JP2544990B2 - 繊維処理用油剤 - Google Patents

繊維処理用油剤

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JP2544990B2 JP2116367A JP11636790A JP2544990B2 JP 2544990 B2 JP2544990 B2 JP 2544990B2 JP 2116367 A JP2116367 A JP 2116367A JP 11636790 A JP11636790 A JP 11636790A JP 2544990 B2 JP2544990 B2 JP 2544990B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、繊維処理用油剤に関し、更に詳しくいえ
ば、糸状繊維製品に優れた柔軟性と平滑性を付与し、編
立て性や製織性を向上せしめる繊維処理用油剤に関す
る。
〔従来の技術〕
一般に、糸状繊維製品を編み立てや製織により織物の
生産する場合には、糸条に好ましい柔軟性と平滑性がな
いと編立て性や製織が困難となる。特に、先晒あるは先
染糸状は、柔軟性と平滑性が不足するため、先晒あるい
は先染後に、各種のワックス、油脂、界面活性剤等から
なる柔軟剤や平滑剤を、チーズ染機、あるいは噴出式染
機を用いてオイリングを行い、糸状に柔軟性及び平滑性
を付与することが行われている。
しかし、近年においては編み立て及び製織が高速化さ
れ、且つより複雑な織物の生産が増加している。例え
ば、エアージェットルームのような高速織機での製織や
縄編みのような複雑な編み立てでは、前記従来の繊維処
理用油剤では柔軟性及び平滑性が不十分で、編織性が極
めて困難となり、得られた編物の品位も極度に劣る。
この問題点に対する一般的な対処法としては、従来の
繊維処理用油剤、例えば、アンモニウム塩のジステアリ
ルジメチルアンモニウムクロリドを用いたもの(特公平
1−23585号公報、特開昭62−69882号公報等)、アーコ
ベル型柔軟剤を用いたもの、ステアリン酸とN−アミノ
エチルエタノールアミンの1:1モル脱水縮合物を用いた
もの(特開昭58−60070号公報等)を高温度で糸条にオ
イリングすることが試みられていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、この方法では、糸条に対して油剤が不均一、
ムラ付着となり、高付着した部位では油剤の粉化現象を
引き起こし、糸条の黄変や変色にまで至ることがあり、
製品品位を極めて損なう。また、部分的に油剤付着量が
少ない部位では、編み立てや製織中に糸切れを生じ生産
効率が低下するのみならず、仕上がり製品の品位も頗る
低下するものであった。
更には、従来技術の油剤では、糸条への吸着性が劣る
(例えば、付着率で処理濃度の40%以下)ためオイリン
グ後の廃液中に高濃度の油剤が残存し廃液処理が困難と
なる等の問題も間起していた。
以上より、糸条製品のオイリング工程において油剤の
付着が均一で柔軟性及び平滑性に優れた繊維処理用油剤
が得られていないのが実情である。
本発明は、前記観点に鑑みてなされたものであり、柔
軟性、平滑性及び吸着性を向上させた繊維処理用油剤で
ある。即ち、優れた柔軟性及び平滑性により、高速編織
や複雑な編物を可能にし、均一で高吸着することによ
り、製品品位向上、油剤使用量の減少による経済効果、
及び排水処理負担の軽減を図ることができる繊維処理用
油剤を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、糸条への付着性と処理油剤組成との関
係について、鋭意研究を重ねた結果、高速編織や複雑な
編物を高能率高品位に生産できる優れた柔軟性、平滑性
及び吸着性を付与する組成物を見出して本発明を完成し
た。
即ち、本第1発明に係ある繊維処理用油剤は、次の
(a)一般式で表されるアミンアシルアミド; R1CONHCnH2nNR2(R3) (但し、R1は炭素原子数が11〜23のアルキル基又はアル
ケニル基であり、R2、R3は炭素原子数が1〜4のアルキ
ル基であり、nは2〜5の整数である。)、 (b)融点が40〜110℃のワックス、及び (c)界面活性剤、を含有することを特徴とする。
本第2発明に係わる繊維処理用油剤は、前記一般式で
表されるアミンアシルアミド、ワックス及び界面活性剤
の全体を100重量部とした場合、(a)アミンアシルア
ミドが5〜50重量部、(b)ワックスが40〜80重量部、
(c)界面活性剤が10〜40重量部の割合で含有されるこ
とを特徴とする。
前記アミンアシルアミドは、糸条に吸着性、均一付着
性を付与するための成分である。また、この成分は糸条
に好ましい柔軟性を付与するとともに、ワックスに基づ
く平滑性を阻害しない作用を有する。
前記一般式において、基R1の炭素原子数を11〜23とし
たのは、11未満では良好な柔軟性が得られず、一方23を
越えると水溶性が劣るため安定な処理液が得られないか
らである。また、このアミンアシルアミドは、炭素原子
数が11〜23のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪
