JP2545951C - - Google Patents

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JP2545951C
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【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、金属部品、セラミック部品、及びプラスチック部品等の各種物品の
接着、密封、コーティング或は嵌合すべき部位に適用し、光を照射し硬化するこ
とによって接着、被覆、固定等の目的を達成した後、当該光硬化性組成物の適用
部位を水または水溶液中に浸漬することによって硬化物が容易に破壊され、接着
部、固定部或いは被膜を容易に剥離することができる仮固定用光硬化性組成物に
関するものである。 [従来の技術] 光硬化性組成物は、遮光されている間は硬化せず長期間安定であるが、使用に
際して紫外線あるいは可視光線等の光を照射することによって重合硬化させ得る
ものである。 光硬化性組成物の用途には、光硬化性組成物を用いて接着或は固定する用途の
他に、当該光硬化性組成物の硬化物(以下、単に硬化物という)と被着物とを分
離することによって所期の目的が達成される仮固定の用途もある。例えば、水晶
発振子、ガラス部品等微小な部品に研磨等の処理を施すために、一度部品を担体
に接着して処理した後、担体から部品を剥離して回収する用途、積層接着された
薄板を切断加工した後、各薄板を分離して微細な薄板を得る用途、或はある工程
の間のみ水晶板等の表面を保護コートし、次の工程においてコーティング膜を剥
す等の用途である。これらの用途では、通常冷水、温水またはアルカリ性水溶液
(以下、水溶液等という)中に浸漬し、接着部分を剥離することによって所期の
目的が達成される。 上記用途に用いられる仮固定用光硬化性組成物としては、光を照射することに
よって速やかに硬化することに加えて、硬化物は水溶液等に浸漬されることによ
り速やかに破壊されること、例えば水溶液中に溶出することが要求される。 この種の仮固定用光硬化性組成物として従来から知られているのは、ラジカル
重合可能なビニル化合物を主成分とする組成物に光重合開始剤を配合したもので
ある。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の硬化物は水溶性が低いため、接着或はコーティング等の
用途に使用した後、硬化物を水溶液等で速やかに破壊することができないという
問題があった。 硬化物に水溶性を付与するために、親水性を有するラジカル重合可能なビニル
化合物を、光硬化性組成物中に含有させたものも提供されているが、接着強度等
の硬化物の物性を良好に維持し、一方で破壊速度を大きくするという要求は、充
分に満たされていないという問題がある。 本発明は、上記問題が解決され、硬化物の接着強度その他の物性に優れ、これ
を水溶液等に浸漬したときに、速やかに破壊される仮固定用光硬化性組成物を提
供するものである。 (ロ)発明の構成 [課題を解決する為の手段] 本発明者らは上記問題を解決する手段について検討を重ねた結果、親水性ビニ
ル化合物と光重合開始剤からなる仮固定用光硬化性組成物に対して、単に水を配
合することによって、硬化物が意外にも良好な水溶性を具備するに到ることを見
出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、親水性ビニル化合物の1種又は2種
以上、水及び光重合開始剤を含有することを特徴とする仮固定用光硬化性組成物
である。 以下に、本発明の組成物を構成する各成分の詳細について説明する。なお、本
明細書において(メタ)アクリル酸とあるのは、アルクリ酸及び/又はメタクリ
ル酸を表し、(メタ)アクリレートとあるのは、アクリレート及び/又はメタク
リレートを表す。 〈親水性ビニル化合物〉 本発明において用いることができる親水性ビニル化合物は、具体的には水への
溶解性が好ましくは1%以上より好ましくは3%以上のビニル化合物であり、そ
の具体例を例示すると、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するもの、(メタ)アク
リル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸等のカルボキシル基を有するもの、アク
リルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホリン及びジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート等のN含有置換基を有するもの、(メタ)
アクリル酸クロライド及び2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド等の塩化物、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルフォニックアシッド等のスルホン酸基を有するもの、アクリル酸ソー
ダ等のナトリウムを有するもの及びメトキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等、構造式中に
ポリオキシアルキレングリコール部分を有するもの等がある。光硬化性組成物に
