JP2545876B2 - 車両の補助操蛇装置 - Google Patents

車両の補助操蛇装置

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JP2545876B2
JP2545876B2 JP22699187A JP22699187A JP2545876B2 JP 2545876 B2 JP2545876 B2 JP 2545876B2 JP 22699187 A JP22699187 A JP 22699187A JP 22699187 A JP22699187 A JP 22699187A JP 2545876 B2 JP2545876 B2 JP 2545876B2
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文章 村上
要三 間嶋
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アンチスキッドシステム搭載車両におい
て、アンチスキッド制御による制動時の車両進路を補正
する補助操舵装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば特開昭58−164460号公報に示されるよう
に、左右の各車輪の回転速度を検出して、左輪および右
輪にそれぞれ独立に制動力を加えるブレーキ装置を備え
たアンチスキッドシステム搭載車両がある。この様な車
両において、急制動時等のアンチスキッド制御時には、
左右輪の接地する路面の摩擦係数μ(路面μ)の違いに
より、左右輪にかかる制御ブレーキ圧が異なってくる。
これは、路面μの低い側(低μ路)車輪はロックしやす
いため、ブレーキ圧を下げて車輪を転動させてロックを
防ぐためである。逆に、路面μの高い側(高μ路)車輪
は低μ路側に比べ車輪ロックが発生しにくいため、低μ
路側車輪より高いブレーキ圧で制御されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
その結果、従来のアンチスキッドシステムでは左右輪
の接地する路面μが異なる路面(いわゆるまたぎ路等)
で急制動した際、左右輪に制動力差が生じ、ヨーモーメ
ントが発生して車両進路が高μ路側に偏向する傾向があ
るという問題がある。
そこで本発明は、アンチスキッドシステムを搭載した
車両が、左右輪の接地する路面μが異なる路面(またぎ
路等)で急制動を行った場合においても、車両進路を偏
向させることなく、安全に制動できる様にすることを目
的とするものである。。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、前輪及び後輪
の少なくとも一方の車輪の左右輪のブレーキ用液圧をそ
れぞれ独立に制御するアンチスキッド制御装置を備えた
車両において、 アンチスキッド制御時に、左右輪のブレーキ用液の圧
力をそれぞれ検出する圧力検出手段と、 前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、左右
輪のブレーキ用液圧の圧力差及びブレーキ用液圧の絶対
値を算出する補正用圧力値算出手段と 前記補正用圧力値算出手段からの前記左右輪のブレー
キ用液圧の圧力差及びブレーキ用液圧の絶対値に応じ
て、車両進路の偏向を抑制すべく後輪あるいは前輪の補
正操舵角を算出する補正操舵角算出手段と、 前記補正操舵角に応じて前記車両の後輪あるいは前輪
を補助操舵する操舵手段とを備えた構成としている。
〔実施例〕
以下、本発明を図に示す実施例につき説明する。第1
図,第2図に、4輪アンチスキッドシステムを備えた装
置の電子制御回路17を中心とした全体の構成を示す。こ
の電子制御回路17には、各車輪Wi(i=FL,FR,RL,RR)
の回転に応じ回転数に比例した周波数の電圧パルスを発
生する電磁ピックアップで構成される車輪速センサ10a
