JP2544926B2 - 新規なホスフイノピロリジン化合物およびそれを用いた不斉合成法 - Google Patents

新規なホスフイノピロリジン化合物およびそれを用いた不斉合成法

Info

Publication number
JP2544926B2
JP2544926B2 JP62131546A JP13154687A JP2544926B2 JP 2544926 B2 JP2544926 B2 JP 2544926B2 JP 62131546 A JP62131546 A JP 62131546A JP 13154687 A JP13154687 A JP 13154687A JP 2544926 B2 JP2544926 B2 JP 2544926B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmol
compound
asymmetric
group
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62131546A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6419085A (en
Inventor
一雄 阿知波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP62131546A priority Critical patent/JP2544926B2/ja
Publication of JPS6419085A publication Critical patent/JPS6419085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2544926B2 publication Critical patent/JP2544926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規なホスフイノピロリジン化合物および
それを用いた新規な不斉合成法に関する。
さらに詳しく云えば、本発明は、炭素−炭素二重結合
構造、炭素−窒素二重結合構造および(又は)炭素−酸
素二重結合構造を有する化合物を接触還元することによ
り不斉炭素原子を有する化合物を生成せしめる反応を行
うにあたり、触媒として使用する金属錯体化合物におけ
る配位子として用いられる一般式、 又は (式中、R1は、水素原子、−CO−R′、−COOR″、−CO
NHR又は−SO2−R′であり、R′、R″、Rおよ
びR′は、それぞれアルキル基又はアリール基を表わ
し、R2およびR3は、それぞれ、ハロゲン原子、低級アル
キル基又は低級アルコキシ基で置換されていてもよいフ
エニル基であり、R4およびR5は、それぞれシクロヘキシ
ル基である) で表わされる新規なホスフイノピロリジン化合物に関す
るものであり、また、この新規なホスフイノピロリジン
化合物を配位子として用いることを特徴とする接触還元
による新規な不斉合成法に関するものである。
従来、合成化学の分野において光学活性化合物を直接
合成することのできる不斉還元反応に関する幾多の研究
がなされている。その一つとして、多くのビスホスフイ
ン配位子が合成されて、その配位子と各種の金属との組
合せを用いて不斉還元反応が試みられているが、不斉収
率(光学収率)及び反応効率(註:反応速度に関して、
反応速度が遅いと使用量が多くなるため、その関係を示
す方法の一つとして、基質と配位子のモル比で表わした
もの)を同時に満足させる配位子はまだ見出されていな
い。〔B.Bosnich著「アシンメトリツク・カタリシス」M
artinus Nijhoff Publishers Boston 1986年、19頁〜31
頁〕 本発明者は、不斉還元反応において、不斉収率と反応
効率の両者を同時に満足し得る不斉合成法の開発を課題
として鋭意研究を行ったところ、本発明により、上記課
題を解決し得る優れた配位子としての新規なホスフイノ
ピロリジン化合物を提供することに成功し、したがっ
て、これを用いて行う新規な不斉合成法を提供するに至
った。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、本発明により、従来に例を見ない全く新
規な技術思想に基づく不斉合成法を提供することに成功
したものであるが本発明に係る新規なホスフイノピロリ
ジン化合物は、この不斉合成法において極めて優れた配
位子として使用される化合物である。
本発明者によるビスホスフイン系の配位子の反応機構
に関する詳細な研究結果から、配位子の分子構造の中に
不斉収率を向上させる部位と反応効率を向上させる部位
とが存在することが明らかにされた。前記一般式(I)
又は(I′)で表わされるホスフイノピロリジン化合物
は、上記の配位子として極めて優れた性質を示す。これ
についてさらに詳細に説明すれば、前記式中、 で表わされるホスフイン基が不斉収率を向上させること
に影響する部位であり、 で表わさせるホスフイン基が反応効率を向上させること
に影響する部位であることが本発明者による研究の結果
判明した。R2、R3が芳香族の基である場合でR4、R5が脂
環式の炭化水素基である場合に不斉収率と反応効率の両
者を満足させる結果が得られることも判った。
不斉ビスホスフインと金属錯体を触媒とする不斉還元
反応機構に関して、例えば、ビスホスフイン−ロジウム
錯体の配位構造についての考察によると、イタコン酸を
基質としたBPPM((2S,4S)−N−tert−ブトオキシカ
ルボニル−4−ジフエニルホスフイノ−2−ジフエニル
ホスフイノメチルピロリジン)−ロジウムでの不斉還元
反応の重要な中間体の構造は下記の様に表示することが
できる。
即ち、不斉還元されるオレフインのシス位のジフエニ
ルホスフイン基、(P2)は新しく形成される不斉誘起の
不斉場の形成に役立ち、一方、ジフエニルホスフイン基
(P1)はオレフイン基に対してトランス位にある構造を
持っている。
具体例としてケトパントラクトンの不斉還元反応によ
るR−(−)−パントラクトンの合成法について考察す
るとこの合成法においては下記式で示される重要な中間
体が考えられる。
(テトラヘドロン・レターズ4431頁(1977)、ケミスト
リー・レターズ297頁(1978)) 本発明者は、不斉ビスホスフインとして、まず、先に
述べたBPPMを合成し、ロジウム−1,5−シクロオクタジ
エン−クロル錯体との組合せにより、R−(−)−パン
トラクトンを不斉収率80.5%、反応効率、基質/Rh=102
(モル比)で不斉還元を行ったが不斉収率は比較的良い
ものの反応効率の面において工業的に必ずしも満足でき
るものではないことが判った。又、一方、谷等(J.Che
m.Soc.Chem.Commun.1641頁(1984))は、2個のジシク
ロヘキシルホスフイン基を持つ対称不斉ビスホスフイン
配位子、(2S,4S)−N−アシル−4−ジシクロヘキシ
ルホスフイノ−2−ジシクロヘキシルホスフイノメチル
ピロリジン(BCCP)、を合成して、BPPMの場合と同様に
不斉還元してR−(−)−パントラクトンを不斉収率66
%、反応効率、基質/Rh=2×102(モル比)でt 1/2=2
0分で得たことを報告している。これは先のBPPMの場合
とは逆に、反応効率においてやや改善されているものの
不斉収率において非常に劣り、これも工業的に用いるに
は不充分である。
本発明者は、ビスホスフイン−ロジウム錯体の配位構
造についての先に述べた考察より、不斉反応を受ける官
