JP2547026Y2 - 稼働家具類の位置決めロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、主として各種ホールや劇場或いは体育館等
の建物内に設けられた格納体に収納されるテーブルや椅
子の昇降又は移動装置或いは椅子傾動装置等を所望位置
に固定するための稼働家具類の位置決めロック装置に関
するものである。 〔従来の技術〕 近年各種ホールや劇場或いは体育館等の建物では多目的
利用が盛んになって来ており、そのために各種床装置の
開発が行われている。この種の建物の床装置としては大
別すると伸縮移動式床装置と昇降式床装置とが知られて
いる。そして、これらの床装置では、不使用時には折畳
んで床下等の空間内に収納保管し、必要時には客が腰掛
けて楽に観覧できるように駆動装置によって引出される
ようになっている。 〔考案が解決しようとする課題〕 しかしながら、これら従来の装置では引出された椅子等
を使用状態の位置に保持する構成が複雑であり、操作も
煩瑣であったり、別系統のロック専用のアクチエーター
を設けなければならなかったり、或いはロックが不確実
である等の問題点があった。そこで、この考案は、上記
の問題点に鑑み、これを解決すべくなされたものであっ
て、所定位置に強固にロックすることのできる構造簡単
で且つ操作容易な装置を得るにある。 〔課題を解決するための手段〕 これを達成する手段として、この考案は、固定部材と係
脱可能に移動しうる装置本体にロック係脱操作用回動軸
を枢着し、該回動軸にリンク取付板と、椅子等の稼働体
を一端に連結したレバーの他端を固定し、また装置本体
には固定部材に係脱する係止片を枢着すると共に、該係
止片と上記リンク取付板とをリンクを介して回動可能に
連結し、さらに装置本体にはストッパーピンを突設し、
これに対応するストッパーをリンク取付板に設けて、回
動軸の回動で固定部材を装置本体とリンクの係止片で挾
着すると共に、ストッパーをストッパーピンに係止して
稼働体をロックするものである。 〔実施例〕 この考案の具体的構成を図面に示す一実施例について以
下詳細に説明する。図面は、この考案のロック装置を椅
子が収納される収納構造体に実施した実施例である。１
は各種ホールや劇場或いは体育館等の建物内の床部に設
置された、椅子又は器具収納床装置（以下、床台とい
う）であって、フレーム２によって構成された空間部に
椅子収納室３が形成されている。４は装置本体であっ
て、駆動装置（図示省略）によって椅子収納室３内に上
下動可能に配設すると共に、上面に折畳み可能な椅子５
を取付け、該椅子５を椅子収納室３より出没可能に昇降
させる。又装置本体４には下端両側に上記フレーム２に
下方より当接係止される係止部６が突設されている。７
はロック係脱操作用回動軸であって、装置本体４に回動
可能に枢着し、該回動軸７には三角形状のリンク取付板
８と、上端が上記椅子５に連結されているレバー９を一
体に回動しうるように固着する。１０はコ字状に形成さ
れた係止片であって、内側方の突出部１１の下端を軸１
２によって装置本体４に枢着し、外側方の突出部１３を
フレーム２に当接可能に対向させる。１４はリンクで、
その一端をピン１４ａによって係止片１０に枢着し、他
端を上記リンク取付板８にピン１４ｂによって枢着し
て、リンク取付板８の回動によって係止片１０を軸１２
を支点として回動可能に連結する。１５はストッパーで
あって、リンク取付板８に突設し、該ストッパー１５の
回動軌跡内に位置するように装置本体４の下端にストッ
パーピン１６を対向立設する。この様に構成されている
ので、第１図の如く椅子５が折畳まれて椅子収納室３内
に格納されている状態から、椅子を使用状態にするに
は、装置本体４を駆動装置によって上昇させる。これに
よって装置本体４の係止部６はフレーム２の下面に当接
し、装置本体４の上昇は停止して第３図に示す状態とな
る。そこで、回動軸７を中心としてレバー９を右に回動
して、その上端に連結された椅子５は第２図に示すよう
に使用状態にセットされる。これと共に、回動軸７と一
体のリンク取付板８は回動するので、係止片１０はリン
ク１４によって軸１２を支点として外方に回動し、突出
部１３をフレーム２の上面に向って突出し当接する。こ
れによりフレーム２は装置本体４の係止部６と係止片１
０の突出部１３とによって上下より挾着される。これと