〜10dが電気的に接続されている。
また、各車輪のブレーキ圧力に応じた出力電圧を発生
するブレーキ圧センサ8a〜8d、後輪の操舵角を検出する
後輪操舵角センサ15a,15b、及び前輪を操舵するステア
リングホイールの切り角を検出する前輪ステアリングセ
ンサ16が電気的に接続されている。
そして、電子制御回路17は、車輪速センサ10a〜10dの
電圧パルス信号を波形整形する波形整形回路17bを備
え、また車輪のブレーキ圧センサ8a〜8dの信号、後輪操
舵角センサ15a,15bの信号、及び前輪ステアリングセン
サ16の信号をアナログバッファ17iを介して入力し、A/D
変換するA/Dコンバータ17cを備える。また、電子制御回
路17は、波形整形された信号を入力する入力ポート17
g、セントラルプロセッシングユニット(CPU)17a、リ
ードオンリメモリ(ROM)17d、ランダムアクセスメモリ
(RAM)17e、CPU17aにより処理された結果を示す信号を
出力する出力ポート17j、これらを相互に接続するコモ
ンバス17fなどからなるマイクロコンピュータを備え
る。そして、出力ポート17jの出力状態にしたがって、
各車輪のブレーキ力を決定するブレーキ機構の油圧を制
御するブレーキ圧制御用電磁弁(2位置電磁弁)7a〜7d
と、後輪操舵機構の油圧を制御する後輪操舵制御用電磁
弁(3位置電磁弁)11a〜11dの励磁コイルに励磁電流を
供給する出力回路17hを備える。
次に、4輪アンチスキッド制御、及び後輪の操舵制御
について、その機構及び制御プログラムを説明する。
まず、第2図,第3図に基づいて、車輪のブレーキ圧
制御装置の構成を4輪のうちの左前輪を例にとって概略
的に示す。第3図においてモータ1により駆動される油
圧ポンプ2の吸込口と吐出口との間には、ブレーキペダ
ル5の踏込時に、ブレーキマスタシリンダ6の油圧によ
り、油圧ポンプ2の吐出口と吸込口との間を連通状態か
ら遮断状態に反転、保持する切換弁4が設けられてい
る。これによりマスタシリンダ油圧に油圧ポンプ圧を追
従させることができる。また、油圧ポンプ2の吐出口は
3ポートのブレーキ圧制御用2位置電磁弁7aを介してホ
イールシリンダ9と連通している。2位置電磁弁7aは、
非励磁時には油圧ポンプ2の吐出口とホイールシリンダ
9とを連通状態に保ち、一方、励磁時にはホイールシリ
ンダ9とリザーバ3とを連通状態に保つ。なお、2位置
電磁弁7は電子制御回路17よりのデューティ比信号Sig1
によりその励磁の切り替えが制御される。また、8aはホ
イールシリンダにかかる油圧であるブレーキ圧を検出す
る半導体圧力センサ等を用いたブレーキ圧センサであ
る。
次に、電子制御回路17における制御手順について説明
する。即ち、電子制御回路は第4図にフローチャートで
示すようなアンチスキッドによるブレーキ制御の処理お
よび動作を一定周期例えば32msごとに行う。以下、1周
期分の処理動作を順に説明する。
(1)ブレーキ圧の目標油圧値Pyを各輪毎に設定する
(ステップ100)。目標油圧値Pyは車輪速センサ10a〜10
dの電圧信号(第3図のSig2)とROM17d内に予め格納さ
れた基準値とにもとづいて次のように設定される。
すなわち、VBを車体速度、VWを車輪速度とし、また
K1,K2,K3,K4,K5をそれぞれ定数とすれば、下記(1a),
(2a)式から求まるWP,PMEDをパラメータとする下記(3
a)式によりPyを求めるようにする。
WP =K1×(VW−VB+K2)+K3 ×() ……(1a) PMED=PMED+K4×WP ……(2a) Py =PMED+K5×WP ……(3a) ここで、車体速度VBは車輪速度VWから推定し、または
車体速度センサなどから直接的に求めるようにする。
そして、ステップ101でブレーキ制御中であることを
示すフラグを設定する。
(2)現在の油圧値PxからPmax,Pminを求める(ステッ
