、投入硬貨の一時保留後、入金が承
認されれば、通路切換部材146 がシュート145 内に侵入
するとともにコンベア141 が駆動され、コンベア141 上
の一時保留硬貨が一括収納部147 に収納される。なお、
その後、通路切換部材146 は切換前状態に復帰する。
【0056】また、保留枠22に一時保留された金種に対
応するステッピングモータ102 が駆動され、対応する重
積硬貨の上端が投出部材47の下面の収納位置まで上昇さ
れる。その後、投出部材47が退避位置に移動して保留筒
部23の下部開口23a が開放され、一時保留硬貨が重積状
態のまま支承部材71上の重積硬貨上に載り移る。対応す
るステッピングモータ102 が逆転駆動され、重積硬貨が
下降されて硬貨重積筒部41内に収納されていき、重積硬
貨の上端が硬貨上端検知センサ52で検知されなくなった
時点の待機位置で停止される。なお、投出部材47は投出
位置に復帰する。
【0057】一方、投入硬貨の一時保留後、返却が指令
された場合には、モータ27が駆動され、保留枠22が非収
納放出位置(図1の2点鎖線位置)に移動され、一時保
留硬貨が投出枠42の放出口44を通じてコンベア41上に放
出される。したがって、コンベア41の駆動により、コン
ベア41上に一時保留されていた硬貨およびコンベア41上
に放出された硬貨が、シュート145 を通じて硬貨取出口
14に返却される。なお、保留枠22は移動前の収納位置に
復帰する。
【0058】次に、硬貨出金処理を説明する。
【0059】まず、保留枠22が非収納放出位置に移動さ
れ、硬貨重積筒部41の上方に保留枠22と一体の支持部材
40の下面が臨ませられる。
【0060】そして、出金金種に対応したステッピング
モータ102 のみが駆動され、重積硬貨の上端が投出部材
47の下面に当接する状態まで上昇される。このとき、重
積硬貨の上端が投出部材47の下面に当接した後も、例え
ば硬貨4枚分の厚みに対応する分だけ昇降部材111 が上
昇するようにステッピングモータ102 の駆動が継続され
る。この昇降部材111 の上昇により支承部材71のスプリ
ング76が収縮し、スプリング76の押圧力でステージ74上
の重積硬貨が上方に押圧される。
【0061】投出部材47による投出動作により、投出部
材47が退避位置に移動してから投出位置に移動し、スプ
リング76の押圧力で上昇されて支持部材40の下面に当接
した硬貨1枚が、投出部材47の投出板49で押し出され、
投出枠42の放出口44を通じてコンベア41上に放出され
る。このとき、投出される硬貨によってスイッチ55が入
り、投出枚数がカウントされる。
【0062】そして、この硬貨投出によって投出完了し
た金種があれば、その金種のステッピングモータ102 が
駆動され、重積硬貨が待機位置まで下降される。この重
積硬貨が待機位置に下降したのが確認された時点で次の
投出動作が可能となる。
【0063】また、投出金種についての各投出硬貨枚数
がそれぞれ2枚以上ある場合には、投出部材47による投
出動作(退避位置してから投出位置への移動)が継続し
て行われ、硬貨が連続して投出される。
【0064】また、4枚以上投出する金種がある場合に
は、4枚目の硬貨が投出された後、ステッピングモータ
102 が駆動されて昇降部材111 がさらに上昇され、上述
のように投出動作が行われる。
【0065】そして、指令された金種硬貨枚数とカウン
トされた金種硬貨枚数とが一致すれば、コンベア141 が
駆動され、コンベア141 上に放出されて保留されていた
出金硬貨がシュート145 を通じて硬貨取出口14に出金さ
れる。
【0066】また、一致しなかった場合には、シュート
145 内に通路切換部材146 が侵入され、コンベア141 か
らシュート145 に放出される硬貨を一括収納部147 内に
回収する。
【0067】次に、筒カセット81の機体1からの取出し
について説明する。
【0068】扉体95を開放すると、レバー96がローラ94
から外れ、カセット台88および筒カセット81が下降し、
筒カセット81の上部に突出する各嵌合部67が投出枠42の
投出口43の下縁部から下方に脱落する。
【0069】また、それと同時に、作動部材138 がロー
ラ137 から外れ、スプリング135 の付勢によって連動リ
ンク129 が引っ張られて移動し、図9に2点鎖線で示す
ように、各揺動枠120 が一体的に揺動する。そのため、
昇降部材111 が揺動枠120 と一体に揺動し、連結部材11
4 の連結片116 が支承部材71の連結ピン79から外れ、各
硬貨重積筒部41内で支承部材71および重積硬貨が下降す
る。
【0070】したがって、扉体95が開放された開口部を
通じて、筒カセット81を機体1内から取出すことができ
る。
【0071】なお、硬貨重積筒部41としては、円筒形