酸と、ジアミンとを脱水縮合して得られる化合物であ
る。このジアミンとしては、ジメチルアミノプロピルア
ミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノ
プロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチ
ルアミノネオペンチルアミン(ジメチルアミノ2,2−ジ
メチル1−プロピルアミン)、ジエチルアミノ2−ペン
イルアミン等を用いることができる。
このアミンアシルアミドの含有量は、5〜50重量%
(以下、単に%という。)であることが適当である。こ
れが5%未満では油剤の吸着性が低下して柔軟性及び平
滑性が悪くなり、一方50%を越えると平滑成分であるワ
ックスの量が少なくなるため十分な平滑性が得られない
からである。
前記ワックスは、主として糸条に平滑性を付与するた
めの成分である。本発明において使用されるワックス
は、融点が40〜110℃の範囲が適当である。融点が40℃
未満では平滑性が不足し、110℃を越えると乳化安定
性、特に機械安定性が低下して糸条に均一付着し難くな
り、パウダリングが発生し易くなるからである。
また、このワックスとしては、天然及び合成の炭化水
素ワックス、グリセリド及びロウ並びにこれらの酸化物
や酸変性物質等を挙げることができる。天然ワックスと
しては、牛脂或いは豚脂を水素添加した水素添加硬化
油、密ロウ、水添鯨ロウ、カルナバワックス、キャンデ
ィリアワックス、木ロウ、ぬかロウ等の動植物性ワック
ス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、モンタンワックス、セリシンワックス等の鉱物性ワ
ックスを挙げることができる。また、合成ワックスとし
ては、低分子量のポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワッスス、フィッシャードプシュ法によるワックス等
を挙げることができる。
このワックスの含有量は、40〜80%の範囲が適当であ
る。これが40%未満では平滑性が不十分となり、一方80
%を越えると柔軟性或いは乳化安定性が低下するからで
ある。前記界面活性剤(c)は、前記各成分を水に安定
に乳化させるために使用される。本発明において使用さ
れる界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤及び/
又はカチオン系界面活性剤が適当である。
このノニオン系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪
酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、プロピレングリコールペンタエリス
リトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキチエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油(硬化ヒマシ油)、ポリオキシエチレンラノリン
(ラノリンアルコール)、ポリオキシエチレンミツロウ
誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合体、
ポリオキシエチレンペンタエリスリトール脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノ
ールドアミド等を挙げることができる。
カチオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
アルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩、アルキル
ベンジルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルキル
ピリジウム塩、アルキルキノリウム塩、アルキルイミダ
ゾリウム塩、アルキルアルカノールアミン塩、アシルア
ミン塩、ポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩等
を挙げることができる。
前記界面活性剤の含有量は、10〜40%の範囲が適当で
ある。この含有量が10%未満では乳化安定性が低下し、
糸条に油剤が均一付着しなくなりパウダリング発生の原
因となる。また、その含有量が40%を越えると吸着性を
阻害し或いは前記アミンアシルアミドとワックスの含有
量が必然的に少なくなって柔軟性及び平滑性が得られな
くなり、更にまた排水処理の負担が大きくなるので好ま
しくない。
本発明の油剤には、前記必須成分以外に、防腐剤、増
粘剤、消泡剤、防黴剤、及び酸化防止剤等を適宜含有す
ることができる。
本発明の油剤を用いて糸条を処理するには、例えば油
剤を水中に乳化して5〜50%濃度のエマルションとして
吸尽法により給油する。吸尽法としては、噴射型、回転
バック型、チーズ型、ウインス型染色機等が適当であ
る。処理液の調製は、給油時に希釈して使用するが、直
接給油して使用してもよい。給油量は繊維糸条に対して
0.1〜10%が適当である。また、処理温度は10〜95℃が
適当である。