プ102)。Pmaxはデューティ比100%、つまり増圧指令部
分のみからなる指令信号を2位置電磁弁7a〜7dに出力し
た場合に、周期終了時点で到達すると予想される推定油
圧値であり、Pminはデューティ比0%、つまり減圧指令
部分のみからなる指令信号を2位置電磁弁7a〜7dに出力
した場合に、周期終了時点で到達すると予想される推定
油圧値である。
(3)目標油圧値PyとPmax,Pminとを大小比較する(ス
テップ103)。
(4a)Py≦Pminの場合には、デューティ比Dを0%、つ
まり減圧指令部分のみからなる指令信号を作成するため
のデューティ比に設定する(ステップ104)。
(4b)Py≧Pmaxの場合には、デューティ比Dを100%、
つまり増圧指令部分のみからなる指令信号を作成するた
めのデューティ比に設定する(ステップ106)。
(4c)Pmin<Py<Pmaxの場合には、デューティ比Dを第
5図に示すPxとPyとの関係を表わすマップ(必要に応じ
て補間演算を追加する。)から求める。
ここで、dは一周期32msにおける増圧時間を表わすパ
ラメータであり、デューティ比D=100×d/32となる。
なお、マップの代わりの演算式は次の式で表わされ
る。
Py=(Px+0.344d)×0.5e0.0217d (5)前記ステップ104,106または108にて設定されたデ
ューティ比Dにもとづく励磁電流パルスを2位置電磁弁
7a〜7dに出力する(ステップ110)。
以上の処理を実行することにより、各輪が最適のスリ
ップ率のなる様にブレーキ圧力が制御され、各輪独立に
アンチスキッド制御が行われる。
次に、第6図に基づいて車輪の操舵制御装置の構成を
4輪のうちの右後輪を例として概略的に示す。この装置
は、モータ1aにより駆動される油圧ポンプ2bが発生する
高圧を蓄圧するアキュムレータ14を備え、アキュムレー
タの高圧油は2つの3ポート3位置電磁弁(後輪操舵制
御用電磁弁)11c,11dを介して後輪操舵用アクチュエー
タ12の2つのシリンダに供給される。前記2つの電磁弁
11c,11dの状態で、アクチュエータ12のピストン12bを左
右にスライド、あるいは保持する。ピストン12bはナッ
クルアーム18と連結されており、ピストン12bの直線運
動により車輪13が左右に回転する。15bはアクチュエー
タのピストン12bの位置を検出して、後輪の実際の舵角
を得る操舵角センサで、例えばポテンショメータ,エン
コーダ,ホール素子等のセンサから構成される。なお、
Sig3,4は電磁弁11c,11dの励磁コイルを駆動する信号
で、電子制御回路17より出力され、またSig5は後輪の操
舵角を示す信号で、電子制御回路17へ入力される。
次に第7図に示すフローチャートにしたがって後輪操
舵制御について説明する。
フローチャートに示したステップ501〜509は一定周
期、例えば8ms毎に行う。以下、一周期分の処理動作を
順に説明する。まず、ステップ501でブレーキ制御中
(前記4輪アンチスキッド制御)かどうかを判定する。
アンチスキッド制御中でなければ、ステップ502へ進
み、公知の後輪操舵制御を行うべく、前輪ステアリング
センサ信号や車速(車輪速センサ信号から算出される)
信号に基づき後輪操舵角を算出する。これは、例えば特
公昭60−44185号公報で提案されている様に、前輪の操
舵角及び車速に応じて後輪操舵角を算出する。即ち、例
えば第11図に示す様に、車速が所定の車速VBNを越える
範囲では後輪を前輪と同位相にし、かつ車速が増大する
にしたがい転舵比を1に近づける様に前輪ステアリング
信号と車速VBより後輪操舵角を算出する。また車速がV
BN以下の場合は前輪と逆位相にし、かつ車速が減少する
にしたがい転舵比を−1に近づける様に後輪の操舵角を
算出する。そして、第7図のステップ506へと進む。
また、ステップ501でブレーキ制御中であればステッ
プ503へ進み、前輪ステアリングセンサの信号がほぼ直