おける親水性ビニル化合物の配合量は、光硬化性組成物100重量部の内10〜98重
量部(以下、部とあるのは重量部を表す)が好ましく、更に好ましくは20〜95部
である。 〈水〉 本発明に用いる水としては、蒸留及びイオン交換処理といった特別の精製処理
を施した水である必要はなく、一般家庭において使用される水道水でも充分であ
る。水の配合量は、光硬化性組成物100部の内2〜90部が好ましく、更に好ましく
は5〜60部である。 〈光重合開始剤〉 本発明において組成物に配合されるべき光重合開始剤をを具体的に例示すると
、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、カンファーキノン、ミヒラーズケ
トン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ジエトキシ
アセトフェノン、ベンジルメチルケタール、α−ナフチル、p,p′−ジメトキシ
ベ ンジル等が挙げられる。その種類及びその添加量は既に良くしられているように
光重合開始剤として機能し、組成物に光硬化性を与えるに十分な触媒量論的な量
であればよく、一般に常用されている量とすれば足りる。 〈所望添加成分〉 本発明の組成物には以上に述べた各成分の他に、種々の目的で各種物質を添加
してもよい。 (疎水性ビニル化合物) 必要に応じて、硬化物の密着力を高めたり、硬化物の水溶性を調整するため、
上記の親水性ビニル化合物以外に、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及
び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の、水には
溶けにくい疎水性ビニル化合物を配合するとができる。疎水性ビニル化合物の添
加量は、2〜10wt%とすることが好ましい。 (アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物) 本発明組成物にアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を配合
すると、硬化物の水溶性を高めることができる。用いることができるアルカリ金
属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属及び/又はアルカ
リ土類金属を化合物中に含むもののうち、これらを溶解させた水がアルカリ性を
示すものであればよく、具体例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム、水酸化ベリリウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム及び
水酸化ラジウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、
炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ベリ
リウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム及び炭酸ラジウムもしくは酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸マ
グネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ベリリウム、酢酸バリウム、酢酸ストロンチ
ウム及び酢酸ラジウム等の弱酸とアルカリ金属又はアルカリ土類金属との塩があ
り、これら単独又は2種以上を併用することもできる。これらのうち、上記のア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、さらに水への溶解度が
大きい水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムは特に好ましい。 アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を光硬化性組成物に配
合するには、これらの化合物を含有する水溶液を添加することが好ましく、水溶
液中のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の濃度は、用いる化合物
の水への溶解度によって異なるが、例えば水酸化ナトリウムの場合には、好まし
くは0.01wt%〜20wt%、より好ましくは0.1wt%〜10wt%である。アルカリ金属
化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を溶解した水溶液の濃度が高すぎると
、光硬化性組成物の硬化性が低下することがある。アルカリ金属化合物及び/又
はアルカリ土類金属化合物の添加量は、用いる親水性ビニル化合物の種類により
異なるが、親水性ビニル化合物に対して、好ましくは0.01〜5wt%、より好まし
くは0.1〜3wt%である。 (可塑剤) 本発明の仮固定用光硬化性組成物による硬化物の水溶性を高めるために、フタ
ル酸ビス(2−メチルヘキシル)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタ
ル酸ビス(2−ブチルヘキシル)等の可塑剤を添加することができる。可塑剤の
添加量は、親水性ビニル化合物100部に対して、10〜60部、より好ましくは20〜4