同時にリンク取付板８の回動によってストッパー１５は
装置本体４に突設しストッパーピン１６に当接して係止
され第４図に示すように椅子５はロックされる。したが
って、このロック状態にある時、椅子５に客が腰掛けて
背凭れに荷重を掛かる等の外圧をかけると、レバー９は
第４図において右方向の回動力が作用して回動軸７を中
心にリンク取付板８も右回転しようとするが、該リンク
取付板８にはストッパー１５が装置本体４のストッパー
ピン１６に当接係止しているので、リンク取付板８の回
動は阻止される。これとともに客が椅子の座板先端に荷
重を掛ける等によってレバー９に左方向の回動力が作用
した際、或いは装置本体４を降下させようとする外力が
作用して、回動軸７を中心にリンク取付板８左回転しよ
うとする。しかし該リンク取付板８にはリンク１４の両
ピン１４ａ、１４ｂおよび回動軸７の中心を結ぶ線はリ
ンク１４の先端のピン１４ａと回動軸７の中心を結ぶ線
より上方に屈曲してトグルを形成するので、上記リンク
取付板８の左方向の回動は確実に阻止される。これによ
って係止片１０の突出部１３はフレーム２の上面に係止
された状態を保持し、一方装置本体４の係止部６もフレ
ーム２の下面に係止した状態を保持するため、フレーム
２は係止片１０と装置本体４によって確実に挾着状態を
保持し、紊りに椅子５が移動し或いは装置本体４が降下
する虞れを防止することができる。次に、ロックを解除
する際は、レバー９と第４図の状態から左方向に回動す
ると、回動軸７を中心としてリンク取付板８も左回転す
るため、ストッパー１５はストッパーピン１６と離脱
し、これと同時にリンク１４を介して係止片１０を作動
するので、該係止片１０は軸１２を支点として突出部１
３を内方に回動して、フレーム２との当接を解除する。
これによって椅子５は折畳まれ、装置本体４はフレーム
２とフリー状態になるため、駆動装置によって装置本体
４を降下でき、椅子５を椅子収納室３内に格納すること
ができる。なお、この考案のロック装置は上記実施例の
椅子格納構造体に代え、椅子の傾動装置、或いはその他
の家具の昇降装置のロック装置として使用することがで
きる。 〔考案の効果〕 以上、実施例について詳述したように、この考案は、稼
働体が連結された回動軸の回動操作のみで、リンク取付
板のストッパーが装置本体と係止し、これと同時に係止
片と装置本体とで固定部材を係止してロックすることが
できるので、ロック操作が極めて簡単、軽快に行なうこ
とができる。その上ストッパーによって装置本体に係止
されるので、確実にロックされ、稼働体に無理な外力等
の負荷が作用しても紊りにロックが解除する虞れなく確
実にロック状態を保持することができる。さらにロック
を解除する際は回動軸を逆方向に回動するのみで容易に
解除できるものである。またこの考案には従来のロック
装置にみられた如く、別系統のロック専用のアクチエー
ターを設けるような複雑な構成を必要としないものであ
るから、構造簡単で堅牢な装置を得ることができる効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの考案を椅子格納構造体に使用した実施例の
収納状態を示す縦断側面図、第２図は同じく椅子を使用
状態とした縦断側面図、第３図はこの考案のロック装置
のフリー状態正面図、第４図は同じくロック状態正面図
を示す。 ２…フレーム ４…装置本体 ５…椅子 ６…係止部
７…回動軸 ８…リンク取付板 ９…レバー １０…係
止片 １２…軸 １３…係止部 １４…リンク １５…ストッパー １６…ストッパーピン

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 固定部材と係脱可能に移動しうる装置本体にロック係脱
   操作用回動軸を枢着し、該回動軸にリンク取付板と、椅
   子等の稼働体を一端に連結したレバーの他端を固定し、
   また装置本体には固定部材に係脱する係止片を枢着する
   と共に、該係止片と上記リンク取付板とをリンクを介し
   て回動可能に連結し、さらに装置本体にはストッパーピ
   ンを突設し、これに対応するストッパーをリンク取付板
   に設けて、回動軸の回動で固定部材を装置本体とリンク
   の係止片で挾着すると共に、ストッパーをストッパーピ
   ンに係止して稼働体をロックすることを特徴とする稼働
   家具類の位置決めロック装置。