能基のシス位に配位するホスフイン基(P2)は不斉収率
を支配し、一方トランス位に配位するホスフイン基
(P1)はその官能基の反応効率(反応速度)を支配し得
ると考え、前記一般式(I)又は(I′)で表わされる
各種のホスフイノピロリジン化合物を合成した。そのピ
ロリジン化合物とロジウム−1,5−シクロオクタジエン
−クロル錯体との組合せにより、ケトパントラクトンの
不斉還元を用い、例えば、R−(−)−パントラクトン
の場合について言えば、不斉収率91〜95%、反応効率、
基質/Rh=105(モル比)で進行し、その還元反応が不斉
収率、反応効率の両面において、工業的に実施する上に
極めて優れたものであることを見出した。
また、下記の表1に示したように、表1の下の式で
示されるBCPPを合成し、BPPM(表1の下の式)、BCPM
(表1の下の式)、BCCP(表1の下の式)の各化合
物との比較実験を行った結果、BCPMが他の三者に比較し
て、優れた結果をもたらすことが認められた。
前記一般式(I)又は(I′)で表わされるホスフイ
ノピロリジン化合物において、式中のR′、R″、R
、R′の各アルキル基の例としては、C1〜C6のアル
キル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert−ブチル等があ
げられ、アリール基の例として、フエニル基があげられ
る。これらのアルキル基又はアリール基は、置換基とし
てハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基な
どを有することができる。
R2およびR3はそれぞれ、置換基を有することのある同
一もしくは異なったフエニル基であり、その置換基とし
ては、ハロゲン原子、水酸基、低級アルキル基又は低級
アルコキシ基である。R4およびR5はそれぞれシクロヘキ
シル基である。
本発明に係る新規なホスフイノピロリジン化合物を配
位子として用いた不斉合成法において、接触還元反応を
行う方法につき、ケトパントラクトンよりパントラクト
ンを構成せしめる場合を例にとって説明すると、接触還
元反応を行う際の一般的溶媒、例えば、水、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸、酢酸
エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、
トルエン等を溶媒として用い、その50ml中にケトパント
ラクトン100ミリモルおよび配位子としてのホスフイノ
ピロリジン化合物0.01ミリモル〜0.001ミリモルを溶解
する。これにロジウム金属錯体化合物、例えば、ロジウ
ム−1,5−ヘキサジエン−クロル錯化合物あるいはロジ
ウム−1,5−オクタジエン−クロル錯化合物など0.005ミ
リモル〜0.0005ミリモルを加え、常圧でもしくは加圧下
で、反応温度、好ましくは20℃位で、水素添加反応を行
う。反応終了後、溶媒を留去し、残留物を適宜、処理す
ると反応生成物としてD−パントラクトンが高収率で得
られる。
本発明に係る前記一般式(I)又は(I′)で表わさ
れるホスフイノピロリジン化合物は、下記の図(スキー
ム1、スキーム2)に示す工程により製造することがで
きる。(前記一般式において、式中の である場合の化合物を例にとって説明する) 各スキーム中の式において、 Msは−SO2−CH3を示し、 Cyはシクロヘキシルを示し、 Phはフエニルを示す。
R=H (CPM) R=CONHCH3 (MCCPM) R=SO2CH3 (MSCPM) R=CONHt−Bu(BCCPM) R=CO2t−Bu(BCPM) R=CONHPh (PCCPM) R=CO2CH3 (MCPM) R=COCH3 (ACPM) R=CO2Ph (PCPM) R=COt−Bu (PVCPM) R=COPh (BZCPM) スキーム1について説明すると、L−4−ヒドロキシ
プロリンを常法に従ってエチルエステル〔II〕となし、
これをメタンスルホニルクロリドで反応させ〔III〕を
得る。〔III〕をリチウムアルミニウムヒドリドで還元
して〔IV〕とし、これにt−ブチルジメチルシリルクロ
リド、次いでメタンスルホン酸クロリドを反応させ
〔V〕を得る。〔V〕をクロロジフエニルホスフインと
反応させ〔VI〕とする。〔VI〕におけるリンを過酸化水
素にて酸化し、次いでロジウム触媒にてベンゼン環を接
触還元して〔VIII〕を得る。これにメタンスルホニルク
ロリドを反応させた後、クロロジフエニルホスフインを
用いて〔IX〕を得る。〔IX〕から各種の〔I〕又は
〔I′〕で表わされるピロリジン化合物が得られる。例
えば、〔IX〕をトリクロロシランで還元することにより
MSCPMが得られ、また、〔IX〕を48%臭化水素酸で処理
して〔X〕とした後、トリクロロシランで還元するとCP
Mが得られる。このCPMに、更にカルボン酸のハロゲン化
物又は無水物又はイソシアネートを作用せしめることに
より容易に各種の〔I〕を得ることができる。〔I′〕
はD−4−ヒドロキシプロリンを出発原料として同様の
方法で製造することができる。
スキーム2について説明すると、L−4−ヒドロキシ
プロリンよりJ.Org.Chem.,46巻2954頁(1981年)に記載
の方法に従い、アロ−4−ヒドロキシ−D−プロリンエ
チルエステル塩酸塩を合成する。
これをメタンスルホニルクロリドを用いて(2R,4R)
−N−メタンスルホニル−4−メタンスルホニルオキシ
プロリンエチルエステルとする。これをテトラエチルア
ンモニウムアセテートと反応させ(2R,4S)−N−メタ
ンスルホニル−4−アセトキシプロリンエチルエステル
とする。これをリチウムアルミニウムヒドリドで還元し
(2R,4S)−N−メタンスルホニル−4−ヒドロキシ−
2−ヒドロキシメチルピロリジン〔IV′〕を得る。
〔IV′〕は前述のスキーム1における(2S,4R)−N
−メタンスルホニル−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシ
メチルピロリジン〔IV〕から〔IX〕,〔I〕へと導びく
反応と同様にして〔IX′〕,〔I′〕へと導びくことが
できる。
以下に、本発明に係る新規なホスフイノピロリジン化
合物の製造例ならびに得られた各化合物の分析データ
(後記表2)を示す。
例1(MSCPMの製造) a) (2S,4R)−N−メタンスルホニル−4−ヒドロ
キシプロリンエチルエステル〔III〕の製法 (2S,4R)−4−ヒドロキシプロリンエチルエステル
塩酸塩19.56g(0.1モル)をピリジン200mlに入れ攪拌
し、氷冷下メタンスルホニルクロリド12.03g(0.105モ
ル)をゆっくり滴下する。氷冷下6時間攪拌した後室温
で一夜攪拌する。ピリジンを減圧下で留去した後、氷冷
下10%塩酸を加え、酢酸エチル200mlで3回抽出する。
抽出した酢酸エチル部は飽和食塩水40mlで洗い、硫酸マ
グネシウムで乾燥する。減圧濃縮し乾燥する。18.7g(7
8.9%)融点111〜113℃、酢酸エチルで再結晶すると融
点118〜120℃である。
b) (2S,4R)−N−メタンスルホニル−4−ヒドロ
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン〔IV〕の製造 リチウムアルミニウムヒドリド3.98g(0.105モル)を
テトラヒドロフラン360mlに加え攪拌する。これにテト
ラヒドロフラン200mlに(2S,4R)−N−メタンスルホニ
ル−4−ヒドロキシプロリンエチルエステル〔III〕16.
