JP2547091B2 - 吊り下げ搬送用ハンガー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、搬送用移動体の下側に開閉可能に取付けら
れる吊り下げ搬送用ハンガーに関するものである。

（従来の技術） 第１図に示すように、ガイドレール１に沿って移動す
る搬送用移動体２、例えばモーター３によって駆動され
る駆動ホィール４を備えた自走トロリー５と、遊転ホィ
ール６を備えた従動トロリー７とを連結フレーム８で連
結した自走電車型の搬送用移動体２、の下側にハンガー
吊り下げ用フレーム９を設け、このハンガー吊り下げ用
フレーム９に前後一対のハンガーフレーム10A,10Bを、
左右横方向の水平支軸11a,11bにより各々前後方向に開
閉運動可能に軸支すると共に、一方のハンガーフレーム
10Aに水平支軸11aを介して連動するレバー12と他方のハ
ンガーフレーム10Bとをロッド13で連結して、両ハンガ
ーフレーム10A,10Bが互いに連動して開閉運動するよう
にし、更に一方のハンガーフレーム10Aに水平支軸11aを
介して連動するレバー14とハンガー吊り下げ用フレーム
９との間に引張スプリング15を張設して、両ハンガーフ
レーム10A,10Bを閉動方向に付勢すると共に、他方のハ
ンガーフレーム10Bに水平支軸11bを介して連動するレバ
ー型のハンガー開動用押し下げ被操作具16を設け、搬送
用移動体２が所定の停止位置で停止したとき、前記ハン
ガー開動用押し下げ被操作具16の真上に位置するよう
に、シリンダーユニット17により昇降駆動される押し下
げ操作具18を配設した搬送システムが知られている。
尚、16aは前記ハンガー開動用押し下げ被操作具16の先
端に軸支されたローラーであり、19は一方のハンガーフ
レーム10Aを閉動限位置で受け止めるストッパーであっ
て、前記ハンガー吊り下げ用フレーム９に設けられてい
る。

上記の搬送システムに於いては、閉動限位置にある前
後一対のハンガーフレーム10A,10Bにより吊り下げた被
搬送物Ｗを、搬送用移動体２の走行によりガイドレール
１に沿って搬送することが出来、当該搬送用移動体２が
所定位置で停止したならば、テーブルリフター等により
被搬送物Ｗをハンガーフレーム10A,10Bから若干持ち上
げた後に、押し下げ用操作具18をシリンダーユニット17
により下降させ、当該押し下げ用操作具18によりハンガ
ー開動用押し下げ被操作具16を押し下げることにより、
両ハンガーフレーム10A,10Bを前後に開動させ、テーブ
ルリフター上の被搬送物Ｗをハンガーフレーム10A,10B
間で下降させることが出来る。又、この逆の手順で被搬
送物Ｗをハンガーフレーム10A,10B間に積み込むことも
出来る。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記のような従来の吊り下げ搬送用ハ
ンガーでは、被搬送物Ｗを積み込んだ後の搬送用移動体
２の発進時や停止時、或いは停止している別の搬送用移
動体２の後部に衝突して停止したとき等に生じる反動
で、前後一対のハンガーフレーム10A,10Bがスプリング1
5の付勢力に抗して不測に開動し、吊り下げている被搬
送物Ｗが落下する恐れがあった。

又、前記一対のハンガーフレーム10A,10Bが左右に開
閉運動するタイプのハンガーであっても、搬送用移動体
の走行経路が水平にカーブする経路部分で先行する搬送
用移動体２の後部に衝突したような場合にも、ハンガー
フレーム10A,10Bが不測に開いて被搬送物が落下する恐
れがある。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決するため
に、前記両ハンガーフレームを閉動状態に於いて互いに
連結する係脱自在な連結手段を設けると共に、この連結
手段の連結を解除する押し下げ被操作具を前記ハンガー
開動用押し下げ被操作具の近傍位置に配設し、搬送用移
動体の走行経路側に配設された押し下げ操作具の第一段
押し下げ行程で前記連結解除用押し下げ被操作具を介し
て前記連結手段の連結が解除され、第二段押し下げ行程
で前記ハンガー開動用押し下げ被操作具を介して前記両
ハンガーフレームが開動するように構成して成る吊り下
げ搬送用ハンガーを提案するものである。