進走行状態にあるか、つまり前輪ステアリング切り角θ
の絶対値|θF|が定数K1より小さいかどうか判断す
る。K1はROMにあらかじめ記憶された定数値で、この値
より|θF|が小さい時、前輪ステアリングは操舵されて
いない直進走行状態と判断されるべく設定されている。
ステップ503で|θF|<K1の時はステップ504へ進む。
このステップ504を第8図により詳しく説明する。ス
テップ601では前輪のブレーキ圧センサの信号から得ら
れたブレーキ圧信号PFR,PFLより前輪左右の車輪にかか
るブレーキ圧差|ΔP|=|PFR−PFL|及びブレーキ圧の絶
対値|P|=|PFR+PFL|を算出し、ステップ602でこの|Δ
P|,|P|をパラメータとする基本後輪操舵角θRSBを次式
より算出する。
θRSB=C6|ΔP|/|P| …(1) ただし、C6は定数である。
第9図(a)に|P|が大,中,小のときの|ΔP|とθ
RSBの関係の一例を示す。この例では、ブレーキ圧差|
ΔP|が大きくなる程、基本後輪操舵角θRSBを単調に大
きくしてある。また、|P|が小さくなる様、基本後輪操
舵角θRSBを大きくしてある。但し、θRSBがむやみに大
きくならない様にθRSB1でガードがかかっている。ま
た、|ΔP|が極く小さい部分では、ノイズ等を考慮して
不感帯ΔP1が設定してある。この関係は計算式で記憶し
ておいても、何点かの値をメモリマップとして記憶して
おき、補間演算より算出してもどちらでも良い。
ステップ603では車速VBによるθRSBの補正を行うべ
く、車速補正係数KVを算出するもので、ここでは例えば
第9図(b)に示す様に車速が小さくなる程KVは大きな
値(1に近づく値)を持つように設定してある。ステッ
プ604では最終的な補正後輪操舵角指令値θRSをθRS=K
V×θRSBとして算出する。車輪の操舵方向はブレーキ圧
の低い方の車輪側に車両が進行する様に操舵する。これ
は、前記ブレーキ制御によって各輪独立にブレーキ圧が
制御され、ブレーキ圧の低い側のタイヤが接地している
路面は摩擦係数μが低く、車両を高μ路側にまわそうと
するヨーモーメントが発生するため、このヨーモーメン
トを打ち消すために行っている。即ち、後輪を操舵しな
い場合、高μ路側に車両の進路が変えられてしまうが、
上述の手順で後輪を操舵すると、車両を低μ路側にまわ
そうとするヨーモーメントが発生し、車両を高μ路側に
まわそうとするヨーモーメントを打ち消して車両を直進
させることができる。
第7図のステップ503で|θF|≧K1のとき、つまり操
舵時にはステップ504へ進む。ここでは、ステップ502で
算出する後輪操舵角θRSNに左右輪の接地する路面μの
違いにより発生するヨーモーメントの大きさと方向を考
慮して補正を行っており、この点がステップ502と違っ
ている。すなわち、左右輪のブレーキ圧差により発生す
る、車両を高μ路側へまわそうとするヨーモーメントと
同じ方向に前輪ステアリングが切られていた場合は、後
輪の操舵角を正負の符号(同相を正、逆相を負)を含め
て、より増大する方向(即ち同相の場合、絶対値は大き
くなり、逆相の場合、絶対値は小さくなる)に、また前
述のヨーモーメントと逆の方向に前輪ステアリングが切
られていた場合は、後輪の操舵角をより減少する方向
に、後輪の左右共通の操舵角指令値を補正する。
この詳細なフローチャートを第10図に示す。まず、ス
テップ801で非ブレーキ制御時の後輪操舵角θRSNをステ
ップ502と同様に算出する。次に、この補正項の大きさ
θをステップ802で、左右前輪ブレーキ圧差|ΔP|,ブ
レーキ圧の絶対値|P|より算出するが、その|ΔP|,|P|
とθの関係を第9図(c)に一例として示す。|P|が
大きいとき(|P|=大)は、一点鎖線に示す様に、補正
角θが比較的小さい値となり、|P|が小さいときは点
線に示す様にθが比較的大きい値となる。尚、ステッ
プ802では、操舵中の補正を行なうため、運転者への違