6g(0.07モル)を溶解した液を氷冷下にゆっくり滴下す
る。この懸濁液を0℃3時間、次いで室温で3時間攪拌
後、氷冷下水14mlを少量ずつ滴下し30分攪拌する。不溶
物を除去し減圧濃縮乾固し、油状物11.9g(87%)を得
る。
c) (2S,4R)−N−メタンスルホニル−2−tert−
ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−メタンスルホ
ニルオキシピロリジン〔V〕の製造 (2S,4R)−N−メタンスルホニル−4−ヒドロキシ
−2−ヒドロキシメチルピロリジン〔IV〕7.81g(0.04
モル)、4−ジメチルアミノピリジン195mg(1.6ミリモ
ル)、トリエチルアミン4.86g(0.048モル)をテトラヒ
ドロフラン160mlに加え、攪拌する。これにtert−ブチ
ルジメチルシリルクロリド6.63g(0.044モル)を加え、
室温で一夜攪拌する。減圧濃縮後、残留物に水40mlを加
え、酢酸エチル120mlで3回抽出後、飽和食塩水40mlで
洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮乾固する。
これをピリジン100mlに溶かし氷冷下攪拌しながらメタ
ンスルホニルクロリド5.05g(0.044モル)をゆっくり滴
下する。室温で一夜放置した後氷冷下、10%塩酸400ml
を加え、酢酸エチル150mlで3回抽出する。水150ml、飽
和炭酸水素ナトリウム75ml、飽和食塩水75mlで洗い、硫
酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮乾固し、油状物1
2.56g(81%)イソプロピルエーテルとn−ヘキサンの
混合溶媒より結晶化すればm.p.51.5〜52.5℃の結晶が得
られる。▲〔α〕20 D▼=−28.57゜(c=1、EtOH) d) (2S,4S)−N−メタンスルホニル−2−tert−
ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ジフエニルホ
スフイノピロリジン〔IV〕の製造 クロロジフエニルホスフイン11.39g(0.052モル)と
ナトリウム2.6g(0.114モル)をジオキサン150mlに加え
る。窒素雰囲気で4時間還流させる。放冷後、テトラヒ
ドロフラン50mlを加え、氷冷下テトラヒドラフラン100m
lに(2S,4R)−N−メタンスルホニル−2−tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル−4−メタンスルホニル
オキシピロリジン〔V〕10.45g(0.027モル)を溶かし
た液を空気が入らない様にして滴下する。窒素雰囲気
で、0℃、2時間、次いで室温で一夜攪拌した後不溶物
を除去する。減圧濃縮しシリカゲルクロマトで精製す
る。油状物7.93g(62%) e) (2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−ジフエ
ニルホスフイニル−2−ヒドロキシメチルピロリジン
〔VII〕の製造 メタノール180mlに(2S,4S)−N−メタンスルホニル
−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−
ジフエニルホスフイノピロリジン〔VI〕8.39g(0.0176
モル)を溶かし、氷冷下10%過酸化水素11.85g(0.0348
モル)を滴下する。0℃1時間次いで室温1時間攪拌
後、35%塩酸8.6g、水52.7g、メタノール38.7gの混合液
をゆっくり滴下する。室温で2時間攪拌後、不溶物を除
去し減圧濃縮する。濃縮物を水50mlに溶かし、メチレン
クロリド100mlで3回抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム
で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮後白色
の結晶を得る。エタノール−イソプロピルエーテルの混
合溶媒で再結晶する。5.3g(80%)融点138〜139℃ f) (2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−ジシク
ロヘキシルホスフイニル−2−ヒドロキシメチルピロリ
ジン〔VII〕の製造 オートクレーブに(2S,4S)−N−メタンスルホニル
−4−ジフエニルホスフイニル−2−ヒドロキシメチル
ピロリジン〔VII〕1.70g(4.5ミリモル)と5%Rh/Al2O
3 850mgをエタノール20mlに加え、150℃、水素圧150気
圧で2日間攪拌する。反応液は精密濾過し、濾液を濃縮
後、シリカゲルクロマト(溶媒エタノール)にかけ有機
溶媒に溶けない部分と分離する。溶出液は減圧濃縮後乾
固する。結晶1.50g(84%)が得られる。
g) (2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−シクロ
ヘキシルホスフイニル−2−ジフエニルホスフィニルメ
チルピロリジン〔IX〕の製造 (2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−シジクロヘ
キシルホスフイニル−2−ヒドロキシメチルピロリジン
〔VIII〕1.4g(3.6ミリモル)をピリジン20mlに溶かし
氷冷下、メタンスルホニルクロリド0.82g(7.2ミリモ
ル)を滴下する。0℃で3時間次いで室温で一夜攪拌し
た後氷冷下に10%HCl 70mlを加える。これを酢酸エチル
80mlで3回抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水30ml、水
30mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮
し白色結晶1.24g(74%)を得る。次にクロロジフエニ
ルホスフイン1.88g(8.52ミリモル)と金属ナトリウム3
92mg(17.04ミリモル)をジオキサン20mlに加え、窒素
雰囲気で3時間還流する。放冷後、テトラヒドロフラン
20mlを加え、−20〜−30℃でジメチルホルムアミド20ml
に先に得た結晶(2S,4S)−N−メタンスルホニル−4
−ジシクロヘキシルホスフィニル−2−メタンスルホニ
ルオキシメチルピロリジンを溶かした液を空気が入らな
い様にして滴下する。窒素雰囲気で−20〜−30℃一夜攪
拌後、不溶物を除去し減圧濃縮する。酢酸エチル50mlで
3回抽出後、水50mlで洗浄し、減圧濃縮する。次いで10
%過酸化水素2.45g(7.2ミリモル)を用い製造例1の
e)と同様にして操作を行い結晶を得る。982mg(80
%) h) (2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−ジシク
ロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチ
ルピロリジン(MSCPM)の製造 (2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−ジシクロヘ
