JP2544385Y2 - 下扱式脱穀機の扱室外穀粒飛散防止装置 - Google Patents

下扱式脱穀機の扱室外穀粒飛散防止装置

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JP2544385Y2
JP2544385Y2 JP1991014707U JP1470791U JP2544385Y2 JP 2544385 Y2 JP2544385 Y2 JP 2544385Y2 JP 1991014707 U JP1991014707 U JP 1991014707U JP 1470791 U JP1470791 U JP 1470791U JP 2544385 Y2 JP2544385 Y2 JP 2544385Y2
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小郷浩行
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セイレイ工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】本考案は、アンダー式フィー
ドチエンを備えた下扱式脱穀機の扱室外穀粒飛散防止装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】アッパー式のフィードチエンを備える下
扱式脱穀機において、扱室入口ラインより内側方で穀稈
移送口に沿った下唇板の上面個所に、穀稈供給方向に斜
め上向きの傾斜面を有し扱胴の長手方向に対しては直角
の案内面をもつ飛散防止突起を設けて、扱胴の回転によ
って飛散される穀粒の外部逸出を飛散防止突起でもって
阻止し扱室内に還元するようにしたものが知られている
(例えば、実公昭43−20777号公報参照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来のものは、飛散防
止突起によって穀粒の外部逸出を阻止するようにはなっ
ているが、扱室を形成する固定状の下唇板に飛散防止突
起が設けられるので、そうでなくても扱室内の清掃や点
検が行い難いのが飛散防止突起の存在によって益々困難
になるという問題があり、また、扱室の供給口側におけ
る入口板体とフィードチエンとの間の部位などからの穀
粒散逸は防ぎ得ないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、アンダー式フ
ィードチエンを備えた下扱式脱穀機の扱室側板を前方に
延出し、その延出部分が扱室供給口の外方に設置されて
いる入口板体のフィードチエンがわ部分を兼ねるように
形成し、この扱室側板を扱室開放状態に開動できるよう
に設け、開動可能な扱室側板の所定部位に飛散防止突起
を設置することによって、穀粒の外部逸出を飛散防止突
起によって阻止する機能を良好に果たすことができなが
ら、扱室内の清掃点検を容易に行うことができ、また、
扱室の供給口側における穀粒の落下散逸も的確に防ぐこ
とができるようにしている。
【0005】
【考案の実施の形態】本考案の実施例について図面を参
照して説明すると、図5において、ミッションケース
(M)からの動力によって駆動される走行クローラを備
えたフレーム上に脱穀機が搭載されるとともに、前記フ
レームの前方に刈取装置が連設されてコンバインが構成
されている。
【0006】前記ミッションケース(M)の上部横側方
に突出するPTO軸にフィードチエン駆動用の駆動スプ
ロケット(5)が軸着され、この駆動スプロケット
(5)によって前記脱穀機におけるアンダー式のフィー
ドチエン(1)を回動するように構成されていて、脱穀
機の扱室側板(2)を外側方に開放動するときは、前記
フィードチエン(1)を駆動スプロケット(5)から外
し、かつ、フィードチエン(1)の上側に対設されてい
る挟扼レール(6)を上方に退避動させてフィードチエ
ン(1)と共に扱室側板(2)を外側方に開放移動する
ようになっている。
【0007】なお、扱室側板(2)は、その後端部を縦
方向の回動軸(7)に枢支し、該回動軸(7)を支点と
する揺動によって扱室(A)を開放閉塞する方向に動き
得るように設けられ、また、フィードチエン(1)の上
側に対設する挟扼レール(6)及び挟扼レールカバー
(8)は、前記回動軸(7)の上方に位置する横方向の
支持軸(9)を中心として上下回動可能に設けられてい
る。
【0008】扱室側板(2)にはフィードチエン(1)
を支持し案内するチエンガイド(10)が付設され、ま
た、チエンガイド(10)の下面前後部にチエン支持杆
(11)の両端部が支持されて、これら扱室側板(2)
とチエンガイド(10)およびチエン支持杆(11)は
一体的に構成され、チエン支持杆(11)の後部側の折
曲部(11a)が前記回動軸(7)側に取付けられて全