和感を減少すべく、補正項θを用いたが、前述ステッ
プ602で求めた直進走行状態での基本後輪操舵角θRSB
代用してもよい。ステップ803では前輪のステアリング
の方向を判定し、かつステップ804あるいは805で車輪が
接地する左右の路面のμの大小を推定して後輪の操舵角
補正項の符号を決定し、同相正、逆相負の符号を有する
指令値θRSNの補正を行っている(ステップ806〜80
9)。
第7図に戻りステップ506では、後輪操舵角センサ15
a,15bより左右後輪の実操舵角を算出し、ステップ507で
ステップ505で求めた後輪操舵角指令値と各実操舵角と
を比較し、ステップ508でその誤差を小さくする方向に
後輪操舵制御用電磁弁11a〜11dへ流す電流値を算出し、
出力回路17hに信号を出力する(ステップ509)。
このように、左右前輪のブレーキ圧力の差|ΔP|及び
ブレーキ圧の絶対値|P|に応じて後輪をそれぞれ独立に
位置決めすることで、左右輪の接地する路面の摩擦係数
μの違いによる車両の運動特性の変化を最小限に抑え
て、車両を確実かつ、安定に制御することができる。
次に、車両進路の変化を微小な操舵により最小限に抑
えて、制動するに必要な基本後輪操舵各θRSBの決定方
法について説明する。
まず制動時の車輪に作用する制動力及び横力(サイド
フォース)について考えると、第12図(a)に示す様
に、制動力B,操舵角θが5度(deg)未満の小さい範囲
ではほとんど変化せず、次式により表わせる Bi=μiWi …(2) ただし、μは路面と車輪間の摩擦係数、Wは車輪にか
かる荷重、iは左前輪(FL),右前輪(FR),左後輪
(RL),右後輪(RR)を示す。
これに対して横力Sは、第12図(b)に示す様に、操
舵角θが小さい範囲では、ほぼ操舵角θに比例し、基本
後輪操舵角θRSBのときの横力は、次式よりも表わせる
(C1は定数) Si=C1μWθRSB …(3) ここで、第13図に示す様に車両重心Gを中心として、
左右輪の制動差により車両に発生する制動回転モーメン
トをMBとし、また重心Gを中心として、車輪の横力によ
り車両に発生する横力回転モーメントをMSとすると、MB
=MSのときに車両進路が変化せずに安定した制動ができ
る。これを左側車輪の制動力,横力をそれぞれBL,SL,右
側車輪の制動力,横力をそれぞれBR,SRとして表わす
と、(C2,C3は定数) C2・|BL−BR|=C3(SL+SR) …(4) となる。(4)式に上記(2),(3)式を代入するこ
とにより、 θRSB=C4・|μ−μR|/(μ+μ) …(5) となる。ただし、C4は定数である。
一方、一つの車輪に作用するモーメントの釣り合いを
制動トルク(μWR),ブレーキトルクC5rpから考える
と、次式で表わせる。
(I/R)・=μ・W・R−C5・r・p …(6) ただし、Iは車輪の慣性モーメント,Rは車輪半径,
は車輪加速度,rはブレーキパッドを車輪回転中心との
距離、Pはブレーキ圧力,C5は定数である。
(6)式より、|μ−μR|及びμ+μを求める
と、次式となる。
|μ−μR|=A|PL−PR| +B|WLWR| …(7) μ+μ=A(PL+PR) +B|WLWR| …(8) ここで車輪加速度W,車体速度は次式より表わせ
る。たたし、Sはスリップ率,WBは車体全体の荷重であ
る。 =(1−S) …(9) m=WB・(μ+μ)/2 …(10) よって、(7),(8)式は、 |μ−μR|=A|PL−PR| …(11) (μ+μ)=A′(PL+PR) …(12) となる。
従って、基本後輪操舵角θRSBは、(5)式に(1
1),(12)式を代入することにより、 θRSB=C6・|PL−PR|/(PL+PR) …(13) となる。
以上の説明より、制動時における車両進路の変化を、
微小な後輪操舵により最小限に抑制するに必要な後輪操
舵角θRSBは、左右車輪のブレーキ圧力の差ΔP(=|PL