キシルホスフイニル−2−ジフエニルホスフイニルメチ
ルピロリジン〔IX〕115mg(0.2ミリモル)とトリエチル
アミン85mg(0.84ミリモル)をアセトニトリル8mlに溶
かし、充分に窒素置換を行う。氷冷下アセトニトリル2m
lに溶かしたトリクロロシラン108mg(0.8ミリモル)を
滴下する。3時間還流後、反応液を室温に戻し減圧濃縮
する。得られた生成物をベンゼン15mlに溶かし氷冷下30
%苛性ソーダ10mlを加え、窒素下に50〜60℃で30分攪拌
する。ベンゼン層を分液し、更に水層をベンゼン10mlで
抽出する。ベンゼン層は合せて10mlの水で洗浄後、硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮する。残留物にエタノ
ール−n−ヘキサンを加えて結晶化させる。87mg(80
%)融点139〜142℃〔α〕=−57.9゜(c=1.0,ベン
ゼン) IR;1343cm-1(SO2),1150cm-1(SO2) NMR(CDCl3),δ 0.83−1.95(22H,m,(C6H11) 1.97−2.48(3H,m,CCH2C,CHaHbP,Ha又はHb) 2.60−2.85(1H,m,PCH) 2.76(3H,s,SO2CH3) 2.90−3.36(2H,m,Ha又はHb,CHcHdN Hc又はHd) 3.44−4.04(2H,m,Hc又はHd,NCH) 7.12−7.64(10H,m,(C6H5) 例2(CPMの製造) a) (2S,4S)−4−ジシクロヘキシルホスフイニル
−2−ジフエニルホスフイニルメチルピロリジン〔X〕
の製造 (2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−ジシクロヘ
キシルホスフイニル−2−ジフエニルホスフイニルメチ
ルピロリジン〔IX〕350mg、フエノール700mg、48%臭化
水素酸5.3mlを混合溶解し、窒素雰囲気で8〜10時間還
流する。反応終了後、30%苛性ソーダでアルカリ性と
し、酢酸エチル20mlで3回抽出する。水20ml、飽和食塩
水20mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮す
る。シリカゲルクロマトで精製し結晶を得る。196mg(6
5%) b) (2S,4S)−4−ジシクロヘキシルホスフイノ−
2−ジフエニルホスフイノメチルピロリジン(CPM)の
製造 (2S,4S)−4−ジシクロヘキシルホスフイニル−2
−ジフエニルホスフイニルメチルピロリジン〔X〕50ml
(0.1ミリモル)とトリエチルアミン42mg(0.42ミリモ
ル)をアセトニトリル4mlに溶かし充分に窒素置換を行
う。氷冷下、トリクロロシラン54mg(0.4ミリモル)を
アセトニトリル1mlに溶かし滴下する。3時間還流後、
低温で減圧濃縮する。生成物をベンゼン15mlに溶かし氷
冷下30%苛性ソーダ10mlを加え、窒素雰囲気で50〜60℃
で30分攪拌する。ベンゼン層を分液し、更に水層をベン
ゼン10mlで抽出する。ベンゼン層は合せて10mlの水で洗
浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、生成物
44mg(95%)を得る。
例3 (2S,4S)−N−フエニルカルバモイル−4−ジシクロ
ヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチル
ピロリジン(PCCPM)の製造 例2で得たCPM 46mg(0.1ミリモル)をメチレンクロ
リド1mlに溶かす。これにメチレンクロリド2mlに溶解し
たフエニルイソシアネート13mg(0.11ミルモル)を滴下
し窒素雰囲気で室温で2〜3時間攪拌する。反応液を減
圧濃縮し白色結晶を得る。50mg(86%) 例4 (2S,4S)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシ
クロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメ
チルピロリジン(BCPM)の製造 例3において、フエニルイソシアネートの代りにトリ
エチルアミン11mg(0.11ミリモル)とメチレンクロライ
ド2mlに溶かしたジターシヤリブチルカーボネート24mg
(0.11ミリモル)を用い、他は同様の操作を行って白色
結晶を得る。48mg(85%) 例5 (2S,4S)−N−アセチル−4−ジシクロヘキシルホス
フイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピロリジン
(ACPM)の製造 例3において、フエニルイソシアネートの代りに、ト
リエチルアミン22mg(0.22ミルモル)と無水酢酸11mg
(0.11ミリモル)を用い、他は同様の操作を行って白色
結晶を得る。45mg(88%) 例6 (2S,4S)−N−メトキシカルボニル−4−ジシクロヘ
キシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピ
ロリジン(MCPM)の製造 例3において、フエニルイソシアネートの代りに、ト
リエチルアミン24mg(0.24ミリモル)、クロル炭酸メチ
ルエステル11mg(0.12ミリモル)を用い、他は同様の操
作を行って白色結晶を得る。43mg(83%) 例7 (2S,4S)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘ
キシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピ
ロリジン(MCCPM)の製造 (2S,4S)−4−ジシクロヘキシルホスフイニル−2
−ジフエニルホスフイニルメチル−ピロリジン300mg
(0.60ミリモル)、を例2−b)と同様に反応、後処理
を行いCPMを得る。これをメチレンクロリド8mlに溶解
し、氷冷下メチルイソシアネート38mg(0.66ミリモル)
をゆっくり滴下する。アルゴン気流下室温で2時間攪拌
した。反応液を低温で減圧濃縮後、乾燥した。生成物を
メタノールで再結晶し白色結晶のMCCPMを292mg得た。
(収率96%) 例8 (2S,4S)−N−フエノキシカルボニル−4−ジシクロ
ヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチル
ピロリジン(PCPM)の製造 例7と同様にして得たCPMをベンゼン8mlに溶解し、ト
リエチルアミン146mg(1.39ミリモル)を加える。氷冷
下、クロル炭酸フエニル103mg(0.66ミリモル)をゆっ
くり滴下する。滴下後室温で2時間攪拌する。重曹水で
洗浄、MgSO4で乾燥した後濃縮乾固し、生成物をエタノ
ールで再結晶すると黄白色結晶のPCPM 252mg(72%)を
得た。
例9 (2S,4S)−N−ベンゾイル−4−ジシクロヘキシルホ
スフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピロリジン
(BZCPM)の製造 例8においてクロル炭酸フエニルの代わりに塩化ベン
ゾイルを用い他は同様の操作を行って、生成物をエタノ
ールで再結晶すると白色結晶のBZCPM 281mg(82%)を
得た。
例10 (2S,4S)−N−ピバロイル−4−ジシクロヘキシルホ
スフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピロリジン
(PVCPM)の製造 例8においてクロル炭酸フェニルの代わりに塩化ピバ
ロイル80mg(0.66ミリモル)を用い他は同様の操作を行
い、生成物をエタノールで再結晶すると白色結晶のPVCP
M 271mgを得た。(82%) 例11 (2S,4S)−N−tert−ブチルカルバモイル−4−ジシ
クロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメ
チルピロリジン(BCCPM)の製造 例7において、メチルイソシアネートの代りにtert−
ブチルイソシアネートを用い、他は同様の操作を行い、
生成物をエタノールで再結晶すると白色結晶のBCCPM 24
0mg(71%)を得た。
例12 (2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシ
クロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメ
チルピロリジン(R−BCPM)の製造 J.Org.Chem.,46 2954(1981)に記載の方法で製造し
たアロ−4−ヒドロキシ−D−プロリンエチルエステル
塩酸塩11.74g(0.06モル)をピリジン120mlに入れ攪拌
し、氷冷下、これに、メタンスルホニルクロリド17.2g
(0.15モル)をゆっくり滴下する。室温で一夜攪拌す
る。ピリジンを減圧下で留去した後氷冷下に10%塩酸を
加え、酢酸エチル120mlで3回抽出する。抽出した酢酸
エチル部を飽和食塩水で洗い硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧濃縮し、(2R,4R)−N−メタンスルホニル
−4−メタンスルホニルオキシプロリンエチルエステル
のシラツプ18.26gを得た。これを、テトラエチルアンモ
ニウムアセテート・4水塩17.3g(0.066モル)をベンゼ
ン150mlに加え水分離装置を付けて一夜還流煮沸した溶
液中に加える。還流煮沸を1時間行った後。冷却する。
反応生成物に酢酸エチル150mlおよび水60mlを加え、分
液する。酢酸エチル部を、飽和食塩水で洗い硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、減圧濃縮しシラツプを得る。これ
をシリカゲル300g、酢酸エチル/ベンゼン=1/4〜1/2に
てカラムクロマト精製を行い、(2R,4S)−N−メタン
スルホニル−4−アセトキシプロリンエチルエステルの
シラツプ11.97gを得た。これをTHF 100mlに溶解し、THF
500mlに窒素雰囲気下で0℃で水素化リチウムアルミニ
ウム4.07g(0.107モル)を加えた懸濁液中に滴下する。
氷冷下3時間、室温で3時間攪拌した後、再び氷冷し水
20mlを滴下する。室温で30分攪拌した後、不溶物を除去
し減圧濃縮し、(2R,4S)−N−メタンスルホニル−4
−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン〔I
V′〕のシラツプ8.43gを得た。これを用い、例1の
c)、と同様に反応を行い、(2R,4S)−N−メタンス
ルホニル−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシメチ
ル−4−メタンスルホニルオキシピロリジン〔V′〕結
晶を得た。m.p.55〜56.5℃、▲〔α〕23 D▼=+25.8゜
(c=1,EtOH) 化合物〔V′〕11.63g(0.03モル)を用い、例1の
d)、e)、f)、g)、と同様に操作を行い(2R,4
R)−N−メタンスルホニル−4−ジシクロヘキシルホ
スフイニル−2−ジフエニルホスフイニルメチルピロリ
ジン〔IX′〕の結晶7.51g(0.013モル)を得た。
(2R,4R)−N−メタンスルホニル−4−ジシクロヘ
キシルホスフイニル−2−ジフエニルホスフイニルメチ
ルピロリジン〔IX′〕200mgを用いて、例2、例4と同
様に操作を行い(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボ
ニル−4−ジシクロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニ
ルホスフイノメチルピロリジン(R−BCPM)の結晶を得
た。m.p.174〜177℃、▲〔α〕20 D▼=+38.9゜(c=
1,ベンゼン) 本発明による提供される新規なホスフイノピロリジン
化合物の配位子として用いた新規な不斉合成法により、
炭素−炭素二重結合構造、炭素−窒素二重結合構造およ
び(又は)炭素−酸素二重結合構造を有する化合物を接
触還元して不斉炭素原子を有する化合物を生成させるこ
とができるが、上記の各二重結合を有する化合物の例と
してはケトパントラクトン、ピルビン酸エステル等のα
−ケト酸類、アセト酢酸エチル等のβ−ケト酸類、フエ
ナシルアミン塩酸塩等のα−アミノケトン類、フエナシ
ルアルコール等のα−オキシケトン類などの炭素−酸素
二重結合の還元により不斉誘導される化合物や、イタコ
ン酸などの炭素−炭素二重結合の還元により不斉誘導さ
れる化合物や、アセトフエノンベンジルイミンなどの炭
素−窒素二重結合の還元による不斉誘導される化合物が
あげられる。本発明により提供される新規な不斉合成法
におけるこの水素化反応において、反応系に対し金属錯
体化合物と配位子とを別々に加えてもよく、また、金属
錯体化合物と配位子とをあらかじめ触媒錯体化合物とし
て調製し、それを反応系に加えてもよい。
この水素化反応においては必要に応じトリエチルアミ
ン等の添加物を加えて反応の進行の効率化をはかること
ができる。
上記の接触還元の手段それ自体は、通常化学技術分野
で知られかつ、使用されている方法が用いられ、格別に
特定はされない。
以下に本発明により提供される新規な不斉合成法の実
施例を掲げる。
実施例 1 ケトパントラクトンの不斉接触還元 テトラヒドロフラン50ml中にケトパントラクトン12.8
g(100ミリモル)、ロジウム−1,5−シクロオクタジエ
ン−クロル錯化合物1mg(0.0025ミリモル)と製造例4
で得られた(2S,4S)−N−tert.−ブトキシカルボニル
−4−ジシクロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホ
スフイノメチルピロリジン(BCPM)3.1mg(0.0055ミリ
モル)を加え、オートクレーブに入れる。水素気流中、
初圧50気圧、室温で攪拌振盪する。反応終了後溶媒を留
去した後、生成したD−パントラクトンを減圧蒸留にて
得る。12.6g(97%)〔α〕=−48.1゜(不斉収率94.