0部とすることが好ましい。 (増感剤) 本発明の仮固定用光硬化性組成物の光硬化性を高めるために、増感剤を用いる
ことができ、具体例として、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、n
−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチル−n−ブチルフォスフィン、4
−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン類がある。増感剤の添加量はそ
の種類等によって異なるが、トリエチルアミンの場合には、親水性ビニル化合物
100部に対して、0.1〜4部とすることが好ましい。 (その他の添加成分) 更に、貯蔵安定性を向上させる目的でニトロ化合物、ニトロソ化合物、及びキ
ノン類を、着色の目的で染料や顔料を、増粘や増量の目的でアクリル樹脂、ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂及びシリカ等を、及びチクソトロピー性付与の目的でシ
リカ等のチクソトロピー化剤をそれぞれ添加することができる。 本発明の組成物を調製するには、以上述べた各成分を常温又は加温下で混合す ればよい。 [作用] 本発明組成物は、常法に従って光を照射することにより容易に硬化し、光硬化
性組成物中に配合された水は、乾燥により揮散することなく、重合時に殆ど硬化
物中に包含される。このため、硬化物中における親水性ビニル化合物の光重合体
の間には水が存在し、硬化物を水溶液等に浸漬したときに水が浸入し易くなり、
硬化物の水溶性が向上したものと考えられる。 又、仮固定用光硬化性組成物中に配合された水は、親水性ビニル化合物の重合
体と親和性に富むため、硬化物は脆くなることがなく、硬化物の接着強度その他
の物性においても、優れた特性を有するものと考えられる。 [実施例及び比較例] 実施例1 親水性ビニル化合物としてN−ビニルピロリドンを90部及び2−ヒドロキシエ
チルアクリレートを10部用い、これらに水を30部、光重合開始剤として2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノンを3部混合することにより光硬化性組成物
No.1を調製し、接着強度及び水溶性の各特性を以下のようにして評価した。 (接着強度の評価) ソーダガラス板(18mm×18mm×0.2mm)上に光硬化性組成物を塗布し、その上
に水晶板(18mm×18mm×0.2mm)をのせ、140mw/cm2の照度の紫外線を5秒間照射
してソーダガラス板と水晶板を接着し、その圧縮剪断接着強度を測定した。なお
、このときの測定方法は、用いるテストピースに関する条件以外はJISK6852
に従った。 (水溶性の評価方法) ソーダガラス板(76mm×26mm×1.0〜1.2mm)上に光硬化性組成物を塗布し、そ
の上に水晶板(11.8mm×12.8mm×0.6mm)をのせ、140mw/cm2の照度の紫外線を5
秒間照射してソーダガラス板と水晶板を接着した。その接着物を500mlビーカー
中の50℃温水に浸漬し、ビーカーを振動させることにより温水を軽く撹拌したと
きに、接着した水晶板が剥がれる迄の時間を測定した。 上記各特性を評価した結果、圧縮剪断接着強度は69kgf/cm2であり、温水に浸 漬したときの剥離時間は5時間であった。なお、接着物を浸漬している間、温水
は透明のままであった。 実施例2〜6 表1に示す組成を有する光硬化性組成物No.2〜6を、実施例1と同様にして調
製した。 水溶性の評価方法は、実施例1と同様にして行い、接着強度の評価は以下のよ
うにして行った。 (接着強度の評価) ソーダガラス板(76mm×26mm×1.0〜1.2mm)上に光硬化性組成物を塗布し、そ
の上に水晶板(18mm×18mm×0.2mm)をのせ、140mw/cm2の照度の紫外線を5秒間
照射してソーダガラス板と水晶板を接着し、接着物にプッシュプルゲージで1kgf
の剪断力を与え、剥がれるか否かをチェックした。上記各特性の評価結果を表1
に示した。[比較例] 表2に示す組成の光硬化性組成物No.7〜10を、実施例1と同様にして調製し、
接着強度及び水溶性の評価方法を実施例2〜6と同様にして行った。 上記各特性の評価結果を表2に示した。(ハ)発明の効果 本発明の組成物は接着強度や密着性が高い硬化を形成し、しかも従来のもの
と比較して硬化物の水による破壊性が著しく改善され、例えば硬化物を水溶液に
浸漬することにより、硬化物と被着物とを速やかに剥すことができるものである
。 従って、本発明の仮固定用光硬化性組成物は、金属部品、セラミック部品、及
びプラスチック部品の接着、密封、コーティング或は嵌合部の固定等に使用され
た後、硬化物を、水溶液等に浸漬することによって接着部を容易に剥離すること
が必要な仮固定の用途に有用であり、特に水晶発振子及びガラス部品等微細な透
明部品の製造課程における生産性向上に特に有効である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.親水性ビニル化合物の1種又は2種以上、水及び光重合開始剤を含有する
    ことを特徴とする仮固定用光硬化性組成物。

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