JP2546047Y2 - 電気器具の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電気器具の取付装置に関するものであり、
特に天井や壁に木ねじで取付板を固定した後、この取付
板に電気器具の器具本体を取り付けるようにした電気器
具の取付装置にかかるものである。

〔従来の技術〕

第５図に示す天井直付け型照明器具のような電気器具
では、取付面である天井に取り付けるに際しては、第６
図及び第７図に示すようにして取り付けられるのが一般
的であった。

すなわち、天井10から導出された電源電線13を取付板
１の電源孔12に挿通して取付板１を木ねじ２により天井
10に取り付け、取付板１に植設された取付ねじ15を器具
本体14のフランジ16の取付ねじ挿通孔17に挿通させ、取
付ねじ挿通孔17から露出した取付ねじ15にナット18を螺
合して、器具本体14を天井10に押しつけ取り付けてい
る。電源電線13はフランジ16に納装される端子台19に接
続され器具本体14に給電される。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、取付板１を取り付ける際には、第７図に示
すように、取付板１を天井等の取付面に押しつけると同
時に、木ねじ２を取付板１のねじ挿通孔３に合わせて取
付面に押しつけ、ドライバー11で木ねじ２を取付面にね
じ込むという作業をせねばならず、施工性が悪く、一人
作業では困難なものであった。

このような木ねじ取付時の木ねじの仮保持ができるも
のとしては、引っ掛けシーリングローゼットにおいて、
第８図に示すように、引っ掛けシーリングボディ20に木
ねじのねじ部の径よりやや大きく頭部の径より小さいガ
イド孔21を形成し、このガイド孔21に熱可塑性樹脂製の
仮保持部材22を自己の弾性で取り付け、仮保持部材22の
弾性で木ねじ２を仮保持してガイド孔21により取付面に
対して垂直にねじ込むことができるようにガイドしてい
ることが知られている。ところが、この場合には引っ掛
けシーリングボディ20の高さにより木ねじのねじ込み方
向を規制しているが、前記取付板のように厚さの比較的
薄いものでは対応することができなかった。

本考案は、前記の背景に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、取付板を木ねじで取り付ける
際に簡単に施工できる電気器具の取付装置を提供するこ
とにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による電気器具の取付装置は、木ねじのねじ部
を取付板のねじ挿通孔に挿通して取付面にねじこみ、木
ねじの頭部で取付板を取付面に押しつけ固定し、この取
付板に電気器具の器具本体を取り付ける電気器具の取付
装置において、内径がいずれも木ねじのねじ部よりやや
大径かつ頭部より小径の略リング状の取付部とねじ受け
部とを複数の木ねじの取付面へのねじこみにより変形可
能な幅細の連結片で接続した略筒状をなし、その内に内
方に突設されて内端のなす径が木ねじのねじ部の外径よ
りやや小径のねじ保持部を備えると共に取付部には取付
板へ弾性的に係合する取付爪を突設したねじ仮保持具を
軟質樹脂で一体形成し、ねじ仮保持具をねじ挿通孔に対
応させて取付板の取付面の非対向面側に略垂直に突出さ
せて取り付けたものである。

〔実施例〕

第１図ないし第４図は本考案の実施例を示すものであ
り、以下図面に基づき説明する。

この実施例においても、従来例同様電気器具として天
井直付け型照明器具を取り付けているものであり、従来
例と異なる取付板１の取り付けに関する部分のみを説明
する。

取付板１の取付面の非対向面側に略垂直に突出するよ
うに木ねじ２の挿通するねじ挿通孔３には、軟質の熱可
塑性樹脂で略筒状に形成されたねじ仮保持具４が、その
一端に突設された取付爪５により取り付けられている。
ねじ仮保持具４は、一端に形成した複数の取付爪５を軸
方向に突設したリング状の取付部６と、他端に形成した
リング状のねじ受け部７とを、幅細の複数の連結片８で
略筒状に結合一体化したものであり、取付部６及びねじ
受け部７は木ねじのねじ部よりやや大きく頭部より小さ
い内径を有し、木ねじの全長よりやや短い全長に形成さ
れている。取付爪５はその基部の略取付板１の厚さ相当
部分の外径が取付部６の外径よりやや小径に形成され、
先端の爪部と取付部６との間に取付板１を挟持するよう
に取付板１のねじ挿通孔３に取り付けられる。連結片８
の内面には筒状内方へ突出する突起状のねじ保持部９が
それぞれ形成されていて、ねじ保持部９の内端のなす径
は木ねじ２の外径よりやや小径になっている。