状、四角筒形状、硬貨径方向の周縁複数箇所に接触する
複数の側壁部材で構成するものでもよく、また、重積硬
貨が保持できれば筒周壁の一部が開放していてもよい。
【0072】そして、図12および図13に硬貨重積筒
部41の他の実施例を示す。まず、図12に示す実施例で
は、側壁部61の平面部64の先端には閉塞部65を設けず、
筒側壁部材70に硬貨が嵌合する円弧状の凹部を設け、筒
側壁部材70の側壁部61に対向する縁部を硬貨重積空間側
に侵入させることにより、筒側壁部材70と側壁部61との
間に硬貨が入り込まない寸法に設定する。また、図13
に示す実施例では、側壁部61の平面部64の先端には閉塞
部65を設けず、カセット枠82の開口84の縁部に設けてい
る。
【0073】また、前記実施例では保留枠22に支持部材
40を一体に設けたが、支持部材40を別体とし、保持枠22
に連結するようにしてもよい。
【0074】また、保留枠22の待機時の下方位置に対し
て硬貨重積筒部41を側部位置に配置し、保留枠22の保留
硬貨の返却時に保留枠22からそのままコンベア141 等に
放出し、収納時には保留枠22が硬貨重積筒部41上に移動
して収納させるようにしてもよい。
【0075】なお、本実施例では入金硬貨は1枚ずつ投
入される形式であるが、複数枚数一括投入部を設け、こ
の投入部から1枚ずつ繰り出して硬貨通路4へ送り出す
ようにしてもよい。
【0076】
【考案の効果】本考案によれば、硬貨重積筒部の重積硬
貨を支承部材で支承し、この支承部材を上昇させて重積
硬貨の最上位硬貨を硬貨重積筒部の上部から投出するた
め、硬貨一時保留部に重積状態で一時保留された硬貨を
硬貨重積筒部の上部から収納する場合、一時保留硬貨は
硬貨重積筒部の上部に位置する重積硬貨上に重積され、
支承部材の下降により硬貨重積筒部内に収納される。し
たがって、硬貨一時保留部の重積硬貨を重積くずれが生
じることなく硬貨重積筒部に収納させることができる。
【0077】また、硬貨一時保留部と硬貨重積筒部との
間に設ける投出部材が、重積硬貨の最上位硬貨を投出す
るとともに、硬貨一時保留部の下部開口を開閉して硬貨
の一時保留および一時保留硬貨の硬貨重積筒部への放出
を行うことができるため、硬貨一時保留部に硬貨一時保
留用の底板やこの底板の駆動手段を設ける必要がなく、
スペースを削減して小型化でき、構造を簡略化すること
ができる。
【0078】また、硬貨投出時に、投出動作のために投
出部材が硬貨重積筒部の上部から退避した際に、重積硬
貨の上面を支持部材で支持するため、投出部材によって
最上位硬貨を確実に投出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の硬貨収納投出装置の一実施例を示す断
面図である。
【図2】硬貨収納投出装置を適用した硬貨入出金機の断
面図である。
【図3】その背面側(図2右側面)から見た状態の断面
図である。
【図4】硬貨通路の平面図である。
【図5】保留枠部分の平面図である。
【図6】投出枠部分の平面図である。
【図7】筒カセットの斜視図である。
【図8】硬貨重積筒部の断面図である。
【図9】筒カセット部分の平面図である。
【図10】支承部材駆動手段部分の平面側から見た状態
の断面図である。
【図11】その斜視図である。
【図12】本考案の他の実施例を示す硬貨重積筒部の断
面図である。
【図13】本考案のさらに他の実施例を示す硬貨重積筒
部の断面図である。
【符号の説明】
21 硬貨一時保留部 23a 下部開口 40 支持部材 41 硬貨重積筒部 47 投出部材 71 支承部材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬貨を重積状態で一時保留するとともに
    一時保留硬貨を放出する下部開口を有し、硬貨収納位置
    および硬貨非収納位置のいずれか一方に選択的に位置さ
    れる硬貨一時保留部と、 硬貨収納位置に位置される硬貨一時保留部の一時保留硬
    貨を重積状態で受入れ収納する硬貨重積筒部と、 前記硬貨一時保留部と硬貨重積筒部との間に設けられ、
    硬貨一時保留時に硬貨一時保留部の下部開口の閉塞およ
    び一時保留硬貨収納時に下部開口の開放を行うととも
    に、硬貨投出時に重積硬貨の最上位硬貨を投出する投出
    部材と、 前記一時保留硬貨の前記硬貨重積筒部への収納時には下
    降して一時保留硬貨を硬貨重積筒部に収納せしめるとと
    もに、硬貨投出時には上昇して重積硬貨の最上位硬貨を
    投出位置に位置せしめる支承部材と、 前記硬貨一時保留部に設けられ、硬貨投出時に重積硬貨
    の最上位硬貨を支持する支持部材とを具備したことを特
    徴とする硬貨収納投出装置。
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