JP2546940B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JP2546940B2
JP2546940B2 JP3289588A JP28958891A JP2546940B2 JP 2546940 B2 JP2546940 B2 JP 2546940B2 JP 3289588 A JP3289588 A JP 3289588A JP 28958891 A JP28958891 A JP 28958891A JP 2546940 B2 JP2546940 B2 JP 2546940B2
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暢幸 指田
光弘 山本
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた感光特性を保持
しつつ、硬化後の着色を薄くした感光性樹脂であり、半
導体装置に用いた場合にも、組立工程でのトラブルが発
生しない感光性ポリイミド樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶
縁膜などには、耐熱性が優れ、また卓越した電気絶縁
性、機械強度などを有するポリイミドが用いられている
が、ポリイミドパターンを作成する繁雑な工程を簡略化
する為にポリイミド自身に感光性を付与する技術が最近
注目を集めている。例えば、下式
【0003】
【化2】
【0004】で示されるような構造のエステル基で感光
性基を付与したポリイミド前駆体組成物(例えば特公昭
55-41422号公報)などが知られている。これらは、いず
れも適当な有機溶剤に溶解し、ワニス状態で塗布、乾燥
した後、フォトマスクを介して紫外線照射し、現像、リ
ンス処理して所望のパターンを得、さらに加熱処理する
ことによりポリイミド被膜としている。感光性を付与し
たポリイミドを使用するとパターン作成工程の簡素化効
果があるだけでなく、毒性の強いエッチング液を使用し
なくてすむので安全でかつ公害上も優れており、ポリイ
ミドの感光性化は、今後一層重要な技術となることが期
待されている。
【0005】しかし、かかる従来の感光化技術を適用す
ると、エステル基で感光性基を付与したポリイミド前駆
体組成物では、感光特性を向上する為に、できる限り多
くのヒドロキシエチルメタクリレート(アクリレート)
基を導入する方法がとられていた。ところが、この方法
によれば、最終硬化後の着色が濃いために、半導体装置
上にこの方法で硬化膜を付着させた場合、通常の可視領
域で半導体回路を判別する装置では、硬化膜下部の半導
体回路が認識できないという問題点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カル
ボキシル基の一部にアクリル(メタクリル)基を、残りの
一部はメチル又はエチル基を導入した、重量平均分子量
が3000〜300000のポリアミド酸エステルと、吸収極大波
長が330〜500nmの増感剤を必須成分とすることにより、
優れた感光特性を保持しつつ、硬化後の皮膜の着色が薄
い感光性樹脂組成物を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)式
(1)で示されるゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーによるポリスチレン換算で得られる重量平均分子量
が3000〜300000のポリアミド酸エステル、
【0008】
【化1】
【0009】(B)吸収極大波長(λmax)が330〜500n
mである増感剤を必須成分とする感光性樹脂組成物であ
る。
【0010】
【作用】本発明において用いる式(1)で示される重量
平均分子量が3000〜300000のポリアミド酸エステルは、
高い感度を有しながら、硬化後の着色が薄くなる特徴を
有する。
【0011】式(1)中、R1は3又は4価の有機基を有
する化合物から導入されるもので、通常芳香族テトラカ
ルボン酸又はその誘導体及び芳香族トリカルボン酸又は
その誘導体が主に使用される。例えば、トリメリット酸
無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゼン-1,2,3,4-
テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-2,3,6,7-テト
ラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカ
ルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボ
ン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸
二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無
水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタ
レン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチ
ル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テト
ラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,
5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレ
ン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テト
ラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水
物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラ
カルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2',3,3'-ジフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,3',4'-ジフェニルテトラカルボン酸二
無水物、3,3",4,4"-p-テルフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,2",3,3"-p-テルフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,3,3",4"-p-テルフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパ
ン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プ
ロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテ
ル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二
無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペ
リレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン
-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,
11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,
2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,
2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,
2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,
2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-
テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テト
ラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカ
ルボン酸二無水物などがあげられるが、これらに限定さ
れるものではない。また、使用にあたっては、1種類で
も2種類以上の混合物でもかまわない。
【0012】式(1)中、R2は、2価の有機基で、その
導入には通常芳香族ジアミン及び/又はその誘導体が使
用される。例えばm-フェニレン-ジアミン、1-イソプロ
ピル-2,4-フェニレン-ジアミン、p-フェニレン-ジアミ
ン、4,4'-ジアミノ-ジフェニルプロパン、3,3'-ジアミ
ノ-ジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノ-ジフェニルエ
タン、3,3'-ジアミノ-ジフェニルエタン、4,4'-ジアミ
ノ-ジフェニルメタン、3,3'-ジアミノ-ジフェニルメタ
ン、4,4'-ジアミノ-ジフェニルスルフィド、3,3'-ジア
ミノ-ジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノ-ジフェニ
ルスルホン、3,3'-ジアミノ-ジフェニルスルホン、4,4'
-ジアミノ-ジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノ-ジフェ
ニルエーテル、ベンジジン、3,3'-ジアミノ-ビフェニ
ル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノ-ビフェニル、3,3'-
ジメトキシ-ベンジジン、4,4"-ジアミノ-p-テルフェニ
ル、3,3"-ジアミノ-p-テルフェニル、ビス(p-アミノ-シ
クロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェ
ニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)
ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノ-ペンチル)ベンゼ
ン、p-ヒ゛ス(1,1-ジメチル-5-アミノ-ペンチル)ベンゼン、
1,5-ジアミノ-ナフタレン、2,6-ジアミノ-ナフタレン、
2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノ
-トルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5
-ジアミン、m-キシリレン-ジアミン、p-キシリレン-ジ
アミン、2,6-ジアミノ-ピリジン、2,5-ジアミノ-ピリジ
ン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、1,4-ジア
