JP2545574Y2

JP2545574Y2 - 緩衝器のマウント部構造

Info

Publication number: JP2545574Y2
Application number: JP1990053978U
Authority: JP
Inventors: 信男森
Original assignee: Showa Corp
Current assignee: Showa Corp
Priority date: 1990-05-23
Filing date: 1990-05-23
Publication date: 1997-08-25
Anticipated expiration: 2005-05-23
Also published as: JPH0413839U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は車両等に使用する緩衝器のマウント部構造に
関する。

（従来の技術）従来の緩衝器のマウント部としては、例えば第４図及
び第５図に示すように、ピストンロッドである中空ロッ
ド101の先端部にワッシャ102及びマウントジョイント10
3を取付け、ワッシャ102の下側にはマウントラバー104
を配設し、またマウントジョイント103の側部には中空
ロッド101の油孔101aと連通する連結ホース接続孔107を
軸方向と直角に径方向に形成し、この連結ホース接続孔
107には図示しないサブタンクに連通する連結ホース108
を接続している。

更に、マウントジョイント103の上面にはアクチュエ
ータブラケット109を配設して中空ロッド101に螺着した
ナット110にてマウントジョイント103との間に挟持し、
このアクチュエータブラケット109には中空ロッド101内
部に挿通した操作ロッド114を介して減衰力を調整する
アクチュエータ111をボルト112及びナット113で取付け
ている。

そして、マウントラバー104を取付けたマウントケー
ス115にはマウントベース116に取付け、このマウントベ
ース116をマウントボルト117にて車体に取付けて緩衝器
を車体に取付ける。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、上述したマウント部構造においては、
第５図に示す中空ロッド101先端部のスリ割り部118に対
して、アクチュエータブラケット109と連結ホース108を
個別的に位置決めしなければならないため、作業製が悪
く、また同図に示すようにアクチュエータブラケット10
9及び連結ホース108が仮想線図示のように取付けられ、
中空ロッド101に対するアクチュエータ111及び連結ホー
ス108の位置決め誤差が大きくなるという不都合があ
る。

そこで、本考案の目的は、ピストンロッドに対するア
クチュエータ及び油供給用の連結ホースの周方向位置の
位置決めを簡単にしかも精度良く行える緩衝器のマウン
ト部構造を提供することにある。

（課題を解決するための手段）上記課題を解決するため本考案は、ピストンロッドの
先端部には互いに平行な平面をピストンロッドの軸芯か
ら径方向の距離を異ならせて形成し、マウントジョイン
トにはピストンロッドの二つの平面に嵌合する異径穴を
形成した。

（作用）ピストンロッドの先端部にその軸芯から径方向の距離
を異ならせて形成した互いに平行な平面に、マウントジ
ョイントの異径穴を嵌合することによって、アクチュエ
ータと連結ホースの周方向の位置決めを簡単に行うこと
ができ、しかも、ピストンロッドにマウントジョイント
をナットで固定する際に、マウントジョイントの回転力
をピストンロッドの二つの平面で受けるため、回転力を
分散することができ、二つの平面と異径穴とのがたが生
じにくく、位置決めを精度良く行うことができる。

また、二つの平面は、ピストンロッドの軸芯から径方
向の距離を異ならせてあるため、マウントジョイントを
取付けるときに向きを間違えて組み付けることがなくな
る。

（実施例）以下に本考案の実施例を添付図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案に係るマウント部構造を適用した緩衝
器の一部断面正面図、第２図は同マウント部の拡大断面
図、第３図は同マウント部のアクチュエータ以下の上面
図である。

第１図において、緩衝器１は、シリンダ1a内に上方か
らピストンロッドである中空ロッド２を挿通し、この中
空ロッド２の下端部にはシリンダ1a内周面に摺接する図
示しないピストンを装着している。

そして、中空ロッド２の先端部にはワッシャーを一体
成形してなるマウントジョイント３を取付けている。こ
のマウントジョイント３の取付けは、第３図に示すよう
に、中空ロッド２の先端部には互いに平行な平面2b,2c
を形成し、この平面2b,2cはそれぞれ中空ロッド２の軸
芯から径方向の距離L1,L2（L1＞L2又はこの逆でもよ
い）を異ならせて形成し、マウントジョイント３には中
空ロッド２の平面2b,2cが嵌合すべき異径穴５を形成し
て、マウントジョイント３の異径穴５を中空ロッド２の
平面2b,2cに嵌合する。そして、第２図に示すように、
中空ロッド２の先端部に形成したおねじ2dにナット４を
螺合して、中空ロッド２にマウントジョイント３を固定
する。

第２図において、マウントジョイント３の側部には中
空ロッド２の油孔2aと連通する連結ホース接続孔６を中
空ロッド２の軸芯から斜め上方に向けて形成し、この連
結ホース接続孔６には連結ホース７の一端部を接続し、
連結ホース７の他端部はサブタンク８（第１図参照）に
接続している。

連結ホース接続孔６の周方向の形成位置は、第３図に
示すように、平面2b,2cと平行で軸芯を通る直線から角
度αだけ平面2c側である。

また、このマウントジョイント３の連結ホース接続孔
６を形成したホース取付け面3aは、垂直面から所定角度
だけ傾斜させた傾斜面とし、このホース取付け面3aには
連結ホース接続孔６にメクラ栓或いは連結ホース７を装
着するための取付けボルト9,9を螺着するねじ孔（不図
示）を形成している。