（発明の作用） 被搬送物を吊り下げた前記一対のハンガーフレーム
は、前記連結手段により互いに連結されることにより、
如何なる状況に於いても不測に開動する恐れはなくな
る。然して、搬送用移動体が所定位置で停止したなら
ば、従来同様にテーブルリフター等により被搬送物を若
干持ち上げた後に前記押し下げ操作具を下降させること
により、その第一段押し下げ行程で前記連結解除用押し
下げ被操作具が押し下げられて前記連結手段による両ハ
ンガーフレームの連結が解除され、続く第二押し下げ行
程により前記ハンガー開動用押し下げ被操作具が押し下
げられて両ハンガーフレームが開動する。この後は従来
同様に被搬送物が両ハンガーフレーム間から降ろされ
る。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の第２図及び第３図に
基づいて説明するが、第１図に示す従来構造と同一構造
部分に関しては、同一参照符号を付して説明を省略す
る。

20は両ハンガーフレーム10A,10Bの連結手段であっ
て、一方のハンガーフレーム10Aに左右横方向の水平支
軸21で上下揺動自在に軸支した連結杆22と、当該連結杆
22の先端に付設したフック22aが係合し得るように他方
のハンガーフレーム10Bに左右横方向に架設された被係
合軸23とから構成されている。

24は連結解除用押し下げ被操作具であって、前記ハン
ガー開動用押し下げ被操作具16の近傍位置でハンガー吊
り下げフレーム９に左右横方向の水平支軸25で上下揺動
自在に軸支され、先端にはローラー24aが軸支されてい
る。26は前記連結解除用押し下げ被操作具24と前記連結
手段20とを連動させる連動手段であって、ハンガー吊り
下げフレーム９に取付けられた昇降ガイド27に昇降可能
に保持された昇降杆28と、この昇降杆28の下端と前記連
結杆22とに上下両端がピン29a,29bにより枢着されたロ
ッド29と、前記連結解除用押し下げ被操作具24から反対
方向に連設され且つ遊端部が長孔30とピン31とを介して
前記昇降杆28の上端部と連動連結されたレバー32とによ
って構成されている。

実線で示すように、両ハンガーフレーム10A,10Bが閉
動限位置にあって、連結手段20の連結杆先端フック22a
が被係合軸23に上から嵌合して、両ハンガーフレーム10
A,10Bが互いに連結されているとき、連結杆22の自重に
よって連結解除用押し下げ被操作具24は上動限位置まで
上動した状態にあり、そのときのローラー24aは、ハン
ガー開動用押し下げ被操作具16のローラー16aよりも高
レベルにある。尚、連結解除用押し下げ被操作具24を強
制的に上動させるスプリングを併用しても良い。

搬送用移動体２の停止位置に配設される前記押し下げ
操作具18は、前記ハンガー開動用押し下げ被操作具16の
ローラー16aと前記連結解除用押し下げ被操作具24のロ
ーラー24aの両方を押し下げることが出来る大きさを有
する。

然して、被搬送物Ｗを吊り下げた両ハンガーフレーム
10A,10Bは、連結手段20の連結杆22を下動させてその先
端フック22aを被係合軸23に上から嵌合させることによ
り、互いに連結することが出来る。この状態では、両ハ
ンガーフレーム10A,10Bは前後に開動することが出来な
い。勿論、両ハンガーフレーム10A,10Bは、連動して開
閉運動するようにロッド13によって互いに連動連結され
ているので、前後同一方向に揺動することも出来ない。

搬送用移動体２が所定位置で停止したならば、両ハン
ガーフレーム10A,10B間の被搬送物Ｗをテーブルリフタ
ー等により若干持ち上げた後に、シリンダーユニット17
により押し下げ操作具18を下降させる。然して、当該押
し下げ操作具18の第一段押し下げ行程S1により、連結解
除用押し下げ被操作具24がラー24aを介して押し下げら
れ、このときの連結解除用押し下げ被操作具24の下方へ
の揺動運動がレバー32、長孔30、ピン31、昇降杆28、及
びロッド29を介して連結手段20の連結杆22に伝達され、
当該連結杆22が上方に揺動して先端フック22aが被係合
軸23から上方に離脱する。即ち、両ハンガーフレーム10
A,10Bの連結が解除される。