〔実施例〕
以下実施例及び比較例により本発明を具体的に説明す
る。
実施例1 (1)アミド含有油剤(B)の調製 窒素吹き込み管、温度計、撹拌機、定量滴下装置及び
冷却管付き脱水口を具備した1反応フラスコに、酸価
202の工業用ステアリン酸555.6g(約2モル)を仕込
み、窒素ガスを吹き込みながら撹拌下で160℃に加熱し
た。次いで、定量滴下装置によりジメチルアミノプロピ
ルアミン224.4g(約2.2モル)を90分間要して滴下しな
がら脱水縮合反応を行い、更に、液温を170℃として5
時間を要してこの反応を終了した。反応終了後、5〜10
mmHgの減圧下、120〜130℃で未反応物を留去した。
得られた生成物は、酸価4、アミン価151、融点61℃
であった。この反応生成物(A)を赤外線吸収スペクト
ル(IR)、薄総クロマトグラフィー(TLC)及び元素分
析(窒素)等により分析した結果、ステアリン酸ジメチ
ルアミノプロピルアミドであることが確認された。
次いで、この反応生成物(A)10重量部と水88重量部
とを撹拌下で90℃まで加熱し、酢酸2重量部を添加した
後、室温まで冷却して本発明のアミド含有油剤(B)を
得た。
(2)平滑剤(C)の調製 平滑剤としてワックスエマルション(C)を以下の方
法で調製した。
パラフィンワックス(融点140℃)18%を80〜90℃に
加熱し、 牛脂硬化油(融点45℃)3%、 ステアリン酸モノグリセライド2%、 オレイン酸ジエタノールアミド2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:14モル付
加)4%及び ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:0.9モル付
加)1%、を添加した後、80〜90℃の水70%加えて撹拌
し予備乳化した。次いで、ガウリンホモジナイザーで処
理し、室温まで吸冷却して本発明の平滑剤含有液(C)
を得た。
(3)性能評価 以上により調製したアミド含有油剤(B)と平滑剤含
有液(C)を、第1表に示すように所定量混合して、ア
クリル50/綿50%の20番手双糸のアクリル片染め糸(ピ
ンク色)にオイリングした後、オイリング糸の物性を評
価し、その結果を第1表に示す。
尚、この場合の試験方法は次のページ以降に示す。
この結果によれば、未処理糸(試験例No.5)と比べ
て、他の試験例No.1〜4は、いずれも動摩擦係数、編成
性及び編み立て性が優れた。特に、アシルアミドの含有
率が40.0%(No.2)、19.2%(No.3)の場合は全ての性
能が著しく優れる。尚、その含有率が62.5%(No.1)、
4.0%(No.4)の場合は、編み立て性がNo.1、4と比べ
ると劣るが、未処理糸と比べると良好であり、更に、動
摩擦係数、編成性は、未処理糸と比べて約1.3〜1.4倍優
れる。
〔試験方法〕 オイリング条件 処理方法:カセ糸に処理 浴比: 1:10 処理温度×時間:40℃×15分間、カセ糸を油剤浴に浸漬 後処理:遠心脱水後100℃×30分間乾燥 評価方法 付着油分:イソプロパノール/ベンゼン混合液でソック
スレー抽出した(%)。
付着率:(付着油物/油剤純分処理濃度)×100(%)
で求めた。
動摩擦係数(μd100):糸走行法により調べたものであ
る。尚、この場合の測定条件は、接触角が180度、摩擦
端子が25mmφのステンレス丸棒、糸速度が100mm/minで
ある。
編成性:編成性試験機を用い、糸速度100mm/minで測定
した。
編み立て性:横編み機を用い縄編みをして評価した。
実施例2〜5及び比較例1〜4 (1)各種油剤の調製 実施例2の油剤の調製 実施例1で得られた反応生成物(A)を用いて、実施
例1と同様にガウジンホモジナイザー処理をして以下の
組成の実施例2の油剤を調製した。
パラフィンワックス(融点130℃)16%、 精製キャンデリアワックス1%、 マイクロクリスタリンワックス(融点200℃)1%、 オレイン酸ジエタノールアミド2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:14モル付
加)3%、 反応生成物(A)7%、 酢酸1.4%及び水68.6%。
実施例3の油剤の調製 実施例1と同様にして、酸価202の工業用ステアリン
酸1モルと、シブチルアミノプロピルアミン1モルとを
脱水縮合して反応生成物(D)のステアリン酸ジブチル
アミノプロピルアミドを得た。
この反応生成物(D)を用いて、実施例1と同様の操
作により、以下の組成の実施例3の油剤を調製した。
パラフィンワックス(融点140℃)18%、 牛脂硬化油(融点45℃)3%、 ステアリン酸モノグリセライド2.5%、 ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド1%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:14モル付
加)3%、 反応生成物(D)2.5%、 酢酸0.5%及び水69.5%。
実施例4の油剤の調製 実施例1と同様にして、酸価202の工業用ステアリン
酸1モルと、ジメチルネオペンチルアミン1モルとを脱
水縮合して反応生成物ステアリン酸ジメチルアミノネオ