ホース取付け面3aの傾斜角は、取付けボルト9,9を螺
着したときに取付けボルト9,9の頭部がマウントジョイ
ント３の外周面3bから突出しない角度とする。

更に、第２図に示したように、中空ロッド２の先端に
はアクチュエータ10を配設し、このアクチュエータ10
は、マウントジョイント３上面との間に２本のカラー1
1,11を介設し、前記第３図に示したように、平面2b,2c
と平行で中空ロッド２の軸芯を通る直線上のマウントジ
ョイント３上面に形成したねじ孔12,12に止めねじ13,13
（第２図参照）を螺着して固定している。

第２図において、アクチュエータ10は、中空ロッド２
内に挿通したアジャスタロッド14を介して減衰力を調整
する。

また、中空ロッド２の先端にはアクチュエータ10の下
面との間をシールするパッッキン15を取付け、中空ロッ
ド２とアクチュエータ10との間からの水、ダスト等の異
物が侵入しないようにして、アジャスタロッド14の操作
性が悪化すること等を防止している。

そして、マウントジョイント３の下側には中空ロッド
２の外周にインナベース17を嵌装し、このインナベース
17にはマウントラバー18を固着し、このマウントラバー
18の外周にはアウタベース19を固着し、このアウタベー
ス19はマウントケース20に嵌着し、このマウントケース
20をマウントベース22に取付け、このマウントベース22
をマウントボルト23にて図示せぬ車体に取付けて、緩衝
器１を車体に取付ける。

第１図において、マウントベース22の外縁部からはカ
ラー25を垂下させ、このカラー25の下端にはダストカバ
ー26の上端部及びカバー27の上端部を固着し、カバー27
の下端部内周面をシリンダ1a外周面に摺接させている。
また、マウントケース20の下側にはカバー28内にストッ
パラバー29を配設している。

以上のように、中空ロッド２の先端部にこの中空ロッ
ド２の軸芯から径方向の距離を異ならせて平面2b,2c
（第３図参照）を形成し、マウントジョイント３には中
空ロッド２の平面2b,2cに嵌合する異径穴５を形成し
て、マウントジョイント３の異形穴５を中空ロッド２の
平面2b,2cに嵌合して、マウントジョイント３を中空ロ
ッド２に取付けるので、マウントジョイント３の中空ロ
ッド２に対する周方向位置が固定される。

また、マウントジョイント３にアクチュエータ10を取
付けるためのねじ孔12,12を開けたので、アクチュエー
タ10のマウントジョイント３に対する周方向位置が固定
される。

したがって、中空ロッド２内に対する連結ホース７及
びアクチュエータ10の周方向位置の位置決めを簡単に行
うことができ、しかも、中空ロッド２にマウントジョイ
ント３をナット４で固定する際に、マウントジョイント
３の回転力を中空ロッド２の二つの平面2b,2cで受ける
ため、回転力を分散することができ、二つの平面2b,2c
と異径穴５とのがたが生じにくく、位置決めを精度良く
行うことができる。

また、二つの平面2b,2cは、中空ロッド２の軸芯から
径方向の距離を異ならせてあるため、マウントジョイン
ト３を取付けるときに向きを間違えずに組み付けること
ができる。

（考案の効果）以上説明したように本考案によれば、ピストンロッド
先端の周面に互いに平行な平面部をピストンロッドの軸
芯から径方向の距離を異ならせて形成し、マウントジョ
イントにピストンロッドの二つの平面に嵌合する異径穴
を形成したので、ピストンロッドの平面にマウントジョ
イントの異径穴を嵌合することによって、アクチュエー
タと連結ホースの周方向の位置決めを簡単に行うことが
でき、しかも、ピストンロッドにマウントジョイントを
ナットで固定する際に、マウントジョイントの回転力を
ピストンロッドの二つの平面で受けるため、回転力を分
散することができ、二つの平面と異径穴とのがたが生じ
にくく、位置決めを精度良く行うことができる。

また、二つの平面は、ピストンロッドの軸芯から径方
向の距離を異ならせてあるため、マウントジョイントを
取付けるときに向きを間違えずに組み付けることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るマウント部構造を適用した緩衝器
の一部断面正面図、第２図は同マウント部の拡大断面
図、第３図は同マウント部のアクチュエータ以下の上面
図、第４図及び第５図は従来の緩衝器の要部断面図及び
アクチュエータブラケット以下の上面図である。尚、図面中、１は緩衝器、1aはシリンダ、２はピストン
ロッド（中空ロッド）、３はマウントジョイント、2b,2
cは平面、４はナット、５は異径穴、６は連結ホース接
続孔、７は連結ホース、８はサブタンク、10はアクチュ
エータ、11はカラー、12はねじ孔、13は止めねじ、15は
パッキンである。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車体に緩衝器を取付けるためのマウントジ
ョイントに、前記緩衝器内にオイルを出し入れするため
の配管を接続し、前記マウントジョイントと減衰力調整
用アクチュエータとを緩衝器のピストンロッド先端のお
ねじ部にナット部材を螺着して固定した緩衝器のマウン
ト部構造において、前記ピストンロッド先端の周面に互
いに平行な平面をピストンロッドの軸芯から径方向の距
離を異ならせて形成し、前記マウントジョイントにピス
トンロッドの二つの前記平面部に嵌合する異径穴を形成
したことを特徴とする緩衝器のマウント部構造。