ミノ-シクロヘキサン、ピペラジン、メチレン-ジアミ
ン、エチレン-ジアミン、プロピレン-ジアミン、2,2-ジ
メチル-プロピレン-ジアミン、テトラメチレン-ジアミ
ン、ペンタメチレン-ジアミン、ヘキサメチレン-ジアミ
ン、2,5-ジメチル-ヘキサメチレン-ジアミン、3-メトキ
シ-ヘキサメチレン-ジアミン、ヘプタメチレン-ジアミ
ン、2,5-ジメチル-ヘプタメチレン-ジアミン、3-メチル
-ヘプタメチレン-ジアミン、4,4-ジメチル-ヘプタメチ
レン-ジアミン、オクタメチレン-ジアミン、ノナメチレ
ン-ジアミン、5-メチル-ノナメチレン-ジアミン、2,5-
ジメチル-ノナメチレン-ジアミン、デカメチレン-ジア
ミン、1,10-ジアミノ-1,10-ジメチル-デカン、2,11-ジ
アミノ-ドデカン、1,12-ジアミノ-オクタデカン、2,12-
ジアミノ-オクタデカン、2,17-ジアミノ-アイコサン、
ジアミノシロキサン、2,6-ジアミノ-4-カルボキシリッ
クベンゼン、3,3'-ジアミノ-4,4'-ジカルボキシリック
ベンジジンなどがあげられるが、これらに限定されるも
のではない。また使用にあたっては、1種類でも2種類
以上の混合物でもかまわない。
【0013】式(1)中、R3は、アクリル(メタクリ
ル)基を1〜3基有する感光性基である。アクリル(メタ
クリル)基が0では架橋構造が得られず好ましくない。
また4基以上のアクリル(メタクリル)基は硬化後の着
色を濃くするので好ましくない。R3を導入するための化
合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、
ペンタエリスリトールアクリレートジメタクリレート、
ペンタエリスリトールジアクリレートメタクリレート、
グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリ
レート、グリセロールアクリレートメタクリレート、ト
リメチロールプロパンジアクリレート、1,3-ジアクリロ
イルエチル-5-ヒドロキシエチルイソシアヌレート、1,3
-ジメタクリレ―ト-5-ヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリス
リトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンジ
アクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレー
ト、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシ
エチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレ
ングリコール変性メタクリレート、ポリエチレングリコ
ール変性アクリレート、ポリプロピレングリコール変性
アクリレート、ポリプロピレングリコール変性メタクリ
レートなどがあげられるが、これらに限定されない。こ
れらの使用にあたっては1種類でも2種類以上の混合物
でもかまわない。
【0014】式(1)中、R4は、-CH3基又は-C2H5基で
ある。これらのエステルは、硬化物中、メチル基、エチ
ル基が高揮発性であるために低着色となる特徴を有す
る。-C2H5基以上のプロピル基、ブチル基等では、着色
が濃くなるとともにカルボキシル基との反応性が低下す
るので好ましくない。また、感光基R3とR4のそれぞれの
構造単位の割合は、それぞれその百分率を[R3]、[R4]と
すると、[R3]+[R4]=100、0.2<[R3]/[R4]<2 であ
る。0.2以下であると、感光特性が低下し、好ましくな
い。2以上であると、硬化皮膜の着色度合いが大きくな
り、好ましくない。
【0015】式(1)で示されるポリアミド酸エステル
は、カルボキシル基に感光基が導入された構造単位の割
合がx、一部に感光基が導入された構造単位の割合が
y、カルボキシル基にCH3基又はC2H5基が導入された構
造単位の割合がzであり、3種の構造単位が混在してい
るものである。それぞれ、0<x,y<100、0<z<80で
かつx+y+z=100を満たすもので、x、y、zは各構
造単位の百分率を示すものである。zが80以上であると
感光基量が少なく感度が低く実用性が少ない。
【0016】本発明に用いるポリアミド酸エステル
(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よるポリスチレン換算重量平均分子量が3000以上、3000
00以下の範囲にある。重量平均分子量が3000以下である
と、感光特性、特に感度が低下し、かつ硬化後の着色も
濃くなるので、好ましくない。重量平均分子量が300000
以上であると、溶解性が著しく低下し、半導体装置にス
ピンコーティング等で均一に塗布できなくなるので、好
ましくない。
【0017】本発明におけるポリアミド酸エステル
(A)は、通常以下のようにして合成される。まず、感
光基R3及びR4を導入するためのアルコール基を有する化
合物を溶媒に溶解させ、これに過剰の酸無水物又はその
誘導体を反応させる。この後、残存するカルボキシル
基、酸無水物基に、ジアミンを反応させることにより合
成することができる。即ち、R3成分及びR4成分、酸無水
物成分、ジアミン成分の反応モル比を制御することによ
り、R3及びR4のモル比ならびに分子量を容易に制御する
ことが可能である。
【0018】本発明で用いる増感剤(B)は、330〜500
nmに吸収極大波長(λmax)を持つ化合物である。λmax