−PR|)と、ブレーキ圧力の絶対値の和|P|(=PL+PR
によって、前述した式(1)に基づいて算出できること
が分かる。
なお、上述の例では、後輪の操舵角は左右前輪のブレ
ーキ圧差及びブレーキ圧の絶対値から算出していたが、
左右後輪のブレーキ圧も考慮しても良い。例えば、左右
前輪ブレーキ圧差|ΔPF|・WFと左右後輪ブレーキ圧差
|ΔPR|・WRとの平均の値、及び左右前輪のブレーキ圧
絶対値|PF|・WFと左右後輪のブレーキ圧絶対値|PF|・WR
との平均の値から後輪操舵角を算出しても良い。またこ
の時、ΔPFとΔPRの符号が異なる場合は後輪操舵を行わ
ず、後輪を中立位置に戻す様にしても良い。ただし、W
F:前軸荷重,WR:後軸荷重である。
次に本発明の他の実施例として、ブレーキ圧センサを
用いないブレーキ制御について説明する。
この実施例の全体構成は第1図の構成よりブレーキ圧
センサ8a〜8dを除いたものとなる。電子制御回路17は第
14図にフローチャートで示すような処理および動作を一
定周期、例えば32msごとに行う。以下、左前輪を例とし
て上記実施例と同様に1周期分の処理動作を順に説明す
る。
(1)目標油圧値Pyを各輪毎に設定すると共に、ブレー
キ制御中であることを示すフラグを設定する(ステップ
201)。目標油圧値Pyは車輪速センサ10a〜10dの電圧信
号とROM17a内に予め格納された基準値とにもとづいて次
のように設定される。
すなわち、VBを車体速度、VWを車輪速度とし、また
K1,K2,K3,K4,K5をそれぞれ定数とすれば、下記(1a),
(2a)式から求まるWP,PMEDをパラメータとする下記(3
a)式によりPyを求めるようにする。
WP =K1×(VW−VB+K2)+K3 ×() ……(1a) PMED=PMED+K4×WP ……(2a) Py =PMED+K5×WP ……(3a) ここで、車体速度VBは車輪速度VWから推定し、または
車体速度センサなどから直接的に求めるようにする。
(2)現在の推定油圧値Px(後述の如く、目標油圧値Py
より間接的に設定される)からPmax,Pminを求める(ス
テップ202)。Pmaxはデューティ比100%、つまり増圧指
令部分のみからなる指令信号を2位置電磁弁7a〜7dに出
力した場合に周期終了時点で到達すると予想される推定
油圧値であり、Pminはデューティ比0%、つまり減圧指
令部分のみからなる指令信号を2位置電磁弁7a〜7dに出
力した場合に、周期終了時点で到達すると予想される推
定油圧値である。
(3)目標油圧値PyとPmax,Pminとを大小比較する(ス
テップ203)。
(4a)Py≦Pminの場合には、デューティ比Dを0%、つ
まり減圧指令部分のみからなる指令信号を作成するため
のデューティ比に設定し(ステップ204)、Pminを推定
油圧値Pxとする(ステップ205)。
(4b)Py≧Pmaxの場合には、デューティ比Dを100%、
つまり増圧指令部分のみからなる指令信号を作成するた
めのデューティ比に設定する(ステップ206)。PmaxをP
xとする(ステップ207)。
(4c)Pmin<Py<Pmaxの場合には、デューティ比Dを第
5図に示すPxとPyとの関係を表わすマップ(必要に応じ
て補間演算を追加する。)から求め、ステップ201にて
設定したPyをPxとする(ステップ209)。
ここで、dは一周期32msにおける増圧時間を表わすパ
ラメータであり、デューティ比D=100×d/32となる。
なお、ここでマップの代わりの演算式は次の式で表わ
される。
Py=(Px+0.344d)×0.5e0.0217d (5)前記ステップ204,206または208にて設定されたデ
ューティ比Dにもとづく励磁電流パルスを2位置電磁弁
7a〜7dに出力する(ステップ210)。
このような処理動作をすることにより、第15図に示す
ように、仮にホイールシリンダ9の油圧が制御開始時点
でPx0′であり、かつ制御上において初期値がPx0であっ