ペンチルアミド(E)を得た。
この反応生成物(E)を用いて、実施例1と同様の操
作により、以下の組成の実施例4の油剤を調製した。
パラフィンワックス(融点125℃)14%、 精製カルナバワックス3%、 オレイン酸ジエタノールアミド1.5%、 ステアリン酸モノグリセライド2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:12モル付
加)2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:18モル付
加)2.5%、 反応生成物(E)5%、 酢酸1.1%及び水68.9%。
実施例5の油剤の調製 実施例1と同様にして、酸価165の工業用ベベヘニン
酸1モルと、ジエチルアミノエチルアミン1.1モルとを
脱水縮合して反応生成物ベヘニン酸ジエチルアミノエチ
ルアミド(F)を得た。
この反応生成物(F)を用いて、実施例1と同様の操
作により、以下の組成の実施例5の油剤を調製した。
パラフィンワックス(融点130℃)17%、 精製密ロウ2%、 ステアリン酸モノグリセライド1%、 N−ヒドロキシエチルアミノエチルステアリン酸酢酸
塩1%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:12モル付
加)1%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:14モル付
加)2%、 反応生成物(F)6%、 酢酸1.1%及び水68.7%、 比較例1の油剤の調製 ステアリン酸1モルとN−アミノエチルエタノールア
ミン1モルとを脱水縮合して柔軟剤成分(イ)を合成し
た。
この柔軟剤成分(イ)を用いて、実施例1と同様の操
作により、以下の組成の比較例1の油剤を調製した。
パラフィンワックス(融点130℃)15%、 牛脂硬化油(融点45℃)2%、 オレイン酸ジエタノールアミド1%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:12モル付
加)2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:14モル付
加)4%、 柔軟剤成分(イ)6%及び水70%。
比較例2の油剤の調製 本比較例においては、アーコベル型柔軟剤を柔軟剤成
分(ロ)として用いて、実施例1と同様の操作により、
以下の組成の比較例2の油剤を調製した。ここで、アー
コベル型柔軟剤とは、ステアリン酸とアミノエチルエタ
ノールアミンとを加熱縮合させ、これに尿素を化合させ
たものを酢酸で中和したカチオン系柔軟剤をいう。
パラフィンワックス(融点140℃)17%、 精製キャンデリアワックス1%、 マイクロクリスタリンワックス(融点200℃)1%、 オレイン酸ジエタノールアミド2.5%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:14モル付
加)4.5%、 柔軟剤成分(ロ)4%、 酢酸1.4%及び水68.6%。
比較例3の油剤の調製 本比較例においては、ジステアリルジメチルアンモニ
ウムクロリドを柔軟剤成分(ハ)として用いて、実施例
1と同様の操作により、以下の組成の比較例3の油剤を
調製した。
パラフィンワックス(融点125℃)15%、 精製カルナバワックス3%、 ステアリン酸モノグリセライド2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:12モル付
加)2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:18モル付
加)3%、 柔軟剤成分(ハ)5%及び水70%。
比較例4の油剤の調製 本比較例においては、前記比較例3で用いた柔軟剤成
分(ハ)を用いて実施例1と同様の操作により、以下の
組成の比較例4の油剤の調製をした。
パラフィンワックス(融点125℃)15%、 精製カルナバワックス3%、 ステアリン酸モノグリセライド2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:12モル付
加)2%、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO:18モル付
加)3%、 柔軟剤成分(ハ)5%及び水70%。
(2)性能評価 実施例2及び比較例1の性能比較 実施例2の油剤と比較例1の油剤を、アクリル50%/
綿50%の20番手双糸のアクリル片染め糸(ベージュ色)
にバルギー噴射式カセ染機でオイリングした。そして、
第2表に示す項目について以下に述べる具体的方法によ
り評価をし、その結果を第2表に示す。CODの測定方法
は、JIS K0102の17:過マンガン酸カリウムによる酸素
消費量(CODMn)によった。
その結果によれば、実施例2の油剤では、処理の濃度
(みかけ)8%o.w.f(純分2.4%o.w.f)で油剤の付着
量が2.1%(付着率87.5%)であり、ムラ付着もない。
また、横編み機で縄編みしたところ極めて高能率で編み
立てができ編み布は極めて高品位のものが得られた。
一方、比較例1の油剤の場合には、処理濃度10%o.w.