が330nm以下であると、ポリアミック酸そのものに光が
吸収されてしまい光反応ができないので好ましくない。
また、500nm以上であると可視光で光反応してしまい、
作業場所をシールドルームにするなどのことが必要とな
り、その取扱い性が低下するので好ましくない。本発明
の増感剤は例えば、
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】などが挙げられるが、これに限定されるも
のではない。また、使用にあたっては1種類でも2種類
以上の混合物でも構わない。
【0024】また添加量は、ポリアミド酸エステル
(A)100重量部に対して光増感剤は0.1〜10重量部が好
ましい。0.1重量部以下では、添加量が少なすぎ感度向
上の効果が得られ難い。10重量部以上では、系中の増感
剤が硬化フィルム強度を低下させ好ましくない。
【0025】本発明による感光性樹脂組成物には、接着
助剤、禁止剤、レベリング剤その他各種充填剤を添加し
てもよい。
【0026】本発明による感光性樹脂組成物の使用方法
は、まず、該組成物を適当な支持体、例えばシリコンウ
ェハーやセラミック、アルミ基板などに塗布する。塗布
方法は、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコータ
ーを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング
などで行なう。次に、60〜80℃の低温でプリベークして
塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射す
る。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線
などが使用できるが、200〜500nmの波長のものが好まし
い。
【0027】次に、未照射部を現像液で溶解除去するこ
とによりレリーフパターンを得る。現像液としては、N-
メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N
-ジメチルホルムアミドなどや、メタノール、イソプロ
ピルアルコール、水、アルカリ水溶液などを単独または
混合して使用する。現像方法としては、スプレー、パド
ル、浸漬、超音波などの方式が可能である。
【0028】次に、現像によって形成したレリーフパタ
ーンをリンスする。リンス液としては、キシレン、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸ブ
チル、水などを使用する。次に加熱処理を行ない、イミ
ド環を形成し、耐熱性に富む最終パターンを得る。
【0029】加熱処理は、通常オーブン、熱盤、炉等で
行なうが、硬化後の着色を少なくするためには、窒素、
二酸化炭素、アルゴン等、不活性な雰囲気下で硬化する
ことが望ましい。また、最終硬化温度は、300℃以上、4
00℃以下が好ましいが、最終硬化温度に達する迄には、
充分な時間をかけるか、150℃、250℃等、低温で硬化さ
せた後に硬化させることが望ましい。
【0030】本発明による感光性樹脂組成物は、半導体
用途のみならず、多層回路の層間絶縁膜やフレキシブル
銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向
膜などとしても有用である。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)ピロメリット酸二無水物 65.5g(0.30モ
ル)と3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物 225.5g(0.70モル)とを、2-ヒドロキシ-1,3-ジメ
タクリロキシプロパン 228g(1.00モル)とメタノール 3
2g(1.00モル)でエステル化した後、4,4'-ジアミノジフ
ェニルエーテル 170.2g(0.85モル)をジシクロヘキシル
カルボジイミドを縮合剤として、ポリアミド酸エステル
共重合物を得た。ジシクロヘキシルウレアを濾別後、エ
タノールに再沈し、固形物を濾過し、減圧乾燥した。
【0032】このポリアミド酸エステルは、[R3]/[R4]
=1.0であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー装置(日本分光製DG-3510、カラム;日立化成工業製GL
S-300MDT、溶離液;テトラヒドロフラン:ジメチルホル
ムアミド:リン酸の50:50:1の重量比率混合液)を用いた
ポリスチレン換算の重量平均分子量は、35000であっ
た。
【0033】次に、このポリアミド酸エステル100重量
部に、ミヒラーケトン(λmax 365nm)5重量部、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート 10重量部及びメ
チルエーテルハイドロキノン0.1重量部をN-メチルピロ
リドン300重量部、キシレン30重量部に溶解させ、感光
性樹脂組成物を得た。
【0034】得られた溶液をシリコンウェハー上にスピ
ンナーで塗布し、乾燥機により80℃で1時間乾燥した。
このフイルムにコダック社製フォトグラフィックステッ
プタブレットNo2,21ステップ(本グレースケールで
は、段数が一段増加するごとに透過光量が前段の1/√
2に減少するので現像後の残存段階が大きいものほど感
度が良い)を重ね、500mJ/cm2の紫外線を照射し、次い
で N-メチルピロリドン60重量%、キシレン40重量%の