体が横開き可能になっている。
【0009】(12)と(13)はチエンガイド(1
0)の前後端に軸支されたアイドリングローラ、(1
4)はスプリング(15)により附勢されるテンション
ローラであって、フィードチエン(1)は、チエンガイ
ド(10)に支持されアイドリングローラ(12)(1
3)とテンションローラ(14)と駆動スプロケット
(5)とに掛回されている。
【0010】ついで、フィードチエン(1)を弛緩状態
にするのと閉塞状態の扱室側板(2)のロックを解除す
るロック解除機構(X)について説明する。釣針形のロ
ックレバー(16)が、チエン支持杆(11)の前端部
から垂下するブラケット(17)に取付けられて、枢支
軸(18)に嵌着するアーム(19)に溶着され、その
アーム(19)の先端部と前記スプリング(15)とを
連動板体(20)と調節連杆(21)とによって連結し
て、ロックレバー(16)をアーム(19)を介し枢支
軸(18)を支点で回動して図5の状態に操作すると、
スプリング(15)が支点越えしてテンションローラ
(14)がフィードチエン(1)を緊張維持するように
なっている。
【0011】また、挟扼レール(6)と挟扼レールカバ
ー(8)は一体化され、支持軸(9)を支点として上下
動可能に装着されているが、その挟扼レール(6)を上
方に退避された非作用状態とフィードチエン(1)に対
向する作用状態とに変更する姿勢変更機構(Y)に関し
て記載すると、(22)は挟扼レール支持杆で、バネ付
附勢杆(23)によって挟扼レール(6)をフィードチ
エン(1)側に弾圧的に押圧し、機体前壁側の上部にロ
ックプレート(24)を取着し、そのロックプレート
(24)に穿設した長孔(25)にロックアーム(2
6)を前記挟扼レールカバー(8)に枢支した枢支軸
(27)を嵌入して、この枢支軸(27)が長孔(2
5)にそって上下動することによって挟扼レール(6)
は挟扼レールカバー(8)を介して前述のように支持軸
(9)を支点にして上下動するのである。
【0012】(28)はロックアーム(26)から突設
したロックレバー、(29)はこのロックアーム(2
6)の下部から突出する係合ピンで、ロックプレート
(24)の上部側と下部にはこの係合ピン(29)が係
脱する係合部(30)(31)が形成されて、ロックア
ーム(26)には係合ピン(29)を係合部(30)
(31)に係合させる方向に附勢力が作用する騨機(3
2)が連繋されている。
【0013】したがって、「図5」のように、係合ピン
(29)を下部の係合部(31)に嵌合させると騨機
(32)の附勢力によって挟扼レール(6)と挟扼レー
ルカバー(8)は下動位置に保持され、挟扼レール
(6)は前記フィードチエン(1)に対応する作用状態
にロックされる。
【0014】さらに、扱室(A)に穀稈を供給する供給
口(3)の下縁から前方に向け延出する入口板体(4)
の下側には機体前壁にそってロックステー(33)が横
設され、そのフィードチエン(1)側の端部には、特に
「図4」に示すように、前記チエン支持杆(11)が横
側方から係脱し得る切欠部(34)と前記ロックレバー
(16)が嵌合可能のロック凹部(35)がそれぞれ形
設されて、前記扱室側板(2)を「図1」の如く閉塞状
態にしたときそのチエン支持杆(11)の前側部がこの
切欠部(34)に係合し、また、前述のようにロックレ
バー(16)を上方に回動させてテンションローラ(1
4)を緊張状態にしたときロックレバー(16)がロッ
ク凹部(35)に嵌合して扱室側板(2)を閉塞状態で
ロックするようになっている。
【0015】次に、前記扱室側板(2)は、その供給口
(3)側を外側方に延出して供給口(3)から外側方に
延出するところの入口板体(4)のフイードチエン
(1)側を兼用させているもので、この扱室側板(2)
が兼用する延出部と入口板体(4)とが相対応する接合
部は「図3」のように下方に折曲して合せ面(ニ)
(ホ)を形成させ、一方の扱室側板(2)の延出部側か
ら合せ突起(36)を突設し、他方の入口板体(4)側
にはこの突起(36)が嵌脱する合せ穴(37)を設け
てある。
【0016】これによって、扱室側板(2)をフィード
チエン(1)と共に外側方に開放するときは、先ず「図
5」の作用状態にある挟扼レール(6)を姿勢変更機構
(Y)によって上方に退避させて非作用状態にしたの
ち、緊張状態のフィードチエン(1)をロック解除機構
(X)によって弛緩させて駆動スプロケット(5)から
フィードチエン(1)を外すようにする。
【0017】すなわち、姿勢変更機構(Y)のロックレ
バー(28)を上方に向けて操作すると係合ピン(2
9)は係合部(31)から脱し、更に上方に持上げれば
係合ピン(29)は上部側の係合部(30)に係合して
「図6」に示すようにフィードチエン(1)から退避す