f(純分2.4%o.w.f)で油剤の付着量及び付着率は、著
しく少なかった。また、縄編み中に糸切れを起こし編み
立て性不良になるとともに、編み上がった布は極めて品
位の悪いものとなった。また、比較例1の油剤で、処理
濃度15%o.w.f(純分4.5%o.w.f)でオイリングしたと
ころ、噴射口周辺に当たるカヤ糸に部分的に油剤が多く
付着し、乾燥後、付着油剤が粉化現象を起こし、糸条が
部分的に変色して品質が極めて劣るものとなった。
更に、オイリング後の油剤廃液のCODは、実施例2の
油剤の場合は、比較例1の油剤の場合の14%と極めて少
なかった。
実施例3及び比較例2の性能比較 実施例3の油剤と比較例2の油剤を、ポリエステル50
%/綿50%の45番手単糸の青色染色糸に、油剤濃度(み
かけ)10%o.w.f(純分3%o.w.f)で、チーズ染機でオ
イリングした後、この糸を緯糸としてエアージェットル
ームにより製織した。
その結果、実施例3の油剤では、製織効率が98%とな
り織上がり布の品位は、A級のものが得られた。一方、
比較例2の油剤の場合には、緯糸に起因する織機の停止
台数が多くなり、製織効率は65%となり、織上がり布の
品位は、B級であった。
実施例4、5及び比較例3、4の効果 実施例4、実施例5、比較例3及び比較例4について
実施例1の場合と同様の性能試験を行った。この結果を
第3表に示す。尚、同表中の油剤の処理濃度は、いずれ
もみかけ濃度8%(純濃度;2.4%)である。
この表に示すように、実施例4、5では、比較例3、
4と比べて、付着油分及び付着率が著しく大きく、動間
擦係数も小さく、編み立て性も良好であった。
尚、本発明においては、前記具体的実施例は例示に過
ぎず、これに示すものに限られず、目的、用途に応じて
本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができ
る。
〔発明の効果〕
本発明の油剤は、糸条に優れた柔軟性、平滑性及び吸
着性を付与することができる。即ち、優れた柔軟性及び
平滑性いより、高速編織や複雑な編物を可能にし、優れ
た吸着性により、製品品位向上、油剤使用量の減少によ
る経済効果、及び排水処理の負担の軽減を図ることが可
能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 159:06 129:16 133:16) C10N 20:00 40:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)以下の一般式で表されるアミンアシ
    ルアミド; R1CONHCnH2nNR2(R3) (但し、R1は炭素原子数が11〜23のアルキル基又はアル
    ケニル基であり、R2、R3は炭素原子数が1〜4のアルキ
    ル基であり、nは2〜5の整数である。) (b)融点が40〜110℃のワックス、及び (c)界面活性剤、を含有することを特徴とする繊維処
    理用油剤。
  2. 【請求項2】前記(a)アミンアシルアミド、(b)ワ
    ックス及び(c)界面活性剤の全体を100重量部とした
    場合、 (a)アミンアシルアミドが5〜50重量部、 (b)ワックスが40〜80重量部、 (c)界面活性剤が10〜40重量部の割合で含有されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の繊維処理用油剤。
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