現像液を用いスプレーで現像、さらにイソプロピルアル
コールでリンスをしたところ、8段までパターンが残存
し、高感度であることが判った。また、このパターン
を、窒素置換乾燥機にて、酸素濃度を20ppmに制御しな
がら、150℃、250℃、350℃各30分硬化した。5%フッ
酸水溶液で剥離したフィルムは、7.0μmであった。この
フィルムをJIS K 7103「プラスチックの黄色度及び黄変
度試験法」に準じた黄色度は39.6であり、着色は薄いこ
とが判った。
【0035】(実施例2)実施例1中、メタノールを、
エタノールに変更し、ポリアミド酸エステルを得、同様
の評価を行った。その結果、分子量は28000、感度は7
段、黄色度は39.8と低く、良好な結果が得られた。
【0036】(実施例3)実施例1中、2-ヒドロキシ-
1,3-ジメタクリロキシプロパンを、2-ヒドロキシエチル
メタクリレートに変更し、同様の操作でポリアミド酸エ
ステルを得、同様の評価を行った。その結果、分子量は
47000、感度は6段、黄色度は30.6と低く、良好な結果
が得られた。
【0037】(実施例4)実施例3中、4,4'-ジアミノ
ジフェニルエーテルの仕込量を190.2g(0.95モル)に変
更し、反応した。同様の評価をしたところ、分子量は12
800、感度は8段、黄色度は36.3と良好な結果が得られ
た。
【0038】(実施例5)実施例3中、ジアミノジフェ
ニルエーテルの仕込量を160.2g(0.80モル)にし、反応
した。同様の評価をしたところ、分子量は8700、感度は
6段、黄色度は39.1と良好な結果が得られた。
【0039】(比較例1)実施例1中、2-ヒドロキシ-
1,3-ジメタクリロキシプロパンの反応量を 547.2g(2.4
モル)として反応させた。その後同様の操作を行い、樹
脂組成物を得、さらに同一の評価を行った。分子量は、
28000であった。感度は8段と高感度であるものの、黄
色度は70.2と濃く、実用性の低いことが判った。
【0040】(比較例2)実施例1中、2-ヒドロキシ-
1,3-ジメタクリロキシプロパンをメタノールに変更し、
反応した。同様の評価をしたところ、分子量は34000で
あったが、現像時に全てパターンが剥離してしまい、実
用性のないことが判った。
【0041】(比較例3)実施例3中、ジアミノジフェ
ニルエーテルの仕込量を200.2g(1.00モル)に変更し、
反応した。反応系は粘度が高く、操作性が悪かった。同
様の評価をしたところ、分子量は387000と高かった。感
光特性を測定しようとしたが、均一の溶液が得られず、
評価できなかった。
【0042】(比較例4)実施例3中、ジアミノジフェ
ニルエーテルの仕込量を140.1g(0.70モル)にし、反応
した。同様の評価をしたところ、分子量は2300と低く、
感度は2段と低く、実用性の低いことが判った。
【0043】(比較例5)実施例1中、ミヒラーケトン
を3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノンに替え使用
した。同様に評価を行おうとしたが、この増感剤のλma
xが296nmであるために、効率よく光開始反応ができず、
現像時に全てパターンが流れてしまい、実用性のないこ
とが判明した。
【0044】(比較例6)実施例1中、ミヒラーケトン
をテトラフェニルポルフィリン亜鉛錯体に替え使用し
た。同様の評価を行おうとしたが、この増感剤のλmax
が650nmであるために、作業中に光反応してしまい、現
像によりパターンを得ることができなかった。
【0045】
【発明の効果】従来、ポリアミド酸のカルボキシル基に
エステル状に感光性基を導入する技術が知られていた
が、かかる技術では硬化後の皮膜の着色が濃いことが判
った。本発明では、ポリアミド酸のカルボキシル基の一
部に感光基を導入し、残りのカルボキシル基にはメタノ
ール又はエタノールの低級アルコールを反応させ、かつ
分子量を3000以上、300000以下に制御したポリアミド酸
エステルで、さらに330〜500nmにλmaxを持つ増感剤を
配合させることにより、高感度でかつ硬化後の着色が薄
いという非常に優れた効果が同時に得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79/08 LRB C08L 79/08 LRB G03F 7/004 503 G03F 7/004 503 531 531 7/028 7/028 H01L 21/027 H01L 21/30 502R (56)参考文献 特開 平3−170549(JP,A) 特開 昭60−100143(JP,A) 特開 昭57−76017(JP,A) 特開 昭61−118423(JP,A) 特開 平2−144539(JP,A) 特開 平3−91752(JP,A) 特開 平4−95962(JP,A) 特開 平4−116557(JP,A) 特開 平4−120543(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)式(1)で示されるゲルパーミエ
    ーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算で
    得られる重量平均分子量が3000〜300000のポリアミド酸
    エステル、(B)吸収極大波長(λmax)が330〜500nm
    である増感剤を必須成分とする感光性樹脂組成物。 【化1】
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