この取付装置を取り付ける際には、第４図に示すよう
にして、行なわれる。まず、第４図（ａ）に示すよう
に、取付板１のねじ挿通孔３に取り付けられたねじ仮保
持具４に木ねじ２を挿入して、ねじ仮保持具４の連結片
８に突設されたねじ保持部９により木ねじ２を仮保持す
る。そして、この状態で取付板１を取付面である天井10
に押しつけて、ドライバー11により仮保持された木ねじ
２を天井10にねじこんでいく。すると、第４図（ｂ）に
示すように、木ねじ２の頭部がねじ仮保持具４のねじ受
け部７を天井10側に押しつけ幅細の連結片８が徐々に座
屈し、外方へ広がっていく。そして遂には、第４図
（ｃ）に示すように、連結片８が完全に潰れてしまい、
ねじ仮保持具４の取付部４とねじ受け部７が略当接した
状態となり、木ねじの締め付けが終了する。以上の操作
を２個の木ねじ２それぞれについて行なえば取付板１は
天井10に取付が終了する。そして、その後、各電気器具
の器具本体を取付板１に取り付ければ電気器具の取付け
が完了する。

この電気器具の取付装置では、取付板１の天井10への
取付け時に、木ねじ２を取付板１に仮保持できるため、
片手で取付板１を天井10に押しつけ他方の手でドライバ
ー11を回して木ねじ２を天井10にしめこむことができ、
施工性が良好である。また、木ねじ２を締め付け始める
際には、ねじ仮保持具４が略筒状で木ねじ２を天井10に
略垂直な状態に維持することができ、木ねじ２の締め込
みが終了するとねじ仮保持具４の連結片８が潰れて高さ
が低くなり、取付爪の取付面側への取付板からの突出が
わずかであることとあいまって、電気器具の形状に対す
る制約とならない。さらに、ねじ仮保持具４が絶縁性の
ワッシャーのかわりとなり、緩み止め等の効果も奏す
る。

なお、電気器具としては、例えば電熱器具や扇風機
等、照明器具以外のものであってもよい。また、取付板
１と器具本体14との取付は前記の構造以外の構成であっ
てもよい。さらに、ねじ仮保持具４の取付板１への取り
付けは、ねじ挿通孔３自体でなく、ねじ挿通孔３の近傍
に設けた取付用の孔に取付爪を挿入することによっても
よい。また、ねじ保持部９はねじ受け部７の内に設ける
等してもよい。

〔考案の効果〕

本考案は前述の通り構成されているので、取付板の取
付面への取付け時に、木ねじを取付板に取り付けたねじ
仮保持具で仮保持できるため、片手で取付板を取付面に
押しつけ他方の手でドライバーを回して木ねじを取付面
にしめこむことができ、施工性が良好であり、また、木
ねじを締め付け始める際には、ねじ仮保持具が略筒状で
木ねじを取付面に略垂直な状態に維持することができ、
木ねじの締め込みが終了するとねじ仮保持具が潰れて高
さが低くなり、取付爪の取付面側への取付板からの突出
がわずかであることとあいまって、電気器具の形状に対
する制約とならない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施例を示すものであ
り、第１図は断面正面図、第２図はねじ仮保持具の斜視
図、第３図はねじ仮保持具の断面正面図、第４図は施工
状態を示す断面正面図である。第５図ないし第７図は本
考案に対する従来例を示すものであり、第５図は電気器
具の斜視図、第６図は電気器具の取付状態を示す分解斜
視図、第７図は要部の分解斜視図である。第８図は本考
案に対する他の従来例を示す要部断面図である。 １……取付板、２……木ねじ、３……ねじ挿通孔、４…
…ねじ仮保持具、５……取付爪、６……取付部、７……
ねじ受け部、８……連結片、９……ねじ保持部、10……
天井、12……電源孔、13……電源電線、14……器具本
体、15……取付ねじ、17……取付ねじ挿通孔、18……ナ
ット。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】木ねじのねじ部を取付板のねじ挿通孔に挿
   通して取付面にねじこみ、木ねじの頭部で取付板を取付
   面側に押しつけ固定し、この取付板に電気器具の器具本
   体を取り付ける電気器具の取付装置において、内径がい
   ずれも木ねじのねじ部よりやや大径かつ頭部より小径の
   略リング状の取付部とねじ受け部とを木ねじの取付面へ
   のねじこみにより木ねじの頭部で押されて外方へ膨出変
   形する幅細の複数の連結片で接続した略筒状をなして、
   その内に内方に突設されて内端のなす径が木ねじのねじ
   部の外径よりやや小径のねじ保持部を備えると共に取付
   部には取付板へ弾性的に係合する取付爪を突設したねじ
   仮保持具を低脆性の軟質樹脂で一体形成し、ねじ仮保持
   具をねじ挿通孔に対応させて取付板の取付面への非対向
   面側に略垂直に突出させて取り付けたことを特徴とする
   電気器具の取付装置。