ても、デューティ比D=di/T(i=1,2,……)を逐次設
定し、このデューティ比Dにもとづく励磁電流パルスを
出力してゆくと、経時にしたがって、実際の油圧に制御
上の油圧が等しくなる方向に近づく。
このようにして、車両の各輪が最適のスリップ率とな
る様にブレーキ圧を制御して、各輪独立にアンチスキッ
ド制御を行う。
この際、前述の実施例の後輪操舵制御については、本
実施例ではブレーキ圧センサから得ていたブレーキ圧信
号(例えば第8図ステップ601のPFR,PFL)信号に代え
て、第16図に第8図の変更フローチャートを示す如く、
上述のブレーキ制御に用いる前輪の目標油圧値PyFR,P
yFLを代用しており、他の処理手順は上記実施例と同様
である。この場合、ブレーキ圧センサが不要となり、構
成が簡単化されるというメリットが得られる。
なお、ブレーキ圧信号として、目標油圧値Pyの代わり
に現在の推定油圧値Pxを用いることもできる。
上記の各実施例では、ブレーキ制御と後輪操舵制御を
一つのCPUで制御したが、それぞれ別々のCPUを持つ電子
制御回路で制御する構成としても良い。
さらに、上述の実施例では、後輪の操舵を行うように
したが、例えばFR(前輪操舵後輪駆動)車のブレーキ制
御で、前2輪は独立にブレーキ制御を行い、後輪は左右
とも同一のブレーキ圧で制御を行う方式の場合には、独
立でブレーキ制御を行っている前輪を、路面μの補正の
ために操舵する様にしても良い。更に前後輪両方で行な
ってもよい。
また、上述の実施例では、左右後輪の操舵角を同一に
したが、左右輪それぞれ独立に設定可能である。すなわ
ち、車両進路を修正する横力を得る上で、横力の大きい
高μ路側の操舵角を大きく、低μ路側の操舵角を小さく
設定することも可能である。
また、上述実施例の2つの左右後輪操舵用アクチュエ
ータ12を1つにし、1つのアクチュエータに対する電磁
弁11c,11dも1つにしてもよい。また、上述実施例の2
つの左右後輪操舵用アクチュエータ12を、共通の電磁弁
11c,11dで制御してもよい。
また、電磁弁11,流量制御弁を設けてアクチュエータ1
2の移動量すなわち操舵角を制御してもよい。
また、後輪操舵は、油圧アクチュエータの代わりに電
動モータ,圧電素子等の駆動装置で行ってもよい。
なお、基本後輪操舵角θRSBは、左右輪のブレーキ圧
差|ΔP|とブレーキ圧の絶対値|P|とを用いて算出した
が、|P|に代えて、横力やホイールトルク(車輪軸回り
のモーメント)を直接的に検出してもよい。横力を検出
するセンサとしては、サスペンションアームの歪を検出
する歪ゲージ、あるいはアームへ作用する力を直接計測
するロードセル、あるいはアームの変位を計測するポテ
ンショメータなとが考えられる。これのセンサからの信
号をブレーキ圧の絶対値に代用しても、同様の制御が可
能である。
〔発明の効果〕
以上述べた如く本発明は、独立にアンチスキッド制御
をしている左右輪のブレーキ圧力差及びブレーキ圧力の
絶対値に応じて、車両の後輪あるいは前輪を操舵し車両
の進路を補正するようにしているので、左右輪の接地す
る路面の摩擦係数μが異なるまたぎ路で急制動を行った
場合においても、車両進路が偏向してしまうことがな
く、安全に制動できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体構成図、第2図は
本発明の一実施例の概略構成を示す全体構成図、第3図
はブレーキ圧制御装置の部分構成を示す図、第4図はブ
レーキ制御の処理手順を示すフローチャート、第5図は
ブレーキ圧制御用電磁弁の駆動デューティ比の特性を示
す図、第6図は操舵制御装置の構成を示す図、第7図、
第8図、及び第10図は後輪操舵制御の処理手順を示すフ
ローチャート、第9図(a),(b),(c)は後輪操
舵制御の説明に供する特性図、第11図は車速と転舵比と
の関係を示す特性図、第12図(a),(b)は、操舵角