3%ee) 実施例 2 ケトパントラクトンの不斉接触還元 ベンゼン50ml中にケトパントラクトン12.8g(100ミリ
モル)、ロジウム−1,5−ヘキサジエン−クロル錯化合
物1mg(0.0025ミリモル)と製造例1−h)で得られた
(2S,4S)−N−メタンスルホニル−4−ジシクロヘキ
シルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピロ
リジン(MSCPM)3.0mg(0.0055ミリモル)を加えて、オ
ートクレーブに入れる。以後実施例1と同様に操作し、
D−パントラクトン12.4g(95%)を得た。〔α〕
−42.1゜(不斉収率82.5%ee) 実施例 3 ピルビン酸プロピルエステルの不斉還元反応 ベンゼン50mlにピルビン酸プロピルエステル13.0g(1
00ミリモル)、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−
クロル錯体1mgと製造例4で得られた(2S,4S)−N−te
rt−ブトオキシカルボニル−4−ジシクロヘキシルホス
フイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピロリジン
(BCPM)3.1mg(0.0055ミリモル)を加え、オートクレ
ーブに入れる。以後、実施例1と同様に操作し、乳酸プ
ロピルエステルを得た。12.7g(96.2%)〔α〕=+1
0.5゜(不斉収率87%ee) 実施例 4 アセト酢酸エチルの不斉還元反応 アセト酢酸エチル3.90gにロジウム−1,5−シクロオク
タジエン−クロル錯体7.4mg、BCPM22.1mg、メタノール1
0mlを加えオートクレーブに入れる。水素気流下初圧50
気圧、50℃で45時間攪拌する。ガスクロマトグラフイに
て100%変換していることを確認する。溶媒を留去した
後、減圧蒸留しほぼ定量的にβ−ヒドロキシ酪酸エチル
を得る。▲〔α〕23 D▼=−2.67゜(neat)(不斉収率2
6%ee) 実施例 5 フエナシルアルコールの不斉還元反応 フエナシルアルコール0.68gにロジウム−1,5−シクロ
オクタジエン−クロル錯体12mg、BCPM36.8mg、テトラヒ
ドロフラン10mlを加えオートクレーブに入れる。水素気
流中、初圧20気圧、25℃で45時間攪拌する。ガスクロマ
トグラフイーにて100%変換していることを確認する。
溶媒を留去した後、減圧蒸留してフエニルエチレングリ
コールをほぼ定量的に得る。▲〔α〕23 D▼=+26.9゜
(不斉収率66%ee) 実施例 6 フエナシルアミン塩酸塩の不斉還元反応 メタノール10mlにフエナシルアミン塩酸塩1.20g(7
ミリモル)、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−ク
ロル錯体1.7mg(3.5×10-3ミリモル)、(2S,4S)−N
−フエニルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフ
イノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピロリジン(PC
CPM)5.0mg(9.1×10-3ミリモル)、トリエチルアミン
1.8mg(1.8×10-2ミリモル)加えオートクレーブに入れ
る。水素気流中、初圧20気圧、50℃で20時間攪拌する。
TLCで100%変換していることを確認する。減圧濃縮後水
10mlと活性炭0.1gを加え不溶物を去する。液を減圧
濃縮乾固した後ベンゼン10mlを加え結晶を取し2−ア
ミノ−1−フエニルエタノール塩酸塩1.11gを得る。▲
〔α〕23 D▼=+40.1℃(c=5,H2O)(不斉収率82%e
e) 実施例 7 N,N−ジエチルフエナシルアミン塩酸塩の不斉還元 N,N−ジエチルフエナシルアミン塩酸塩1.59g(7ミリ
モル)を実施例6と同様にして還元し、後処理を行いN,
N−ジエチル−2−アミノ−1−フエニルエタノール塩
酸塩1.49gを得た。▲〔α〕23 D▼=+57.5℃(c=5,H2
O) 同様にしてPCCPMのかわりにACPMを用いて同塩酸塩1.4
7gを得た。▲〔α〕23 D▼=+55.9゜(c=5,H2O) 実施例 8 ピルビンアルデヒドジメチルアセタールの不斉還元反応 ピルビンアルデヒドジメチルアセタール1.772g(15ミ
リモル)、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロ
ル錯体3.7mg(7.5×10-3ミリモル)、N−メトキシカル
ボニル−4−ジシクロヘキシルホスフイノ−2−ジフエ
ニルホスフイノメチルピロリジン(MCPM)9.4mg(18×1
0-3ミリモル)およびテトラヒドロフラン10mlをオート
クレーブに入れ、水素気流中、初圧50気圧、50℃で48時
間攪拌する。ガスクロマトグラフイーで100%変換して
いることを確認する。溶媒を留去した後、残留物を減圧
蒸留し(b.p.110〜120℃、150mmHg、bulb−to−bul
b)、α−アルコキシアセタール体をほぼ100%の化学収
率で得た。▲〔α〕23 D▼=+4.62゜(neat)不斉収率
は、シフト試薬(Eu(hfc))を用いNMRより求めた
(75%ee) 実施例 9 イタコン酸の不斉還元反応 メタノール10mlにイタコン酸1.301g(10ミリモル)、
トリエチルアミン1.4ml(10ミリモル)、ロジウムシク
ロオクタジエンBCPM錯体過塩素酸塩(〔Rh(COD)BCP
M〕+ClO4 -)8.8mg(0.01ミリモル)を加え水素雰囲気
中、1気圧、20℃で20時間攪拌する。減圧濃縮後1N−Na
OH水溶液20mlを加え水溶物を去し、6N−塩酸で酸性と
しエーテルで抽出する。溶媒を留去し2−メチルコハク
酸を定量的に得た。1H−NMRより100%変換されているこ
とが確認された。▲〔α〕22 D▼=−15.51゜(c=2.0
0,EtOH)(不斉収率91.9%ee) なお、本例で使用したロジウム−1,5−シクロオクタ
ジエン−BCPM錯体過塩素酸塩は以下のとおりの方法によ
り調製したものである。
ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−アセチルアセ
トン0.25g(0.8ミリモル)に60%過塩素酸0.087ml(0.8
ミリモル)およびテトラヒドロフラン3mlを加え窒素雰
囲気下で10分間攪拌した。それに、BCPM 0.45g(0.8ミ
リモル)をテトラヒドロフラン1mlに溶解した液を加
え、5分間攪拌した後ジエチルエーテル15mlを加え30分
間攪拌する。これにエーテル15mlを追加しさらに30分間
攪拌した後、結晶を取することにより、黄橙色結晶と
して0.50gが得られた。
実施例 10 α−メチル−N−ベンジリデンアニリンの不斉還元反応 THF 10mlにα−メチル−N−ベンジリデンアニリン0.