前記押し下げ操作具18が第一段押し下げ行程S1に続く
第二段押し下げ行程S2に移ると、ハンガー開動用押し下
げ被操作具16のローラー16aも押し下げられ、当該ハン
ガー開動用押し下げ被操作具16が下方に揺動してハンガ
ーフレーム10Bが開動し、この開動運動がロッド13及び
レバー12を介して他方のハンガーフレーム10Aにも伝達
され、結局、両ハンガーフレーム10A,10Bが連動して前
後に開動することになる。係る状態で、テーブルリフタ
ー等により支持されている被搬送物Ｗを両ハンガーフレ
ーム10A,10B間から降ろすことが出来る。

押し下げ操作具18の第二段押し下げ行程によって、連
結解除用押し下げ被操作具24は更に押し下げられるが、
これに伴って連結杆22がハンガーフレーム10Aに対して
更に引き上げられるだけで、悪影響はない。

ハンガーフレーム10A,10B間に被搬送物Ｗを積み込む
場合も上記のようにハンガーフレーム10A,10Bを開動さ
せる。係る状態でテーブルリフター等により両ハンガー
フレーム10A,10B間に被搬送物Ｗを持ち上げ、次に押し
下げ操作具18を上昇させる。この結果、ハンガーフレー
ム10A,10Bを開動させたときとは逆に、最初に両ハンガ
ーフレーム10A,10Bが閉動し、この後、連結手段20の連
結杆22が閉動限位置にあるハンガーフレーム10Bの被係
合軸23に上から嵌合して、両ハンガーフレーム10A,10B
を互いに連結することになる。従って、テーブルリフタ
ー等により支持している被搬送物Ｗを下降させることに
より、当該被搬送物Ｗを両ハンガーフレーム10A,10B間
に移載することが出来る。

尚、ハンガーフレーム10A,10Bが左右横方向に開閉運
動するものであっても良いことは先に説明した通りであ
るが、ハンガーを吊り下げる搬送用移動体２も自走電車
タイプのものに限定されず、例えばトロリーコンベヤの
トロリーであっても良い。

（発明の効果） 以上のように本発明の吊り下げ搬送用ハンガーによれ
ば、被搬送物を吊り下げて搬送するときには両ハンガー
フレームを互いに連結して、如何なる状況に於いてもハ
ンガーフレームが不測に開動して被搬送物が落下するよ
うな事態を生ぜしめないで済む。しかも両ハンガーフレ
ームを開動させるときには、両ハンガーフレームを開動
させるための押し下げ操作具を利用して、両ハンガーフ
レームの開動前に自動的に両ハンガーフレームの連結を
解除することが出来、連結を解除するための専用の操作
手段を必要とする場合と比較して、設備が簡単で安価に
実施することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的な吊り下げ搬送用ハンガーを備え
た搬送用移動体を説明する側面図、第２図は本発明の一
実施例を説明する要部の側面図、第３図は同縦断正面図
である。 ２……搬送用移動体、９……ハンガー吊り下げ用フレー
ム、10A,10B……ハンガーフレーム、13……両ハンガー
フレーム連動用ロッド、15……引張スプリング、16……
ハンガー開動用押し下げ被操作具、18……押し下げ操作
具、20……連結手段、22……連結杆、22a……フック、2
3……被係合軸、24……連結解除用押し下げ被操作具、2
6……連動手段、28……昇降杆、29……ロッド。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送用移動体の下側に各々開閉運動可能に
   軸支され且つスプリング力又は重力により閉動する一対
   のハンガーフレームを互いに連動連結すると共に、当該
   ハンガーフレームを開動させるための押し下げ被操作具
   を設けた吊り下げ搬送用ハンガーに於いて、前記両ハン
   ガーフレームを閉動状態に於いて互いに連結する係脱自
   在な連結手段を設けると共に、この連結手段の連結を解
   除する押し下げ被操作具を前記ハンガー開動用押し下げ
   被操作具の近傍位置に配設し、搬送用移動体の走行経路
   側に配設された押し下げ操作具の第一段押し下げ行程で
   前記連結解除用押し下げ被操作具を介して前記連結手段
   の連結が解除され、第二段押し下げ行程で前記ハンガー
   開動用押し下げ被操作具を介して前記両ハンガーフレー
   ムが開動するように構成して成る吊り下げ搬送用ハンガ
   ー。