と制動力との関係、操舵角と横力との関係をそれぞれ示
す特性図、第13図は車両重心を中心としたモーメントを
示す図、第14図は本発明の他の実施例におけるブレーキ
制御の処理手順を示すフローチャート、第15図は第14図
の実施例におけるブレーキ圧制御用電磁弁の駆動デュー
ティ比の特性を示す図、第16図は第14図の実施例におけ
る後輪操舵制御の処理手順の要部を示すフローチャート
である。 2……油圧ポンプ,6……マスタシリンダ,7a〜7d……ブ
レーキ圧制御用電磁弁,8a〜8d……ブレーキ圧センサ,9
……ホイールシリンダ,10a〜10d……車輪速センサ、11a
〜11d……操舵制御用電磁弁,12……操舵用アクチュエー
タ,13……車輪,15a,15b……操舵角センサ,16……ステア
リングセンサ,17……電子制御回路,17a……CPU,17d……
ROM,17e……RAM。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪及び後輪の少なくとも一方の車輪の左
    右輪のブレーキ用液圧をそれぞれ独立に制御するアンチ
    スキッド制御装置を備えた車両において、 アンチスキッド制御時に、左右輪のブレーキ用液の圧力
    をそれぞれ検出する圧力検出手段と、 前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、左右輪
    のブレーキ用液圧の圧力差及びブレーキ用液圧の絶対値
    を算出する補正用圧力値算出手段と 前記補正用圧力値算出手段からの前記左右輪のブレーキ
    用液圧の圧力差及びブレーキ用液圧の絶対値に応じて、
    車両進路の偏向を抑制すべく後輪あるいは前輪の補正操
    舵角を算出する補正操舵角算出手段と、 前記補正操舵角に応じて前記車両の後輪あるいは前輪を
    補助操舵する操舵手段とを備えたことを特徴とする車両
    の補助操舵装置。
  2. 【請求項2】前記ブレーキ用液圧の圧力差は、左右各輪
    の前記ブレーキ用液圧をブレーキ圧センサにて検出して
    算出することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    車両の補助操舵装置。
  3. 【請求項3】前記ブレーキ用液圧の圧力差は、前記ブレ
    ーキ制御時に算出された左右各輪の前記ブレーキ用液圧
    の目標値の差から検出するようにしたことを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の車両の補助操舵装置。
  4. 【請求項4】前記後輪あるいは前輪の補正操舵角は、前
    記ブレーキ用液圧の圧力差とブレーキ用液圧の絶対値、
    更に車両速度から算出することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の車両の補助操舵装置。
  5. 【請求項5】前記車両の前後左右の四輪ともに独立にブ
    レーキ制御を行い、前輪のブレーキ用液圧の圧力差と後
    輪のブレーキ用液圧の圧力差との平均値より、前記補正
    操舵角を算出することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の車両の補助操舵装置。
  6. 【請求項6】前記車両が四輪操舵機構を有し、前記ブレ
    ーキ制御操舵機構に基づいて算出された後輪操舵角を、
    前記ブレーキ用液圧の圧力差と、その圧力差の符号と、
    前輪のステアリング切り角方向の3つから算出される前
    記補正操舵角により補正することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の車両の補助操舵装置。
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