る非作用状態となり、ついで「図5」に示すロック解除
機構(X)側のロックレバー(16)を枢支軸(18)
支点で回動させると、アーム(19)・連動板体(2
0)・調節連杆(21)・スプリング(15)を介して
テンションローラ(14)が下動してフィードチエン
(1)を大きく弛緩されて垂れ下がり、駆動スプロケッ
ト(5)から外れるようになる。
【0018】そこで、扱室側板(2)を回動軸(7)支
点で外側方に廻すと、合せ突起(36)は合せ穴(3
7)から抜け、入口板体(4)から解離してフィードチ
エン(1)と共に横開きして「図7」のようになる。ま
た、この横開きの開放状態から閉塞状態にするには前記
の場合と逆の順序で行えばよいのであって、この閉塞に
よって受網(38)は扱室側板(2)によって押圧され
て固定される。
【0019】さらに、実施例のものは「図8」に示すよ
うに、前記挟扼レール(6)の内側部(6a)からその
全長にわたってゴム板または布製の飛散防止体(39)
が付設されていて、供給口(3)から穀稈が横送されな
いときは「図8」のように下端が扱室側板(2)に近接
し、また、穀稈が横送されているときはその横送穀稈に
よって挟扼レール(6)の上動と共に「図9」に示すよ
うになり、何れの場合においても扱口(40)を閉塞状
態にして穀粒および塵埃の飛散防止の役目をしている。
【0020】そして、前述のような扱室側板(2)の供
給口(3)から扱室(A)に入る扱室入口ライン(イ)
より扱室(A)内方側における前記フィードチエン
(1)近くの個所には扱室(A)内に向けて変向する飛
散防止突起(a)が設けられているのであり、その飛散
防止突起(a)は、「図2」と「図1」に記載してある
ように、穀稈が供給口(3)から横送される供給方向
(ロ)に対しては上面が斜め上向きの傾斜面(a1)と
なり、扱動の長手方向(ハ)に対しては内側面が鋭角若
しくは直角の案内面(a2)となるように形設されてい
るのである。
【0021】このような飛散防止突起(a)が設けられ
ることによって、供給口(3)から扱室(A)内を横送
される穀稈は、飛散防止突起(a)の傾斜面(a1)に
沿って扱胴側に持ち上げられながら円滑に移行して扱残
しなく脱穀処理され、扱室(A)内で乱反射しようとす
る穀粒は飛散防止突起(a)によって扱室(A)の内方
側に向けて変向されることとなって、扱室側板の延出
部、つまり、入口板体(4)を兼用する部分に外部逸出
して滞留するようなことがなくなるのである。
【0022】
【考案の効果】本考案は、アンダー式フィードチエンを
備えた下扱式脱穀機の扱室側板を前方に延出し、その延
出部分が扱室供給口の外方に設置されている入口板体の
フィードチエンがわ部分を兼ねるように形成し、この扱
室側板を扱室開放状態に開動できるように設けて、開動
可能な扱室側板の所定部位に飛散防止突起を設置してい
るので、飛散防止突起によって穀粒の外部逸出を確実良
好に阻止することができるものでありながら、飛散防止
突起の存在によって扱室内の清掃点検が行い辛くなるよ
うなことがなくなり、また、扱室の供給口側における穀
粒の落下散逸をも的確に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】要部の平面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のB−B線における断面図である。
【図4】図1のP矢視図である。
【図5】脱穀機をフィードチエン側から見た図である。
【図6】作用説明図である。
【図7】同じく作用説明図である。
【図8】扱口部の断面図である。
【図9】扱口部の作用説明図である。
【符号の説明】
1 フィードチエン 2 扱室側板 3 供給口 4 入口板体 A 扱室 a 飛散防止突起 a1 傾斜面 a2 案内面 イ 扱室入口ライン ロ 供給方向 ハ 長手方向

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンダー式フィードチエン(1)を備え
    た下扱式脱穀機の扱室側板(2)を前方に延出し、その
    延出部分が扱室供給口(3)の外方に設置されている入
    口板体(4)のフィードチエンがわ部分を兼ねるように
    構成すると共に、該扱室側板(2)を扱室開放状態に開
    動できるように設け、且つ、前記扱室側板(2)の扱室
    入口ライン(イ)より内側で前記フィードチエン(1)
    近くの個所に、穀稈供給方向(ロ)には斜め上向きの傾
    斜面(a1)を有し扱胴の長手方向に対しては直角又は
    鋭角となる案内面(a2)をもつ飛散防止突起(a)を
    設置してある下扱式脱穀機の扱室外穀粒飛散防止装置。
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