59g(3ミリモル)、ロジウム−1,5−シクロオクタジエ
ン−クロル錯体7.4mg、BCPM 22.1mgを加えオートクレー
ブに入れる。水素気流中、初圧50気圧、50℃で45時間攪
拌する。ガスクロマトグラフイーにて100%変換してい
る事を確認する。溶媒を留去後、減圧蒸留しα−メチル
−N−−フエニルベンジルアミンをほぼ定量的に得た。
▲〔α〕23 D▼=−5.05゜(c=2.5,メタノール)(不
斉収率28%ee) 実施例 11〜17 上記実施例と同様にして、行った実施例11〜17につ
き、基質化合物、ロジウム錯体化合物、ホスフイノピロ
リジン配位子化合物、溶媒、反応条件(気圧、温度、時
間)、生成物、旋光度および不斉収率を以下の表3に示
す。
実施例 18 N,N−ジエチルフエナシルアミン塩酸塩1.59g(7ミリ
モル)にメタノール10mlとトリエチルアミン1.8mgとを
加え溶解する。これに、ロジウム−1,5−シクロオクタ
ジエン−クロル錯体1.7mg(0.0035ミリモル)と(2S,4
S)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシル
ホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチルピロリジ
ン(MCCPM)4.8mg(0.0091ミリモル)をメタノール10ml
に溶解した液0.1mlを加える。
全体をオートクレーブに入れ、水素気流中、初圧20気
圧、50℃で20時間攪拌する。TLCで100%変換しているこ
とを確認し、減圧濃縮後、水10mlと活性炭0.1gを加え不
溶物を去する。液を減圧濃縮乾固した後、ベンゼン
10mlを加え、結晶を取し、N,N−ジエチル−2−アミ
ノ−1−フエニルエタノール塩酸塩1.47gを得た。▲
〔α〕23 D▼=+63.1゜(c=5,H2O)(不斉収率98%e
e) 実施例 19 N,N−ジエチルフエナシルアミン塩酸塩1.59g(7ミリ
モル)にメタノール10ml、ロジウム−1,5−シクロオク
タジエン−クロル錯体1.7mg(0.0035ミリモル)、およ
び(2S,4S)−N−フエノキシカルボニル−4−ジシク
ロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフイノメチ
ルピロリジン(PCPM)5.3mg(0.0091ミリモル)を加え
オートクレーブに入れる。水素気流中、5気圧、50℃で
20時間攪拌する。TLCで100%変換していることを確認す
る。後は、実施例18と同様に後処理を行い、N,N−ジエ
チル−2−アミノ−1−フエニルエタノール塩酸塩1.50
gを得た。▲〔α〕23 D▼=+61.1゜(c=5,H2O)(不
斉収率95%ee) 実施例 20 ケトパントラクトンの不斉還元 テトラヒドロフラン50ml中にケトパントラクトン12.8
g(100ミリモル)、ロジウム−1,5−シクロオクタジエ
ン−クロル錯体1mg(0.0025ミリモル)と製造例12で得
られた(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4
−ジシクロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニルホスフ
イノメチルピロリジン(R−BCPM)3.1mg(0.0055ミリ
モル)を加え、オートクレーブに入れる。水素気流中、
初圧50気圧、室温で撹拌振盪する。反応終了後、溶媒を
留去した後、生成したL−パントラクトンを減圧蒸留に
て得る。12.4g(96%)[α]=+47.7゜(不斉収率9
4.1%ee)。
実施例 21 3′−ベンジルオキシ−2−(N−ベンジル,N−メチ
ル)アミノアセトフエノン塩酸塩2.3g(6ミリモル)、
ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体1.5mg
(0.003ミリモル)、(2R,4R)−N−メチルカルバモイ
ル−4−ジシクロヘキシルホスフイノ−2−ジフエニル
ホスフイノメチルピロリジン(R−MCCPM)2.04mg(0.0
039ミリモル)、トリエチルアミン3mg(0.03ミリモ
ル)、メタノール10mlを入れる。全体をオートクレーブ
に入れ、水素圧20気圧、50℃で20時間反応する。窒素置
換し、反応液に活性炭0.7gとエタノール10mlを加え、再
び水素を導入する。10気圧、50℃で3時間撹拌する。反
応液を濾過し、濃縮乾固する。水20ml、活性炭1gを加
え、再び濾過する。減圧濃縮後、ベンゼン20mlを加え、
析出した結晶を懸濁し、白色結晶1.07gを得る(収率88
%)。▲[α]20 D▼=−38.3゜(c=2.0,H2O)。この
結晶をイソプロパノールから再結晶し、光学純度100%
の結晶を収率68%で得る。▲[α]23 D▼=−45.2゜
(c=2.0,H2O)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/315 7419−4H C07C 43/315 67/31 67/31 69/675 69/675 209/52 8517−4H 209/52 211/45 8517−4H 211/45 213/00 7457−4H 213/00 215/30 7457−4H 215/30 217/66 7457−4H 217/66 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 又は (式中、R1は、水素原子、−CO−R′、−COOR″、−CO
    NHR又は−SO2−R′であり、R′、R″、Rおよ
    びR′は、それぞれアルキル基又はアリール基を表わ
    し、R2およびR3は、それぞれ、ハロゲン原子、低級アル
    キル基又は低級アルコキシ基で置換されていてもよいフ
    エニル基であり、R4およびR5は、それぞれシクロヘキシ
    ル基である) で表わされるホスフイノピロリジン化合物。
  2. 【請求項2】前記一般式(I)又は(I′)において、
    R2、R3がフエニル基であり、R4、R5がシクロヘキシル基
    である特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】炭素−炭素二重結合構造、炭素−窒素二重
    結合構造および(又は)炭素−酸素二重結合構造を有す
    る化合物を接触還元することにより不斉炭素原子を有す
    る化合物を生成せしめる反応を行うにあたり、触媒とし
    て使用する金属錯体化合物における配位子として、一般
    又は (式中、R1は、水素原子、−CO−R′、−COOR″、−CO
    NHR又は−SO2−R′であり、R′、R″、Rおよ
    びR′は、それぞれアルキル基又はアリール基を表わ
    し、R2およびR3は、それぞれ、ハロゲン原子、低級アル
    キル基又は低級アルコキシ基で置換されていてもよいフ
    エニル基であり、R4およびR5は、それぞれシクロヘキシ
    ル基である) で表わされるホスフイノピロリジン化合物を用いること
    を特徴とする接触還元による不斉合成法。
  4. 【請求項4】前記の配位子として、前記一般式(I)又
    は(I′)において、R2、R3がフエニル基であり、R4
    R5がシクロヘキシル基であるホスフイノピロリジン化合
    物を用いる特許請求の範囲第3項記載の不斉合成法。
  5. 【請求項5】前記の炭素−酸素二重結合構造を有する化
    合物がケトパントラクトンであり、前記の不斉炭素原子
    を有する化合物がパントラクトンである特許請求の範囲
    第3項記載の不斉合成法。
JP62131546A 1986-06-25 1987-05-29 新規なホスフイノピロリジン化合物およびそれを用いた不斉合成法 Expired - Lifetime JP2544926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62131546A JP2544926B2 (ja) 1986-06-25 1987-05-29 新規なホスフイノピロリジン化合物およびそれを用いた不斉合成法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61147167 1986-06-25
JP61-147167 1986-06-25
JP62-52178 1987-03-09
JP5217887 1987-03-09
JP62131546A JP2544926B2 (ja) 1986-06-25 1987-05-29 新規なホスフイノピロリジン化合物およびそれを用いた不斉合成法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6419085A JPS6419085A (en) 1989-01-23
JP2544926B2 true JP2544926B2 (ja) 1996-10-16

Family

ID=27294570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62131546A Expired - Lifetime JP2544926B2 (ja) 1986-06-25 1987-05-29 新規なホスフイノピロリジン化合物およびそれを用いた不斉合成法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2544926B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0823160A (ja) * 1994-05-06 1996-01-23 Seiko Epson Corp プリント配線板と電子部品の接続方法
US20050197503A1 (en) * 2004-03-05 2005-09-08 Boehringer Ingelheim International Gmbh Process for the preparation of N-alkyl-N-methyl-3-hydroxy-3-(2-thienyl)-propylamines
WO2012074128A1 (en) * 2010-11-29 2012-06-07 Takasago International Corporation Catalyst for asymmetric hydrogenation and method for manufacturing optically active carbonyl compound using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6419085A (en) 1989-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU216288B (hu) Eljárás optikailag aktív metallocenil-foszfinok előállítására
US4879389A (en) Chiral phosphinopyrrolidine compounds and their use for asymmetric synthesis of optically active compounds
EP0369691B1 (en) Process for preparing optically active 3-hydroxybutanoic acid
JP2579677B2 (ja) イソキノリン誘導体
KR20020009485A (ko) 광학 활성 알코올의 제조 방법
WO2005007662A2 (en) Biphosphine ruthenium complexes with chiral diamine ligande as catalysts
CN112110933B (zh) 一种木脂素类天然产物及其中间体、制备方法
CN107382783B (zh) 一种手性β-氨基酸衍生物及其制备方法
JP2544926B2 (ja) 新規なホスフイノピロリジン化合物およびそれを用いた不斉合成法
JP4195231B2 (ja) 光学活性第2級ホスフィンボラン誘導体及びその中間体の製造方法
JPH08245664A (ja) 光学活性非対称ジホスフィン及び該化合物の存在下にて光学活性体を得る方法
JP2924000B2 (ja) 不斉誘起触媒
US4906773A (en) Process for preparing optically active threonine
JP2005518339A (ja) 対応する(Z)エナミドの鏡像選択的水素化によりエナンチオリッチなN−アシル−β−アミノ酸誘導体の製造方法
JP3431749B2 (ja) 新規な1−置換−2−ジフェニルホスフィノナフタレンおよびこれを配位子とする遷移金属錯体
US5210196A (en) Chiral sultams
KR890004125B1 (ko) 신규한 포스피노 피롤리딘 화합물
EP0755937A1 (en) Phosphine-phosphinite compound and process for preparing 4-[(R)-1'-formylethyl]-azetidin-2-one derivatives using the same
JP2981621B2 (ja) ビフェニルビスホスフィン錯体
JP2855221B2 (ja) 光学活性3,4―ビスホスフィノピロリジン化合物
US5942629A (en) Process for producing optically active pyrrolidine derivatives
US5973161A (en) Enantioselective synthesis of cyclopentenes
JP2909764B2 (ja) 新規な不斉配位子
JP3660385B2 (ja) 光学活性アロフェニルノルスタチン誘導体の製造方法
JP3013760B2 (ja) 4−ヒドロキシ−2−ピロリドンの製法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term